スペシャライズドのMTBラインアップの中で、アルミXCバイクとして用意されるCHISEL(チゼル)がフルサス化。EPIC8で培ったサスペンションキネマティクスをアルミフレームに落とし込み、その性能を身近にした一台だ。



スペシャライズド CHISEL COMP (c)スペシャライズド・ジャパン

スペシャライズドが用意するXCレース用入門車のCHISEL(チゼル)がフルモデルチェンジを果たした。これまで、アルミハードテールバイクとして展開されていたCHISELが、遂にフルサスペンションバイクとしてリニューアルし、その戦闘力を大きく引き上げた。

フルサスバイクとしての基本的な設計は、スペシャライズドが誇るハイエンドXCレーサーであるEPIC8のDNAを色濃く受け継いでいる。ワールドカップで活躍するEPIC8の持つ、最先端のサスペンションキネマティクス、ライドダイナミクスチューンのサスペンション、テクニカルなワールドカップコースで磨き上げられたプログレッシブジオメトリーといった要素を全て取り入れ、XCレースに求められる性能を高いレベルで実現した。

EPIC8のDNAを色濃く受け継ぎ、あらゆるシーンで最高のパフォーマンスを発揮する (c)スペシャライズド・ジャパン

その性能をアルミバイクで実現するため、大きな役割を果たしたのがスペシャライズドが誇るアルミ溶接技術DSW(ダルージオ・スマートウェルド)。溶接による接合部をライド時に応力が集中する部位から遠ざけるように、あらかじめチューブをハイドロフォームによって加工し、溶接材料を最小限に留めつつエンジニアの意図した性能を実現する溶接技術だ。

ただ軽量に仕上がるだけでなく、チューブの肉厚や形状を連続的に変化させることで狙った部位に狙った性能を付与することに成功したCHISEL。特に顕著なのが、リアトライアングルのフレックスステーだ。

ハイドロフォーミングによって各チューブを成型。シートチューブとBBは一体成型される最先端のアルミフレームだ (c)スペシャライズド・ジャパン

柔軟にしなることでリアサスペンションのパフォーマンスを最大化しつつ、シングルピボットならではの軽量性とシンプルさを両立するフレックスステーは、カーボンバイクでは一般的な手法となっている。しかし、スペシャライズドはアルミフレームでその性能を再現し、カーボンフレックスステー並みのペダリング効率やコントロール性、そして重量を達成した。

また、新型CHISELでは、シートチューブとボトムブラケットを一体成型していることも大きな特徴だ。筒状のBBシェルをシートチューブに一体化していた従来のバイクに対し、よりスマートで軽量に仕上げられている。

サスペンションキネマティクスとジオメトリーによって、高いペダリング効率を発揮 (c)スペシャライズド・ジャパン

ジオメトリーはEPIC8譲りのプログレッシブなもので、テクニカルなダウンヒルで自信を与えてくれる一方、登りでは驚異的なペダリング効率を実現。低めのBBハイトとスラックなヘッドアングルによってバイクを安定させつつ、コックピット周りはゆとりのある設計とし、ライダーがバイクの中心を捉えやすい設計となっている。一方、シートチューブは立たされており、体重をうまく使ったペダリングを可能とした。

はじめてリアサスを手に入れたCHISELだが、その設計はスペシャライズドのノウハウが詰まっている。サスペンションのパフォーマンスとペダリング効率を両立させるレバレッジカーブとアンチスクワットが与えられているという。

テクニカルなワールドカップコースにも対応する一台だ (c)スペシャライズド・ジャパン

全体的なサスペンションキネマティクスは、EPIC8と、先代EPICのダウンカントリーモデルであるEPIC EVOの間に位置づけられるニュートラルな仕様。レーシーすぎず、それでいて無駄に動きすぎることのない、絶妙なテイストに調整された。

新型CHISELは、COMPグレードの完成車から展開がスタート。印象的なグロスイオン/スモークリキッドメタルカラーにペイントされた一台で、ラッシュダンパーを採用した120mmストロークのロックショックス SIDとライドダイナミクスチューンの Deluxe Select+、そしてスラム GX Eagleをメインコンポーネントに据えた一台だ。価格は440,000円(税込)。



スペシャライズド CHISEL COMP
カラー:1色(グロスイオン/スモークリキッドメタル)
サイズ:S、M、L
税込価格:440,000円(税込)
URL: https://www.specialized-onlinestore.jp/shop/g/g93825-5203/

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