2023/11/20(月) - 18:34
前日の吹雪と嵐の影響でレースキャンセルの可能性もあったものの、好天に恵まれた野辺山クロスday2。雪と霜が溶けた野辺山らしい泥コンディションで、一般カテゴリーでもまた白熱したレースが繰り広げられた。
吹雪で白銀の世界となった前日午後と打って変わって、真っ青な空の下、長野県の滝沢牧場で開催された「弱虫ペダル Supercross NOBEYAMA2023 day2」 。前日の雪と霜が解けたコースは、野辺山クロスらしい泥のコンディションとなった。
Day2のファーストレースはキッズカテゴリーだ。小学1-2年生対象のCK1は横田和晴(イオンバイクJr.アカデミー)が優勝し、小学3-4年生対象のCK2は稲葉立(伊豆CSC)が、小学5-6年生対象のCK3は富樫悠太郎(CROSS YAMANASHI)が勝利。表彰台のてっぺんを見事に射止めている。
8時30分の男子U15では伊藤隆聖(Sonic-Racing)との接戦を制した郷津輝(Dream Seeker Jr.Racing Team)が拳を高く掲げてフィニッシュ。男子エリートカテゴリー4は三浦伶央が後続と43秒の差をつけ、優勝の喜びを噛みしめながらフィニッシュラインを越えた。
MU17は中仙道侑毅(Dream Seeker Jr. Racing Team)がホールショットを獲得したものの、あらゆる泥区間をスムーズに駆け抜けた松村拓弥(群馬グリフィンエリート)が先頭に立つ。両手を空に突き上げて昇格を決めている。
スタート直後のファーストコーナーで落車が発生したのは男子エリートカテゴリー3だった。Day1の男子エリートカテゴリー4で優勝して昇格を決めた久保田翔太郎(EMU SPEED CLUB)が最後尾から猛追。普段はモトクロスを楽しんでいるという久保田がテクニックとパワーを見せつけて2日間連続優勝。2日間で2カテゴリー昇格というサクセスストーリーを野辺山の泥に刻み込んだ。
続いてはマスターズカテゴリー。MM35は松尾遊(Champion System Japan Test Team)が優勝。MM40は岡本大介(and more)がホールショットを獲得したものの、その後トップが入れ替わり國分圭二(Mt.HASE321)が追いかける筧五郎(56)と石川正道(SBC DIRT UNION)を抑え込み続けた。最後は國分と中島由裕の一騎打ちに持ち込まれ、スパートを成功させた國分が熱戦を制した。
毎シーズン熱戦が繰り広げられているMM50には72名が出走。爆発的なスプリントで浅井秀樹(SNEL CYCLOCROSS TEAM)がホールショットを獲得する一方、後続ではファーストコーナーのアウト側で接触があり落車が発生してしまう。
やがて先頭パックは野辺山クロスのオーガナイザーを務める矢野大介(八ヶ岳CYCLING CLUB)と生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス)が後続を大きく突き放し、重たい泥区間で生田目がペースをさらに上げて独走に持ち込んだ。後続と1分差をつけた生田目がDay1に続き優勝。今シーズン7連勝達成という圧倒的な成績で連勝街道を突き進んでいる。
MM50と1分差でスタートしたのがMM60だ。中谷聡(HOKURIKU DOROTABOU)と、先週のツール・ド・おきなわ市民200kmに31回連続参戦・29回目の完走を果たし、さらに前日のMM60で優勝している増田謙一(SHIDO-WORKS)がトップ争いを繰り広げた。増田が泥区間で転倒し遅れてしまい、猛追届かず中谷がMM60を制した。
女子エリートカテゴリー2+3はアンバウンドグラベル100マイルクラスを完走したという森廣真奈がDay1に引き続き独走で優勝。女子U17はU17全日本チャンピオンの石川七海(SBC DIRT UNION)との差を広げた日吉彩華(Teamまるいち)が優勝。女子U15は皆木海音(AVENTURA VICTORIA RACING)が、女子マスターズは安達直子(潟鉄TRC)が制している。
UCIカテゴリーを除く最上位カテゴリーとなる男子エリートカテゴリー2は、Day1を制した奥田勇(LEPUS)のホールショットで幕開けた。トップ争いは髙橋寿樹(Team轍屋)と吉田泰大(SHIDO-WORKS)、峯岸祐太(Team 自転車処 風輪)の3名に絞られ、最後に抜け出した髙橋が優勝を決め、栄えある野辺山優勝を決めている。
弱虫ペダル Supercross NOBEYAMA2023の大会オーガナイザー 矢野大介氏インタビュー
