2024/03/09(土) - 13:30
単独先頭のヨルゲンソンに追いつき、マクナルティを含む三つ巴スプリントをマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)が制す。パリ〜ニース第6ステージでデンマーク王者が勝利し、マクナルティが総合首位に立った。
今年のツール・ド・フランスの終着地点ニースを目指すパリ〜ニースは、第6ステージから最終第8ステージまで山岳ステージが続いていく。この日のレイアウトは前日のフィニッシュ地点シストロンから、イタリアとの国境に近いラ・コル・シュル・ルーまでの198.2km。序盤からアップダウンを繰り返し、ポイントは残り32.3kmから始まる2級山岳(距離1.8km/平均10%/最大19%)と、直後に訪れる最大勾配12%の中間スプリントポイントだ。
パリから南に向かうため「太陽に向かうレース」とも呼ばれる本大会だが、スタート地点の気温が10度を下回ったため選手たちがアームウォーマーとレッグウォーマーを装着。アタックと吸収を繰り返す慌ただしい序盤から、スタート後100kmを過ぎてようやく10名の逃げグループが形成された。
その中にはポイント賞ジャージを着て中間ポイントの獲得を目指すマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)や、熾烈な山岳賞争いを繰り広げるクリスティアン・スカローニ(イタリア、アスタナ・カザクスタン)とマチュー・ビュルゴドー(フランス、トタルエネルジー)の姿も。一つ目の2級山岳はスカローニがトップ通過したものの、その後3つをビュルゴドーが最大ポイントを獲得して山岳賞ジャージを守った。
一方のメイン集団はエガン・ベルナル(コロンビア)を擁するイネオス・グレナディアーズが牽引する。そのタイトなペースコントロールは残り58km地点で早くも逃げ集団を捉え、1度目のフィニッシュラインを通過。そして最大勾配19%の最終2級山岳に入ると、マッテオ・ソブレロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)のペースアップからプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が速度を上げた。
これにレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)などが反応できない一方で、ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)が食らいつく。しかし19%の急坂にログリッチのペースは上がらず、エヴェネプールら総合上位陣が合流。そして一度牽制に入った集団からマッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)が飛び出した。
最終山岳をトップ通過したヨルゲンソンが15秒のリードを得る一方で、追いかける精鋭集団では雨で濡れた路面に総合2位のサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)が落車するシーンも。エヴェネプールとログリッチがお互いの動きを見合う追走集団からは、マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)とブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)が飛び出し、ヨルゲンソンに合流を果たした。
3名となった先頭集団は中間スプリントをスケルモースが先頭通過して-10秒を加算する(マクナルティ-6秒、ヨルゲンソン-4秒)。エヴェネプールが中心にローテーションを回す第1追走集団は20秒差、落車で遅れたブイトラゴはペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)の力を借りて更に50秒差で前を追った(2分39秒遅れでフィニッシュ)。
フィニッシュまで続く緩やかな下りを進む先頭3名は、雨の中でも後方と50秒までリードを拡げる。そしてエヴェネプール以外は積極的に追う姿勢を見せなかったため勝負は先頭集団に絞られ、スケルモースが先んじてスプリントを開始。それをアメリカ出身の2人が追いかけたものの、スケルモースがそのままフィニッシュラインを通過した。
フィニッシュ直前に十字を切り、両手を高々と突き上げたスケルモース。「嬉しさと共に驚いている。一日を通して調子の良さを感じていたが、勝利には運も必要だ。僕がチームタイムトライアルで総合タイムを失っていたことも、アタックが決まった要因だろう」と、スケルモースは喜びと共に勝利を振り返った。
区間2位のマクナルティが総合首位に浮上し、区間4位には52秒遅れでエヴェネプールがフィニッシュ。ログリッチは区間9位だった。
今年のツール・ド・フランスの終着地点ニースを目指すパリ〜ニースは、第6ステージから最終第8ステージまで山岳ステージが続いていく。この日のレイアウトは前日のフィニッシュ地点シストロンから、イタリアとの国境に近いラ・コル・シュル・ルーまでの198.2km。序盤からアップダウンを繰り返し、ポイントは残り32.3kmから始まる2級山岳(距離1.8km/平均10%/最大19%)と、直後に訪れる最大勾配12%の中間スプリントポイントだ。
パリから南に向かうため「太陽に向かうレース」とも呼ばれる本大会だが、スタート地点の気温が10度を下回ったため選手たちがアームウォーマーとレッグウォーマーを装着。アタックと吸収を繰り返す慌ただしい序盤から、スタート後100kmを過ぎてようやく10名の逃げグループが形成された。
その中にはポイント賞ジャージを着て中間ポイントの獲得を目指すマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)や、熾烈な山岳賞争いを繰り広げるクリスティアン・スカローニ(イタリア、アスタナ・カザクスタン)とマチュー・ビュルゴドー(フランス、トタルエネルジー)の姿も。一つ目の2級山岳はスカローニがトップ通過したものの、その後3つをビュルゴドーが最大ポイントを獲得して山岳賞ジャージを守った。
