2024/01/05(金) - 17:14
世界チャンピオン2人の勢いが止まらない。マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とフェム・ファンエンペル(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)がライバルを圧倒し連勝記録を更新している。
年末年始のシクロクロス超過密シーズンもまもなく終盤戦。元旦の「GPスヴェンネイス」に続き、1月4日(木)にはX2Oトロフェー第5戦がかの有名なシクロクロスサーキット、コクサイデを舞台に開催された。
コクサイデはベルギーは西フランダース地方のイギリス海峡に面した街だが、舞台となるのは少し内陸に入った場所。砂に覆われた丘陵地帯を存分に使ったコースは乗車を拒み、選手はパワーと轍を捌くテクニックのみならず砂登りのランニングスキルも求められる。特別な熱狂に包まれたコースに、男女の世界王者をはじめとするトップ選手が集った。
女子エリート:スムーズな走りでファンエンペル独走
女子エリートレースは序盤から世界女王フェム・ファンエンペル(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)がリードを築いた。ファンエンペルは最初の砂区間を前に先頭に立ち、スピードを殺さないスムーズな乗り降りで徐々にリードを広げていく。「今日の目標は自分でラインを見極めて走ることだった。だからダッシュを狙ったし、それができたのでさらに自信を持って走ることができた」と言う彼女は、1周目終了時点で既に21秒ものリードを築き上げていた。
後方ではルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)、そしてセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)といったアルカンシエル経験者が追いかけたものの、ファンエンペルとの距離は広がるばかり。途中には痛めている膝を気にするシーンもあったものの、そのリードは最後まで揺るがなかった。
年末30日のUCIワールドカップでは今季初めて表彰台を逃したファンエンペルだが、再びコンディションを上げていることをアピールする圧勝。新年早々2連勝をマークしている。
「この美しいレースで勝ててとても嬉しい」と言うファンエンペルは、一旦連戦を切り上げてスペインのチームキャンプに合流し再充電を図る。厳しい砂で知られるゾンホーフェンでのUCIワールドカップ第13戦(1/7)とオランダ選手権をスキップし、スペイン開催のUCIワールドカップ第13戦(1/21)で再びシクロクロスサーキットに戻る予定だという。
男子エリート:向かう所敵なしのファンデルプール ファンアールトを退け9戦9勝
男子エリートレースにはマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)と、今季CXに一区切りをつけるワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)、さらには梶鉄輝(JPF)が参戦。スタートでペダルキャッチをミスしたファンアールトを尻目に、この日も世界王者が序盤から圧倒的なレース運びを披露した。
ファンデルプールは一気に先頭を奪い、追撃を試みようとしたファンアールトの心を折るように砂区間でリードを構築。「彼のペースにはあえて付いていかず、自分のペースを守るように心がけた。毎周回ファンの応援を楽しむことができた」と認めるファンアールトは、やがてピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)にも交わされて3位に。爆走するファンデルプールの背後で、この日の表彰台メンバーが選りすぐられていった。
誰も寄せ付けない走りでファンデルプールが今季9戦中9勝目を達成し、「最初の周回では砂区間をうまく走れたので差ができた。世界選手権に向けてまだコンディションは上がるはずだ。ここ最近はトレーニングをせずレースで追い込んでいる」と余裕のコメント。今後はゾンホーフェンでのUCIワールドカップ第13戦(1/7)を走ってからスペインでのチーム合宿に参加し、そのままキャンプ地の近くで開催されるUCIワールドカップ第13戦(1/21)に参戦したのち数レースを走ってから世界選手権に臨む予定だ。その後はオフを取らずに春のクラシックシーズンでコンディションをピークに高めるという。
一方、この日3位に終わったファンアールトは、同じくスペインでの合宿を経てUCIワールドカップ第13戦でCXシーズンを終える。「そろそろ春のクラシックに向けて一度フィジカルベースを落とす時期だ。例年と異なるアプローチだけど、自信を持って臨んでいるよ」とコメントを残している。
年末年始のシクロクロス超過密シーズンもまもなく終盤戦。元旦の「GPスヴェンネイス」に続き、1月4日(木)にはX2Oトロフェー第5戦がかの有名なシクロクロスサーキット、コクサイデを舞台に開催された。
コクサイデはベルギーは西フランダース地方のイギリス海峡に面した街だが、舞台となるのは少し内陸に入った場所。砂に覆われた丘陵地帯を存分に使ったコースは乗車を拒み、選手はパワーと轍を捌くテクニックのみならず砂登りのランニングスキルも求められる。特別な熱狂に包まれたコースに、男女の世界王者をはじめとするトップ選手が集った。
女子エリート:スムーズな走りでファンエンペル独走
女子エリートレースは序盤から世界女王フェム・ファンエンペル(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)がリードを築いた。ファンエンペルは最初の砂区間を前に先頭に立ち、スピードを殺さないスムーズな乗り降りで徐々にリードを広げていく。「今日の目標は自分でラインを見極めて走ることだった。だからダッシュを狙ったし、それができたのでさらに自信を持って走ることができた」と言う彼女は、1周目終了時点で既に21秒ものリードを築き上げていた。