13年目を迎えたSupercross NOBEYAMAだが、来年大会の開催が不透明であることは先のレポートで記した通り。大会オーガナイザーである矢野大介氏は「地元の商工会議所を通して開催していますが、選手の名前を覚える商工会の方もいたりと、もはや村が総力を上げて取り組み、村の一部になっているイベント」と言う。「それは1、2年では絶対できないことだし、時期をかけて定着していくもの。誇り高いイベントになっています」とも。
国内シクロクロスムーブメントの火付け役となり、今年に至るまでその流れを牽引してきた野辺山クロス。シクロクロッサーとしての総合力を問うコースに、野辺山でしか味わえない雰囲気。来年以降の継続開催は誰にとっても気になるところだが、矢野氏は「今までのようなUCIやJCXのレースとしての規模感は今年で終わりかもしれませんが、何らかの形では残る可能性はあると思います」と言う。
「ラファからブロンプトンのカントリーマネージャーに転職したことで、だいぶ事情が変わり、この大会に時間をかけられなくなった。だから僕がメインで開催していくのは今年が最後だと考えています。来年、僕が日本に住んでいれば、大会スタッフとしてはサポートしていきたいと思っていますが、誰がメインで今後開催していくかはまだ分かりません」。
野辺山クロスのオーガナイザーとして、日本のシクロクロス界を牽引して13年。矢野氏は野辺山に集った全ての人への感謝を口にした。「イベントはたくさんのお客さんが来て完成しますし、今はそれに対する感謝の気持ちでいっぱいです。この大会の良いところは、それぞれのお客さんが自分の楽しみ方を工夫しながら参加してくれているところ。いろんな国からも選手がやってきてくれましたし、1回だけでも参加してくれた方や、13回全てに参加してくれた方もいます。皆さんに対する感謝の気持ちでいっぱいです」。
吹雪で白銀の世界となった前日午後と打って変わって、真っ青な空の下、長野県の滝沢牧場で開催された「弱虫ペダル Supercross NOBEYAMA2023 day2」 。前日の雪と霜が解けたコースは、野辺山クロスらしい泥のコンディションとなった。
Day2のファーストレースはキッズカテゴリーだ。小学1-2年生対象のCK1は横田和晴(イオンバイクJr.アカデミー)が優勝し、小学3-4年生対象のCK2は稲葉立(伊豆CSC)が、小学5-6年生対象のCK3は富樫悠太郎(CROSS YAMANASHI)が勝利。表彰台のてっぺんを見事に射止めている。
8時30分の男子U15では伊藤隆聖(Sonic-Racing)との接戦を制した郷津輝(Dream Seeker Jr.Racing Team)が拳を高く掲げてフィニッシュ。男子エリートカテゴリー4は三浦伶央が後続と43秒の差をつけ、優勝の喜びを噛みしめながらフィニッシュラインを越えた。
MU17は中仙道侑毅(Dream Seeker Jr. Racing Team)がホールショットを獲得したものの、あらゆる泥区間をスムーズに駆け抜けた松村拓弥(群馬グリフィンエリート)が先頭に立つ。両手を空に突き上げて昇格を決めている。
スタート直後のファーストコーナーで落車が発生したのは男子エリートカテゴリー3だった。Day1の男子エリートカテゴリー4で優勝して昇格を決めた久保田翔太郎(EMU SPEED CLUB)が最後尾から猛追。普段はモトクロスを楽しんでいるという久保田がテクニックとパワーを見せつけて2日間連続優勝。2日間で2カテゴリー昇格というサクセスストーリーを野辺山の泥に刻み込んだ。
続いてはマスターズカテゴリー。MM35は松尾遊(Champion System Japan Test Team)が優勝。MM40は岡本大介(and more)がホールショットを獲得したものの、その後トップが入れ替わり國分圭二(Mt.HASE321)が追いかける筧五郎(56)と石川正道(SBC DIRT UNION)を抑え込み続けた。最後は國分と中島由裕の一騎打ちに持ち込まれ、スパートを成功させた國分が熱戦を制した。
毎シーズン熱戦が繰り広げられているMM50には72名が出走。爆発的なスプリントで浅井秀樹(SNEL CYCLOCROSS TEAM)がホールショットを獲得する一方、後続ではファーストコーナーのアウト側で接触があり落車が発生してしまう。
やがて先頭パックは野辺山クロスのオーガナイザーを務める矢野大介(八ヶ岳CYCLING CLUB)と生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス)が後続を大きく突き放し、重たい泥区間で生田目がペースをさらに上げて独走に持ち込んだ。後続と1分差をつけた生田目がDay1に続き優勝。今シーズン7連勝達成という圧倒的な成績で連勝街道を突き進んでいる。
