先日首脳陣の入れ替えを発表したイネオス・グレナディアーズがルーカス・ハミルトン(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)の獲得。来季に向け30名のロースターを確定し、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)の退団が決定した。



イネオスへの加入が発表されたルーカス・ハミルトン(オーストラリア) photo:CorVos

「イネオス・グレナディアーズに加入することができワクワクしている。何年にも渡りチームの成功を外側から見てきて、深い尊敬を抱いてきた。名門チームに入ることは素晴らしい機会であり、チームの継続的な成功に貢献したい。新しい仲間たちと一緒に走ることが楽しみだ」と、ルーカス・ハミルトン(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)は移籍の喜びをそう語った。契約は2025年の1年間。

ハミルトンは2017年にジェイコ・アルウラー(当時ミッチェルトン・スコット)でプロデビューした28歳。プロ1年目にオセアニア選手権で優勝し、8年間で3大ツールの全てに出場。将来の総合エース候補として期待され、特に2021年はパリ〜ニースで総合4位、ボルタ・ア・カタルーニャで10位、ツール・ド・ロマンディで8位、2022年のジロ・デ・イタリアでは13位とステージレースを戦える力を見せた。

しかしそれ以降目立った成績を残すことはできず、この2年間はグランツールに出場できないでいる。

2020年のティレーノ〜アドリアティコでステージ優勝を果たしたルーカス・ハミルトン(オーストラリア) photo:CorVos

去就が注目されるエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos

イネオスのパフォーマンス・ディレクターであるスコット・ドローワー氏は、ハミルトンについて「ルーカスは過去にその実力を証明しており、僕らは彼の才能と潜在能力を信じている。新しいチームメイトの中でフィットし、新しいコーチやサポートの下で実力を伸ばしてくれることだろう」と評価している。

ハミルトンの加入によってイネオスは、2025年シーズンの所属選手30名を確定させた。新加入6名の中でも注目は2018年にリエージュ〜バストーニュ〜リエージュを優勝し、今年の「ツール・ド・フランスでは逃げから勝利に迫ったボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)。他には2023年のU23ロード世界王者アクセル・ローランス(フランス、アルペシン・ドゥクーニンク)や若手クライマーのサムエル・ワトソン(イギリス、グルパマFDJ)も注目だ。

一方、スーダル・クイックステップへ移籍するイーサン・ヘイター(イギリス)やUAEチームエミレーツに加入するジョナタン・ナルバエス(エクアドル)など今年も中心選手が離脱。またパリ五輪のトラック競技マディソンで銀メダルを獲得し、契約が更新されなかったエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)の移籍先はいまだ発表されていない。
イネオス・グレナディアーズ2025年ロースター
テイメン・アレンスマン(オランダ)
アンドリュー・オーガスト(アメリカ)
エガン・ベルナル(コロンビア)
ジョナタン・カストロビエホ(スペイン)
ローレンス・デプルス(ベルギー)
トビアス・フォス(ノルウェー)
オマール・フライレ(スペイン)
フィリッポ・ガンナ(イタリア)
キム・ハイドゥク(ドイツ)
ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド)
マイケル・レオナード(カナダ)
トーマス・ピドコック(イギリス)
サルヴァトーレ・プッチョ(イタリア)
ブランドン・リベラ(コロンビア)
カルロス・ロドリゲス(スペイン)
オスカル・ロドリゲス(スペイン)
マグナス・シェフィールド(アメリカ)
アルテム・シュミット(アメリカ)
テオドア・ストーム(デンマーク)
ベン・スウィフト(イギリス)
コナー・スウィフト(イギリス)
ジョシュア・ターリング(イギリス)
ゲラント・トーマス(イギリス)
ベン・ターナー(イギリス)
新加入
ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク)←レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ
ルーカス・ハミルトン(オーストラリア)←ジェイコ・アルウラー
アクセル・ローランス(フランス)←アルペシン・ドゥクーニンク
サムエル・ワトソン(イギリス)←グルパマFDJ
ヴィクトル・ランゲロッティ(モナコ)←ブルゴスBH
ピーター・オクセンベルグ(デンマーク)←チーム・コロクイック
退団選手
イーサン・ヘイター(イギリス)→スーダル・クイックステップ
レオ・ヘイター(イギリス)→競技活動を休止
ジョナタン・ナルバエス(エクアドル)→UAEチームエミレーツ
ルーク・ロウ(イギリス)→引退(デカトロンAG2Rラモンディアルの監督)
エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)
キャメロン・ワーフ(オーストラリア)
text:Sotaro.Arakawa