2024/02/02(金) - 13:40
ヨーロッパ本土に本格的なロードシーズン開幕を告げる、ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナが今年も開催。初日はバルディアーニCSFが逃げ切りワンツーを決め、新城幸也が蜂に刺された影響で不出場となった2日目はチームメイトのマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)が独走勝利した。
オーストラリアで開幕した2024年ワールドツアーが中東に移行する一方で、スペイン東部バレンシアではヨーロッパにおけるUCIプロシリーズの初戦が行われた。第75回を迎えたボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ(UCI2.Pro)は全5日間のステージレース。温暖な気候に加え、多種多様な地形からトレーニング合宿の場としてもお馴染みバレンシアでの大会には、短くも急勾配の山岳が毎ステージのように登場する。
第1ステージのスタート地点であるベニカシムに集ったのは、7つのワールドチームを含む計18チーム。総合優勝を狙うべくジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)や、新チーム移籍後これが初戦となるパヴェル・シヴァコフ(ロシア、UAEチームエミレーツ)が出場した。また単純なスプリントステージがないためスプリンターの姿が少ないなか、ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)も今季初戦を迎えた。
初日はバルディアーニCSFが逃げ切りからワンツー
3つのカテゴリー山岳が設定されたアップダウンの激しい初日は、親日家でありシクロワイアードがインタビューを行ったこともあるイニーゴ・エロセギ(スペイン、エキポ・ケルンファルマ)を含む7名が逃げを打つ。一方のメイン集団では積極的に逃げを追うチームは現れず、今季初レースを迎えた新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)がしびれを切らし集団先頭を牽く姿も。しかしその差は9分まで達し、残り30km地点でようやくジェイコ・アルウラーやUAEチームエミレーツがプロトンのスピードアップを実行した。
徐々にタイム差が縮まっていく逃げ集団では、最終2級山岳を前にVFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネのアレッサンドロ・トネッリとマヌエーレ・トロッツィ(共にイタリア)が飛び出す。バーレーンが牽引するプロトンが2分半までその差を縮め、そこからマテイ・モホリッチ(スロベニア)が単独でアタック。しかし計算の狂ったプロトンは逃げの2人に1分届かず、トネッリを先頭にバルディアーニが横並びでフィニッシュラインを通過した。
1分19秒後にやってきたプロトンの先頭はミランが取って5位。なお新城はレース中に蜂に刺される不運に見舞われ、フィニッシュしたものの目が開けづらい状況のためこのステージでの棄権を選んだ。
第2ステージはモホリッチが特のダウンヒルで独走勝利
バーレーン・ヴィクトリアスが新城に加え、カミル・グラデク(ポーランド)も胃腸炎で不出場だった大会2日目。コースは前日よりもアップダウンは少ないものの、残り約15km地点に設定された3級山岳(フィニッシュ地点は頂上から下った10km先)が勝負所となった。
地元スペイン人選手にビンゴールWBのベルギー人2名が入った逃げグループは7名。それを追うプロトンは逃げ切りを許した前日の反省もあり、3分以上のリードを許さないタイトなコントロールを見せる。その結果、逃げ集団は最終2級山岳を前に捉えられ、アタックしたフェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、UAEチームエミレーツ)を先頭に頂上を通過した。
そして登りで絞られた集団から、モホリッチが得意の下りでアタックする。2022年のミラノ〜サンレモを制した華麗なダウンヒルテクニックでモホリッチは、後続から10秒のリードを築く。そして平坦区間に入ってもスピードを落とさないモホリッチが、フィニッシュに単独で辿り着いた。
「今日は僕に適したレイアウトだと思っていたし、それがプレッシャーになることもなかった。トレーニング合宿の時に試走し、この地形に自分の適性を感じていた。だから今日は勝利を掴むべく集中していたんだ」と語ったモホリッチ。昨年はツール・ド・フランスで自身3度目となる区間優勝やツール・ド・ポローニュでの総合優勝、またグラベル世界選手権優勝などキャリアの円熟期に入っていることを、シーズン始めの大会で改めて証明した。
オーストラリアで開幕した2024年ワールドツアーが中東に移行する一方で、スペイン東部バレンシアではヨーロッパにおけるUCIプロシリーズの初戦が行われた。第75回を迎えたボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ(UCI2.Pro)は全5日間のステージレース。温暖な気候に加え、多種多様な地形からトレーニング合宿の場としてもお馴染みバレンシアでの大会には、短くも急勾配の山岳が毎ステージのように登場する。
第1ステージのスタート地点であるベニカシムに集ったのは、7つのワールドチームを含む計18チーム。総合優勝を狙うべくジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)や、新チーム移籍後これが初戦となるパヴェル・シヴァコフ(ロシア、UAEチームエミレーツ)が出場した。また単純なスプリントステージがないためスプリンターの姿が少ないなか、ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)も今季初戦を迎えた。
初日はバルディアーニCSFが逃げ切りからワンツー
