2024/04/23(火) - 08:15
「2年前はウルシュカの母親が亡くなり、昨年は骨折という不運を乗り越え掴んだ勝利」と、2度目のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ制覇を果たしたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)は語った。2位のバルデや勝者を称えるファンデルプールなどのコメントを紹介します。
優勝 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)
スタートから悪天候で、チームとして良いペースに持ち込むことで身体を暖めようとした。今日は(パートナーである)ウルシュカ(ジガート)の母親が2年前に亡くなった日。また昨年は手首を骨折したため、この大会は2年連続で難しいレースとなっていた。だから今日はウルシュカの母親のために走り、再びこの美しいレースで勝つことができた。
僕のために尽力してくれたチームメイトに感謝したい。信じられないほど素晴らしいチームワークだった。彼らがいなければこの勝利は不可能だった。感動しているよ。
昨年は力配分のことしか考えていなかったが、今日は常に「気をつけて安全に走る」ことを考えていた。またレース前半は本当に寒かったので、身体を暖かくするためウェアを着込んだ。チームは登りでハイペースに持ち込み、下りも安全にクリアした。(アタックした)ラ・ルドゥットでの走りも計画通り。その後はフィニッシュまで苦しむだけだった。
このような距離の長いレースで独走勝利することには特別な嬉しさがある。またスロベニアチャンピオンジャージを着ての勝利だ。本当に美しかった。
2位 ロマン・バルデ(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)
自転車競技というのは、その90%を見えないところで厳しいトレーニングに励むスポーツ。チーム全員が一生懸命練習し、その過程を信じながらレースでベストを尽くす。このレベルに達するには相当な犠牲が必要だが、目標に到達できた時は皆でその喜びを分かち合うことができる。今日は仲間たちが良い走りをしてくれ、目標を達成することができた。
ラ・ルドゥットでは純粋な脚の勝負となり、カウンターアタックに反応した。そして(最後の登りである)ラ・ロッシュ・オ・フォーコンで全力を出した。向かい風のなか(共に追走したヒーリーと)2人で追い続けることは難しいと思った一方で、追走の人数が絞られていることも分かっていた。またプロトンでアタックと吸収が繰り返されていたので、自分の走りに集中して、フィニッシュまで全力を尽くすことだけを考えていた。
2位という結果がとても嬉しく、今後のレースに向けて弾みがついた。
3位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)
ポガチャルの調子が良いことは分かっており、例えば僕が絶好調であっても彼のアタックについていくことはできなかっただろう。だがそれは当然のことだ。彼がバッドデイである可能性も願っていたが、彼の走りは素晴らしかった。(今日は勝てなかったが)僕のクラシックシーズンは成功以上の結果だと言える。それを表彰台で締めくくれたことに喜びを感じている。
(優勝した)ロンドとルーベの後、気が抜けてしまったのかもしれない。事実なのは僕が(2月のシクロクロスから)トレーニングとピーキングを行っているということ。そこからリエージュまではとても長い。繰り返しになるが、僕が今日絶好調だったとしても、タデイのアタックに反応するのは難しかっただろう。それは恥ずべきことではなく、選手それぞれに得意なレースはある。僕は僕にできる走りをしたまでだ。
残り5km地点まで表彰台に上がれるとは思わなかった。だから3位という結果が、今日の僕が得られた最高位ということなのだろう。
集団落車によって前が塞がれた時は「先頭集団には追いつかないだろう」と思った。だから追いついた時は嬉しかった。だが、その時既に僕の脚は疲れていた。もし今日、ロンドやルーベで勝った時の脚があってもポガチャルのアタックにはついていけなかっただろう。
4位 マキシム・ファンヒルス(ベルギー、ロット・デスティニー)
序盤から調子が良くない、とても厳しいレースとなった。そのため苦しみながら走っていたが、幸運にもラ・ルドゥットの中盤辺りで良い感覚が戻ってきたんだ。だがその時はすでにタデイは独走に入っていた。僕は大きな追走集団に入り、それぞれアシストがいないなかお互いがお互いを監視しているような状態だった。
この結果にはチームと僕自身、とても満足している。それにラ・フレーシュでは表彰台(3位)に上がることもできた。リエージュでも表彰台に上がりたかったが、最後のスプリントはフィニッシュまでの距離が長すぎた。リエージュはモニュメントという特別なレースで、僕の大好きなレースの一つ。だからこの結果を誇りに思っているよ。
10位 トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
集団落車の影響によって遅れ、自ら先頭集団を追走したことについて
かなり力を使わなければならなかった。後で聞いたのだが、後続集団はチームカーの隊列を使って(先頭集団に)復帰できたみたいだね。それに対しては憤りを感じるね。
僕は自分の力を使って先頭集団に合流した。レース前には言わなかったが、今週はあらゆる自己記録を更新するほど調子が良かったんだ。だからなおさら悔しい。
プロトンからアタックしたベルナルについて
