2023/11/13(月) - 10:40
重馬場のパワー勝負となったUCIシクロクロスワールドカップ第3ラウンド。セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が男女エリートレースを制している。
前日の激マッドレースから一夜明け、各チームは同じベルギーのオースト=フランデレン州にあるデンデルモンデへと移動する。郊外の牧草地帯でUCIシクロクロスワールドカップ第3ラウンドを迎えた。
緩やかなアップダウンと平坦区間を組み合わせたコースはやはり泥コンディションだが、W杯ランキングリーダーのラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)曰く「昨日よりも条件は良いけどタフであることには変わらない」。ほぼ全周を覆った柔らかい泥で、馬力を問うパワーレースが繰り広げられた。
女子エリート:好調アルバラードが独走、W杯ランキングリーダーに浮上
フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)とパック・ピーテルス(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)不在の女子エリートレースだが、肩の怪我からのリハビリでシーズンインが遅れていたルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が遂に復帰。スタートと同時にその元世界女王がダッシュを決めた。
勢いよく先行するブラントを追ったのはセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)で、すぐに「スタートは良かったけれどリズムに乗れなかった」と言うブラントを置き去りにする。得意の勝ちパターンに持ち込んだアルバラードは、55分に及ぶレースの大部分を独走してフィニッシュに飛び込んだ。
前日のスーパープレスティージュに続く2日連続勝利を挙げたアルバラードは「同じ週末に2勝するのは2年ぶり。こんな気分でレースを走れるのは久々だし、今すごく身体が仕上がっている」と言う。出場しなかったファンエンペルに変わりW杯ランキングリーダーにも浮上することとなった。
男子エリート:22歳ロンハールが初のW杯エリート優勝
スタートダッシュ中の接触によって欧州選手権2位のキャメロン・メイソン(イギリス、シクロクロスレッズ)は前輪破損。そんな混乱を尻目に、バイク交換無し作戦で先頭に立ったのはトーン・ファンデボッシュ(ベルギー、クレラン・コレンドン)だった。
24歳のファンデボッシュが積極的にリードする後ろは団子状態に。前日不調で26位に終わったティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が出場を取りやめる中、ファンデボッシュにはチームメイトのローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・コレンドン)とピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が追いついてくる。前日勝者エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)はこの日先頭争いに加わることができなかった。
ロンハールはクレラン勢2人に対して力強い走りを披露した。「チーム監督に3,4周は我慢して走ることが大切だと言われていたんだ」と振り返る元U23世界王者は、全7周回中の4周目にアタックして2人を置き去りにする。序盤から力を使ったファンデボッシュは遅れ、スウェークにはファンデルハールが追いついてくる。こうしてロンハールの独走態勢が確立されていった。
22歳のロンハールが自身初となるW杯エリートカテゴリー優勝をマーク。「すごく意味のある勝利だ。コッペンベルグでは5分も差をつけられて負けていたんだから。欧州選手権前には3日間メンタルを整えたら良いレースができた。今日も監督の意見を聞いて、ポジティブに走ることができたんだ」と優勝インタビューで喜んでいる。
前日の肩脱臼を思わせない走りを披露したファンデルハールが2位に入り、3位は「まだ今季初勝利は遠いように思う」と言うスウェーク。最後尾から追い上げ続けたメイソンは1分遅れの11位までポジションを戻してフィニッシュしている。バロワーズ勢にとっては、開幕戦のネイス、第2戦のファンデルハールに続く3タテ。リーダージャージはファンデルハールが維持している。
前日の激マッドレースから一夜明け、各チームは同じベルギーのオースト=フランデレン州にあるデンデルモンデへと移動する。郊外の牧草地帯でUCIシクロクロスワールドカップ第3ラウンドを迎えた。
緩やかなアップダウンと平坦区間を組み合わせたコースはやはり泥コンディションだが、W杯ランキングリーダーのラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)曰く「昨日よりも条件は良いけどタフであることには変わらない」。ほぼ全周を覆った柔らかい泥で、馬力を問うパワーレースが繰り広げられた。
女子エリート:好調アルバラードが独走、W杯ランキングリーダーに浮上
フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)とパック・ピーテルス(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)不在の女子エリートレースだが、肩の怪我からのリハビリでシーズンインが遅れていたルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が遂に復帰。スタートと同時にその元世界女王がダッシュを決めた。
