2024/06/07(金) - 12:25
浅田顕氏が主導する若手ロード選手の発掘・強化プロジェクト「ロード・トゥ・ラヴニール(RTA)」が『2024年度「ツール・ド・ラヴニール」男子が不出場に至った経緯のご説明』として、6月6日(木)、支援者や報道関係者に向けて現状を公表した。
これより少し前にRTAには、日本自転車競技連盟(JCF)より「今季のラヴニール出場に向けての活動を委託しない」と言う意向が伝えられており、RTAはJCF主体の選手派遣体制が築かれる事を期待して、状況の推移を見守っていた。しかし今回の発表により、U23男子選手のラヴニール出場への道が閉ざされた事が明らかとなった(※女子選手については現在未発表)。
昨季の同レースでは、留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム、当時)が、日本人史上最高位である総合24位に入り健闘、ワールドチームへの契約を勝ち取ると言う成果が出ていた。
RTAプロジェクトはその目標を「プロ契約選手の輩出」とし、「その道筋での登竜門となるU23選手の世界最高峰大会ツール・ド・ラヴニールへの挑戦は最重要な活動」としていただけに、今後もそれに続く選手の登場に期待を膨らませていた関係者やファンからは、落胆の声が聞こえて来ている。このレースへの選出を目指してシーズン当初から準備を進めていた選手達もおり、その影響は少なくない。
現在、年間で海外レース活動を主体とするU23以下の選手は、南仏のクラブチーム「NIPPO・EF・マルティーグ」に所属する津田悠義ら6名のみ(当初記載の内田宇海選手は、エリートカテゴリーでした。お詫びして訂正いたします)。JCFによる日本ナショナルチームでの海外派遣は、アジア選手権と世界選手権以外は実施されていない状況で、U23枠がある国際大会であっても派遣の方針が示されていない。
今回の発表により、前述の2レース以外の海外レースは年間カレンダーから失われたこととなる。2024年度のロード強化指定選手はU23だけでも総勢13名で、実質的に私企業が営むクラブチーム1つに選手育成を委ねるその環境は、客観的に見て十分とは言い難い。
ナショナルフェデレーションが主体となって選手育成を進める国も少なくない中、苦況が続く国内ロードレース事情。今夏にはパリ五輪が控えている上、昨今の激しい円安の進行が、JCFの資金繰りを含めた年間計画に響いている可能性はある。ただ、RTAへの委託でクラウドファンディングによる資金調達に成功し、男女代表のラヴニール出場へ漕ぎ着けた事例がわずか1年前だっただけに、今回のJCFの動きに不透明な面があることも確かだ。
一方、将来有望な若手選手の発掘・強化を掲げるRTAは、昨年に続き夏場の欧州遠征に向けて選抜チームを組み、独自の選手強化を続ける方針。浅田氏は「現状を受け入れ直ちに必要な行動を検討した結果、RTAとしまして、今回はRTAの重要な活動の一つである「選抜チームでの欧州レース参戦」へ全力を注ぐことで、次期の優秀な日本代表選手の育成に取り組ませていただく事と致しました。今後も日本がロード競技で世界と肩を並べるために一生懸命活動を続けて参りますので、皆様には引き続きご理解とご支援を賜ります様お願い申し上げます。」とリリースを締めくくっている。
text: Yuichiro Hosoda
これより少し前にRTAには、日本自転車競技連盟(JCF)より「今季のラヴニール出場に向けての活動を委託しない」と言う意向が伝えられており、RTAはJCF主体の選手派遣体制が築かれる事を期待して、状況の推移を見守っていた。しかし今回の発表により、U23男子選手のラヴニール出場への道が閉ざされた事が明らかとなった(※女子選手については現在未発表)。
昨季の同レースでは、留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム、当時)が、日本人史上最高位である総合24位に入り健闘、ワールドチームへの契約を勝ち取ると言う成果が出ていた。
RTAプロジェクトはその目標を「プロ契約選手の輩出」とし、「その道筋での登竜門となるU23選手の世界最高峰大会ツール・ド・ラヴニールへの挑戦は最重要な活動」としていただけに、今後もそれに続く選手の登場に期待を膨らませていた関係者やファンからは、落胆の声が聞こえて来ている。このレースへの選出を目指してシーズン当初から準備を進めていた選手達もおり、その影響は少なくない。
現在、年間で海外レース活動を主体とするU23以下の選手は、南仏のクラブチーム「NIPPO・EF・マルティーグ」に所属する津田悠義ら6名のみ(当初記載の内田宇海選手は、エリートカテゴリーでした。お詫びして訂正いたします)。JCFによる日本ナショナルチームでの海外派遣は、アジア選手権と世界選手権以外は実施されていない状況で、U23枠がある国際大会であっても派遣の方針が示されていない。
今回の発表により、前述の2レース以外の海外レースは年間カレンダーから失われたこととなる。2024年度のロード強化指定選手はU23だけでも総勢13名で、実質的に私企業が営むクラブチーム1つに選手育成を委ねるその環境は、客観的に見て十分とは言い難い。
ナショナルフェデレーションが主体となって選手育成を進める国も少なくない中、苦況が続く国内ロードレース事情。今夏にはパリ五輪が控えている上、昨今の激しい円安の進行が、JCFの資金繰りを含めた年間計画に響いている可能性はある。ただ、RTAへの委託でクラウドファンディングによる資金調達に成功し、男女代表のラヴニール出場へ漕ぎ着けた事例がわずか1年前だっただけに、今回のJCFの動きに不透明な面があることも確かだ。
一方、将来有望な若手選手の発掘・強化を掲げるRTAは、昨年に続き夏場の欧州遠征に向けて選抜チームを組み、独自の選手強化を続ける方針。浅田氏は「現状を受け入れ直ちに必要な行動を検討した結果、RTAとしまして、今回はRTAの重要な活動の一つである「選抜チームでの欧州レース参戦」へ全力を注ぐことで、次期の優秀な日本代表選手の育成に取り組ませていただく事と致しました。今後も日本がロード競技で世界と肩を並べるために一生懸命活動を続けて参りますので、皆様には引き続きご理解とご支援を賜ります様お願い申し上げます。」とリリースを締めくくっている。
text: Yuichiro Hosoda
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