曇り空と濡れた路面の中行われたロード世界選手権男子U23個人タイムトライアルで、モビスター所属のイバン・ロメオ(スペイン)が優勝。JCLチーム右京で走る20歳の鎌田晃輝は56位だった。



12位:イサーク・デルトロ(メキシコ) photo:CorVos

チューリッヒの南東に位置するゴッサウの街をスタートし、急勾配の丘を越えてチューリッヒ湖沿いを北上する29.9kmで行われた男子U23個人タイムトライアル。前日の女子エリートと共有のコースは直前の雨で路面が濡れ、曇り空の中アルカンシエルが争われた。

70名が出場したレースでは、15番目に出走したイサーク・デルトロ(メキシコ)が38分6秒という暫定トップタイムをマークする。今年UAEチームエミレーツでプロデビューし、ブエルタ・ア・エスパーニャで完走を果たした20歳のデルトロのタイムを上回る選手はしばらく現れず、ハーゲンスバーマン・ジェイコ所属のアダム・ラファルティ(アイルランド)がようやく6秒上回った。

1位:イバン・ロメオ(スペイン) photo:CorVos

ラファルティの直後にフィニッシュしたヤン・クリステン(スイス)は第1計測地点(10.4km)を最速タイムで通過し、37分23秒でトップタイムを更新。しかしすぐにイバン・ロメオ(スペイン)が36分42秒でフィニッシュし、ホットシートに座る権利を得た。

個人TTの元世界王者であるブラドレー・ウィギンズを父に持つ19歳ベン・ウィギンス(イギリス)は、最終的に18位でフィニッシュとまずまずの走りを見せる。そして最後から2番目にスタートしたヤコブ・セーデルクヴィスト(スウェーデン)はロメオに32秒届かず、最終出走者であるアレック・セガールト(ベルギー)が走り出した。

2022年、23年とU23のTTで2位に入ったセガールト。今年はTTヨーロッパ選手権のU23で3連覇を達成した勢いそのままに臨んだものの、ロメオに54秒及ばず、4位で表彰台も逃した。

56位:鎌田晃輝 photo:JCF

3位:ヤン・クリステン(スイス) photo:CorVos

そのためモビスターでプロ2年目のシーズンを送る21歳のロメオが優勝。「ここに向けて相当な努力を重ねた。勝利にために10日前から父親とチューリッヒに滞在し、試走を繰り返していたんだ。コースの距離と登りが僕に適していたが、結果がどうなるかは誰にも分からない。下りは雨で濡れていた箇所もあったが構わず踏み続け、特にラスト10kmは予定通りの力が出せた。だけど終盤は予想を上回るパワーが出たよ」と193cmの長身を活かし、アルカンシエルに袖を通したロメオは喜んだ。

また、全体の25番目にスタートした鎌田晃輝は6分47秒遅れの56位だった。

ロード世界選手権2024 男子U23タイムトライアル表彰台:2位ヤコブ・セーデルクヴィスト(スウェーデン)、1位イバン・ロメオ(スペイン)、3位ヤン・クリステン(スイス) photo:CorVos
ロード世界選手権2024 男子U23タイムトライアル結果
1位 イバン・ロメオ(スペイン) 36:42.70
2位 ヤコブ・セーデルクヴィスト(スウェーデン) +0:32.05
3位 ヤン・クリステン(スイス) +0:40.68
4位 アレック・セガールト(ベルギー) +0:54.09
5位 ダレン・ラファーティー(アイルランド) +0:57.87
6位 ダレン・ラファルティ(アイルランド) +1:01.52
7位 ニクラス・ベーレンス(ドイツ) +1:08.23
8位 アルテム・シュミット(アメリカ) +1:10.04
9位 ヴェッセル・ムーリス(オランダ) +1:11.43
10位 アダム・ラファルティ(アイルランド) +1:17.67
56位 鎌田晃輝 +6:47.71
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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