2024/06/05(水) - 09:40
登坂フィニッシュのクリテリウム・デュ・ドーフィネ第3ステージでイスラエル・プレミアテックの波状攻撃成功。昨年ジロでステージ2位を4回経験したデレク・ジー(カナダ)がフィアンセの目の前でキャリア最大の勝利を遂げた。
ツール・ド・フランスに向けた重要な前哨戦、クリテリウム・デュ・ドーフィネ(UCI2.ワールドツアー)第3ステージの舞台は、フランス中部のセル=シュル=デュロールからレスタブルを目指す181.7km。中盤から2級、3級、4級とカテゴリー山岳が続き、最後は距離3.9km/平均勾配5.2%の3級山岳を駆け上がってフィニッシュする。
総合成績に大差が付くわけでもないが、逃げ切りやステージ優勝を狙うには相応の登坂力が求められる難易度。前日勝者で総合首位につけるマグナス・コルト(デンマーク)を擁するウノエックス・モビリティのコントロールから逃げを打ったのは、ニコラ・プロドム(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)とレミ・ロシャ(フランス、グルパマFDJ)、そしてハリー・スウェニー(オーストラリア、EFエデュケーション・イージーポスト)というトリオだった。
この日はレース序盤にプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ)が落車するアクシデントが発生したものの、幸い特に大きなダメージは無し。50名近くがコルトから総合成績で10秒遅れという僅差の状態で、逃げグループのうち、プロドムが75.8km地点にある中間スプリントを1位通過してボーナスタイム3秒を稼いでいる。
残り距離40km、タイム差が1分まで近づいた段階ではクリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、ジェイコ・アルウラー)が一人集団を飛び出して合流に成功。フレッシュな牽引役を増やした逃げグループだったが、最終山岳「コート・デ・ゼスターブル(距離3.9km/平均5.2%)」に向けてメイン集団は猛烈にスピードアップ。わずかな逃げ切りの可能性に賭けて走る3人の野望はこのペースアップによって砕かれた。
ポイント賞リーダーの証、マイヨヴェールを着用するマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)らが強烈に牽引する集団は逃げる3名を飲み込み、まだ人数を残す集団からは4度のツール・ド・フランス総合優勝経験者クリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・プレミアテック)が早々にドロップしてしまう。しかしイスラエルは残り1kmから、ライバルの意表を突く波状攻撃に打って出た。
クリスツ・ニーランズ(ラトビア、イスラエル・プレミアテック)のロングアタックは長く続かなかったものの、吸収されたカウンターでデレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック)がアタック。唯一追従したロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)と共にスプリントを続け、躊躇するライバル勢を完全に振り切った。
諦める後続集団を背後にグレゴワールが勢い良く踏み込んだものの、ジーは一度スリップストリームに入って脚を休め、残り150m看板をきっかけに再度スプリント。緩い左カーブの外側からグレゴワールを抜き去り、そのままフィニッシュラインに飛び込んだ。
昨年、自身初のグランツール参戦となったジロ・デ・イタリアでステージ2位をなんと4度も繰り返した"シルバーコレクター"が、その悔しさを晴らす初のUCIワールドツアーレース勝利。この日総合成績10秒遅れでスタートしたジーはボーナスタイム10秒を獲得し、総合首位に立つというボーナスまでもぎ取っている。
「これまでとは全然違うよ。信じられないほど特別な勝利になった。ずっと2位ばかりだったし、この結果をずっと待ち望んでいたんだ。実際のところ結果を狙うつもりは無かったけれど、ニーランズのパワフルアタックの後に良い位置に付けていたのでチャンスが転がり込んできた」と、母国カナダから観戦に来ていたフィアンセと抱き合って喜んだジーは言う。「今日はディラン(トゥーンス)のステージ優勝を狙っていたけど、最後の峠で彼から"脚があるなら行ってくれ"と無線が入った。勝利に繋げることができて嬉しいし、明日マイヨジョーヌで走れるのは本当に特別だ」とも。翌日は34.4kmの個人タイムトライアルであり、2度のカナダTT王者であるジーの"マイヨジョーヌマジック"にも期待がかかっている。
ツール・ド・フランスに向けた重要な前哨戦、クリテリウム・デュ・ドーフィネ(UCI2.ワールドツアー)第3ステージの舞台は、フランス中部のセル=シュル=デュロールからレスタブルを目指す181.7km。中盤から2級、3級、4級とカテゴリー山岳が続き、最後は距離3.9km/平均勾配5.2%の3級山岳を駆け上がってフィニッシュする。
総合成績に大差が付くわけでもないが、逃げ切りやステージ優勝を狙うには相応の登坂力が求められる難易度。前日勝者で総合首位につけるマグナス・コルト(デンマーク)を擁するウノエックス・モビリティのコントロールから逃げを打ったのは、ニコラ・プロドム(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)とレミ・ロシャ(フランス、グルパマFDJ)、そしてハリー・スウェニー(オーストラリア、EFエデュケーション・イージーポスト)というトリオだった。
この日はレース序盤にプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ)が落車するアクシデントが発生したものの、幸い特に大きなダメージは無し。50名近くがコルトから総合成績で10秒遅れという僅差の状態で、逃げグループのうち、プロドムが75.8km地点にある中間スプリントを1位通過してボーナスタイム3秒を稼いでいる。
