本日、日本で男女エリートのTTナショナル選手権が開催される一方、各国でも続々と2024年TT王者が決定している。イタリアではフィリッポ・ガンナが3連覇を決め、ベルギーではロッテ・コペッキーが女子エリートで6年連続の王者に輝いた。



オランダTT選手権女子エリートを制したリーアンヌ・マルクス(ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

本日6月21日(金)、静岡県伊豆市の日本サイクルスポーツセンターで開催される全日本選手個人タイムトライアルに先立ち、ヨーロッパを中心とした各国でもナショナル選手権が開催されている。

デミ・フォレリング(SDワークス・プロタイム)がツール・ド・スイス・ウィメンで総合優勝した翌日に臨んだオランダTT選手権女子エリート(6月19日)は、リーアンヌ・マルクス(ヴィスマ・リースアバイク)がチームメイトであるリーケ・ノーイェンを退けて2連覇を達成。フォレリングは振るわず3位だった。

またオランダの男子エリートはダーン・ホーレ(リドル・トレック)が初優勝。イギリスの女子エリートはアンナ・ヘンダーソン(ヴィスマ・リースアバイク)が自身2度目となる王者に輝き、男子は現ヨーロッパTT王者でもある20歳のジョシュア・ターリング(イネオス・グレナディアーズ)が2連覇を決めている。

ベルギー男子エリートを制したティム・ウェレンス(UAEチームエミレーツ) photo:CorVos

ベルギー女子エリートで6連覇を達成したロッテ・コペッキー(SDワークス・プロタイム) photo:CorVos

欧州の中でもTTの強い選手が揃うスイスでは、6月20日の男子エリートでシュテファン・キュング(グルパマFDJ)が王座奪還に成功。前欧州王者シュテファン・ビッセガー(EFエデュケーション・イージーポスト)や19歳の若手注目株ヤン・クリステン(UAEチームエミレーツ)に1分以上の差をつけ、キュングが6度目の王者を射止めた。

アイルランドの男子エリートではこれまで3度の2位に甘んじていたエディ・ダンバー(ジェイコ・アルウラー)が悲願の初優勝を挙げ、ノルウェーではソーレン・ヴァーレンショルト(ウノエックス・モビリティ)が2連覇。フランス男子エリートではブリュノ・アルミライユ(デカトロンAG2Rラモンディアル)が王座奪還に成功し、ベルギーではティム・ウェレンス(UAEチームエミレーツ)が制してツール・ド・フランスに弾みをつけている。

一方、ベルギー女子エリートはロードの世界王者であるロッテ・コペッキー(SDワークス・プロタイム)が6連覇を達成した。

自身5度目のイタリアTT選手権チャンピオンに輝いたフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos

パリ五輪に向け弾みをつけたフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos

イタリアの女子エリートではエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)が最速タイムでフィニッシュ。しかし4連覇中のロンゴボルギーニはチームカーに近づきすぎたとして25秒のタイムペナルティを受け、暫定2位だったヴィットリア・グアジーニ(FDJスエズ)が優勝する波乱が起きた。そのため23歳の新チャンピオンであるグアジーニが、7月27日に予定されているパリ五輪個人TTの出場権を手に入れた。

またイタリアの男子エリートはフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ)がエドアルド・アッフィニ(ヴィスマ・リースアバイク)やフィリッポ・バロンチーニ(UAEチームエミレーツ)らを下し、自身5度目で3連覇を決めている。
各国TTナショナル選手権優勝者
オランダ女子エリート リーアンヌ・マルクス(ヴィスマ・リースアバイク)
オランダ男子エリート ダーン・ホーレ(リドル・トレック)
イギリス女子エリート アンナ・ヘンダーソン(ヴィスマ・リースアバイク)
イギリス男子エリート ジョシュア・ターリング(イネオス・グレナディアーズ)
スイス男子エリート シュテファン・キュング(グルパマFDJ)
アイルランド男子エリート エディ・ダンバー(ジェイコ・アルウラー)
ノルウェー男子エリート ソーレン・ヴァーレンショルト(ウノエックス・モビリティ)
フランス男子エリート ブリュノ・アルミライユ(デカトロンAG2Rラモンディアル)
ベルギー女子エリート ロッテ・コペッキー(SDワークス・プロタイム)
ベルギー男子エリート ティム・ウェレンス(UAEチームエミレーツ)
イタリア女子エリート ヴィットリア・グアジーニ(FDJスエズ)
イタリア男子エリート フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos