ツアー・オブ・オマーン4日目にドラマ発生。フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ)がボーナスタイムで総合首位に浮上し、アモリ・カピオット(フランス、アルケアB&Bホテルズ)が勝利。ラスト150mまで逃げたネイサン・アール(オーストラリア、JCLチーム右京)の優勝はあと一歩届かなかった。



第4ステージに挑むJCLチーム右京 photo:JCL TEAM UKYO

日本と関係の深い中東の国、オマーンを舞台とするツアー・オブ・オマーン(UCI2.Pro)の第4ステージ。当初予定されていた200kmコースは豪雨災害により105kmへと短縮され、50㎞以降はマスカットクラシックやそれまでのステージで通った峠を通過するアップダウンコースだ。最後は短い登坂をこなした先のフィニッシュへと飛び込む。

「チームに和があり、レース中も皆でトライしていこういう気力に溢れています。今日は後半人数が絞られる展開になるはずなので、去年より強い自分を証明したい」とスタート前に語ったのは、連日逃げにメンバーを送り込んでいるJCLチーム右京の山本大喜。この日は右京のマッテオ・マルチェッリ(イタリア)を含む3名が逃げることとなった。

マッテオ・マルチェッリ(イタリア、JCLチーム右京)を含む逃げメンバー photo:JCL TEAM UKYO

リーダーチームのスーダル・クイックステップがメイン集団をコントロール photo:JCL TEAM UKYO

ショートステージであり、残り10km地点の山頂にはボーナスタイムが用意されていたことも重なったため、総合2位フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ)と0秒差の総合首位ルーク・ランパーティ(アメリカ)を守るスーダル・クイックステップは1分強というタイトな差で逃げグループをコントロール。中盤戦の山岳区間ではタイム差は15秒まで縮まったものの、3名は粘り強くリードを再構築。急勾配のアップダウンが続くラスト10kmで吸収されると同時に、山頂に用意されていたボーナスタイム争いが始まった。

猛烈にペースアップする集団からは前日勝者ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)がこぼれ落ち、スプリントを得意とするランパーティも登坂でフィッシャーブラックに離されてしまう。総合3位ディエゴ・ウリッシ(イタリア)に守られながら先着したフィッシャーブラックが総合成績逆転に成功した。

ステージ優勝を挙げたアモリ・カピオット(フランス、アルケアB&Bホテルズ) photo:A.S.O.

ドイツ王者エマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ)らがアタックを繰り返す中、残り2kmからするすると抜け出したのはネイサン・アール(オーストラリア、JCLチーム右京)だった。35歳のツアー・オブ・ジャパン覇者はリードとスピードを保ったまま最終ストレートまで到達したものの、スプリント態勢に入った40名のメイン集団に残り150mで吸収されてしまう。フィニッシュラインに向けて加速するイーデ・スヘリング(オランダ、アスタナ・カザクスタン)を発射台に見立ててタイミングを待ったアモリ・カピオット(フランス、アルケアB&Bホテルズ)が勝利した。

最終ステージを前にフィッシャーブラックが3秒差で総合首位に立ち、前哨戦マスカットクラシックで3位に入っていたカピオットがプロキャリア3勝目を掴み、再びJCLチーム右京がレースを沸かせた。本日開催される最終ステージではツアー・オブ・オマーン名物のKOMグリーンマウンテンにフィニッシュする。総合ワン・スリーを固めるUAEを突き崩すチームは現れるだろうか?
ツアー・オブ・オマーン2024第4ステージ結果
1位 アモリ・カピオット(フランス、アルケアB&Bホテルズ) 2:17:35
2位 イーデ・スヘリング(オランダ、アスタナ・カザクスタン)
3位 ダヴィデ・デプレット(イタリア、ジェイコ・アルウラー)
4位 ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス)
5位 ロレンツォ・ロータ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ)
6位 ロジャー・アドリア(スペイン、ボーラ・ハンスグローエ)
7位 トーマス・ペゼンティ(イタリア、JCLチーム右京)
8位 クリスティアン・ロドリゲス(スペイン、アルケアB&Bホテルズ)
9位 イバン・コーボ(スペイン、エキポ・ケルンファルマ)
10位 ベン・ツィーホフ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
個人総合成績
1位 フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ) 12:32:48
2位 ルーク・ランパーティ(アメリカ、スーダル・クイックステップ) +0:03
3位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) +0:09
4位 アントン・チャーム(デンマーク、アスタナ・カザクスタン) +0:14
5位 ロジャー・アドリア(スペイン、ボーラ・ハンスグローエ) +0:15
6位 イェノ・ベルクムース(ベルギー、ロット・デスティニー)
7位 ダヴィデ・デプレット(イタリア、ジェイコ・アルウラー)
8位 アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)
9位 マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
10位 ベン・ツィーホフ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +0:19
その他の特別賞
ポイント賞 ルーク・ランパーティ(アメリカ、スーダル・クイックステップ)
ヤングライダー賞 フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ)
チーム総合成績 UAEチームエミレーツ
text:So Isobe

最新ニュース(全ジャンル)

リクセン&カウル 定番マウントシステムと扱いやすさが魅力のバイクパッキングシステム Gakuto Fujiwara 2024/11/28(木) - 16:00
新製品情報2025