MM50と1分差でスタートしたのがMM60だ。中谷聡(HOKURIKU DOROTABOU)と、先週のツール・ド・おきなわ市民200kmに31回連続参戦・29回目の完走を果たし、さらに前日のMM60で優勝している増田謙一(SHIDO-WORKS)がトップ争いを繰り広げた。増田が泥区間で転倒し遅れてしまい、猛追届かず中谷がMM60を制した。
女子エリートカテゴリー2+3はアンバウンドグラベル100マイルクラスを完走したという森廣真奈がDay1に引き続き独走で優勝。女子U17はU17全日本チャンピオンの石川七海(SBC DIRT UNION)との差を広げた日吉彩華(Teamまるいち)が優勝。女子U15は皆木海音(AVENTURA VICTORIA RACING)が、女子マスターズは安達直子(潟鉄TRC)が制している。
UCIカテゴリーを除く最上位カテゴリーとなる男子エリートカテゴリー2は、Day1を制した奥田勇(LEPUS)のホールショットで幕開けた。トップ争いは髙橋寿樹(Team轍屋)と吉田泰大(SHIDO-WORKS)、峯岸祐太(Team 自転車処 風輪)の3名に絞られ、最後に抜け出した髙橋が優勝を決め、栄えある野辺山優勝を決めている。
弱虫ペダル Supercross NOBEYAMA2023の大会オーガナイザー 矢野大介氏インタビュー
13年目を迎えたSupercross NOBEYAMAだが、来年大会の開催が不透明であることは先のレポートで記した通り。大会オーガナイザーである矢野大介氏は「地元の商工会議所を通して開催していますが、選手の名前を覚える商工会の方もいたりと、もはや村が総力を上げて取り組み、村の一部になっているイベント」と言う。「それは1、2年では絶対できないことだし、時期をかけて定着していくもの。誇り高いイベントになっています」とも。
国内シクロクロスムーブメントの火付け役となり、今年に至るまでその流れを牽引してきた野辺山クロス。シクロクロッサーとしての総合力を問うコースに、野辺山でしか味わえない雰囲気。来年以降の継続開催は誰にとっても気になるところだが、矢野氏は「今までのようなUCIやJCXのレースとしての規模感は今年で終わりかもしれませんが、何らかの形では残る可能性はあると思います」と言う。
「ラファからブロンプトンのカントリーマネージャーに転職したことで、だいぶ事情が変わり、この大会に時間をかけられなくなった。だから僕がメインで開催していくのは今年が最後だと考えています。来年、僕が日本に住んでいれば、大会スタッフとしてはサポートしていきたいと思っていますが、誰がメインで今後開催していくかはまだ分かりません」。
野辺山クロスのオーガナイザーとして、日本のシクロクロス界を牽引して13年。矢野氏は野辺山に集った全ての人への感謝を口にした。「イベントはたくさんのお客さんが来て完成しますし、今はそれに対する感謝の気持ちでいっぱいです。この大会の良いところは、それぞれのお客さんが自分の楽しみ方を工夫しながら参加してくれているところ。いろんな国からも選手がやってきてくれましたし、1回だけでも参加してくれた方や、13回全てに参加してくれた方もいます。皆さんに対する感謝の気持ちでいっぱいです」。
弱虫ペダル Supercross NOBEYAMA2023 day2 一般カテゴリーリザルト
ME2 | 髙橋寿樹(Team轍屋) |
ME3 | 久保田翔太郎(EMU SPEED CLUB) |
ME4 | 三浦伶央 |
WE2+3 | 森廣真奈 |
MM35 | 松尾遊(Champion System Japan Test Team) |
MM40 | 國分圭二(Mt.HASE321) |
MM50 | 生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス) |
MM60 | 中谷聡(HOKURIKU DOROTABOU) |
WM | 安達直子(潟鉄TRC) |
MU17 | 松村拓弥(群馬グリフィンエリート) |
WU17 | 日吉彩華(Teamまるいち) |
MU15 | 郷津輝(Dream Seeker Jr.Racing Team) |
WU15 | 皆木 海音(AVENTURA VICTORIA RACING) |
CK3 | 富樫悠太郎(CROSS YAMANASHI ) |
CK2 | 稲葉立(伊豆CSC) |
CK1 | 横田和晴(イオンバイクJr.アカデミー) |
photo&text:Michinari TAKAGI