2024/08/26(月) - 12:24
マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)がサンセバスチャンに続く勝利を挙げた。新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)と留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)が出場したブルターニュクラシックを制し、世界選に向けて弾みを付けた。
8月25日(日)に開催されたブルターニュクラシック・ウエストフランス(UCIワールドツアー)は、フランスでも特に自転車熱の高いブルターニュ地方を舞台に、1931年に初開催を迎えた歴史深いワンデーレース。一般サイクリストが参加するシクロスポルティフや女子ロードレース、MTBレースを含む「プルエー4日間レース(4jours de Plouay)」の最後を締めくくるビッグイベントだ。
2015年まで「GPウエストフランス・プルエー」として、2016年から現名称で親しまれている大会は、まさに細かいアップダウンの連続。低い丘陵地帯を走るにも関わらず獲得標高は3,500mを越え、歴代優勝者リストにはワウト・ファンアールト(2022年)やマイケル・マシューズ(2020年)など登坂をこなせるパンチャーの名前が並ぶ。
同時開催中のブエルタ・ア・エスパーニャとドイツ・ツアーに多くの有力選手が出場したが、それでも2024年大会にはパリ五輪銀メダリストで昨年大会覇者のヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマFDJ)がゼッケン1をつけ、パリ五輪MTB覇者トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)やジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)、アルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・ディステニー)、マシューズ、ワレン・バルギル(フランス、dsmフェルミニッヒ・ポストNL)といった豪華メンバーが出場。日本人でワールドチームに所属する2人、新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)と留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)もプルエーのスタートラインに顔を揃えた。
この日はシルヴァン・ディリエ(スイス、アルペシン・ドゥクーニンク)とクリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、ジェイコ・アルウラー)が2人逃げ。一時的に11分ものリードを稼いだ2人に対し、ロットとリドル・トレックがコントロールするメイン集団が徐々にタイム差を削り取る展開でアップダウンが続く後半戦へと入っていった。
レースが200kmを消化しようかというタイミングで、メイン集団内では落車が発生した。バウケ・モレマ(オランダ、リドル・トレック)やイヴ・ランパールト(ベルギー、スーダル・クイックステップ)、トビアス・フォス(ノルウェー、イネオス・グレナディアーズ)という、各チームのエース・サブエースクラスの選手が地面に投げ出されてしまう。時を同じくして逃げた2人を捕まえると、ここから本格的なアタック合戦が開始された。
その口火を切ったのは売り出し中のヨハン・アブラハムセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)だった。脚を残した選手たちがアタックを乱発し、2021年大会で2位に入っているアラフィリップも強力なペダリングで抜け出しを試みる。あまりのハイペースに集団分裂も発生する状況で、残り10kmを切ってから再びアラフィリップが先行する。しかし登坂距離が短いこともあって、集団を振り切るには至らなかった。
ラスト5kmを切ってからのティシュ・べノート(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)のペースアップによってドゥリーとマキシム・ファンヒルス(ベルギー、共にロット・ディステニー)、マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)、イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ)、セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、アルペシン・ドゥクーニンク)というエース級ばかりの6名が先行。連続して現れる登坂区間で「(ドゥリーなど)スプリンターと一緒にフィニッシュまで行くのはマズいと思っていた」と振り返るヒルシがアタックした。
勢い良く先行したヒルシはローテーションを回せない後続グループを引き離し、ホームストレートに到達。僅か1秒差の逃げ切りでサンセバスチャンに続くワールドツアー2連続勝利を達成した。
「ラスト60kmは本当に厳しいレースだったよ。強い選手がたくさんいたのでどの逃げも決まらなかったけれど、スプリントで勝ち目のない自分が思い描いた通りの展開で勝てた。追撃も掛かっていたから勝てるかどうか分からなかったし、限界ギリギリで逃げ続けたんだ」と振り返るヒルシ。今後はイタリアとルクセンブルクで数戦をこなして世界選手権を目指すという。
20歳のネオプロ、ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)が殊勲の2位に入り、3位はマグナス・コルト(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)。9回目の出場となった新城と留目は共にレース途中リタイアとなっている。
8月25日(日)に開催されたブルターニュクラシック・ウエストフランス(UCIワールドツアー)は、フランスでも特に自転車熱の高いブルターニュ地方を舞台に、1931年に初開催を迎えた歴史深いワンデーレース。一般サイクリストが参加するシクロスポルティフや女子ロードレース、MTBレースを含む「プルエー4日間レース(4jours de Plouay)」の最後を締めくくるビッグイベントだ。
2015年まで「GPウエストフランス・プルエー」として、2016年から現名称で親しまれている大会は、まさに細かいアップダウンの連続。低い丘陵地帯を走るにも関わらず獲得標高は3,500mを越え、歴代優勝者リストにはワウト・ファンアールト(2022年)やマイケル・マシューズ(2020年)など登坂をこなせるパンチャーの名前が並ぶ。
