2024/05/14(火) - 09:56
区間3勝に加え、総合で2分40秒と大きなリードを得たタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)。本人が「完璧に近い」と語るジロ・デ・イタリア第1週目を、ポガチャルの言葉や写真と共に振り返る。
イタリア北西部ピエモンテ州にある古都、トリノで開幕した第107回ジロ・デ・イタリア。その初日は21世紀に入り”初”となった2級山岳を含む丘陵ステージで争われた。
初日の優勝候補筆頭に挙げられたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)は、残り4.3km地点から始まる丘で予想通りアタックを仕掛ける。矢のようなスピードで総合のライバルたちを引き離す一方、それに食らいついたジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)にスプリントで敗れた。
自身が運営する自転車アカデミーの生徒が亡くなり、左腕に黒い喪章をつけて勝利を目指したポガチャル。しかしその翌日、劇的な勝利と共にマリアローザを着用することになる。
2日目の舞台となったのは、早くも登場した1級山岳の山頂フィニッシュ。1999年大会に麓でメカトラに見舞われたマルコ・パンターニが49人を抜き、区間優勝したことで知られる巡礼地で、ポガチャルもその麓でパンクと落車に見舞われる。
そのため観ている者に「パンターニの再現」を期待されるなか、落ち着いて集団に復帰したポガチャルはチームメイトと共に先頭前方へ。そして頂上まで残り4.5km地点からアタック。今度は誰の追従を許すことなく、前日に逃したジロ初勝利と共に「夢だった」と語るマリアローザに袖を通した。
マリアローザを纏い初めてのレースに臨んだポガチャルは、166kmの平坦路で争われた第3ステージでも見せ場を作った。逃げを捕らえたメイン集団から、フィニッシュ手前4.5kmの丘でミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)が飛び出し、それにポガチャルは反応。更に総合争いのライバルであるゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)も追従し、ホノレが遅れトーマスと2人になったポガチャルはフィニッシュを目指した。
結局のところスプリンターチームに捕まり、勝利を逃したものの、「良い脚のストレッチになったよ」と本気とも冗談ともとれるコメントを残したポガチャル。ちなみにこの日ポガチャルがマリアローザと合わせ着用したのが、紫のマリアチクラミーノ(ポイント賞ジャージ)カラーに染められたビブショーツ。チームカラーやピンクなどを履く選手が多いなか、レース後に物議を醸したものの、正式にUCI(国際自転車競技連合)に認められることとなった。
そしてその紫色のビブショーツを着て臨んだ第7ステージでも、ポガチャルは驚きの走りを披露する。最終出走者として走り出したポガチャルは、フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)から第1中間計測を44秒遅れで通過。また第2計測でも47秒のまま、登坂距離6.6kmの4級山岳に入る。
「前半はイージーペースで入り、後半勝負の作戦だった」とレース後に振り返ったポガチャルは、ガンナよりも1分4秒早い登坂タイムで駆け上がる。その驚異的な登坂を見せつけた結果、ガンナを17秒上回り区間2勝目を手に入れた。
そしてポガチャルは、翌日の山頂フィニッシュでもチームの高速牽引からスプリント勝利を飾る。また「チームの走りに勝利で報いたかった」と語る一方で、「他の総合上位勢はもっと積極的になった方がいい」とライバルたちに苦言を呈する場面も。
そして第9ステージではチームメイトのフアン・モラノ(コロンビア)のためスプリントの最終盤でリードアウトを担い、総合2位のダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)に2分40秒差をつける「ほぼ完璧な結果」で第1週目を終えた。
ナポリでの第1休息日を迎えたポガチャルは「大きなタイム差を得たことにより、限界を超えて総合タイムを奪いにいく必要がなくなった。だからより保守的な走りができる」とコメント。また第2週目以降については、「特に第3週目はアレンスマン(総合9位)やG(トーマス:総合3位)を擁するイネオスが仕掛けてくるだろう」と予想した。
text:Sotaro.Arakawa
イタリア北西部ピエモンテ州にある古都、トリノで開幕した第107回ジロ・デ・イタリア。その初日は21世紀に入り”初”となった2級山岳を含む丘陵ステージで争われた。
初日の優勝候補筆頭に挙げられたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)は、残り4.3km地点から始まる丘で予想通りアタックを仕掛ける。矢のようなスピードで総合のライバルたちを引き離す一方、それに食らいついたジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)にスプリントで敗れた。
自身が運営する自転車アカデミーの生徒が亡くなり、左腕に黒い喪章をつけて勝利を目指したポガチャル。しかしその翌日、劇的な勝利と共にマリアローザを着用することになる。
2日目の舞台となったのは、早くも登場した1級山岳の山頂フィニッシュ。1999年大会に麓でメカトラに見舞われたマルコ・パンターニが49人を抜き、区間優勝したことで知られる巡礼地で、ポガチャルもその麓でパンクと落車に見舞われる。
そのため観ている者に「パンターニの再現」を期待されるなか、落ち着いて集団に復帰したポガチャルはチームメイトと共に先頭前方へ。そして頂上まで残り4.5km地点からアタック。今度は誰の追従を許すことなく、前日に逃したジロ初勝利と共に「夢だった」と語るマリアローザに袖を通した。
マリアローザを纏い初めてのレースに臨んだポガチャルは、166kmの平坦路で争われた第3ステージでも見せ場を作った。逃げを捕らえたメイン集団から、フィニッシュ手前4.5kmの丘でミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)が飛び出し、それにポガチャルは反応。更に総合争いのライバルであるゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)も追従し、ホノレが遅れトーマスと2人になったポガチャルはフィニッシュを目指した。
結局のところスプリンターチームに捕まり、勝利を逃したものの、「良い脚のストレッチになったよ」と本気とも冗談ともとれるコメントを残したポガチャル。ちなみにこの日ポガチャルがマリアローザと合わせ着用したのが、紫のマリアチクラミーノ(ポイント賞ジャージ)カラーに染められたビブショーツ。チームカラーやピンクなどを履く選手が多いなか、レース後に物議を醸したものの、正式にUCI(国際自転車競技連合)に認められることとなった。
そしてその紫色のビブショーツを着て臨んだ第7ステージでも、ポガチャルは驚きの走りを披露する。最終出走者として走り出したポガチャルは、フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)から第1中間計測を44秒遅れで通過。また第2計測でも47秒のまま、登坂距離6.6kmの4級山岳に入る。
「前半はイージーペースで入り、後半勝負の作戦だった」とレース後に振り返ったポガチャルは、ガンナよりも1分4秒早い登坂タイムで駆け上がる。その驚異的な登坂を見せつけた結果、ガンナを17秒上回り区間2勝目を手に入れた。
そしてポガチャルは、翌日の山頂フィニッシュでもチームの高速牽引からスプリント勝利を飾る。また「チームの走りに勝利で報いたかった」と語る一方で、「他の総合上位勢はもっと積極的になった方がいい」とライバルたちに苦言を呈する場面も。
そして第9ステージではチームメイトのフアン・モラノ(コロンビア)のためスプリントの最終盤でリードアウトを担い、総合2位のダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)に2分40秒差をつける「ほぼ完璧な結果」で第1週目を終えた。
ナポリでの第1休息日を迎えたポガチャルは「大きなタイム差を得たことにより、限界を超えて総合タイムを奪いにいく必要がなくなった。だからより保守的な走りができる」とコメント。また第2週目以降については、「特に第3週目はアレンスマン(総合9位)やG(トーマス:総合3位)を擁するイネオスが仕掛けてくるだろう」と予想した。
text:Sotaro.Arakawa
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