2024/05/03(金) - 19:00
栄光のピンクジャージをかけた3週間の戦いが、明日5月4日(日)に開幕。初出場で総合優勝を目指すのは、過去2度ツール・ド・フランスを制覇したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)。対するGトーマスやオコーナーなど、マリアローザ争いをプレビューする。
イタリア北西部にある第4の都市、トリノで開幕する第107回ジロ・デ・イタリア。その総合優勝者が最終到着地点で手にするのが、天に向かい螺旋するトロフェオ・センツァフィーネとピンクに彩られたマリアローザだ。
1931年大会より続く「バラ色ジャージ」はガゼッタ・デッロ・スポルト紙の色。そのジャージスポンサーは今年も元国営の電力会社であるエネル社が務める。
マリアローザはツール・ド・フランスのマイヨジョーヌと同じく、各ステージの成績を積算し、そのタイムが最も少ない選手が翌日のステージで着用する。そして最終日を終えた時点でマリアローザを着ている選手がジロ・デ・イタリア総合優勝の栄冠に輝く。
また各ステージのフィニッシュにはボーナスタイムが設定されており、個人TTを除く各ステージの上位3名(1位-10秒、2位-6秒、3位-4秒)と、中間スプリントポイント上位3名(1位-3秒、2位-2秒、3位-1秒)に与えられる。そのためフィニッシュでの着順はもちろん、日々積み重ねる秒数が総合タイムに影響を及ぼすことになる。
大本命ポガチャルが自身初のマリアローザを目指す
今年の断トツの総合優勝候補に挙げられるのは、大会初登場となるタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)だ。昨年の覇者プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)がボーラ・ハンスグローエ移籍と共にツールに狙いを変え、コロナ感染で途中棄権したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)も今年はツールに注力。そのためログリッチと同じくスロベニア出身のポガチャルがマリアローザ獲得を目指す。
ポガチャルは今年初戦となったストラーデビアンケで81kmの独走勝利を披露し、3月のボルタ・ア・カタルーニャは7戦4勝で総合優勝。そして高地トレーニング明けのリエージュ〜バストーニュ〜リエージュでも34km独走を決め、これ以上ないコンディションでジロ開幕を迎える。唯一懸念点があるとすれば、選手層の厚いUAEにしては心許ないアシスト陣か。
対抗はチーム力で優るGトーマスとオコーナー
今大会でゼッケン1をつけるのは、昨年第19ステージまでマリアローザを着用したゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)。今季はここまで一切勝利に絡んでいないものの、それはベテランらしいピーキングが上手く行っている証拠。またフィリッポ・ガンナ(イタリア)や昨年総合6位のテイメン・アレンスマン(オランダ)などチーム力ではUAEを上回る。
今季の成績で言えば、ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)を優勝候補の2番手に挙げる声も多い。ここまでUAEツアーとツール・ド・ジ・アルプスで総合2位に入る好調ぶりに加え、今季同じくコンディションの良いパレパントル兄弟(オレリアン&ヴァランタン)と共に高みを目指す。
他には自身初の単独エースに臨むダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)やロマン・バルデ(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)に注目。また2022年ツール・ド・ラヴニールの覇者で21歳のキアン・アイデブルックス(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)の走りにも期待したい。
またジェイコ・アルウラーはエディ・ダンバー(アイルランド)とルーク・プラップ(オーストラリア)を揃え、バーレーン・ヴィクトリアスはダミアーノ・カルーゾ(イタリア)とアントニオ・ティベーリ(イタリア)が総合と区間優勝を狙う。
ちなみに2014年覇者であり、7年振りの出場となるナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)は総合は狙わず、あくまでも区間優勝を目指すとコメントしている。
イタリア北西部にある第4の都市、トリノで開幕する第107回ジロ・デ・イタリア。その総合優勝者が最終到着地点で手にするのが、天に向かい螺旋するトロフェオ・センツァフィーネとピンクに彩られたマリアローザだ。
1931年大会より続く「バラ色ジャージ」はガゼッタ・デッロ・スポルト紙の色。そのジャージスポンサーは今年も元国営の電力会社であるエネル社が務める。
マリアローザはツール・ド・フランスのマイヨジョーヌと同じく、各ステージの成績を積算し、そのタイムが最も少ない選手が翌日のステージで着用する。そして最終日を終えた時点でマリアローザを着ている選手がジロ・デ・イタリア総合優勝の栄冠に輝く。
