2024/12/30(月) - 13:11
2024年下半期は歴史的な記録や、新たな偉業に彩られた。ポガチャルがジロ、ツール、世界選手権でトリプルクラウンを達成し、エヴェネプールはパリ五輪でTTとロードの2冠に輝いた。またヴィンゲゴーの復活勝利やログリッチの4度目のブエルタ総合優勝を振り返る。前編はこちらから。
ドーフィネからツールへ(6〜7月)
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クリテリウム・デュ・ドーフィネ総合表彰台 photo:A.S.O.
今シーズンを席巻したヴィンゲゴー、ポガチャル、ログリッチ、エヴェネプール(ビッグフォー)の競演が注目されたツール・ド・フランス。その前哨戦、クリテリウム・デュ・ドーフィネを制したのはプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)だった。
4月のレースでは、ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)とレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が骨折する大規模落車が発生。これに巻き込まれたログリッチは幸い軽傷で済み、ドーフィネを完全制覇して万全の状態でツールに向かった。
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ワンツーフィニッシュを決めたフランク・ファンデンブルーク(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)とロマン・バルデ(フランス) photo:CorVos
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念願の勝利を手に入れたビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) photo:CorVos
対するはジロ・デ・イタリアを大差で総合優勝したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)と、怪我から復帰したヴィンゲゴーとエヴェネプール。ラストツールに臨んだロマン・バルデ(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)の勝利&マイヨジョーヌ着用や、ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ)による黒人アフリカ人初勝利など、序盤から歴史的な瞬間が生まれる大会となった。
ヴィンゲゴーの復活勝利とポガチャルの総合優勝
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集団スプリントを制し、大記録を作ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン) photo:CorVos
4日目で訪れた大会最初の山頂フィニッシュでライバルを退けたのは、好調をキープしたポガチャル。また5日目にはマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)がツール通算35度目の区間優勝を飾り、単独で最多記録を更新。歴史的な瞬間に世界中の注目を集めた。
連日接戦が続くなか、大会2週目のハイライトとなったのはポガチャルとヴィンゲゴーの一騎打ちとなった第11ステージ。登りでエヴェネプールとログリッチを引き離した先頭の2人は、最終ストレートまで2人での争いを展開。スプリントでは有利と見られていたポガチャルをハンドル投げでヴィンゲゴーが上回り、大怪我からの見事な復活勝利を手に入れた。
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ツール第11ステージ photo:CorVos
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ツール第19ステージ photo:CorVos 
ツール第21ステージ photo:CorVos
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2024年ツール総合表彰台 photo:CorVos
しかしその後、誰もポガチャルの勢いを止めることはできず、第19〜21ステージで3連勝で区間6勝。4日目から着用したマイヨジョーヌを、パリ五輪の影響でニースとなった最終地点まで守り抜く。そして自身3度目の総合優勝に輝いた。
エヴェネプールがパリ五輪で歴史的2冠達成(8月)
ツール閉幕直後の7月27日に行われたパリオリンピック個人タイムトライアルでは、エヴェネプールが前評判通りの走りを披露。フィリッポ・ガンナ(イタリア)を15秒上回る快走で初の金メダルを獲得する。そして新城幸也が4度目の出場を決めたロードレースは、距離273km、6時間19分34秒の熱戦が繰り広げられた。
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パリ五輪個人タイムトライアル photo:CorVos 
パリ五輪ロードレース photo:CorVos
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個人タイムトライアルに続き、五輪史上初となる2冠を達成したレムコ・エヴェネプール(ベルギー) photo:CorVos
結末は残り15kmから単独先頭に立ったエヴェネプールによる独走勝利。4月の怪我やツール、個人TTの疲労を感じさせない走りで、男子としては五輪史上初となるタイムトライアルとロード2冠を達成した。また新城は56位で完走を果たした。
ブエルタ、そしてロード世界選手権(9月)
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区間3勝を飾ったログリッチ photo:CorVos
フランスでの熱狂が終わり、シーズン最後のグランツールであるブエルタ・ア・エスパーニャが開幕。序盤はワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)の活躍もありながら、第6ステージにベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)がステージ優勝以降、マイヨロホを保持し続けた。
しかしログリッチが徐々にタイム差を縮め、第19ステージで勝利と共に逆転。そのままログリッチはツールでの落車リタイアの悔しさを晴らし、過去最多タイとなる4度目の総合優勝に輝いた。
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ブエルタ第3ステージ photo:CorVos 
ブエルタ第6ステージ photo:CorVos
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自身4度目の総合優勝に輝いたログリッチ photo:CorVos
スイスのチューリッヒで行われたロード世界選手権の個人TTで、またしてもエヴェネプールがガンナを打破。2年連続となる優勝と共に、パリ五輪との2冠を達成するキャリア最高のシーズンを締めくくった。
一方のロードレースではパリ五輪をスキップし、万全のコンディションで臨んだポガチャルが51kmの独走。雄叫びを上げながらフィニッシュラインを通過し、3位だったファンデルプールからアルカンシエルを奪取。史上3人目となる同一年にジロ、ツール、世界選手権というトリプルクラウンを達成した。
