2023/12/05(火) - 12:00
12月3日に愛知県新城市で「東海シクロクロス第3戦 東郷ケッターパーク iRC TIRE CUP」が開催された。子供から大人までのAJOCCカテゴリーレースが実施されるなか、最高峰となるME1を副島達海(大阪産業大学)が制した。400人が参加し、熱戦が繰り広げられたレースの模様や出展ブースなどをレポートしていく。
今年の1月に開催されたシクロクロス全日本選手権の舞台になったワイルドネイチャーなど、地域の特色を活かしたコース設定で中部・東海地方でシリーズ戦を開催している東海シクロクロス。12月3日に愛知県新城市で「東海シクロクロス第3戦 東郷ケッターパーク iRC TIRE CUP」が開催された。
シリーズ第3戦の舞台になったのは昨年に引き続き、地元企業の新東工業の敷地とMTBトレイルコースの「東郷ケッターパーク」が組み合わさった特設コース。東郷ケッターパークは地域の子どもが気軽に自転車で遊べる場所、親子で共に楽しめる場所を目指して、地域住民の手により作られたという地元密着型のスポットだ。
特設コースの8割以上がMTBコースを利用したトレイルセクションで、スタート・ゴール地点を除けば、ハイスピードなダウンヒルと九十九折の連続コーナーのヒルクライムが続くテクニックを求められるコース。このコースを舞台にAJOCCカテゴリーのレースが行われ、子供から大人まで400人の熱戦が繰り広げられた。
最高峰カテゴリーのME1の最前列には東海シクロクロスシリーズのランキング上位陣の大町健斗やマスターズチャンピオンジャージを着用する大原満などがフロントローに揃った。2列目には副島達海(大阪産業大学)、そして3列目にはiRC CUPで2連覇中の畑中勇介(キナンレーシングチーム)が並ぶ。
13時10分のスタートの合図とともに一気に加速。iRCのサポートを受ける大町がスタートダッシュを決めてホールショットを獲得した。先頭がスムーズにMTBコースのダウンヒル区間に入っていく一方で、狭い森林区間の入り口で渋滞が発生し副島が出遅れてしまう。
レース中盤に先頭をひた走る大町健斗の背後に、10番手ほどから1つ1つポジションアップした副島が迫る。しばらくテールトゥーノーズの状態が続いたが、勝負の分かれ道になったのはシケインだった。バイクを降りてシケインを越えた大町に対し、副島はバニーホップでクリアし先頭に躍り出る。
「今年の2月に行った、シクロクロスの世界選手権で走ったオランダのハイスピードコースに近い感じがしました。ハイスピードで曲がりながらタイヤがズルズルと外に膨らみながら、バイクをギリギリコントロールできる範囲で走りましたね」と話す副島はMTBのレースにも参戦していることもあり、テクニカルなコースをパワフルかつハイスピードで駆け抜け大町との差を広げていく。
大町を突き放した残り5周からは、更にペースを上げて独走状態に。終盤も安定した走りで後続を寄せ付けることの無かった副島が、ガッツポーズでフィニッシュラインを越えた。2位は大町、3位は黒沢大介(SDL/MTT)に。そして、3連覇を狙っていた畑中は5位でフィニッシュ。
「2列目スタートだったので、最初の混雑に巻き込まれながら、先頭を追いかけることになりました。落ち着いて走ることに集中していたのですが、シングルトラックが多く先頭との差もかなりあったので少し焦ってしまって、何度かミスをしてしまいました。それでも何とか先頭に追い付いて、少し息を整えて落ち着いて走りました。次戦は能登に出るのですが、一週間空くので全日本選手権に向けての強化期間としてトレーニングをバリバリ頑張ります!」と副島はレースを振り返り、今後の抱負を語ってくれた。
女子のトップカテゴリーMM1は水谷有紀子(ブチョーコーヒー/Urban Deer Cycling Team)が後続と2分近くの差をつけて圧勝。マスターズカテゴリーのMM1は大橋正明(SNG)が勝利を挙げている。その他のカテゴリーでもこの日の優勝者は次のレースで上のカテゴリーへの昇格を果たした。
冠スポンサーを務めるiRCからも、多くのスタッフが参戦。タイヤ開発を手掛ける山田さんをはじめ、熱い走りを披露してくれた。そして、レースに参戦しない社員さんたちもiRCグッズを持って、会社の仲間を応援する。チームユーラシアの橋川健さんは「フルラップで完走します!」という目標を言葉に残しMM1に参戦し、見事走り切った。
iRCのブースでは、シクロクロスタイヤSERACシリーズで発売されたばかりの新色のタンカラーと定番のブラックなど、様々な製品が販売されていた。中でも人気なのはタイヤインサート。ブースで購入すると、なんとその場でiRCスタッフが取り付けてくれることもあって、人気を博していたようだ。自分で装着するとなると少し難易度が高いだけに、これは嬉しいサービス。実際の作業も見せてもらえば、次回以降のコツも掴みやすいハズだ。
