2023/11/27(月) - 16:53
11月25日と26日の2日間にわたり、千葉県千葉市のTIPSTARA DOME千葉で、「JICFインターナショナルトラックカップ」が開催された。オムニアムでは、男子は兒島直樹、女子は梶原悠未が前週のジャパントラックカップⅡに続き優勝。日本大学の三神遼矢がケイリンとスプリントの2種目で優勝した。
「JICFインターナショナルトラックカップ」は、日本学生自転車競技連盟(学連)が主催するトラック種目の国際大会。前週に開催された「ジャパントラックカップ」に続き、UCI2クラスの大会としてトラックのUCIポイントがかかる数少ない国内大会となる(ジャパントラックカップはUCI1クラス)。9回目の開催となる今大会は、千葉県千葉市にある「TIPSTAR DOME千葉」が舞台。伊豆ベロドローム同様に国際規格で造られた250mの板張りバンクを備える屋内競技場だ。
出場国は、香港、インドネシア、アメリカ、カナダ、ニュージーランドなど。日本からはナショナルチーム、チームブリヂストンサイクリングなどに加え、オムニアムの大学選手権「全日本学生選手権オムニアム大会」も併催となるため、各大学の選手が出場。種目は男女共に、マディソン、オムニアム、ケイリン、スプリントの4種目が行われた。
またこの大会は、三笠宮寛仁親王の名を冠した「寬仁親王記念大会」としての開催でもあり、大会2日目には彬子女王殿下が競技をご観覧された。
マディソン
男子は今村駿介と兒島直樹の日本ナショナルチームが圧勝。フィニッシュ含め12回のポイント周回のうち9回を1位通過し、実質3回分のラップポイントを加えて112ポイントとし、2位の山本哲央と河野翔輝のチームブリヂストンサイクリングに大差をつけて優勝した。
女子は垣田真穂と池田瑞紀の日本ナショナルチームが、全てのポイント周回で1位を取って圧勝して見せた。
池田瑞紀 コメント
「垣田さんとマディソンを走るのは昨年のジュニア世界選手権以来。ジャパントラックカップでは梶原(悠未)さんや、古山(稀絵)と走ったが、やはり思ったことを言いやすいし、言ってくれることも受け止めやすいというが、レース中でも声を掛け合って落ち着くことが出来る相手。高校の頃から一緒にやってるからお互い分かってることも多いからだと思う。
1月からパリ五輪出場を決める大会が始まるので、それに向けて基礎的な力をもっと強化して、チームパーシュートのチームとしての技術的な部分も高めていきたい」
オムニアム
男子は前週のジャパントラックカップⅡを再現したような展開で始まった。スクラッチ終盤、遅れた集団に追いついたタイミングでグラン・クンヅ(スタートラックサイクリング)がアタックして単独先行し、そのまま1位でフィニッシュ。テンポレースでも残り10周から単独先行してフィニッシュまで逃げ切って1位となり、総合首位を維持する。エリミネイションでは梅澤幹太(鹿屋体育大学)に競り負けて4位となったクンヅは、2ポイント差で兒島直樹(日本ナショナルチーム)に総合首位を譲って最終種目のポイントレースへ。
兒島、今村駿介(日本ナショナルチーム)、さらには逆転を狙う山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)らにマークされたクンヅは思うようにポイントを加算できない一方、兒島は着実にポイントを加算してクンヅとの差を広げる。今村も続き、クンヅを逆転して2位に浮上。ポイントが倍になるフィニッシュは兒島が1位と取って首位確定。2位にクンヅが入り6ポイントを獲得するも、今村が2位を守った。
大学選手権オムニアムは、総合5位と健闘した梅澤が大学生の首位となり、優勝を決めた。
梅澤幹太 コメント
「最後のポイントレースは序盤は動けていたけれど最後ばバテて歯が立たなかったが、エリミネイションは手応えを感じて自信につながるレースが出来たと思う。インカレは3位で悔しい思いをしたので、今回優勝出来たことは良かった。今回は日本代表レベルとの脚の差を実感した一方で、自分のレベルも少しずつではあるけれど上がっていることを感じることも出来た。来年はまた上を目指して今年よりも良い走りが出来るようにしたい」
女子は梶原悠未(TEAM Yumi)と、垣田真穂、池田瑞紀(日本ナショナルチーム)の争いとなった。スクラッチは終盤にアタックした池田が逃げ切って1位。テンポレースは垣田と梶原が同ポイントとなるも、トップでフィニッシュした垣田が1位となる。エリミネイションはリー・ジーウィン(香港)との勝負に競り勝った梶原が1位となり、スクラッチ2位、テンポレース2位とあわせ総合首位を維持する。
最終種目のポイントレースは、池田と垣田の攻撃に耐えながらも梶原が1位通過を繰り返してポイント差を広げる。梶原は終盤に遅れてしまうものの、十分に確保したポイント差をもて逃げ切り、ジャパントラックカップに続きオムニアム3連勝とした。
ケイリン スプリント
