ヨーロッパ最速を決める個人タイムトライアルでエドアルド・アッフィニ(イタリア)とロッテ・コペッキー(ベルギー)が勝利。白地に青帯のチャンピオンジャージ着用権利を獲得している。



ベルギーはフランドル地方で、世界選手権に向けた重要な前哨戦となるロードヨーロッパ選手権が開催。9月11日(水)に開催された個人タイムトライアルで、男女のジュニア、U23、そしてエリートを合わせて合計6人のヨーロッパ個人タイムトライアルチャンピオンが誕生した。

男子エリート:キュングを9秒差で下したアッフィニが初戴冠

男子エリートで優勝したエドアルド・アッフィニ(イタリア) photo:CorVos

後半にペースを失い2位に甘んじたシュテファン・キュング(スイス) photo:CorVos

ヒュースデン・ゾルダーを出発し、ゾンホーヴェンを経由してハッセルトにフィニッシュする、シクロクロスレースファンなら耳馴染みのある31.3kmコースは真っ平ら。ピュアパワーが求められるスピードコースで、男子エリートの最速タイムを叩き出したのはエドアルド・アッフィニ(イタリア)だった。

「先日完走したブエルタ・ア・エスパーニャは本当に厳しいものだったし、最終日の個人TTでもコンディションはあまり良くなくて、今回もあまり自分の結果に期待していなかった」と振り返るアッフィニが2019年以来となる嬉しい勝利。2018年のジュニア欧州TT選手権に続く人生2度目、エリートでは初となる選手権制覇を遂げた。

ロードヨーロッパ選手権2024 男子エリート個人タイムトライアル表彰台 photo:CorVos

2位はブエルタ最終日にグランツール初勝利を挙げたシュテファン・キュング(スイス)。中間チェックポイントでは首位に立っていたが後半区間でアッフィニに逆転され、王座奪還まで9秒届かなかった。「ブエルタで山を登りすぎたのかもしれないね(笑)。今回はド平坦コースだったのでスピードを載せきれなかった。ただしコンディションは良く、地元開催の世界選手権でアルカンシエルを獲ることが僕の最大の目標。ここから調子を上げていきたいと思う」とキュングは大一番を見据えている。



女子エリート:世界選連覇を狙うロッテ・コペッキーが初制覇

圧勝でチャンピオンジャージを獲得したロッテ・コペッキー(ベルギー) photo:CorVos

3連覇したマーレン・ローセル(スイス)不出場の女子エリートレースで、元王者エレン・ファンダイク(オランダ)を圧倒的な差で下したのはロッテ・コペッキー(ベルギー)。「想定ペースを簡単に上回ることができて、さらに常にレース中は常に余裕があった」と振り返るロード世界女王は、ファンダイクを43秒、3位のクリスティーナ・シュワインバーガー(オーストリア)を1分以上も突き放すタイムをマークする。クライミング能力を上げ、オールラウンダーとして成長する28歳が個人TTでも選手権タイトルを手に入れた。

ロードヨーロッパ選手権2024 女子エリート個人タイムトライアル表彰台 photo:CorVos

「初めてのヨーロッパチャンピオンを自分の国で獲れた。なんて素晴らしいこと。レース中はずっと楽しめていたけれど、同時にペース配分を学ぶ必要があった。途中区間は向かい風だったのでペースミスが起こる可能性もあった」と話すコペッキー。ロードレースには参戦せず、2週間後に迫った世界選手権に向けてコンディショニングに努めるという。
ロードヨーロッパ選手権2024 男子エリート個人タイムトライアル結果
1位 エドアルド・アッフィニ(イタリア) 35.15
2位 シュテファン・キュング(スイス) +0:09
3位 マティア・カッタネオ(イタリア) +0:19
4位 ダーン・ホーレ(オランダ) +0:26
5位 テイメン・アレンスマン(オランダ) +0:53
ロードヨーロッパ選手権2024 女子エリート個人タイムトライアル結果
1位 ロッテ・コペッキー(ベルギー) 39.00
2位 エレン・ファンダイク(オランダ) +0:43
3位 クリスティーナ・シュワインバーガー(オーストリア) +1:02
4位 リーアンヌ・マルクス(オランダ) +1:04
5位 ヴィットリア・グアッツィーニ(イタリア) +1:08
text:So Isobe
photo:CorVos

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