iRCの他には、東海シクロクロスではお馴染みの愛知県名古屋市でカフェを営む「ブチョーコーヒー」が出店。ライセンスチェックをし、ゼッケンを受けとるとトマトパスタとドリンクのチケットがもらえるため、お昼時には大行列ができていた。さらに、普通盛りと1.5倍盛りが選べたため、成長期の子供や選手たちもお腹が満たされたはずだ。
うどんやそば、フランクフルトなどランチに適したものから、食後のデザートにぴったりな、カヌレやシュトーレンなどの洋菓子、クレープなどが食べることができた。また、補給食を販売するアスリチューンはジェル、地元の果物を使用したフルーツジュースなどの特産品を販売していた。
本格的なAJOCCのレースでありながらも、会場には地元が一体となって大会を作り上げている温かさを感じた。筆者の私自身もレース参戦したが、全国で開催されているシクロクロスレースの中でもテクニカルなMTBトレイルコースは非常に面白かった。テクニカルなコースにチャレンジしてみたいシクロクロッサ―はぜひ来年参戦してみては。
今年の1月に開催されたシクロクロス全日本選手権の舞台になったワイルドネイチャーなど、地域の特色を活かしたコース設定で中部・東海地方でシリーズ戦を開催している東海シクロクロス。12月3日に愛知県新城市で「東海シクロクロス第3戦 東郷ケッターパーク iRC TIRE CUP」が開催された。
シリーズ第3戦の舞台になったのは昨年に引き続き、地元企業の新東工業の敷地とMTBトレイルコースの「東郷ケッターパーク」が組み合わさった特設コース。東郷ケッターパークは地域の子どもが気軽に自転車で遊べる場所、親子で共に楽しめる場所を目指して、地域住民の手により作られたという地元密着型のスポットだ。
特設コースの8割以上がMTBコースを利用したトレイルセクションで、スタート・ゴール地点を除けば、ハイスピードなダウンヒルと九十九折の連続コーナーのヒルクライムが続くテクニックを求められるコース。このコースを舞台にAJOCCカテゴリーのレースが行われ、子供から大人まで400人の熱戦が繰り広げられた。
最高峰カテゴリーのME1の最前列には東海シクロクロスシリーズのランキング上位陣の大町健斗やマスターズチャンピオンジャージを着用する大原満などがフロントローに揃った。2列目には副島達海(大阪産業大学)、そして3列目にはiRC CUPで2連覇中の畑中勇介(キナンレーシングチーム)が並ぶ。
13時10分のスタートの合図とともに一気に加速。iRCのサポートを受ける大町がスタートダッシュを決めてホールショットを獲得した。先頭がスムーズにMTBコースのダウンヒル区間に入っていく一方で、狭い森林区間の入り口で渋滞が発生し副島が出遅れてしまう。
レース中盤に先頭をひた走る大町健斗の背後に、10番手ほどから1つ1つポジションアップした副島が迫る。しばらくテールトゥーノーズの状態が続いたが、勝負の分かれ道になったのはシケインだった。バイクを降りてシケインを越えた大町に対し、副島はバニーホップでクリアし先頭に躍り出る。
「今年の2月に行った、シクロクロスの世界選手権で走ったオランダのハイスピードコースに近い感じがしました。ハイスピードで曲がりながらタイヤがズルズルと外に膨らみながら、バイクをギリギリコントロールできる範囲で走りましたね」と話す副島はMTBのレースにも参戦していることもあり、テクニカルなコースをパワフルかつハイスピードで駆け抜け大町との差を広げていく。
大町を突き放した残り5周からは、更にペースを上げて独走状態に。終盤も安定した走りで後続を寄せ付けることの無かった副島が、ガッツポーズでフィニッシュラインを越えた。2位は大町、3位は黒沢大介(SDL/MTT)に。そして、3連覇を狙っていた畑中は5位でフィニッシュ。
「2列目スタートだったので、最初の混雑に巻き込まれながら、先頭を追いかけることになりました。落ち着いて走ることに集中していたのですが、シングルトラックが多く先頭との差もかなりあったので少し焦ってしまって、何度かミスをしてしまいました。それでも何とか先頭に追い付いて、少し息を整えて落ち着いて走りました。次戦は能登に出るのですが、一週間空くので全日本選手権に向けての強化期間としてトレーニングをバリバリ頑張ります!」と副島はレースを振り返り、今後の抱負を語ってくれた。
女子のトップカテゴリーMM1は水谷有紀子(ブチョーコーヒー/Urban Deer Cycling Team)が後続と2分近くの差をつけて圧勝。マスターズカテゴリーのMM1は大橋正明(SNG)が勝利を挙げている。その他のカテゴリーでもこの日の優勝者は次のレースで上のカテゴリーへの昇格を果たした。