勢いよく先行するブラントを追ったのはセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)で、すぐに「スタートは良かったけれどリズムに乗れなかった」と言うブラントを置き去りにする。得意の勝ちパターンに持ち込んだアルバラードは、55分に及ぶレースの大部分を独走してフィニッシュに飛び込んだ。
前日のスーパープレスティージュに続く2日連続勝利を挙げたアルバラードは「同じ週末に2勝するのは2年ぶり。こんな気分でレースを走れるのは久々だし、今すごく身体が仕上がっている」と言う。出場しなかったファンエンペルに変わりW杯ランキングリーダーにも浮上することとなった。
男子エリート:22歳ロンハールが初のW杯エリート優勝
スタートダッシュ中の接触によって欧州選手権2位のキャメロン・メイソン(イギリス、シクロクロスレッズ)は前輪破損。そんな混乱を尻目に、バイク交換無し作戦で先頭に立ったのはトーン・ファンデボッシュ(ベルギー、クレラン・コレンドン)だった。
24歳のファンデボッシュが積極的にリードする後ろは団子状態に。前日不調で26位に終わったティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が出場を取りやめる中、ファンデボッシュにはチームメイトのローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・コレンドン)とピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が追いついてくる。前日勝者エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)はこの日先頭争いに加わることができなかった。
ロンハールはクレラン勢2人に対して力強い走りを披露した。「チーム監督に3,4周は我慢して走ることが大切だと言われていたんだ」と振り返る元U23世界王者は、全7周回中の4周目にアタックして2人を置き去りにする。序盤から力を使ったファンデボッシュは遅れ、スウェークにはファンデルハールが追いついてくる。こうしてロンハールの独走態勢が確立されていった。
22歳のロンハールが自身初となるW杯エリートカテゴリー優勝をマーク。「すごく意味のある勝利だ。コッペンベルグでは5分も差をつけられて負けていたんだから。欧州選手権前には3日間メンタルを整えたら良いレースができた。今日も監督の意見を聞いて、ポジティブに走ることができたんだ」と優勝インタビューで喜んでいる。
前日の肩脱臼を思わせない走りを披露したファンデルハールが2位に入り、3位は「まだ今季初勝利は遠いように思う」と言うスウェーク。最後尾から追い上げ続けたメイソンは1分遅れの11位までポジションを戻してフィニッシュしている。バロワーズ勢にとっては、開幕戦のネイス、第2戦のファンデルハールに続く3タテ。リーダージャージはファンデルハールが維持している。
UCIシクロクロスワールドカップ2023-2024 第3戦 女子エリート結果
1位 | セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | 55:45 |
2位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:37 |
3位 | ゾーイ・バックステッド(イギリス、キャニオン・スラム) | +1:35 |
4位 | マリオン・ノーブルリブロール(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +2:01 |
5位 | マノン・バッカー(オランダ、クレラン・コレンドン) | +2:11 |
6位 | クリスティナ・ゼマノヴァ(チェコ、ブライオンレーシングチームMB) | +2:22 |
7位 | アニック・ファンアルフェン(オランダ、シクロクロスレッズ) | +2:27 |
8位 | ラウラ・フェルドンショット(ベルギー) | +2:43 |
9位 | サンヌ・カント(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +2:47 |
10位 | アリシア・フランク(ベルギー) | +2:57 |
UCIシクロクロスワールドカップ2023-2024 第3戦 男子エリート結果
1位 | ピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | 56:04 |
2位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:16 |
3位 | ローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +0:27 |
4位 | エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:33 |
5位 | ヘルベン・クイペルス(ベルギー、サーカス・レウス・テックノルド) | +0:40 |
6位 | ケヴィン・クーン(スイス、サーカス・レウス・テックノルド) | +0:42 |
7位 | イェンス・アダムス(ベルギー) | +0:45 |
8位 | ヨラン・ウィズール(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +0:48 |
9位 | トーン・ファンデボッシュ(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +0:54 |
10位 | ライアン・カンプ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:56 |
text:So.Isobe
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