2024/06/26(水) - 17:15
服部産業が取り扱うタイヤブランド、アリスンより新たにTPUチューブが登場。本国工場、そして日本においても厳しい検品体制が構築され、低価格ながら安心して扱えるチューブのインプレッションをお届けする。
クリンチャーの扱いやすさはそのままに、ブチルやラテックスといった従来のゴム系チューブよりも圧倒的な軽さを実現したTPU(熱可塑ポリウレタン)チューブ。そのメリットは多くのサイクリストに受け入れられ、今では多くのブランドがラインアップしている。
中国最大級のタイヤメーカーである"ZCラバー"の自転車タイヤブランドであるアリスンもまた、TPUチューブを送り出した。鮮やかな蛍光グリーンが目を惹く新作は、様々な強みを有する一本だ。
まず、最もわかりやすいのはその価格だろう。多くのブランドがTPUチューブを手掛け、価格競争が激化する中において、アリスンは"1,430円(税込)"というインパクトのあるプライスタグを掲げる。一般的なブチルチューブとほぼ変わらない、あるいはモデル次第ではむしろ安価となるこの価格設定は大きな魅力となるだろう。
そして、ただ安価なだけでなく高い品質を担保するクオリティコントロールが行われていることこそ、このチューブの大きな特徴だ。製造元、そして輸入元のそれぞれでしっかりと検査されている。
アリスンの工場においては、「厚み」、「エアを抜いた状態での幅と長さ」、「重量」、「エア漏れ」、「目視での検品」、「バルブと継ぎ目のチェック」という6項目において基準を満たしたもののみが出荷されているという。
そして、国内に輸入されたのち、代理店である服部産業において全数検査が実施される。取り扱いに際しては国内でバルブ寸法を実測し、様々なホイールのバルブホールに適合するかをチェック。また、バルブとポンプヘッドの相性など、実際のユースケースにおいて気になる部分は確認済みだという。また、出荷前にはエア漏れが無いか、全数を水に漬けたチェックが行われるなど、その品質管理は徹底している。
手に取りやすい価格と、徹底的な品質管理が行われるアリスンのTPUチューブ。国内では55mmと75mmの2サイズのバルブ長が展開予定。55mmが先んじて入荷され、少し間をおいてから75mmも国内販売が開始されるとのことだ。それでは、実際の走行性能や扱いやすさについて、これまで多くのTPUチューブをテストしてきた編集部員の高木がテストしていく。
―編集部インプレッション
リサイクルを意識したであろうシンプルなパッケージから覗く、ビビッドなライムグリーンのチューブ。"Quality Management in Japan"のステッカーが、国内でもしっかり検品を行っていることを伝えてくる。梱包も非常に丁寧で、輸送時にもバルブに負担がかからないような台紙が嚙まされているあたりに、細部への気遣いを感じる。
驚いたのは日本語での取扱説明書が入っている点。TPUチューブは、一般的なゴムチューブとは扱いが異なる部分もある。特に手に取りやすい価格だけあって、この製品で初めてTPUチューブを使うという人も多いだろうと思われるため、こういった心配りはありがたい。そして気になる重量だが、2本測って35gと34g。非常に安定した品質が担保されていることが、ここからも窺い知れよう。
手触りも薄いながらもしっかりとした感触で、0.5barほど空気を入れてみても、TPUの素材からくる硬さと、薄さによるしなやかさの両方を感じ取れる。インストール時においては、鮮やかなライムグリーンのおかげでチューブの噛みこみも確認しやすい。
すべすべとした表面のおかげで、タイヤに収めやすいのもTPUチューブのメリットの一つ。チューブ単体で空気を入れすぎないという点さえ守れば、むしろ初心者に優しいのではないだろうかとすら感じる。
テストライダーである高木の身長は175cmと体重は61kg。空気圧に関してはチューブレスでは4.0bar程の空気圧で走ることが多い。今回のテストではグッドイヤーのEAGLE 28Cタイヤと組合せ、4.5~5barでテストを実施した。
やはりというか、漕ぎ出しの軽さはTPUチューブならでは。実測35gという重量は、チューブレスレディが必要とするシーラントの重さと遜色がないほどであり、特に軽さが武器となる低速域での加速は得意分野だ。
そしてEAGLEとの組み合わせにおいては、ブチルチューブよりもしなやかな乗り味へと変化する。良い意味でクリンチャーらしくなく、まるでチューブラーのように路面を捉え、柔軟に追従してくれるようになった。快適性はもちろん、グリップという側面においても大きなメリットを感じられる。
更に、携帯性に優れているのも嬉しいポイント。スペアチューブとしてサドルバッグやツールケース、バックポケットに入れておいても気にならない。しっかりとクオリティコントロールされているのも、いざという時の備えとして安心できるポイントだ。
1,430円というブチルチューブとほぼ変わらない価格で、多くのメリットを体感できるアリスンのTPUチューブ。次にチューブを交換する際、ぜひ候補にしてみてほしい一品だ。
アリスン TPUチューブ
バルブ長:55mm、75mm
重量:37g(公称地)、35g(実測)
仕様:ディスクブレーキ専用、700x25-28C対応、仏式バルブ、
