2024/11/05(火) - 17:00
初の群馬県開催となったグラインデューロみなかみ。テクニカルかつパワフルな第一計測を越えた参加者の前に待っていたのは、更なる難関セクションだった。どんなタイプのサイクリストも満足できる水上オフロードの魅力を凝縮したグラインデューロレポート後編。(前編はこちら)
ローディーにとってもお馴染みの群馬CSCまでたどり着いたグラインデューロ御一行。ここからもう少し先に進めば第2エイド&第2計測区間が登場する。こちらも登り区間となるが、よりトレイルっぽい区間になっている。
なんと途中には階段区間も登場し、流石にほぼ全員が押し歩きを強いられている。階段脇のラインも先行者によって深く耕され、E-MTBであっても乗車は不可能なほど。深く掘れたところで階段にペダルが当たり、降りざるを得ない。
こうなると一気にE-MTBの重量が響いてくる。20kgに迫るアルミフルサスE-MTBは、押し上げるとなるとハンパなく重い。お願いだからウォークアシストを解禁してほしい……電動キックボードの歩道モードがOKなら、5km/hくらいのウォークアシストだって実際問題無いのでは……業界のロビイング力が足りないのでは……などと思考を飛ばすことで目の前の苦痛を和らげる作戦を駆使し、なんとか最難関区間をクリアした。
第2計測区間のあとは、ノルンみなかみスキー場の作業道を下っていく快速グラベルダウンヒル。この日一番の「グラベル」感を味わえる区間で、みなさんテンション上がっている。写真をとっていると「サイコー!」「ヒャッホー!」といった歓声を上げつつ走り抜けていく。
そのまま水上IC方面まで下り、あとはキャニオンズへ舗装路を登っていく。これまでに比べれば斜度は緩いので、足を休めつつリラックスできる区間だ。ただ、ここで一つの懸念が浮上してくる。そう、E-MTBのバッテリー残量がどう考えても足りないということだ……。
ハードでテクニカルな登り区間を攻略するため、E-MTBのTurboモードに頼りきりだった午前ループ。午前ループが午後ループのおよそ倍のボリュームということで、単純計算で午前終了時点で33%程度の残量が必要となる。午後は体力を消耗していることも鑑みれば、40%は欲しいところである。しかし、ディスプレイに表示されるバッテリー残量は24%。どう考えても足りない。そして、アシストの無いE-MTBの辛さは第2計測の階段セクションで嫌というほど味わったばかりである。
しかし、こんなこともあろうかと今回はポータブル電源を準備してきたのだ。おあつらえむきにグラインデューロでは午前ループと午後ループの間にランチタイムが設けられている。このタイミングで充電する、名付けて「人馬満腹」作戦だ!
ゴキゲンなバンドの生演奏が繰り広げられるキャニオンズのレストランで振舞われたのは、たっぷり豆の入ったカレーを頂く。カロリーだけでなく、しっかりたんぱく質も摂れるサイクリスト向けのランチメニューが心身に染みわたる。
ご飯を食べ終え、とりあえず人間は満腹である。残る心配は自転車にどれだけ補給できたのか、ということだけ。ここまで苦楽を共にした自転車のもとへと戻り充電状況を確認すると、38%という表示。午前中に76%使っているのだから、ほぼ半分であればギリギリ足りる計算だ。
タイトすぎるバッテリーマネジメントと、迫るタイムリミットの狭間で悩んでいるとカレーを消化し始めたのか、だんだんお腹が痛くなってきた……。うん、これは必要不可欠な休憩タイムである。というわけでトイレを済ませ、ついでに会場も撮影し、自転車へ戻ってきたら45%まで回復している。
よし、出発だ。正直、午前ループで終了という選択肢も脳裏をよぎったが、ここは覚悟を決めて午後ループへ走り出した。
午後のコースは東へ向かう。利根川を上流へ、走りやすいダブルトラックを織り交ぜながら藤原ダムへ。ダムを対岸へ渡り、スノーシェッドの激坂区間を交えつつ段々と標高を上げ水上高原へ。途中、沿道にいたおばあちゃんに「大変だねーどこまでいくのー?」なんて声を掛けられるも、自分もよく分からないまま走っていることもあり、「先のスキー場をくるっと回って、また戻ってきます!」と、かなりふんわりと返してしまう。
そう、その「先のスキー場」こと「みなかみほうだいぎスキー場」が第3計測区間。スキー場の、おそらく最も初心者コースであろうゲレンデ下部からレストハウスまでの区間を登るヒルクライムセクションだ。テクニカルだった第1、第2計測に比べれば、ずっと芝路面のゲレンデヒルクライムはイージーに見えるが、先の見える登りはこれはこれでメンタルに来るし、しっかり激坂といって差し支えない斜度でもある。スキーでは初心者コースであっても、登るとなれば話は別なのだ。