彼が積極的なレースを見せてくれて嬉しい。僕が想像しうる以上の過酷な状況から這い上がってきたんだ。追走集団に彼が残ったという事実は嬉しいし、展開次第で僕らには2枚のカードがあったということだ。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
優勝 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)
スタートから悪天候で、チームとして良いペースに持ち込むことで身体を暖めようとした。今日は(パートナーである)ウルシュカ(ジガート)の母親が2年前に亡くなった日。また昨年は手首を骨折したため、この大会は2年連続で難しいレースとなっていた。だから今日はウルシュカの母親のために走り、再びこの美しいレースで勝つことができた。
僕のために尽力してくれたチームメイトに感謝したい。信じられないほど素晴らしいチームワークだった。彼らがいなければこの勝利は不可能だった。感動しているよ。
昨年は力配分のことしか考えていなかったが、今日は常に「気をつけて安全に走る」ことを考えていた。またレース前半は本当に寒かったので、身体を暖かくするためウェアを着込んだ。チームは登りでハイペースに持ち込み、下りも安全にクリアした。(アタックした)ラ・ルドゥットでの走りも計画通り。その後はフィニッシュまで苦しむだけだった。
このような距離の長いレースで独走勝利することには特別な嬉しさがある。またスロベニアチャンピオンジャージを着ての勝利だ。本当に美しかった。
2位 ロマン・バルデ(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)
自転車競技というのは、その90%を見えないところで厳しいトレーニングに励むスポーツ。チーム全員が一生懸命練習し、その過程を信じながらレースでベストを尽くす。このレベルに達するには相当な犠牲が必要だが、目標に到達できた時は皆でその喜びを分かち合うことができる。今日は仲間たちが良い走りをしてくれ、目標を達成することができた。
ラ・ルドゥットでは純粋な脚の勝負となり、カウンターアタックに反応した。そして(最後の登りである)ラ・ロッシュ・オ・フォーコンで全力を出した。向かい風のなか(共に追走したヒーリーと)2人で追い続けることは難しいと思った一方で、追走の人数が絞られていることも分かっていた。またプロトンでアタックと吸収が繰り返されていたので、自分の走りに集中して、フィニッシュまで全力を尽くすことだけを考えていた。
2位という結果がとても嬉しく、今後のレースに向けて弾みがついた。
3位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)
ポガチャルの調子が良いことは分かっており、例えば僕が絶好調であっても彼のアタックについていくことはできなかっただろう。だがそれは当然のことだ。彼がバッドデイである可能性も願っていたが、彼の走りは素晴らしかった。(今日は勝てなかったが)僕のクラシックシーズンは成功以上の結果だと言える。それを表彰台で締めくくれたことに喜びを感じている。
(優勝した)ロンドとルーベの後、気が抜けてしまったのかもしれない。事実なのは僕が(2月のシクロクロスから)トレーニングとピーキングを行っているということ。そこからリエージュまではとても長い。繰り返しになるが、僕が今日絶好調だったとしても、タデイのアタックに反応するのは難しかっただろう。それは恥ずべきことではなく、選手それぞれに得意なレースはある。僕は僕にできる走りをしたまでだ。
残り5km地点まで表彰台に上がれるとは思わなかった。だから3位という結果が、今日の僕が得られた最高位ということなのだろう。
集団落車によって前が塞がれた時は「先頭集団には追いつかないだろう」と思った。だから追いついた時は嬉しかった。だが、その時既に僕の脚は疲れていた。もし今日、ロンドやルーベで勝った時の脚があってもポガチャルのアタックにはついていけなかっただろう。
4位 マキシム・ファンヒルス(ベルギー、ロット・デスティニー)
序盤から調子が良くない、とても厳しいレースとなった。そのため苦しみながら走っていたが、幸運にもラ・ルドゥットの中盤辺りで良い感覚が戻ってきたんだ。だがその時はすでにタデイは独走に入っていた。僕は大きな追走集団に入り、それぞれアシストがいないなかお互いがお互いを監視しているような状態だった。
この結果にはチームと僕自身、とても満足している。それにラ・フレーシュでは表彰台(3位)に上がることもできた。リエージュでも表彰台に上がりたかったが、最後のスプリントはフィニッシュまでの距離が長すぎた。リエージュはモニュメントという特別なレースで、僕の大好きなレースの一つ。だからこの結果を誇りに思っているよ。
10位 トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
集団落車の影響によって遅れ、自ら先頭集団を追走したことについて
かなり力を使わなければならなかった。後で聞いたのだが、後続集団はチームカーの隊列を使って(先頭集団に)復帰できたみたいだね。それに対しては憤りを感じるね。
僕は自分の力を使って先頭集団に合流した。レース前には言わなかったが、今週はあらゆる自己記録を更新するほど調子が良かったんだ。だからなおさら悔しい。
プロトンからアタックしたベルナルについて
彼が積極的なレースを見せてくれて嬉しい。僕が想像しうる以上の過酷な状況から這い上がってきたんだ。追走集団に彼が残ったという事実は嬉しいし、展開次第で僕らには2枚のカードがあったということだ。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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