後方ではルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)、そしてセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)といったアルカンシエル経験者が追いかけたものの、ファンエンペルとの距離は広がるばかり。途中には痛めている膝を気にするシーンもあったものの、そのリードは最後まで揺るがなかった。
年末30日のUCIワールドカップでは今季初めて表彰台を逃したファンエンペルだが、再びコンディションを上げていることをアピールする圧勝。新年早々2連勝をマークしている。
「この美しいレースで勝ててとても嬉しい」と言うファンエンペルは、一旦連戦を切り上げてスペインのチームキャンプに合流し再充電を図る。厳しい砂で知られるゾンホーフェンでのUCIワールドカップ第13戦(1/7)とオランダ選手権をスキップし、スペイン開催のUCIワールドカップ第13戦(1/21)で再びシクロクロスサーキットに戻る予定だという。
男子エリート:向かう所敵なしのファンデルプール ファンアールトを退け9戦9勝
男子エリートレースにはマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)と、今季CXに一区切りをつけるワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)、さらには梶鉄輝(JPF)が参戦。スタートでペダルキャッチをミスしたファンアールトを尻目に、この日も世界王者が序盤から圧倒的なレース運びを披露した。
ファンデルプールは一気に先頭を奪い、追撃を試みようとしたファンアールトの心を折るように砂区間でリードを構築。「彼のペースにはあえて付いていかず、自分のペースを守るように心がけた。毎周回ファンの応援を楽しむことができた」と認めるファンアールトは、やがてピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)にも交わされて3位に。爆走するファンデルプールの背後で、この日の表彰台メンバーが選りすぐられていった。
誰も寄せ付けない走りでファンデルプールが今季9戦中9勝目を達成し、「最初の周回では砂区間をうまく走れたので差ができた。世界選手権に向けてまだコンディションは上がるはずだ。ここ最近はトレーニングをせずレースで追い込んでいる」と余裕のコメント。今後はゾンホーフェンでのUCIワールドカップ第13戦(1/7)を走ってからスペインでのチーム合宿に参加し、そのままキャンプ地の近くで開催されるUCIワールドカップ第13戦(1/21)に参戦したのち数レースを走ってから世界選手権に臨む予定だ。その後はオフを取らずに春のクラシックシーズンでコンディションをピークに高めるという。
一方、この日3位に終わったファンアールトは、同じくスペインでの合宿を経てUCIワールドカップ第13戦でCXシーズンを終える。「そろそろ春のクラシックに向けて一度フィジカルベースを落とす時期だ。例年と異なるアプローチだけど、自信を持って臨んでいるよ」とコメントを残している。
X2Oトロフェー2023-2024第4戦 女子エリート結果
1位 | フェム・ファンエンペル(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | 52:14 |
2位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:39 |
3位 | セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク | |
4位 | ラウラ・フェルドンショット(ベルギー) | +1:19 |
5位 | サンヌ・カント(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +3:15 |
6位 | デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +3:31 |
7位 | アンマリー・ワースト(オランダ、シクロクロスレッズ) | +3:43 |
8位 | イザベラ・ホルムグレン(カナダ) | +5:51 |
9位 | ジュリー・ブロウワーズ(ベルギー) | +6:42 |
10位 | アレッサンドラ・ケラー(スイス) | +6:46 |
X2Oトロフェー2023-2024第5戦 男子エリート結果
1位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | 59:21 |
2位 | ピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +1:20 |
3位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:43 |
4位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +1:53 |
5位 | ジャンニ・フェルメールシュ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +2:12 |
6位 | ローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +2:46 |
7位 | ヨラン・ウィズーレ(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +3:04 |
8位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +3:10 |
9位 | イェンス・アダムス(ベルギー) | +3:37 |
10位 | ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +3:48 |
44位 | 梶鉄耀(JPF) |
text:So.Isobe
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