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ロード世界選手権ロードレース photo:UCI
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イル・ロンバルディア photo:CorVos
約2週間後に行われたシーズン最後のモニュメント、イル・ロンバルディアでも48kmの独走を披露したポガチャル。UCIポイントランキングでも個人4連覇を達成し、2024年シーズンの絶対的な強さを示した。
ドーフィネからツールへ(6〜7月)
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今シーズンを席巻したヴィンゲゴー、ポガチャル、ログリッチ、エヴェネプール(ビッグフォー)の競演が注目されたツール・ド・フランス。その前哨戦、クリテリウム・デュ・ドーフィネを制したのはプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)だった。
4月のレースでは、ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)とレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が骨折する大規模落車が発生。これに巻き込まれたログリッチは幸い軽傷で済み、ドーフィネを完全制覇して万全の状態でツールに向かった。
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対するはジロ・デ・イタリアを大差で総合優勝したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)と、怪我から復帰したヴィンゲゴーとエヴェネプール。ラストツールに臨んだロマン・バルデ(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)の勝利&マイヨジョーヌ着用や、ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ)による黒人アフリカ人初勝利など、序盤から歴史的な瞬間が生まれる大会となった。
ヴィンゲゴーの復活勝利とポガチャルの総合優勝
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4日目で訪れた大会最初の山頂フィニッシュでライバルを退けたのは、好調をキープしたポガチャル。また5日目にはマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)がツール通算35度目の区間優勝を飾り、単独で最多記録を更新。歴史的な瞬間に世界中の注目を集めた。
連日接戦が続くなか、大会2週目のハイライトとなったのはポガチャルとヴィンゲゴーの一騎打ちとなった第11ステージ。登りでエヴェネプールとログリッチを引き離した先頭の2人は、最終ストレートまで2人での争いを展開。スプリントでは有利と見られていたポガチャルをハンドル投げでヴィンゲゴーが上回り、大怪我からの見事な復活勝利を手に入れた。
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エヴェネプールがパリ五輪で歴史的2冠達成(8月)
ツール閉幕直後の7月27日に行われたパリオリンピック個人タイムトライアルでは、エヴェネプールが前評判通りの走りを披露。フィリッポ・ガンナ(イタリア)を15秒上回る快走で初の金メダルを獲得する。そして新城幸也が4度目の出場を決めたロードレースは、距離273km、6時間19分34秒の熱戦が繰り広げられた。
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結末は残り15kmから単独先頭に立ったエヴェネプールによる独走勝利。4月の怪我やツール、個人TTの疲労を感じさせない走りで、男子としては五輪史上初となるタイムトライアルとロード2冠を達成した。また新城は56位で完走を果たした。
ブエルタ、そしてロード世界選手権(9月)
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フランスでの熱狂が終わり、シーズン最後のグランツールであるブエルタ・ア・エスパーニャが開幕。序盤はワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)の活躍もありながら、第6ステージにベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)がステージ優勝以降、マイヨロホを保持し続けた。
しかしログリッチが徐々にタイム差を縮め、第19ステージで勝利と共に逆転。そのままログリッチはツールでの落車リタイアの悔しさを晴らし、過去最多タイとなる4度目の総合優勝に輝いた。
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スイスのチューリッヒで行われたロード世界選手権の個人TTで、またしてもエヴェネプールがガンナを打破。2年連続となる優勝と共に、パリ五輪との2冠を達成するキャリア最高のシーズンを締めくくった。
一方のロードレースではパリ五輪をスキップし、万全のコンディションで臨んだポガチャルが51kmの独走。雄叫びを上げながらフィニッシュラインを通過し、3位だったファンデルプールからアルカンシエルを奪取。史上3人目となる同一年にジロ、ツール、世界選手権というトリプルクラウンを達成した。
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約2週間後に行われたシーズン最後のモニュメント、イル・ロンバルディアでも48kmの独走を披露したポガチャル。UCIポイントランキングでも個人4連覇を達成し、2024年シーズンの絶対的な強さを示した。
2024年シーズン男子ロード 下半期海外主要レース結果
開催日 | レース | 勝者 |
---|---|---|
6月2-9日 | クリテリウム・デュ・ドーフィネ | 総合優勝:プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) |
6月9-16日 | ツール・ド・スイス | 総合優勝:アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) |
6月29-7月21日 | ツール・ド・フランス | 総合優勝:タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) |
7月27日 | パリオリンピック個人タイムトライアル | レムコ・エヴェネプール(ベルギー) |
8月3日 | パリオリンピックロードレース | レムコ・エヴェネプール(ベルギー |
8月10日 | ドノスティア・サンセバスチャン・クラシコア | マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ) |
8月17日-9月8日 | ブエルタ・ア・エスパーニャ | 総合優勝: プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) |
9月22日 | ロード世界選手権個人タイムトライアル | レムコ・エヴェネプール(ベルギー) |
9月29日 | ロード世界選手権ロードレース | タデイ・ポガチャル(スロベニア) |
10月12日 | イル・ロンバルディア | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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