同梱品:バルブガタツキ防止シール(リム表面に貼付け)
価格:1,430円(税込)
クリンチャーの扱いやすさはそのままに、ブチルやラテックスといった従来のゴム系チューブよりも圧倒的な軽さを実現したTPU(熱可塑ポリウレタン)チューブ。そのメリットは多くのサイクリストに受け入れられ、今では多くのブランドがラインアップしている。
中国最大級のタイヤメーカーである"ZCラバー"の自転車タイヤブランドであるアリスンもまた、TPUチューブを送り出した。鮮やかな蛍光グリーンが目を惹く新作は、様々な強みを有する一本だ。
まず、最もわかりやすいのはその価格だろう。多くのブランドがTPUチューブを手掛け、価格競争が激化する中において、アリスンは"1,430円(税込)"というインパクトのあるプライスタグを掲げる。一般的なブチルチューブとほぼ変わらない、あるいはモデル次第ではむしろ安価となるこの価格設定は大きな魅力となるだろう。
そして、ただ安価なだけでなく高い品質を担保するクオリティコントロールが行われていることこそ、このチューブの大きな特徴だ。製造元、そして輸入元のそれぞれでしっかりと検査されている。
アリスンの工場においては、「厚み」、「エアを抜いた状態での幅と長さ」、「重量」、「エア漏れ」、「目視での検品」、「バルブと継ぎ目のチェック」という6項目において基準を満たしたもののみが出荷されているという。
そして、国内に輸入されたのち、代理店である服部産業において全数検査が実施される。取り扱いに際しては国内でバルブ寸法を実測し、様々なホイールのバルブホールに適合するかをチェック。また、バルブとポンプヘッドの相性など、実際のユースケースにおいて気になる部分は確認済みだという。また、出荷前にはエア漏れが無いか、全数を水に漬けたチェックが行われるなど、その品質管理は徹底している。
手に取りやすい価格と、徹底的な品質管理が行われるアリスンのTPUチューブ。国内では55mmと75mmの2サイズのバルブ長が展開予定。55mmが先んじて入荷され、少し間をおいてから75mmも国内販売が開始されるとのことだ。それでは、実際の走行性能や扱いやすさについて、これまで多くのTPUチューブをテストしてきた編集部員の高木がテストしていく。
―編集部インプレッション
リサイクルを意識したであろうシンプルなパッケージから覗く、ビビッドなライムグリーンのチューブ。"Quality Management in Japan"のステッカーが、国内でもしっかり検品を行っていることを伝えてくる。梱包も非常に丁寧で、輸送時にもバルブに負担がかからないような台紙が嚙まされているあたりに、細部への気遣いを感じる。
驚いたのは日本語での取扱説明書が入っている点。TPUチューブは、一般的なゴムチューブとは扱いが異なる部分もある。特に手に取りやすい価格だけあって、この製品で初めてTPUチューブを使うという人も多いだろうと思われるため、こういった心配りはありがたい。そして気になる重量だが、2本測って35gと34g。非常に安定した品質が担保されていることが、ここからも窺い知れよう。
手触りも薄いながらもしっかりとした感触で、0.5barほど空気を入れてみても、TPUの素材からくる硬さと、薄さによるしなやかさの両方を感じ取れる。インストール時においては、鮮やかなライムグリーンのおかげでチューブの噛みこみも確認しやすい。
すべすべとした表面のおかげで、タイヤに収めやすいのもTPUチューブのメリットの一つ。チューブ単体で空気を入れすぎないという点さえ守れば、むしろ初心者に優しいのではないだろうかとすら感じる。
テストライダーである高木の身長は175cmと体重は61kg。空気圧に関してはチューブレスでは4.0bar程の空気圧で走ることが多い。今回のテストではグッドイヤーのEAGLE 28Cタイヤと組合せ、4.5~5barでテストを実施した。
やはりというか、漕ぎ出しの軽さはTPUチューブならでは。実測35gという重量は、チューブレスレディが必要とするシーラントの重さと遜色がないほどであり、特に軽さが武器となる低速域での加速は得意分野だ。
そしてEAGLEとの組み合わせにおいては、ブチルチューブよりもしなやかな乗り味へと変化する。良い意味でクリンチャーらしくなく、まるでチューブラーのように路面を捉え、柔軟に追従してくれるようになった。快適性はもちろん、グリップという側面においても大きなメリットを感じられる。
更に、携帯性に優れているのも嬉しいポイント。スペアチューブとしてサドルバッグやツールケース、バックポケットに入れておいても気にならない。しっかりとクオリティコントロールされているのも、いざという時の備えとして安心できるポイントだ。
1,430円というブチルチューブとほぼ変わらない価格で、多くのメリットを体感できるアリスンのTPUチューブ。次にチューブを交換する際、ぜひ候補にしてみてほしい一品だ。
アリスン TPUチューブ
バルブ長:55mm、75mm
重量:37g(公称地)、35g(実測)
仕様:ディスクブレーキ専用、700x25-28C対応、仏式バルブ、
同梱品:バルブガタツキ防止シール(リム表面に貼付け)
価格:1,430円(税込)
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