2024/05/04(土) - 08:00
2日連続の山頂フィニッシュとなったラ・ブエルタ・フェメニーナ第6ステージ。デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)の高速登坂に食らいついたエヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ)が、フィニッシュ手前でマイヨロホを下した。
デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)がシーズン初勝利を飾った翌日も、ラ・ブエルタ・フェメニーナは山頂フィニッシュが登場した。第6ステージの舞台はタラゾナから1級山岳ヴィヌエサの頂上に至る132.1kmで、標高500mスタート地点のから緩やかに登り、標高1,000mの平坦路を走っていく。
このシンプルなレイアウトの最後に設定されたのは1級山岳ヴィヌエサ(登坂距離6.5km/平均勾配6.8%)。特にフィニッシュ直前は勾配が13〜14%の急坂だ。
この日はスタート前に3名の未出走が伝えられた。その中には前日の落車で打撲と脳震盪を起こしたガイア・レアリーニ(イタリア、リドル・トレック)と、アルデンヌクラシックから体調不良を引きずっていたカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)の名前が。総合優勝候補の2人がレースを去り、124名まで減った集団は現地時間午後1時41分にスタートを切った。
なかなか逃げが生まれなかった前日とは違い、この日は序盤からラウラ・モレナール(オランダ、フォルカーヴェッセルス・ウィメンズプロサイクリングチーム)を含む4名の逃げグループを形成される。一方のメイン集団はマイヨロホを着るフォレリングのSDワークスが中心にコントロール。逃げに有力な選手がおらず、また平坦路のためプロトンは穏やかな雰囲気に包まれた。
しかし、残り63km地点の補給ポイントでアニーク・ファンアルフェン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)がボトルを踏み単独落車する。大きな怪我はなかったものの、ファンアルフェンはそのままレースを棄権。そして残り17.2km地点に設定されたこの日唯一の中間スプリントに向け、ヴィスマ・リースアバイクがプロトンのペースを引き上げた。
フォーヴ・バスティエンセン(ベルギー、ロット・デスティニー)が最後まで抗ったものの、プロトンは中間スプリントの手前で逃げ集団を吸収する。そして思惑通りマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が先頭通過してポイントを加算。そして一つの集団となった選手たちは、フィニッシュ地点の待つ1級山岳ヴィヌエサ(距離6.5km/平均6.8%)に足を踏み入れた。
登り口からはSDワークスやリドル・トレックではなく、FDJスエズが積極的にペースを作る。特にグレース・ブラウン(オーストラリア、FDJスエズ)のテンポは集団を20名程度まで絞り、遅れる選手の中にはクライマーのリアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター)の姿も。そして残り3.8km地点でブラウンが仕事を終えると、前日と同じく早くもフォレリングが先頭に出た。
レアリーニやニエウィアドマのいない集団はフォレリング自らによる選別に12名まで絞られ、残り2km地点からパウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)がアタックする。しかしフォレリングがすぐさま引き戻し、勾配が13%を越えるラスト1km地点に突入。ハイケイデンスで快調に脚を回すフォレリングに残り400mでエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)が遅れ、エヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ)が唯一食らいついた。
そしてフィニッシュ手前でフォレリングを抜いたムジックが、ステージ優勝を掴んだ。
「後ろを振り返り、フォレリングの後ろについているのが自分だけだと気がついた。だから引き離されないことだけを考えて踏み続けた。この勝利はチームメイトがレースを通して私をサポートしてくれたおかげ。本当に信じられない勝利」と、ムジックは喜んだ。
ムジックは2018年からFDJに所属する、生え抜きの24歳。2020年のジロ・ローザ最終ステージでは逃げ切りの末に勝利を飾り、これがそれ以来となるグランツールでの区間優勝となった。
総合順位に大きな変動はなかったものの、首位フォレリングが総合2位ロンゴボルギーニとの差を31秒から56秒まで拡大。オランダの新エースが総合優勝にまた一歩近づいた。
デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)がシーズン初勝利を飾った翌日も、ラ・ブエルタ・フェメニーナは山頂フィニッシュが登場した。第6ステージの舞台はタラゾナから1級山岳ヴィヌエサの頂上に至る132.1kmで、標高500mスタート地点のから緩やかに登り、標高1,000mの平坦路を走っていく。
このシンプルなレイアウトの最後に設定されたのは1級山岳ヴィヌエサ(登坂距離6.5km/平均勾配6.8%)。特にフィニッシュ直前は勾配が13〜14%の急坂だ。
この日はスタート前に3名の未出走が伝えられた。その中には前日の落車で打撲と脳震盪を起こしたガイア・レアリーニ(イタリア、リドル・トレック)と、アルデンヌクラシックから体調不良を引きずっていたカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)の名前が。総合優勝候補の2人がレースを去り、124名まで減った集団は現地時間午後1時41分にスタートを切った。
なかなか逃げが生まれなかった前日とは違い、この日は序盤からラウラ・モレナール(オランダ、フォルカーヴェッセルス・ウィメンズプロサイクリングチーム)を含む4名の逃げグループを形成される。一方のメイン集団はマイヨロホを着るフォレリングのSDワークスが中心にコントロール。逃げに有力な選手がおらず、また平坦路のためプロトンは穏やかな雰囲気に包まれた。
