2023/11/06(月) - 09:45
CXシーズン前半戦の大一番である欧州選手権がフランスで開催。高速泥レースでフェム・ファンエンペル(オランダ)とマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー)が2年連続のエリートタイトルを確保した。
シクロクロスシーズン前半戦の大一番であるヨーロッパ選手権。白地に青のチャンピオンジャージ着用権利を賭けた戦いが、3日間に渡ってフランスのポンシャトーで繰り広げられた。
緩やかな丘陵地帯に敷かれたコースはスピード重視だが、雨を伴う嵐によってコースは一面泥コンディションに。雨と晴れを繰り返す気まぐれな天候によって泥の深さとグリップ量が変化し続けた。
女子エリート:ファンエンペルが圧勝。今後は2週間の休養へ
7カ国21名が参戦した女子エリートレースは、圧倒的な戦力を誇るオランダ勢がスタート直後からレースを制圧。まずはレースを重ねるごとに調子を上げるセイリン・アルバラード(オランダ)がハイペースを刻み、1周目後半にはフェム・ファンエンペル(オランダ)が発進。「1周目はミスが多くて苦戦した」と言う世界女王だが、合流を狙ったアルバラードは追いつかない。リードはすぐ1分まで広がった。
アルカンシエルを着るファンエンペルは、普段通り、落ち着きながらも力強い走りで勝利した。欧州選手権2連覇であり、オランダにとっては2018年から続くタイトルキープ。ファンエンペルは今季ここまで7戦中7勝という圧倒的な戦績を残している。
2位はアルバラードが入り(2年連続銀メダル)、サラ・カサソラ(イタリア)がオランダの表彰台独占を阻止。「身体は大丈夫だけど、常に優勝候補としてスタートし、自分を奮い立たせて走るのは大変」と言うファンエンペルはこの後2週間の休養をとったのち、ビッグレースが集中する年末年始のハイシーズンに向けて再始動するという。
男子エリート:ファントーレンハウトが連覇し、イギリスが銀メダル
男子エリートレースの最前列を占めたのはベルギーとオランダのシクロクロス2大強国。滑りやすさがアップした難コースに向けてローレンス・スウェーク(ベルギー)がホールショットを決めた。
未だワウト・ファンアールト(ベルギー)とマチュー・ファンデルプール(オランダ)、そしてトーマス・ピドコック(イギリス)の参戦は無く、絶対的な優勝候補が存在しない拮抗した戦況。序盤から代わる代わる攻めたベルギーはオランダを防戦一方とさせることに成功。2周目には2連覇がかかるマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー)がするすると抜け出した。
逃げるファントーレンハウトを追いかけたのはラース・ファンデルハール(オランダ)と、後方スタートから一気に追い上げたキャメロン・メイソン(イギリス)の2人。しかしファンデルハールは合計2度転倒して遅れ、メイソンもファントーレンハウトのリードを崩すには至らない。直近のコッペンベルグクロスで勝利し、ベルギーファンの期待を背負ったティボー・ネイスは「得意なコースだったけど調子が悪く踏めなかった」とポジションを落としてしまい、最終的にリタイアを選んでいる。
独走した距離は全8周回中の実に6周回。後方からのプレッシャーにも屈しなかったファントーレンハウトが最終ストレートへと向かう。今季ここまで表彰台に絡みながらも勝利が無かった30歳が大一番で勝利。2年連続の欧州王座戴冠を決めた。
若手が台頭する中、30歳のファントーレンハウトが勝利した。「エリ(イゼルビット)が僕にアタックしろと言ったんだ。彼とベルギーチームに大きな感謝を述べたい。現代のクロスでまだこういうレースができるのは素晴らしいことだ」と欧州王者ジャージを守ったファントーレンハウト。「ここまで上手く走れていなかったので、プレッシャーも期待もせずレースを走った。でもコッペンベルグの後から強さが戻ってきていたし、今日は最初から最後まで全開で走ることができた」と解放感あるコメントを残している。
ベルギーとオランダ勢を打ち破ったメイソンは大金星の2位。ジュニア時代からテクニックを磨き、生粋のシクロクロッサーとして成長した2000年生まれの23歳は特に今年、ヨーロッパの強豪勢と対等に渡り合ってきた。昔から自ら編集した動画をポストしてファンを増やしてきたと言う一面もあり、今後ますます注目の存在となるはずだ。
シクロクロスシーズン前半戦の大一番であるヨーロッパ選手権。白地に青のチャンピオンジャージ着用権利を賭けた戦いが、3日間に渡ってフランスのポンシャトーで繰り広げられた。
緩やかな丘陵地帯に敷かれたコースはスピード重視だが、雨を伴う嵐によってコースは一面泥コンディションに。雨と晴れを繰り返す気まぐれな天候によって泥の深さとグリップ量が変化し続けた。