冠スポンサーを務めるiRCからも、多くのスタッフが参戦。タイヤ開発を手掛ける山田さんをはじめ、熱い走りを披露してくれた。そして、レースに参戦しない社員さんたちもiRCグッズを持って、会社の仲間を応援する。チームユーラシアの橋川健さんは「フルラップで完走します!」という目標を言葉に残しMM1に参戦し、見事走り切った。
iRCのブースでは、シクロクロスタイヤSERACシリーズで発売されたばかりの新色のタンカラーと定番のブラックなど、様々な製品が販売されていた。中でも人気なのはタイヤインサート。ブースで購入すると、なんとその場でiRCスタッフが取り付けてくれることもあって、人気を博していたようだ。自分で装着するとなると少し難易度が高いだけに、これは嬉しいサービス。実際の作業も見せてもらえば、次回以降のコツも掴みやすいハズだ。
iRCの他には、東海シクロクロスではお馴染みの愛知県名古屋市でカフェを営む「ブチョーコーヒー」が出店。ライセンスチェックをし、ゼッケンを受けとるとトマトパスタとドリンクのチケットがもらえるため、お昼時には大行列ができていた。さらに、普通盛りと1.5倍盛りが選べたため、成長期の子供や選手たちもお腹が満たされたはずだ。
うどんやそば、フランクフルトなどランチに適したものから、食後のデザートにぴったりな、カヌレやシュトーレンなどの洋菓子、クレープなどが食べることができた。また、補給食を販売するアスリチューンはジェル、地元の果物を使用したフルーツジュースなどの特産品を販売していた。
本格的なAJOCCのレースでありながらも、会場には地元が一体となって大会を作り上げている温かさを感じた。筆者の私自身もレース参戦したが、全国で開催されているシクロクロスレースの中でもテクニカルなMTBトレイルコースは非常に面白かった。テクニカルなコースにチャレンジしてみたいシクロクロッサ―はぜひ来年参戦してみては。
ME1リザルト
1位 | 副島達海(大阪産業大学) | 1:00:05.0 |
2位 | 大町健斗 | +1:38 |
3位 | 黒沢大介(SDL/MTT) | +2:21 |
4位 | 佐藤あきら(人力車) | +2:30 |
5位 | 畑中勇介(キナンレーシングチーム) | +3:15 |
6位 | 高木三千成(AX cyclocross team) | +3:31 |
7位 | 大原満 | +3:45 |
8位 | 吉元健太郎(チーム鳴木屋/Pep Cycles) | +3:55 |
9位 | 高木礼(イナーメ信濃山形) | +4:04 |
10位 | 岡理裕(SPADE ACE) | +4:06 |
WE1 リザルト
1位 | 水谷有紀子(ブチョーコーヒー/Urban Deer Cycling Team) | 39:47.0 |
2位 | 平野 友恵 | +1:57 |
3位 | 鈴木 理恵(ROND CX TEAM) | +2:25 |
4位 | 松井真由子(チーム36隊) | +3:53 |
5位 | 林明美(大垣ピストンズチームモンキ) | +5:55 |
6位 | 上野真椰(KOGMA Racing) | +6:48 |
その他カテゴリーのリザルト
ME2 | 大石哲平(AVENTURA VICTORIA RACING) |
ME3 | 野村慧晴(AVENTURA VICTORIA RACING) |
ME4A | 那須田浩之(ユーロードCXチーム) |
ME4B | 杉浦孝介(SPADE ACE CX-Team) |
WE2 | 吉田真未(Team Rueda Nagoya) |
WE3 | 玉田智子 |
MM1 | 大橋正明(SNG) |
MM2 | 上原正憲 |
MM3A | 矢野直倫(サイクルマスター) |
MM3B | 天池貴志(Huntington Garden) |
MJ | 水谷啓人(Limited Team846/ブチョーコーヒー) |
MU17 | 三上将醐(アスリチューン・CORAGGIO KAWANISHI U-19) |
MU15 | 伊藤隆聖(Sonic-Racing) |
CK3 | 平山開登(ブチョーコーヒー) |
CK2 | 佐野真麻(ORCA CYCLING TEAM) |
CK1 | 野原陽太(Limited Team 846) |
text:Michinari TAKAGI
photo:kikuzo&Michinari TAKAGI
photo:kikuzo&Michinari TAKAGI
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