しかし、残り63km地点の補給ポイントでアニーク・ファンアルフェン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)がボトルを踏み単独落車する。大きな怪我はなかったものの、ファンアルフェンはそのままレースを棄権。そして残り17.2km地点に設定されたこの日唯一の中間スプリントに向け、ヴィスマ・リースアバイクがプロトンのペースを引き上げた。
フォーヴ・バスティエンセン(ベルギー、ロット・デスティニー)が最後まで抗ったものの、プロトンは中間スプリントの手前で逃げ集団を吸収する。そして思惑通りマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が先頭通過してポイントを加算。そして一つの集団となった選手たちは、フィニッシュ地点の待つ1級山岳ヴィヌエサ(距離6.5km/平均6.8%)に足を踏み入れた。
登り口からはSDワークスやリドル・トレックではなく、FDJスエズが積極的にペースを作る。特にグレース・ブラウン(オーストラリア、FDJスエズ)のテンポは集団を20名程度まで絞り、遅れる選手の中にはクライマーのリアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター)の姿も。そして残り3.8km地点でブラウンが仕事を終えると、前日と同じく早くもフォレリングが先頭に出た。
レアリーニやニエウィアドマのいない集団はフォレリング自らによる選別に12名まで絞られ、残り2km地点からパウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)がアタックする。しかしフォレリングがすぐさま引き戻し、勾配が13%を越えるラスト1km地点に突入。ハイケイデンスで快調に脚を回すフォレリングに残り400mでエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)が遅れ、エヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ)が唯一食らいついた。
そしてフィニッシュ手前でフォレリングを抜いたムジックが、ステージ優勝を掴んだ。
「後ろを振り返り、フォレリングの後ろについているのが自分だけだと気がついた。だから引き離されないことだけを考えて踏み続けた。この勝利はチームメイトがレースを通して私をサポートしてくれたおかげ。本当に信じられない勝利」と、ムジックは喜んだ。
ムジックは2018年からFDJに所属する、生え抜きの24歳。2020年のジロ・ローザ最終ステージでは逃げ切りの末に勝利を飾り、これがそれ以来となるグランツールでの区間優勝となった。
総合順位に大きな変動はなかったものの、首位フォレリングが総合2位ロンゴボルギーニとの差を31秒から56秒まで拡大。オランダの新エースが総合優勝にまた一歩近づいた。
ラ・ブエルタ・フェメニーナ2024第6ステージ
1位 | エヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ) | 4:10:20 |
2位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +0:02 |
3位 | ヤラ・カステレイン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +0:15 |
4位 | リーアンヌ・マルクス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:17 |
5位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック) | +0:21 |
6位 | リカルダ・ボーンファイント(ドイツ、キャニオン・スラム) | |
7位 | ジュリエット・ラブース(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | |
8位 | パウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +0:33 |
9位 | ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス・プロタイム) | +0:38 |
10位 | キム・カゾー(ニュージーランド、EFエデュケーション・キャノンデール) | +0:40 |
個人総合成績
1位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム) | 17:20:01 |
2位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック) | +0:56 |
3位 | リーアンヌ・マルクス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:14 |
4位 | ジュリエット・ラブース(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | +1:38 |
5位 | ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス・プロタイム) | +2:16 |
6位 | エヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ) | +2:42 |
7位 | マーレン・ロイサー(スイス、SDワークス・プロタイム) | +2:52 |
8位 | リカルダ・ボーンファイント(ドイツ、キャニオン・スラム) | +3:17 |
9位 | ヤラ・カステレイン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +3:25 |
10位 | クリステン・フォークナー(アメリカ、EFエデュケーション・キャノンデール) | +3:29 |
その他の特別賞
ポイント賞 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) |
山岳賞 | カーリーン・スウィンケルス(オランダ、UAEチームADQ) |
ヤングライダー賞 | アントニア・ニーダーマイヤー(ドイツ、キャニオン・スラム) |
チーム総合成績 | SDワークス・プロタイム |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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