3つのカテゴリー山岳が設定されたアップダウンの激しい初日は、親日家でありシクロワイアードがインタビューを行ったこともあるイニーゴ・エロセギ(スペイン、エキポ・ケルンファルマ)を含む7名が逃げを打つ。一方のメイン集団では積極的に逃げを追うチームは現れず、今季初レースを迎えた新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)がしびれを切らし集団先頭を牽く姿も。しかしその差は9分まで達し、残り30km地点でようやくジェイコ・アルウラーやUAEチームエミレーツがプロトンのスピードアップを実行した。
徐々にタイム差が縮まっていく逃げ集団では、最終2級山岳を前にVFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネのアレッサンドロ・トネッリとマヌエーレ・トロッツィ(共にイタリア)が飛び出す。バーレーンが牽引するプロトンが2分半までその差を縮め、そこからマテイ・モホリッチ(スロベニア)が単独でアタック。しかし計算の狂ったプロトンは逃げの2人に1分届かず、トネッリを先頭にバルディアーニが横並びでフィニッシュラインを通過した。
1分19秒後にやってきたプロトンの先頭はミランが取って5位。なお新城はレース中に蜂に刺される不運に見舞われ、フィニッシュしたものの目が開けづらい状況のためこのステージでの棄権を選んだ。
第2ステージはモホリッチが特のダウンヒルで独走勝利
バーレーン・ヴィクトリアスが新城に加え、カミル・グラデク(ポーランド)も胃腸炎で不出場だった大会2日目。コースは前日よりもアップダウンは少ないものの、残り約15km地点に設定された3級山岳(フィニッシュ地点は頂上から下った10km先)が勝負所となった。
地元スペイン人選手にビンゴールWBのベルギー人2名が入った逃げグループは7名。それを追うプロトンは逃げ切りを許した前日の反省もあり、3分以上のリードを許さないタイトなコントロールを見せる。その結果、逃げ集団は最終2級山岳を前に捉えられ、アタックしたフェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、UAEチームエミレーツ)を先頭に頂上を通過した。
そして登りで絞られた集団から、モホリッチが得意の下りでアタックする。2022年のミラノ〜サンレモを制した華麗なダウンヒルテクニックでモホリッチは、後続から10秒のリードを築く。そして平坦区間に入ってもスピードを落とさないモホリッチが、フィニッシュに単独で辿り着いた。
「今日は僕に適したレイアウトだと思っていたし、それがプレッシャーになることもなかった。トレーニング合宿の時に試走し、この地形に自分の適性を感じていた。だから今日は勝利を掴むべく集中していたんだ」と語ったモホリッチ。昨年はツール・ド・フランスで自身3度目となる区間優勝やツール・ド・ポローニュでの総合優勝、またグラベル世界選手権優勝などキャリアの円熟期に入っていることを、シーズン始めの大会で改めて証明した。
ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ2024第1ステージ結果
1位 | アレッサンドロ・トネッリ(イタリア、VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ) | 4:04:34 |
2位 | マヌエーレ・トロッツィ(イタリア、VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ) | |
3位 | オイエル・ラスカノ(スペイン、モビスター) | +1:09 |
4位 | アレクサンダー・モレナール(オランダ、バレアレス・アラベイ・サイクリング) | +1:12 |
5位 | ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | +1:19 |
ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ2024第2ステージ結果
1位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 3:47:47 |
2位 | ジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、ポルティ・コメタ) | +0:13 |
3位 | シモーネ・コンソンニ(イタリア、リドル・トレック) | |
4位 | フィリッポ・フィオレッリ(イタリア、VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ) | |
5位 | ダヴィデ・デプレット(イタリア、ジェイコ・アルウラー) |
個人総合成績(第2ステージ終了時点)
1位 | アレッサンドロ・トネッリ(イタリア、VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ) | 7:52:22 |
2位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +1:08 |
3位 | フェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、UAEチームエミレーツ) | +1:28 |
4位 | サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +1:29 |
5位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | +1:31 |
その他の特別賞(第2ステージ終了時点)
ポイント賞 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) |
山岳賞 | ゴルカ・ソラライン(スペイン、カハルラル・セグロスRGA) |
ヤングライダー賞 | サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) |
チーム総合成績 | VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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