2024/09/29(日) - 14:26
本日9月29日(日)に行われるロード世界選手権の男子ロードレース。前回覇者ファンデルプールに挑むのは、TT世界王者エヴェネプールやダブルツールを達成したポガチャル。新城幸也など注目選手や獲得標高差4,470mの難コースをチェックしておこう。
日時:9月29日(日)
コース:ヴィンタートゥール〜チューリッヒ
距離:273.9km
獲得標高差:4,470m
2024年ロード世界選手権を締めくくる男子エリートロードレースの舞台は、スイス最大の都市チューリッヒの北東、ヴィンタートゥールからチューリッヒを結ぶ273.9kmだ。コースプロフィールを見てわかるとおり無数の丘を越える、世界一決定戦に相応しいタフなコースが用意された。
ヴィンタートゥールをスタートした選手たちは北側の33.5kmコースを1周する。その後グライフェン湖に向かって南下し、他カテゴリーのレースにも登場したビンツ(距離1.5km/平均9.3%)をクリア。そしてチューリッヒをフィニッシュ地点とする26.9kmコースを7周半するレイアウトだ。
周回コースには最大勾配17%のチューリッヒベルフシュトラーセ(距離800m/平均7.1%)と最大20%のウィティコン(距離2.6km/平均5.3%)が登場。その他にも細かいアップダウンが含まれるため獲得標高差は4,470mに達する。ピュアスプリンターや重量級クラシックレーサーにはノーチャンスのため、スタートリストにはクライマーやパンチャーの名前が並んだ。
連覇vsトリプルクラウンvsダブル×ダブルの戦い
今回のレイアウトに最も脚質が適しているのは、昨年3位と悔しさ残るタデイ・ポガチャル(スロベニア)だろう。ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスを連続総合優勝する登坂力に加え、切れ味鋭いアタックや時にはスプリンターをも退けるスプリント力。そこにプリモシュ・ログリッチというセカンドエースの存在も相まって、文句なしの優勝候補筆頭に挙げられる。
またツール後はパリ五輪を回避し、2ヶ月に及ぶ休暇&トレーニングを経て臨んだ9月15日のグランプリ・シクリスト・ド・モンレアルでは23kmを独走勝利。自身初のアルカンシエルを獲得すれば、エディ・メルクス(ベルギー)とステファン・ロッシュ(アイルランド)に並ぶ史上3人目のトリプルクラウン(ジロ、ツール、世界選手権優勝)となる。
対するレムコ・エヴェネプール(ベルギー)もパリ五輪の個人TT&ロード、そして世界選手権の個人TT&ロードのダブル×ダブルという前代未聞の記録が懸かっている。コンディションは1週間前の個人TT優勝で証明済み。強力なチームメイトであるワウト・ファンアールトが怪我でいないものの、ティシュ・ベノートやティム・ウェレンス、マキシム・ファンヒルスなど世界トップレベルの選手がエースを支える。
連覇を狙うマチュー・ファンデルプール(オランダ)に、今回のレイアウトは厳しすぎるか。今年のクラシックレースではパリ〜ルーベとロンド・ファン・フラーンデレンで優勝するなど、タフなレースでも勝負強さを発揮するファンデルプール。直近のツール・ド・ルクセンブルクでは絞りきった身体で久々の勝利を挙げ、アルカンシエルの死守に標準を定めてきた。
シーズン後半の調子だけで言えば、地元スイス出身のマルク・ヒルシを優勝候補に挙げる声も少なくない。8月のクラシカ・サンセバスティアンとブルターニュクラシック・ウェストフランスという2つのワールドツアーレースから、ワンデーレース5連勝を飾ったヒルシ。またフランスは元世界王者ジュリアン・アラフィリップとロマン・バルデという2人を擁し、イギリスはトーマス・ピドコックにアダム&サイモンのイェーツ兄弟が揃った。
集団に食らいつきスプリントに持ち込むことができれば、マッズ・ピーダスン(デンマーク)やビニヤム・ギルマイ(エリトリア)、マイケル・マシューズ(オーストラリア)などスピードに長ける選手たちも見逃せない。そして日本からは、新城幸也が出場選手の中で最多16度目の世界選手権に挑む。
日時:9月29日(日)
コース:ヴィンタートゥール〜チューリッヒ
距離:273.9km
獲得標高差:4,470m
2024年ロード世界選手権を締めくくる男子エリートロードレースの舞台は、スイス最大の都市チューリッヒの北東、ヴィンタートゥールからチューリッヒを結ぶ273.9kmだ。コースプロフィールを見てわかるとおり無数の丘を越える、世界一決定戦に相応しいタフなコースが用意された。