同時開催中のブエルタ・ア・エスパーニャとドイツ・ツアーに多くの有力選手が出場したが、それでも2024年大会にはパリ五輪銀メダリストで昨年大会覇者のヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマFDJ)がゼッケン1をつけ、パリ五輪MTB覇者トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)やジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)、アルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・ディステニー)、マシューズ、ワレン・バルギル(フランス、dsmフェルミニッヒ・ポストNL)といった豪華メンバーが出場。日本人でワールドチームに所属する2人、新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)と留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)もプルエーのスタートラインに顔を揃えた。
この日はシルヴァン・ディリエ(スイス、アルペシン・ドゥクーニンク)とクリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、ジェイコ・アルウラー)が2人逃げ。一時的に11分ものリードを稼いだ2人に対し、ロットとリドル・トレックがコントロールするメイン集団が徐々にタイム差を削り取る展開でアップダウンが続く後半戦へと入っていった。
レースが200kmを消化しようかというタイミングで、メイン集団内では落車が発生した。バウケ・モレマ(オランダ、リドル・トレック)やイヴ・ランパールト(ベルギー、スーダル・クイックステップ)、トビアス・フォス(ノルウェー、イネオス・グレナディアーズ)という、各チームのエース・サブエースクラスの選手が地面に投げ出されてしまう。時を同じくして逃げた2人を捕まえると、ここから本格的なアタック合戦が開始された。
その口火を切ったのは売り出し中のヨハン・アブラハムセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)だった。脚を残した選手たちがアタックを乱発し、2021年大会で2位に入っているアラフィリップも強力なペダリングで抜け出しを試みる。あまりのハイペースに集団分裂も発生する状況で、残り10kmを切ってから再びアラフィリップが先行する。しかし登坂距離が短いこともあって、集団を振り切るには至らなかった。
ラスト5kmを切ってからのティシュ・べノート(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)のペースアップによってドゥリーとマキシム・ファンヒルス(ベルギー、共にロット・ディステニー)、マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)、イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ)、セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、アルペシン・ドゥクーニンク)というエース級ばかりの6名が先行。連続して現れる登坂区間で「(ドゥリーなど)スプリンターと一緒にフィニッシュまで行くのはマズいと思っていた」と振り返るヒルシがアタックした。
勢い良く先行したヒルシはローテーションを回せない後続グループを引き離し、ホームストレートに到達。僅か1秒差の逃げ切りでサンセバスチャンに続くワールドツアー2連続勝利を達成した。
「ラスト60kmは本当に厳しいレースだったよ。強い選手がたくさんいたのでどの逃げも決まらなかったけれど、スプリントで勝ち目のない自分が思い描いた通りの展開で勝てた。追撃も掛かっていたから勝てるかどうか分からなかったし、限界ギリギリで逃げ続けたんだ」と振り返るヒルシ。今後はイタリアとルクセンブルクで数戦をこなして世界選手権を目指すという。
20歳のネオプロ、ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)が殊勲の2位に入り、3位はマグナス・コルト(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)。9回目の出場となった新城と留目は共にレース途中リタイアとなっている。
ブルターニュクラシック・ウエストフランス2024結果
1位 | マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ) | 6:09:35 |
2位 | ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) | +0:01 |
3位 | マグナス・コルト(デンマーク、ウノエックス・モビリティ) | |
4位 | アルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・ディステニー) | |
5位 | ティボー・ネイス(ベルギー、リドル・トレック) | |
6位 | ドリアン・ゴドン(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル) | |
7位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | |
8位 | ティボー・グルエル(フランス、グルパマFDJ) | |
9位 | クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス、アルケアB&Bホテルズ) | |
10位 | ユーゴ・パージュ(フランス、アンテルマルシェ・ワンティ) | |
DNF | 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) | |
DNF | 留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト) |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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