また各ステージのフィニッシュにはボーナスタイムが設定されており、個人TTを除く各ステージの上位3名(1位-10秒、2位-6秒、3位-4秒)と、中間スプリントポイント上位3名(1位-3秒、2位-2秒、3位-1秒)に与えられる。そのためフィニッシュでの着順はもちろん、日々積み重ねる秒数が総合タイムに影響を及ぼすことになる。
大本命ポガチャルが自身初のマリアローザを目指す
今年の断トツの総合優勝候補に挙げられるのは、大会初登場となるタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)だ。昨年の覇者プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)がボーラ・ハンスグローエ移籍と共にツールに狙いを変え、コロナ感染で途中棄権したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)も今年はツールに注力。そのためログリッチと同じくスロベニア出身のポガチャルがマリアローザ獲得を目指す。
ポガチャルは今年初戦となったストラーデビアンケで81kmの独走勝利を披露し、3月のボルタ・ア・カタルーニャは7戦4勝で総合優勝。そして高地トレーニング明けのリエージュ〜バストーニュ〜リエージュでも34km独走を決め、これ以上ないコンディションでジロ開幕を迎える。唯一懸念点があるとすれば、選手層の厚いUAEにしては心許ないアシスト陣か。
対抗はチーム力で優るGトーマスとオコーナー
今大会でゼッケン1をつけるのは、昨年第19ステージまでマリアローザを着用したゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)。今季はここまで一切勝利に絡んでいないものの、それはベテランらしいピーキングが上手く行っている証拠。またフィリッポ・ガンナ(イタリア)や昨年総合6位のテイメン・アレンスマン(オランダ)などチーム力ではUAEを上回る。
今季の成績で言えば、ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)を優勝候補の2番手に挙げる声も多い。ここまでUAEツアーとツール・ド・ジ・アルプスで総合2位に入る好調ぶりに加え、今季同じくコンディションの良いパレパントル兄弟(オレリアン&ヴァランタン)と共に高みを目指す。
他には自身初の単独エースに臨むダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)やロマン・バルデ(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)に注目。また2022年ツール・ド・ラヴニールの覇者で21歳のキアン・アイデブルックス(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)の走りにも期待したい。
またジェイコ・アルウラーはエディ・ダンバー(アイルランド)とルーク・プラップ(オーストラリア)を揃え、バーレーン・ヴィクトリアスはダミアーノ・カルーゾ(イタリア)とアントニオ・ティベーリ(イタリア)が総合と区間優勝を狙う。
ちなみに2014年覇者であり、7年振りの出場となるナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)は総合は狙わず、あくまでも区間優勝を目指すとコメントしている。
歴代マリアローザ獲得選手
2023年 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア) |
2022年 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア) |
2021年 | エガン・ベルナル(コロンビア) |
2020年 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス) |
2019年 | リチャル・カラパス(エクアドル ) |
2018年 | クリストファー・フルーム(イギリス) |
2017年 | トム・デュムラン(オランダ) |
2016年 | ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア) |
2015年 | アルベルト・コンタドール(スペイン) |
2014年 | ナイロ・キンタナ(コロンビア) |
2013年 | ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア) |
2012年 | ライダー・ヘシェダル(カナダ) |
2011年 | ミケーレ・スカルポーニ(イタリア) |
2010年 | イヴァン・バッソ(イタリア) |
2009年 | デニス・メンショフ(ロシア) |
2008年 | アルベルト・コンタドール(スペイン) |
2007年 | ダニーロ・ディルーカ(イタリア) |
2006年 | イヴァン・バッソ(イタリア) |
2005年 | パオロ・サヴォルデッリ(イタリア) |
2004年 | ダミアーノ・クネゴ(イタリア) |
2003年 | ジルベルト・シモーニ(イタリア) |
2002年 | パオロ・サヴォルデッリ(イタリア) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
Amazon.co.jp