2024/04/16(火) - 12:00
ブラジルでUCI MTBワールドカップが開幕。北林力(SUNN Factory Racing)が参戦した最高峰レースで、ジェニー・リスヴェッズ(スウェーデン、チーム31アイビスコンチネンタル)とクリストファー・ブレヴィンス(アメリカ、スペシャライズドファクトリーレーシング)が勝利した。
南米ブラジルでMTBレースの最高峰シリーズ「UCIマウンテンバイク・ワールドシリーズ」が開幕した。クロスカントリーワールドカップ(XCO)、ショートトラックワールドカップ(XCC)、マラソンワールドカップ(XCM)、ダウンヒルワールドカップ(DH)、そしてエンデューロワールドカップ(Enduro)というXC系3種目、グラビティ系2種目からなる合計5種目で開催されるシリーズ戦で、今年は合計15戦が予定されている。
開幕地はお馴染みとなったブラジル、サンパウロ近くのマイリポラン。XCO(クロスカントリー)は4月13・14日開催の開幕戦を皮切りに、7月28・29日のオリンピック(フランス・パリ)と8月28日〜9月1日の世界選手権(ヴァルノルド・アンドラ)を経て10月5・6日の最終戦カナダ・モンサンタンでフィナーレを迎える。XCOは合計9戦、DHは合計8戦というスケジュールだ。
ワールドシリーズの開幕戦となったショートトラックでは、激しいスピードレースの末にイギリス女王イヴィ・リチャーズ(トレックファクトリーレーシング)が独走で、男子レースでは世界王者サミュエル・ゲイズ(ニュージーランド、アルペシン・ドゥクーニンク)が最終盤のアタックで勝利。それぞれ好感触で翌日のクロスカントリーに繋げることとなった。
また、今季からフランスのSUNN Factory Racingに所属し、2028年ロサンゼルスオリンピック出場を狙う北林力も前哨戦を経て参戦を果たしている。
三つ巴の女子エリートレース リオ五輪覇者リスヴェッズが勝利
迎えたクロスカントリーレース。1周4.37kmコースを5周回する女子レースではスタート直後からリチャーズが先頭に立ったものの、2周目にはヘイリー・バッテン(アメリカ、スペシャライズドファクトリーレーシング)とサヴィリア・ブランク(アメリカ、デカトロン・フォードレーシングチーム)、そして元五輪覇者であるジェニー・リスヴェッズ(スウェーデン、チーム31アイビスコンチネンタル)が抜け出した。
世界女王ポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、イネオス・グレナディアーズ)不在の中、登坂力が光る先頭3名は後続グループを引き離したのちレース後半に入ってアタック合戦をスタートさせる。バッテンの攻撃でブランクが振り落とされ、一騎討ちになった最終周回の登坂区間で「何度もアタックされたけど、まだ自分の脚に力と自信を感じていた」と言うリスヴェッズがカウンターアタック。これが勝負の決定打になった。
「すごく調子が良くて、同じコースを使った先週末の前哨戦で勝負どころを分かっていた。今日の目標はトレイルでフローを掴んで、アタックのタイミングを待ち続けること。それを意識しながらレースを走っていた」と言うリスヴェッズが幸先良い開幕戦勝利を達成。2番手を走っていたバッテンは下りコーナーで激しく落車し、ブランクの先行を許して3位。4位にキアラ・テオッキ(イタリア、オルベアファクトリーチーム)、5位に東京五輪覇者のヨランダ・ネフ(スイス、トレックファクトリーレーシング)が入った。
スペシャライズドチームが男子レースを席巻 ブレヴィンスが勝利
北林が参戦した男子エリートレースを席巻したのは、ポップなチームキットが目立つスペシャライズドファクトリーレーシングだった。2021年のU23世界王者であり、エリートでも頭角を顕すチリの若手マルティン・ビダウレ(チリ)とヴィクトール・コレツキー(フランス)が4名の先頭グループに入り、レースが半分を過ぎたタイミングで後方から追い上げてきたアメリカ王者クリストファー・ブレヴィンス(アメリカ)らが合流。7名中3名という数的有利を維持したまま最終周回に入っていった。