ほうほうのていで何とか計測終了ポイントにたどり着くと、コースディレクターのベネットさんが。「コースはどう?」と聞かれ、素直に「E-MTBでギリギリです……」と答えると、「文句ばっかり言っちゃダメ!楽しんで!」とありがたい言葉を頂いた(笑)。いや、楽しいのは楽しいんです、ただちょっと思ったより過酷だっただけで……。
そして、この時点でバッテリー残量は10%。ただ、コースデータを見ればほぼ後半ループのピークに来ている。実際、ここから第4計測区間までは等高線をなぞるようなルートを辿ることに。
そして最終の第4計測区間は唯一のダウンヒルセクション。かなり良い感じのシングルトラックの下りセクションで、グラベルバイクならチャレンジング、XCハードテールなら丁度いい難易度。エンデューロバイクベースのE-MTBにはご褒美だ。
ここまでの苦労を洗い流すようなダウンヒルを終えたら、あとは来た道を戻っていき再びキャニオンズへ。そうそう、この日は午後から雨の予報だったのだけれど、雨雲の到着はかなり遅れたようで、ちょうど走り終えたくらいに降りだすという奇跡的なタイミングに。もちろんレインウェアは携帯していたけれど、出番が無いのが一番だ。
そして、暗くなってきた頃合いに表彰式がスタート。これまで"M-Festival"としてライブが繰り広げられていたステージにて、各カテゴリーの上位者が表彰された。表彰式と言っても、よくあるちょっとカッチリとした雰囲気ではない(笑)。一人一人前に呼び出され、木製の表彰盾と副賞が贈られ、フォトセッション。アットホームな雰囲気の中サクサクと式は進み、あっというまに解散。
ある人は宿へ、ある人は昨日泊まったキャンプ場へとそれぞれ帰っていく。今回私は生憎日帰りでの参戦となったものの、翌日には谷川岳方面へと向かうハングオーバー(二日酔い(笑))ライドも催されていたそう。ハングオーバーライド参加者がSNSにアップしていた爽やかな谷川岳の写真を見て、自分も泊まれば良かったなと思ったのは私だけじゃないと思う。
ローディーにとってもお馴染みの群馬CSCまでたどり着いたグラインデューロ御一行。ここからもう少し先に進めば第2エイド&第2計測区間が登場する。こちらも登り区間となるが、よりトレイルっぽい区間になっている。
なんと途中には階段区間も登場し、流石にほぼ全員が押し歩きを強いられている。階段脇のラインも先行者によって深く耕され、E-MTBであっても乗車は不可能なほど。深く掘れたところで階段にペダルが当たり、降りざるを得ない。
こうなると一気にE-MTBの重量が響いてくる。20kgに迫るアルミフルサスE-MTBは、押し上げるとなるとハンパなく重い。お願いだからウォークアシストを解禁してほしい……電動キックボードの歩道モードがOKなら、5km/hくらいのウォークアシストだって実際問題無いのでは……業界のロビイング力が足りないのでは……などと思考を飛ばすことで目の前の苦痛を和らげる作戦を駆使し、なんとか最難関区間をクリアした。
第2計測区間のあとは、ノルンみなかみスキー場の作業道を下っていく快速グラベルダウンヒル。この日一番の「グラベル」感を味わえる区間で、みなさんテンション上がっている。写真をとっていると「サイコー!」「ヒャッホー!」といった歓声を上げつつ走り抜けていく。
そのまま水上IC方面まで下り、あとはキャニオンズへ舗装路を登っていく。これまでに比べれば斜度は緩いので、足を休めつつリラックスできる区間だ。ただ、ここで一つの懸念が浮上してくる。そう、E-MTBのバッテリー残量がどう考えても足りないということだ……。
ハードでテクニカルな登り区間を攻略するため、E-MTBのTurboモードに頼りきりだった午前ループ。午前ループが午後ループのおよそ倍のボリュームということで、単純計算で午前終了時点で33%程度の残量が必要となる。午後は体力を消耗していることも鑑みれば、40%は欲しいところである。しかし、ディスプレイに表示されるバッテリー残量は24%。どう考えても足りない。そして、アシストの無いE-MTBの辛さは第2計測の階段セクションで嫌というほど味わったばかりである。
しかし、こんなこともあろうかと今回はポータブル電源を準備してきたのだ。おあつらえむきにグラインデューロでは午前ループと午後ループの間にランチタイムが設けられている。このタイミングで充電する、名付けて「人馬満腹」作戦だ!
