例年より1日増えた全9ステージで行われる2025年ツール・ド・フランス・ファム。ブルターニュからフランスを横断するようにアルプス山脈を目指す大会には、超級山岳マドレーヌ峠など厳しい山岳が詰め込まれた。



ジロ・デ・イタリア・ウィメンで総合3位と躍進した22歳のニーヴ・ブラッドバリー(オーストラリア、キャニオン・スラム) photo:A.S.O.

ツール・ド・フランス・ファム2025 コースマップ image:A.S.O.
ツール・ド・フランスのコースプレゼンテーションが行われた同日、女子最大のステージレースであるツール・ド・フランス・ファム・ アヴェク・ズイフトのコース全貌が明らかとなった。第4回大会の開幕地に選ばれたのはフランス北西部ブルターニュ地域圏のヴァンヌで、そこからアルプス山脈を目指し、フランスを横断するように東へ進む。

オランダで開幕し、後半の4日間しかフランスを走らなかった今年とは違い、2025年はフランス国内のみの大会となる。開幕日は男子の第20ステージと同日の7月26日(土)で、昨年よりも1ステージ増えた9日間を締めくくる8月3日(日)まで休息日や移動日はなし。総距離1,165kmコースの総獲得標高差は17,240mで、今年設定された個人タイムトライアルはない。

第8ステージのフィニッシュ地点である超級山岳マドレーヌ峠 photo:CorVos

ここからコース詳細を見ていこう。初日は4つの丘を越える79kmの丘陵ステージ。ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)のようなスプリンターはもちろん、同じチームの世界王者ロッテ・コペッキー(ベルギー)のようなクラシックレーサーが有利となりそうだ。

その翌日から3連続で平坦ステージが続き、5日目がようやく今大会最初の山岳ステージとなる。しかし最終山岳の登坂距離は3km弱と短く、フィニッシュ地点も下った先にあるため総合順位を決定づけるようなレイアウトではない。そして山頂フィニッシュではない山岳ステージを2つ挟み、8日目が今大会のクイーンステージ(最難関ステージ)となる。

ツール・ド・フランス・ファム2025 第1ステージ image:A.S.O.
ツール・ド・フランス・ファム2025 第5ステージ image:A.S.O.


フィニッシュラインが引かれた最終山岳はアルプス山脈の超級山岳ラ・マドレーヌ峠。登坂距離18.6km/平均8.1%の頂上は標高2,000mにある、男子ツールにも度々登場する過酷な登り。勾配の変化はもちろん荒れた路面はマイヨジョーヌの最終的な持ち主を明らかにするだろう。

最終日もコル・ド・ジュ・プラーヌ(登坂距離11.6km、平均勾配8.5%)など難関山岳がコース中央に登場する山岳ステージ。しかし最終山岳の頂上からフィニッシュ地点までは約30kmの下り&平坦路のため、絞られた小集団による争いが予想される。

ツール・ド・フランス・ファム2025 第8ステージ image:A.S.O.
ツール・ド・フランス・ファム2025 第9ステージ image:A.S.O.

ツール・ド・フランス・ファム2025ステージリスト
ステージ 日時 スタート〜フィニッシュ 距離
第1ステージ 7月26日(土) ヴァンヌ〜プリュムレック 79km(丘陵)
第2ステージ 7月27日(日) ブレスト〜カンペール 110km(平坦)
第3ステージ 7月28日(月) ラ・ガシイ〜アンジェ 162km(平坦)
第4ステージ 7月29日(火) ソミュール〜ポワチエ 128km(平坦)
第5ステージ 7月30日(水) ジョネイ・マリニー・フュテュロスコープ〜ゲレ 166km(山岳)
第6ステージ 7月31日(木) クレルモン・フェラン〜アンベール 124km(山岳)
第7ステージ 8月1日(金) ブール・カン・ブレス〜シャンベリー 160km(丘陵)
第8ステージ 8月2日(土) シャンベリー〜マドレーヌ峠 112km(山岳)
第9ステージ 8月3日(日) プラ・シュル・アルリー〜シャテル 124km(山岳)
text:Sotaro.Arakawa
photo&image:A.S.O.

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