残り距離40km、タイム差が1分まで近づいた段階ではクリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、ジェイコ・アルウラー)が一人集団を飛び出して合流に成功。フレッシュな牽引役を増やした逃げグループだったが、最終山岳「コート・デ・ゼスターブル(距離3.9km/平均5.2%)」に向けてメイン集団は猛烈にスピードアップ。わずかな逃げ切りの可能性に賭けて走る3人の野望はこのペースアップによって砕かれた。
ポイント賞リーダーの証、マイヨヴェールを着用するマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)らが強烈に牽引する集団は逃げる3名を飲み込み、まだ人数を残す集団からは4度のツール・ド・フランス総合優勝経験者クリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・プレミアテック)が早々にドロップしてしまう。しかしイスラエルは残り1kmから、ライバルの意表を突く波状攻撃に打って出た。
クリスツ・ニーランズ(ラトビア、イスラエル・プレミアテック)のロングアタックは長く続かなかったものの、吸収されたカウンターでデレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック)がアタック。唯一追従したロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)と共にスプリントを続け、躊躇するライバル勢を完全に振り切った。
諦める後続集団を背後にグレゴワールが勢い良く踏み込んだものの、ジーは一度スリップストリームに入って脚を休め、残り150m看板をきっかけに再度スプリント。緩い左カーブの外側からグレゴワールを抜き去り、そのままフィニッシュラインに飛び込んだ。
昨年、自身初のグランツール参戦となったジロ・デ・イタリアでステージ2位をなんと4度も繰り返した"シルバーコレクター"が、その悔しさを晴らす初のUCIワールドツアーレース勝利。この日総合成績10秒遅れでスタートしたジーはボーナスタイム10秒を獲得し、総合首位に立つというボーナスまでもぎ取っている。
「これまでとは全然違うよ。信じられないほど特別な勝利になった。ずっと2位ばかりだったし、この結果をずっと待ち望んでいたんだ。実際のところ結果を狙うつもりは無かったけれど、ニーランズのパワフルアタックの後に良い位置に付けていたのでチャンスが転がり込んできた」と、母国カナダから観戦に来ていたフィアンセと抱き合って喜んだジーは言う。「今日はディラン(トゥーンス)のステージ優勝を狙っていたけど、最後の峠で彼から"脚があるなら行ってくれ"と無線が入った。勝利に繋げることができて嬉しいし、明日マイヨジョーヌで走れるのは本当に特別だ」とも。翌日は34.4kmの個人タイムトライアルであり、2度のカナダTT王者であるジーの"マイヨジョーヌマジック"にも期待がかかっている。
クリテリウム・デュ・ドーフィネ2024第3ステージ結果
1位 | デレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | 4:22:18 |
2位 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) | |
3位 | ルーカス・ネルーカー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:03 |
4位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) | |
5位 | アロルド・テハダ(コロンビア、アスタナ・カザクスタン) | |
6位 | サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
7位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
8位 | クレモン・シャンプッサン(フランス、アルケアB&Bホテルズ) | |
9位 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
10位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ) |
個人総合成績
1位 | デレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | 11:45:20 |
2位 | マグナス・コルト(デンマーク、ウノエックス・モビリティ) | +0:03 |
3位 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) | +0:04 |
4位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:07 |
5位 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:09 |
6位 | ルーカス・ネルーカー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
7位 | ブリュノ・アルミライユ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル) | +0:11 |
8位 | クレモン・シャンプッサン(フランス、アルケアB&Bホテルズ) | +0:13 |
9位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) | |
10位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) |
山岳賞 | マティス・ルベール(フランス、アルケアB&Bホテルズ) |
ヤングライダー賞 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) |
チーム総合成績 | モビスター |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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