ゴキゲンなバンドの生演奏が繰り広げられるキャニオンズのレストランで振舞われたのは、たっぷり豆の入ったカレーを頂く。カロリーだけでなく、しっかりたんぱく質も摂れるサイクリスト向けのランチメニューが心身に染みわたる。
ご飯を食べ終え、とりあえず人間は満腹である。残る心配は自転車にどれだけ補給できたのか、ということだけ。ここまで苦楽を共にした自転車のもとへと戻り充電状況を確認すると、38%という表示。午前中に76%使っているのだから、ほぼ半分であればギリギリ足りる計算だ。
タイトすぎるバッテリーマネジメントと、迫るタイムリミットの狭間で悩んでいるとカレーを消化し始めたのか、だんだんお腹が痛くなってきた……。うん、これは必要不可欠な休憩タイムである。というわけでトイレを済ませ、ついでに会場も撮影し、自転車へ戻ってきたら45%まで回復している。
よし、出発だ。正直、午前ループで終了という選択肢も脳裏をよぎったが、ここは覚悟を決めて午後ループへ走り出した。
午後のコースは東へ向かう。利根川を上流へ、走りやすいダブルトラックを織り交ぜながら藤原ダムへ。ダムを対岸へ渡り、スノーシェッドの激坂区間を交えつつ段々と標高を上げ水上高原へ。途中、沿道にいたおばあちゃんに「大変だねーどこまでいくのー?」なんて声を掛けられるも、自分もよく分からないまま走っていることもあり、「先のスキー場をくるっと回って、また戻ってきます!」と、かなりふんわりと返してしまう。
そう、その「先のスキー場」こと「みなかみほうだいぎスキー場」が第3計測区間。スキー場の、おそらく最も初心者コースであろうゲレンデ下部からレストハウスまでの区間を登るヒルクライムセクションだ。テクニカルだった第1、第2計測に比べれば、ずっと芝路面のゲレンデヒルクライムはイージーに見えるが、先の見える登りはこれはこれでメンタルに来るし、しっかり激坂といって差し支えない斜度でもある。スキーでは初心者コースであっても、登るとなれば話は別なのだ。
ほうほうのていで何とか計測終了ポイントにたどり着くと、コースディレクターのベネットさんが。「コースはどう?」と聞かれ、素直に「E-MTBでギリギリです……」と答えると、「文句ばっかり言っちゃダメ!楽しんで!」とありがたい言葉を頂いた(笑)。いや、楽しいのは楽しいんです、ただちょっと思ったより過酷だっただけで……。
そして、この時点でバッテリー残量は10%。ただ、コースデータを見ればほぼ後半ループのピークに来ている。実際、ここから第4計測区間までは等高線をなぞるようなルートを辿ることに。
そして最終の第4計測区間は唯一のダウンヒルセクション。かなり良い感じのシングルトラックの下りセクションで、グラベルバイクならチャレンジング、XCハードテールなら丁度いい難易度。エンデューロバイクベースのE-MTBにはご褒美だ。
ここまでの苦労を洗い流すようなダウンヒルを終えたら、あとは来た道を戻っていき再びキャニオンズへ。そうそう、この日は午後から雨の予報だったのだけれど、雨雲の到着はかなり遅れたようで、ちょうど走り終えたくらいに降りだすという奇跡的なタイミングに。もちろんレインウェアは携帯していたけれど、出番が無いのが一番だ。
そして、暗くなってきた頃合いに表彰式がスタート。これまで"M-Festival"としてライブが繰り広げられていたステージにて、各カテゴリーの上位者が表彰された。表彰式と言っても、よくあるちょっとカッチリとした雰囲気ではない(笑)。一人一人前に呼び出され、木製の表彰盾と副賞が贈られ、フォトセッション。アットホームな雰囲気の中サクサクと式は進み、あっというまに解散。
ある人は宿へ、ある人は昨日泊まったキャンプ場へとそれぞれ帰っていく。今回私は生憎日帰りでの参戦となったものの、翌日には谷川岳方面へと向かうハングオーバー(二日酔い(笑))ライドも催されていたそう。ハングオーバーライド参加者がSNSにアップしていた爽やかな谷川岳の写真を見て、自分も泊まれば良かったなと思ったのは私だけじゃないと思う。
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