ヴィンタートゥールをスタートした選手たちは北側の33.5kmコースを1周する。その後グライフェン湖に向かって南下し、他カテゴリーのレースにも登場したビンツ(距離1.5km/平均9.3%)をクリア。そしてチューリッヒをフィニッシュ地点とする26.9kmコースを7周半するレイアウトだ。
周回コースには最大勾配17%のチューリッヒベルフシュトラーセ(距離800m/平均7.1%)と最大20%のウィティコン(距離2.6km/平均5.3%)が登場。その他にも細かいアップダウンが含まれるため獲得標高差は4,470mに達する。ピュアスプリンターや重量級クラシックレーサーにはノーチャンスのため、スタートリストにはクライマーやパンチャーの名前が並んだ。
連覇vsトリプルクラウンvsダブル×ダブルの戦い
今回のレイアウトに最も脚質が適しているのは、昨年3位と悔しさ残るタデイ・ポガチャル(スロベニア)だろう。ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスを連続総合優勝する登坂力に加え、切れ味鋭いアタックや時にはスプリンターをも退けるスプリント力。そこにプリモシュ・ログリッチというセカンドエースの存在も相まって、文句なしの優勝候補筆頭に挙げられる。
またツール後はパリ五輪を回避し、2ヶ月に及ぶ休暇&トレーニングを経て臨んだ9月15日のグランプリ・シクリスト・ド・モンレアルでは23kmを独走勝利。自身初のアルカンシエルを獲得すれば、エディ・メルクス(ベルギー)とステファン・ロッシュ(アイルランド)に並ぶ史上3人目のトリプルクラウン(ジロ、ツール、世界選手権優勝)となる。
対するレムコ・エヴェネプール(ベルギー)もパリ五輪の個人TT&ロード、そして世界選手権の個人TT&ロードのダブル×ダブルという前代未聞の記録が懸かっている。コンディションは1週間前の個人TT優勝で証明済み。強力なチームメイトであるワウト・ファンアールトが怪我でいないものの、ティシュ・ベノートやティム・ウェレンス、マキシム・ファンヒルスなど世界トップレベルの選手がエースを支える。
連覇を狙うマチュー・ファンデルプール(オランダ)に、今回のレイアウトは厳しすぎるか。今年のクラシックレースではパリ〜ルーベとロンド・ファン・フラーンデレンで優勝するなど、タフなレースでも勝負強さを発揮するファンデルプール。直近のツール・ド・ルクセンブルクでは絞りきった身体で久々の勝利を挙げ、アルカンシエルの死守に標準を定めてきた。
シーズン後半の調子だけで言えば、地元スイス出身のマルク・ヒルシを優勝候補に挙げる声も少なくない。8月のクラシカ・サンセバスティアンとブルターニュクラシック・ウェストフランスという2つのワールドツアーレースから、ワンデーレース5連勝を飾ったヒルシ。またフランスは元世界王者ジュリアン・アラフィリップとロマン・バルデという2人を擁し、イギリスはトーマス・ピドコックにアダム&サイモンのイェーツ兄弟が揃った。
集団に食らいつきスプリントに持ち込むことができれば、マッズ・ピーダスン(デンマーク)やビニヤム・ギルマイ(エリトリア)、マイケル・マシューズ(オーストラリア)などスピードに長ける選手たちも見逃せない。そして日本からは、新城幸也が出場選手の中で最多16度目の世界選手権に挑む。
ロード世界選手権男子エリートロードレース歴代優勝者
2023年 | マチュー・ファンデルプール(オランダ) |
2022年 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー) |
2021年 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス) |
2020年 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス) |
2019年 | マッズ・ピーダスン(デンマーク) |
2018年 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン) |
2017年 | ペテル・サガン(スロバキア) |
2016年 | ペテル・サガン(スロバキア) |
2015年 | ペテル・サガン(スロバキア) |
2014年 | ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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