男子ケイリンは4組の予選から勝ち上がった6名による決勝を、三神遼矢(日本大学)が制して優勝。三神は翌日のスプリントでも決勝まで進み、トー・チャクハイ(香港)をストレートで下して優勝。今大会2冠を達成した。
三神遼矢コメント
「インカレの後も気を抜かずにしっかりトレーニングしてきた成果が出せたと思う。ケイリンもスプリントも同じくらい難しかったが、自分のやりたいこと、気を付けることをしっかり考えながら走った。スプリントの決勝で対戦した香港のトー・チャクハイ選手は、以前香港の大会で対戦して負けていたので、今回勝てたことで自分の成長を実感出来た。ジャパントラックカップの前からナショナルチームと一緒に練習させてもらい、太田海也さんや中野慎詞さんらと走って色々教えてもらい、それを今回発揮できた。
将来はナショナルチームに入って世界選手権で活躍し、ロサンゼルス五輪出場を目指したい」
女子ケイリンは2組の予選を勝ち上がった6名での決勝が行われ、久米詩(JPCA)が優勝した。スプリントはヤン・チョーユー(香港)と酒井亜樹(日本ナショナルチーム)の決勝戦となり、ヤンが優勝した。
「JICFインターナショナルトラックカップ」は、日本学生自転車競技連盟(学連)が主催するトラック種目の国際大会。前週に開催された「ジャパントラックカップ」に続き、UCI2クラスの大会としてトラックのUCIポイントがかかる数少ない国内大会となる(ジャパントラックカップはUCI1クラス)。9回目の開催となる今大会は、千葉県千葉市にある「TIPSTAR DOME千葉」が舞台。伊豆ベロドローム同様に国際規格で造られた250mの板張りバンクを備える屋内競技場だ。
出場国は、香港、インドネシア、アメリカ、カナダ、ニュージーランドなど。日本からはナショナルチーム、チームブリヂストンサイクリングなどに加え、オムニアムの大学選手権「全日本学生選手権オムニアム大会」も併催となるため、各大学の選手が出場。種目は男女共に、マディソン、オムニアム、ケイリン、スプリントの4種目が行われた。
またこの大会は、三笠宮寛仁親王の名を冠した「寬仁親王記念大会」としての開催でもあり、大会2日目には彬子女王殿下が競技をご観覧された。
マディソン
男子は今村駿介と兒島直樹の日本ナショナルチームが圧勝。フィニッシュ含め12回のポイント周回のうち9回を1位通過し、実質3回分のラップポイントを加えて112ポイントとし、2位の山本哲央と河野翔輝のチームブリヂストンサイクリングに大差をつけて優勝した。
女子は垣田真穂と池田瑞紀の日本ナショナルチームが、全てのポイント周回で1位を取って圧勝して見せた。
池田瑞紀 コメント
「垣田さんとマディソンを走るのは昨年のジュニア世界選手権以来。ジャパントラックカップでは梶原(悠未)さんや、古山(稀絵)と走ったが、やはり思ったことを言いやすいし、言ってくれることも受け止めやすいというが、レース中でも声を掛け合って落ち着くことが出来る相手。高校の頃から一緒にやってるからお互い分かってることも多いからだと思う。
1月からパリ五輪出場を決める大会が始まるので、それに向けて基礎的な力をもっと強化して、チームパーシュートのチームとしての技術的な部分も高めていきたい」
オムニアム
男子は前週のジャパントラックカップⅡを再現したような展開で始まった。スクラッチ終盤、遅れた集団に追いついたタイミングでグラン・クンヅ(スタートラックサイクリング)がアタックして単独先行し、そのまま1位でフィニッシュ。テンポレースでも残り10周から単独先行してフィニッシュまで逃げ切って1位となり、総合首位を維持する。エリミネイションでは梅澤幹太(鹿屋体育大学)に競り負けて4位となったクンヅは、2ポイント差で兒島直樹(日本ナショナルチーム)に総合首位を譲って最終種目のポイントレースへ。
兒島、今村駿介(日本ナショナルチーム)、さらには逆転を狙う山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)らにマークされたクンヅは思うようにポイントを加算できない一方、兒島は着実にポイントを加算してクンヅとの差を広げる。今村も続き、クンヅを逆転して2位に浮上。ポイントが倍になるフィニッシュは兒島が1位と取って首位確定。2位にクンヅが入り6ポイントを獲得するも、今村が2位を守った。
大学選手権オムニアムは、総合5位と健闘した梅澤が大学生の首位となり、優勝を決めた。
梅澤幹太 コメント
「最後のポイントレースは序盤は動けていたけれど最後ばバテて歯が立たなかったが、エリミネイションは手応えを感じて自信につながるレースが出来たと思う。インカレは3位で悔しい思いをしたので、今回優勝出来たことは良かった。今回は日本代表レベルとの脚の差を実感した一方で、自分のレベルも少しずつではあるけれど上がっていることを感じることも出来た。来年はまた上を目指して今年よりも良い走りが出来るようにしたい」