10度の世界王者ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシングチーム)が序盤の落車で沈む一方、まずコレツキーがペースを上げて人数を絞り、勝負所の登坂区間でブレヴィンスが発進。追いすがるフィリッポ・コロンボ(イタリア、スコット・スラムMTBレーシングチーム)を振り切ってフィニッシュまで駆け抜けた。
2021年の世界選手権でメダル3つ(XCC、E-MTB、チームリレー)を獲得するなど、アメリカ期待の若手選手として力を伸ばすブレヴィンスがW杯勝利。「とても非現実的で今はちょっと放心状態だ。昨日は本当に最悪でそれが教訓になったと思う。チームメイトと一緒に表彰台に上がることができて最高の気分。今日が自分の日になるとは思っていなかったけど、常に自分を信じていれば何でも実現できると学んだよ」と嬉しさを表現している。
この日、北林は「自分の身体から力が出ず、厳しい結果になった」と83位でレース終了。「この1週間で良い生活と調整をして何とか自分の力を出し切ったと言えるレースをして日本に帰国したいです」と、今週末に同じくブラジルで行われる第2戦でのリベンジを誓っている。
南米ブラジルでMTBレースの最高峰シリーズ「UCIマウンテンバイク・ワールドシリーズ」が開幕した。クロスカントリーワールドカップ(XCO)、ショートトラックワールドカップ(XCC)、マラソンワールドカップ(XCM)、ダウンヒルワールドカップ(DH)、そしてエンデューロワールドカップ(Enduro)というXC系3種目、グラビティ系2種目からなる合計5種目で開催されるシリーズ戦で、今年は合計15戦が予定されている。
開幕地はお馴染みとなったブラジル、サンパウロ近くのマイリポラン。XCO(クロスカントリー)は4月13・14日開催の開幕戦を皮切りに、7月28・29日のオリンピック(フランス・パリ)と8月28日〜9月1日の世界選手権(ヴァルノルド・アンドラ)を経て10月5・6日の最終戦カナダ・モンサンタンでフィナーレを迎える。XCOは合計9戦、DHは合計8戦というスケジュールだ。
ワールドシリーズの開幕戦となったショートトラックでは、激しいスピードレースの末にイギリス女王イヴィ・リチャーズ(トレックファクトリーレーシング)が独走で、男子レースでは世界王者サミュエル・ゲイズ(ニュージーランド、アルペシン・ドゥクーニンク)が最終盤のアタックで勝利。それぞれ好感触で翌日のクロスカントリーに繋げることとなった。
また、今季からフランスのSUNN Factory Racingに所属し、2028年ロサンゼルスオリンピック出場を狙う北林力も前哨戦を経て参戦を果たしている。
三つ巴の女子エリートレース リオ五輪覇者リスヴェッズが勝利
迎えたクロスカントリーレース。1周4.37kmコースを5周回する女子レースではスタート直後からリチャーズが先頭に立ったものの、2周目にはヘイリー・バッテン(アメリカ、スペシャライズドファクトリーレーシング)とサヴィリア・ブランク(アメリカ、デカトロン・フォードレーシングチーム)、そして元五輪覇者であるジェニー・リスヴェッズ(スウェーデン、チーム31アイビスコンチネンタル)が抜け出した。
世界女王ポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、イネオス・グレナディアーズ)不在の中、登坂力が光る先頭3名は後続グループを引き離したのちレース後半に入ってアタック合戦をスタートさせる。バッテンの攻撃でブランクが振り落とされ、一騎討ちになった最終周回の登坂区間で「何度もアタックされたけど、まだ自分の脚に力と自信を感じていた」と言うリスヴェッズがカウンターアタック。これが勝負の決定打になった。