一方のメイン集団はエガン・ベルナル(コロンビア)を擁するイネオス・グレナディアーズが牽引する。そのタイトなペースコントロールは残り58km地点で早くも逃げ集団を捉え、1度目のフィニッシュラインを通過。そして最大勾配19%の最終2級山岳に入ると、マッテオ・ソブレロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)のペースアップからプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が速度を上げた。
これにレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)などが反応できない一方で、ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)が食らいつく。しかし19%の急坂にログリッチのペースは上がらず、エヴェネプールら総合上位陣が合流。そして一度牽制に入った集団からマッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)が飛び出した。
最終山岳をトップ通過したヨルゲンソンが15秒のリードを得る一方で、追いかける精鋭集団では雨で濡れた路面に総合2位のサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)が落車するシーンも。エヴェネプールとログリッチがお互いの動きを見合う追走集団からは、マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)とブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)が飛び出し、ヨルゲンソンに合流を果たした。
3名となった先頭集団は中間スプリントをスケルモースが先頭通過して-10秒を加算する(マクナルティ-6秒、ヨルゲンソン-4秒)。エヴェネプールが中心にローテーションを回す第1追走集団は20秒差、落車で遅れたブイトラゴはペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)の力を借りて更に50秒差で前を追った(2分39秒遅れでフィニッシュ)。
フィニッシュまで続く緩やかな下りを進む先頭3名は、雨の中でも後方と50秒までリードを拡げる。そしてエヴェネプール以外は積極的に追う姿勢を見せなかったため勝負は先頭集団に絞られ、スケルモースが先んじてスプリントを開始。それをアメリカ出身の2人が追いかけたものの、スケルモースがそのままフィニッシュラインを通過した。
フィニッシュ直前に十字を切り、両手を高々と突き上げたスケルモース。「嬉しさと共に驚いている。一日を通して調子の良さを感じていたが、勝利には運も必要だ。僕がチームタイムトライアルで総合タイムを失っていたことも、アタックが決まった要因だろう」と、スケルモースは喜びと共に勝利を振り返った。
区間2位のマクナルティが総合首位に浮上し、区間4位には52秒遅れでエヴェネプールがフィニッシュ。ログリッチは区間9位だった。
パリ〜ニース2024第6ステージ結果
1位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | 4:36:51 |
2位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | |
3位 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
4位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +0:52 |
5位 | アロルド・テハダ(コロンビア、アスタナ・カザクスタン) | +0:53 |
6位 | オレリアン・パレパントル(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル) | |
7位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) | |
8位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
9位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | |
11位 | ルーク・プラップ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) |
個人総合成績
1位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | 22:15:58 |
2位 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:23 |
3位 | ルーク・プラップ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | +0:34 |
4位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | +0:54 |
5位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +1:03 |
6位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | +1:14 |
7位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +1:30 |
8位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) | +1:36 |
9位 | アロルド・テハダ(コロンビア、アスタナ・カザクスタン) | +1:37 |
10位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:39 |
その他の特別賞
ポイント賞 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) |
山岳賞 | マチュー・ビュルゴドー(フランス、トタルエネルジー) |
ヤングライダー賞 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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