女子は梶原悠未(TEAM Yumi)と、垣田真穂、池田瑞紀(日本ナショナルチーム)の争いとなった。スクラッチは終盤にアタックした池田が逃げ切って1位。テンポレースは垣田と梶原が同ポイントとなるも、トップでフィニッシュした垣田が1位となる。エリミネイションはリー・ジーウィン(香港)との勝負に競り勝った梶原が1位となり、スクラッチ2位、テンポレース2位とあわせ総合首位を維持する。
最終種目のポイントレースは、池田と垣田の攻撃に耐えながらも梶原が1位通過を繰り返してポイント差を広げる。梶原は終盤に遅れてしまうものの、十分に確保したポイント差をもて逃げ切り、ジャパントラックカップに続きオムニアム3連勝とした。
ケイリン スプリント
男子ケイリンは4組の予選から勝ち上がった6名による決勝を、三神遼矢(日本大学)が制して優勝。三神は翌日のスプリントでも決勝まで進み、トー・チャクハイ(香港)をストレートで下して優勝。今大会2冠を達成した。
三神遼矢コメント
「インカレの後も気を抜かずにしっかりトレーニングしてきた成果が出せたと思う。ケイリンもスプリントも同じくらい難しかったが、自分のやりたいこと、気を付けることをしっかり考えながら走った。スプリントの決勝で対戦した香港のトー・チャクハイ選手は、以前香港の大会で対戦して負けていたので、今回勝てたことで自分の成長を実感出来た。ジャパントラックカップの前からナショナルチームと一緒に練習させてもらい、太田海也さんや中野慎詞さんらと走って色々教えてもらい、それを今回発揮できた。
将来はナショナルチームに入って世界選手権で活躍し、ロサンゼルス五輪出場を目指したい」
女子ケイリンは2組の予選を勝ち上がった6名での決勝が行われ、久米詩(JPCA)が優勝した。スプリントはヤン・チョーユー(香港)と酒井亜樹(日本ナショナルチーム)の決勝戦となり、ヤンが優勝した。
マディソン 結果
男子(30km) | ||
1位 | 日本ナショナルチーム(今村駿介、兒島直樹) | 112p |
2位 | チームブリヂストンサイクリング(山本哲央、河野翔輝) | 49p |
3位 | スタートラック・サイクリング(グラン・クンヅ、ライアン・ジャストラブ) | 20p |
女子(20km) | ||
1位 | 日本ナショナルチーム(垣田真穂、池田瑞稀) | 65p |
2位 | 香港(リー・ジーウィン、ヤン・チャンユウ) | 27p |
3位 | HKSI(イン・ジーウィン、レン・ウィンイー) | -2p |
オムニアム 結果
男子 | ||
1位 | 兒島直樹(日本ナショナルチーム) | 154p |
2位 | 今村駿介(日本ナショナルチーム) | 136p |
3位 | グラン・クンヅ(スタートラックサイクリング) | 133p |
男子 学生選手権 | ||
1位 | 梅澤幹太(鹿屋体育大学) | 91p |
2位 | 岡本勝哉(日本大学) | 88p |
3位 | 片岡遼真(明治大学) | 62p |
女子 | ||
女子 | ||
1位 | 梶原悠未(TEAM Yumi) | 146p |
2位 | 垣田真穂(日本ナショナルチーム) | 135p |
3位 | リー・ジーウィン(香港) | 130p |
ケイリン 結果
男子 | 参考タイム | |
1位 | 三神遼矢(日本大学) | 10秒57 |
2位 | トー・チャクハイ(香港) | |
3位 | ヤン・スンホー(香港) | |
4位 | 吉川敬介(日本大学) | |
5位 | パトリック・クランシー(Grassroots Performance Hub) | |
6位 | ディカ・アリフ・エンタカ(インドネシアナショナルチーム) | |
女子 | 参考タイム | |
1位 | 久米 詩(JPCA) | 11秒86 |
2位 | イン・ジーウィン(HKSI) | |
3位 | ヤン・チョーユー(香港) | |
4位 | ウィジ・レスタリ(インドネシアナショナルチーム) | |
5位 | リザンヌ・ウィルモット(Tesseract Racing、カナダ) | |
6位 | 酒井亜樹(日本ナショナルチーム) |
スプリント 結果
男子 | 予選タイム | |
1位 | 三神遼矢(日本大学) | 10秒044 |
2位 | トー・チャクハイ(香港) | 10秒270 |
3位 | ディラン・デイ(Grassroots Performance Hub) | 10秒403 |
4位 | 水澤秀哉(BMレーシングZUNOW) | 10秒340 |
女子 | 予選タイム | |
1位 | ヤン・チョーユー(香港) | 11秒516 |
2位 | 酒井亜樹(日本ナショナルチーム) | 11秒312 |
3位 | 久米 詩(JPCA) | 11秒813 |
4位 | イン・ジーウィン(HKSIプロ・サイクリングチーム) | 11秒575 |
text&photo: Satoru Kato
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