「すごく調子が良くて、同じコースを使った先週末の前哨戦で勝負どころを分かっていた。今日の目標はトレイルでフローを掴んで、アタックのタイミングを待ち続けること。それを意識しながらレースを走っていた」と言うリスヴェッズが幸先良い開幕戦勝利を達成。2番手を走っていたバッテンは下りコーナーで激しく落車し、ブランクの先行を許して3位。4位にキアラ・テオッキ(イタリア、オルベアファクトリーチーム)、5位に東京五輪覇者のヨランダ・ネフ(スイス、トレックファクトリーレーシング)が入った。
スペシャライズドチームが男子レースを席巻 ブレヴィンスが勝利
北林が参戦した男子エリートレースを席巻したのは、ポップなチームキットが目立つスペシャライズドファクトリーレーシングだった。2021年のU23世界王者であり、エリートでも頭角を顕すチリの若手マルティン・ビダウレ(チリ)とヴィクトール・コレツキー(フランス)が4名の先頭グループに入り、レースが半分を過ぎたタイミングで後方から追い上げてきたアメリカ王者クリストファー・ブレヴィンス(アメリカ)らが合流。7名中3名という数的有利を維持したまま最終周回に入っていった。
10度の世界王者ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシングチーム)が序盤の落車で沈む一方、まずコレツキーがペースを上げて人数を絞り、勝負所の登坂区間でブレヴィンスが発進。追いすがるフィリッポ・コロンボ(イタリア、スコット・スラムMTBレーシングチーム)を振り切ってフィニッシュまで駆け抜けた。
2021年の世界選手権でメダル3つ(XCC、E-MTB、チームリレー)を獲得するなど、アメリカ期待の若手選手として力を伸ばすブレヴィンスがW杯勝利。「とても非現実的で今はちょっと放心状態だ。昨日は本当に最悪でそれが教訓になったと思う。チームメイトと一緒に表彰台に上がることができて最高の気分。今日が自分の日になるとは思っていなかったけど、常に自分を信じていれば何でも実現できると学んだよ」と嬉しさを表現している。
この日、北林は「自分の身体から力が出ず、厳しい結果になった」と83位でレース終了。「この1週間で良い生活と調整をして何とか自分の力を出し切ったと言えるレースをして日本に帰国したいです」と、今週末に同じくブラジルで行われる第2戦でのリベンジを誓っている。
UCI MTBワールドカップ2024 第1戦 XCO女子エリート結果
1位 | ジェニー・リスヴェッズ(スウェーデン、チーム31アイビスコンチネンタル) | 1:17:18 |
2位 | サヴィリア・ブランク(アメリカ、デカトロン・フォードレーシングチーム) | +0:27 |
3位 | ヘイリー・バッテン(アメリカ、スペシャライズドファクトリーレーシング) | +0:45 |
4位 | キアラ・テオッキ(イタリア、オルベアファクトリーチーム) | +0:58 |
5位 | ヨランダ・ネフ(スイス、トレックファクトリーレーシング) | +1:09 |
UCI MTBワールドカップ2024 第1戦 XCO男子エリート結果
1位 | クリストファー・ブレヴィンス(アメリカ、スペシャライズドファクトリーレーシング) | 1:30:00 |
2位 | ヴィクトール・コレツキー(フランス、スペシャライズドファクトリーレーシング) | +0:02 |
3位 | フィリッポ・コロンボ(イタリア、スコット・スラムMTBレーシングチーム) | +0:03 |
4位 | ジョーダン・サルー(フランス、チームBMC) | +0:05 |
5位 | マルティン・ビダウレ(チリ、スペシャライズドファクトリーレーシング) | +0:05 |
83位 | 北林力(SUNN Factory Racing) | LAP |
text:So Isobe
photo:UCI
photo:UCI
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