女子エリート:ファンエンペルが圧勝。今後は2週間の休養へ
7カ国21名が参戦した女子エリートレースは、圧倒的な戦力を誇るオランダ勢がスタート直後からレースを制圧。まずはレースを重ねるごとに調子を上げるセイリン・アルバラード(オランダ)がハイペースを刻み、1周目後半にはフェム・ファンエンペル(オランダ)が発進。「1周目はミスが多くて苦戦した」と言う世界女王だが、合流を狙ったアルバラードは追いつかない。リードはすぐ1分まで広がった。
アルカンシエルを着るファンエンペルは、普段通り、落ち着きながらも力強い走りで勝利した。欧州選手権2連覇であり、オランダにとっては2018年から続くタイトルキープ。ファンエンペルは今季ここまで7戦中7勝という圧倒的な戦績を残している。
2位はアルバラードが入り(2年連続銀メダル)、サラ・カサソラ(イタリア)がオランダの表彰台独占を阻止。「身体は大丈夫だけど、常に優勝候補としてスタートし、自分を奮い立たせて走るのは大変」と言うファンエンペルはこの後2週間の休養をとったのち、ビッグレースが集中する年末年始のハイシーズンに向けて再始動するという。
男子エリート:ファントーレンハウトが連覇し、イギリスが銀メダル
男子エリートレースの最前列を占めたのはベルギーとオランダのシクロクロス2大強国。滑りやすさがアップした難コースに向けてローレンス・スウェーク(ベルギー)がホールショットを決めた。
未だワウト・ファンアールト(ベルギー)とマチュー・ファンデルプール(オランダ)、そしてトーマス・ピドコック(イギリス)の参戦は無く、絶対的な優勝候補が存在しない拮抗した戦況。序盤から代わる代わる攻めたベルギーはオランダを防戦一方とさせることに成功。2周目には2連覇がかかるマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー)がするすると抜け出した。
逃げるファントーレンハウトを追いかけたのはラース・ファンデルハール(オランダ)と、後方スタートから一気に追い上げたキャメロン・メイソン(イギリス)の2人。しかしファンデルハールは合計2度転倒して遅れ、メイソンもファントーレンハウトのリードを崩すには至らない。直近のコッペンベルグクロスで勝利し、ベルギーファンの期待を背負ったティボー・ネイスは「得意なコースだったけど調子が悪く踏めなかった」とポジションを落としてしまい、最終的にリタイアを選んでいる。
独走した距離は全8周回中の実に6周回。後方からのプレッシャーにも屈しなかったファントーレンハウトが最終ストレートへと向かう。今季ここまで表彰台に絡みながらも勝利が無かった30歳が大一番で勝利。2年連続の欧州王座戴冠を決めた。
若手が台頭する中、30歳のファントーレンハウトが勝利した。「エリ(イゼルビット)が僕にアタックしろと言ったんだ。彼とベルギーチームに大きな感謝を述べたい。現代のクロスでまだこういうレースができるのは素晴らしいことだ」と欧州王者ジャージを守ったファントーレンハウト。「ここまで上手く走れていなかったので、プレッシャーも期待もせずレースを走った。でもコッペンベルグの後から強さが戻ってきていたし、今日は最初から最後まで全開で走ることができた」と解放感あるコメントを残している。
ベルギーとオランダ勢を打ち破ったメイソンは大金星の2位。ジュニア時代からテクニックを磨き、生粋のシクロクロッサーとして成長した2000年生まれの23歳は特に今年、ヨーロッパの強豪勢と対等に渡り合ってきた。昔から自ら編集した動画をポストしてファンを増やしてきたと言う一面もあり、今後ますます注目の存在となるはずだ。
シクロクロス欧州選手権2023-2024 女子エリート結果
1位 | フェム・ファンエンペル(オランダ) | 52:44 |
2位 | セイリン・アルバラード(オランダ) | +1:35 |
3位 | サラ・カサソラ(イタリア) | +1:56 |
4位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ) | +2:39 |
5位 | アニック・ファンアルフェン(オランダ) | +3:06 |
シクロクロス欧州選手権2023-2024 男子エリート結果
1位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー) | 1:02:13 |
2位 | キャメロン・メイソン(イギリス) | +0:07 |
3位 | ラース・ファンデルハール(オランダ) | +0:19 |
4位 | ピム・ロンハール(オランダ) | +0:21 |
5位 | ライアン・カンプ(オランダ) | +0:44 |
text:So.Isobe
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