24.9kmの直線路で行われたロード世界選手権の男子ジュニア個人タイムトライアルで、来年デカトロンAG2Rラモンディアルへの昇格が決まっているポール・セイシャス(フランス)が優勝。望月蓮は37位、岩村元嗣52位だった。



3位:マティス・ファンケルクホーフ(ベルギー) photo:CorVos

スイスのチューリッヒで開催中のロード世界選手権は、3日目に男子ジュニアの個人タイムトライアルが行われた。コースは男女のエリートやU23のコースの終盤、チューリッヒ湖に沿いながら北上する24.9kmの直線路だ。

出場したのは望月蓮(山梨県立吉田高等学校)と岩村元嗣(初芝立命館高等学校)を含む66名の選手たち。純粋に高出力を最後まで維持できた選手が勝利するシンプルな戦いを制したのは、18歳のポール・セイシャス(フランス)だった。

55番目に走り出したセイシャスは序盤抑えたペースで入り、15.5km地点に設定された第2計測地点を4位(トップから9秒遅れ)で通過する。しかし終盤にペースを上げ、2番手出走でホットシートに座り続けたマティス・ファンケルクホーフ(ベルギー)を7秒上回る28分8秒でフィニッシュ。そのタイムにはTTヨーロッパ選手権で2位だったヤスパー・スクーフス(ベルギー)は6秒及ばず、セイシャスの優勝が決まった。

優勝:ポール・セイシャス(フランス) photo:CorVos

2位:ヤスパー・スクーフス(ベルギー) photo:CorVos

「優勝をはっきりと狙っていたわけではなかったので、この結果に少し驚いている。だが人生で最も良いタイムトライアルができ、世界チャンピオンなんて夢のよう。5km地点から既に辛く、”これは長く苦しむことになるぞ”と思った。だが終盤に”これは素晴らしい日になるかもしれない”と思い始め、フィニッシュラインを通過した瞬間、なにか大きなものを掴んだ気持ちになった」と、セイシャスは語っている。

フランス・リヨン出身のセイシャスは現在デカトロンAG2Rラモンディアルの下部チームに所属。今年はアンダーカテゴリーのレースで勝ち星を重ね、5月に行われたリエージュ〜バストーニュ〜リエージュのジュニアカテゴリーで優勝。2025年にトップチームへの昇格が決まっている新星だ。

ロード世界選手権2024 男子ジュニアタイムトライアル表彰台:2位ヤスパー・スクーフス(ベルギー)、1位ポール・セイシャス(フランス)、3位マティス・ファンケルクホーフ(ベルギー) photo:CorVos

2位で表彰台に上がったスクーフはスーダル・クイックステップの下部チーム、ファンケルクホーフもヴィスマ・リースアバイクの下部チームで将来を嘱望されている若手選手。また4位だったウィル・ホルムズ(オーストラリア)は現在ハーゲンスバーマン・ジェイコに所属し、2026年にジェイコ・アルウラーでのプロデビューが決まっている。

日本勢は9番手出走だった望月が2分37秒遅れの37位、岩村は3分55秒遅れの52位でレースを終えている。ここに成田光志(学校法人石川高等学校)を加えた3名で臨むロードレースは9月26日(木)に行われる。

37位:望月蓮 photo:JCF

52位:岩村元嗣 photo:JCF
ロード世界選手権2024 男子ジュニアタイムトライアル結果
1位 ポール・セイシャス(フランス) 28:08.4
2位 ヤスパー・スクーフス(ベルギー) +0:06.31
3位 マティス・ファンケルクホーフ(ベルギー) +0:07.13
4位 ウィル・ホルムズ(オーストラリア) +0:15.43
5位 セス・ダンウッディ(アイルランド) +0:23.94
6位 アルバートウィーテン・フィリップセン(デンマーク) +0:24.74
7位 ロレンツォ・フィン(イタリア) +0:25.63
8位 カールエミールユスト・ピーダスン(デンマーク) +0:35.54
9位 アシュリン・バーリー(アメリカ) +0:41.50
10位 コナー・マーフィー(アイルランド) +0:42.30
37位 望月蓮 +2:37.24
52位 岩村元嗣 +3:55.39
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos