区間6勝に加え、9分56秒の大差で第107回ジロ・デ・イタリアを総合優勝したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)。「夢の一つが叶った」と喜ぶ言葉と共に「一度スイッチを切り、そして100%の集中でツールに臨む」とジロ・ツール連続総合優勝に向けて意気込みを語った。



トロフェオ・センツァフィーネを味わうタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:RCS Sport

5月26日(日)、ジロ・デ・イタリアの最終地点ローマでタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)は、トロフェオ・センツァフィーネを掲げ総合優勝の祝福を受けた。

大会初日こそ勝利を逃したものの、ポガチャルは第2ステージの区間優勝から20日間に渡りマリアローザを保持。それどころか3週間で区間6勝を積み重ね、2006年のイヴァン・バッソ(9分18秒)を抜き21世紀では最大となる9分56秒差で総合優勝を決めた。

マリアローザのタデイ・ポガチャル(スロベニア)とスペシャルジャージを纏ったUAEチームエミレーツ photo:CorVos

―ローマの地でマリアローザを披露した気持ちは?

ここまで長い一日になっており、いまだ実感が持てないでいる。今日という日を終え家に帰りリラックスしたら、徐々に僕らの達成したことの大きさが理解できるのだろう。だけどいまは、ただ全てがクレイジーだよ。

初出場のジロをこういう形で総合優勝することができた。ジロで勝つことはツール・ド・フランスと並び夢の一つだった。

―総合優勝だけでなく大会を通してステージ優勝を狙う積極的な走りを見せた。それは当初から考えていたプランだったのか?

開幕前に掲げていた目標は、良い精神と身体の状態で最終日のローマにたどり着くこと。それを達成することができ、今大会の結果は全て予想を超えていた。またファンを楽しませるショーを見せることができた。そして僕も素晴らしいファンの中、楽しみながら走ることができた。

自身初となるマリアローザに袖を通したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos

第7ステージの個人タイムトライアル photo:RCS Sport
第12ステージのポガチャル photo:CorVos


ステージによってビブショーツの色を変え、ファンを楽しませた photo:RCS Sport

―最も記憶に残っている瞬間は?

今大会で最も良かった瞬間は一つに選べないものの、仲間たちとの時間は特別なものだった。なぜならこの3週間だけでなく、合宿を合わせればもっと長い間を共にしていたのだからね。彼らの存在は大きく、僕らはまるで家族のよう。だからこそ一緒に過ごした日々が特別だったと言える。

―今大会でやり残したことなどはあるか?

この大会を通して反省点はなく、区間6勝を含め全てがボーナスみたいなものだった。その結果に僕を導いてくれたチームに感謝したい。だから後悔も一切なく、最高のレースができた。

第15ステージを制したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos

第20ステージで36.1kmの独走勝利したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:RCS Sport

―1ヶ月後の6月29日にツール・ド・フランスが開幕するが。

一度スイッチを切り、また100%の集中でツール・ド・フランスに臨みたい。

ツール・ド・フランスに向けていま、良い道を歩んでいると思う。ここ数日間の脚の状態は最高と言え、今後の回復もきっと上手くいくだろう。だから(ジロを走らなかったシーズンと)同じぐらい、もしくはそれ以上の状態でツールに臨むことができると思う。

バイクを掲げ、チームと共に総合優勝を喜ぶタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:RCS Sport

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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