15日ぶりにスプリンターたちの競演となったジロ・デ・イタリア第18ステージ。急勾配での遅れを取り戻し、絶好の位置から踏み始めたポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)が先着。ミランらを退け、大会初日、3日目に続く区間3勝目を手に入れた。
5月28日(木)第18ステージ
ファイ・デッラ・パガネッラ〜ピエーヴェ・ディ・ソリーゴ 171km(平坦)

ポーズを取るガンナとベルナル photo:CorVos 
アシストに加えSNSのチーム広報も担うカンペナールツ photo:CorVos

翌日から始まる山岳2連戦を見据えるヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

ジロ・デ・イタリア第18ステージ image:RCS Sport ジロ・デ・イタリア第18ステージの分類は平坦だが、コースプロフィールをよく見るといくつもの短いアップダウンが刻まれ、フィニッシュ手前には短くも急勾配な登りが設定されている。特に残り10.4km地点から始まる4級山岳ムーロ・ディ・カ・デル・ポッジョは登坂距離1.1kmと短いが、平均勾配12.3%で最大勾配19%。頂上手前も16%と、イタリア語のムーロが示す通りの「壁」だ。
集団スプリントも予想されるなか、逃げの可能性に賭けて選手たちは序盤からアタックを繰り返す。今大会も逃げからレースを盛り上げるバルディアーニCSF・7サベールが動き、5名逃げが形成されるものの、メイン集団は25km地点でこれを引き戻す。その後もアタックは続き、今大会9度目の逃げを目指すマッティア・バイス(イタリア、ポルティ・ヴィジットマルタ)が、チームメイトで地中海に浮かぶ小国マルタ出身のアンドレア・ミフスッドとともに飛び出した。
遅れてジェームズ・ショー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)が合流する。さらに陸上競技出身でプロ2年目の27歳、ヨナス・ヘーンス(ベルギー、アルペシン・プレミアテック)が単独走の末、残り106km地点で合流。比較的珍しい形で4名の逃げグループが形成される一方、プロトンでは今大会いまだ勝利のないジョナタン・ミラン(イタリア)のためにリドル・トレックがペースを作った。

マッティア・バイス(イタリア、ポルティ・ヴィジットマルタ)を含む4名の逃げ集団 photo:RCS Sport

アリエタに水を掛けられるジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) photo:CorVos
またNSNサイクリングチームも牽引に力を貸し、逃げ集団を射程圏内に泳がせる典型的なスプリントステージの様相を呈す。残り48km地点の補給ポイントでは、マリアビアンカ(ヤングライダー賞ジャージ)を着るアフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス)が落車。一瞬ひやりとする場面だったが、バイクにまたがると左腕を振りながらチームメイトの力も借り、集団復帰を果たした。
残り35.6km地点に設定された中間スプリントを逃げが通過した時点で、プロトンとの差は1分10秒。逃げ切りが難しい状況のなか、プロトンではジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG)が4位通過して1ポイントを加算。着用するマリアチクラミーノ(ポイント賞ジャージ)のリードを13ポイントに拡大させた。
逃げが残り21km地点で吸収されるなか、自身初となるグランツールで3度目の逃げに乗ったヘーンスが飛び出して抗う。しかし残り11kmで引き戻され、スプリンターたちが集団前方で4級山岳ムーロ・ディ・カ・デル・ポッジョ(距離1.1km/平均12.3%)の登坂に入る。またマリアローザを着るヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)も念のため先頭で登坂するなか、頂上手前700mでエウラリオがアタックした。

4級山岳ムーロ・ディ・カ・デル・ポッジョで仕掛けたアフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos

4級山岳で形成された、ヴィンゲゴーを含む15名の先頭集団 photo:CorVos
しかし決定的な動きとはならず、ヴィンゲゴーが自らその差を詰めると、先頭で頂上を通過した。遅れて登りきったミランやポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)の前方に、15名の精鋭集団が形成される。フィニッシュまで続く下り、そして平坦路に入り、徐々にその差を縮めていく追走集団を確認した先頭集団から、残り6kmでヨハネス・クルセット(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)がアタックした。
それにはエウラリオが反応し、集団スプリントにさせまいと2名がレース終盤で見せ場を作る。しかし後方ではピュアスプリンターの揃うマニエら追走グループがヴィンゲゴーたちを引き戻すと、デレク・ジーウェスト(カナダ、リドル・トレック)の強烈な牽引もあり、残り1.3kmでクルセットらを吸収。約60名による集団が小雨降るピエーヴェ・ディ・ソリーゴの市街地に入り、実に第3ステージ以来となる集団スプリントが幕を開けた。
緩斜面と緩やかなコーナーが組み合わさり、各チームがトレイン形成に苦労するなか、ベテランのヤスペル・ストゥイヴェン(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がマニエを最終コーナー手前で先頭へと送り出す。絶好のアシストを受けたマニエがそのまま踏み始めた一方、4番手でコーナーを抜け、大外からのスプリントを強いられたミランが懸命に踏み込む。しかしスプリントを開始した位置がそのまま順位に反映される形で、マニエが迫るエドアルド・ザンバニーニ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)とミランを退け、勝利した。

ストゥイヴェンのリードアウトを勝利に繋げたポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

今大会3勝目を得たポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos
ピュアスプリンターが争った初日と3日目を制し、今大会3度目の勝利を飾ったマニエ。「今日、この勝利を予想していなかった。コースがピュアスプリンター向きとは言えなかったからこそ、この勝利は本当に美しいものになった。僕を信頼し、信じられないほど素晴らしいリードアウトをしてくれたチームに感謝したい」と語り、これ以上ないジロデビュー戦を飾っている。
この結果、ポイント賞でマニエはナルバエスを逆転。翌日からの2日間は山岳ステージ、そして最終日が集団スプリント予想の平坦ステージとなるため、マニエが最終的なマリアチクラミーノ獲得を大きく引き寄せた。

マリアローザで翌日からの山岳決戦に臨むヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
5月28日(木)第18ステージ
ファイ・デッラ・パガネッラ〜ピエーヴェ・ディ・ソリーゴ 171km(平坦)




集団スプリントも予想されるなか、逃げの可能性に賭けて選手たちは序盤からアタックを繰り返す。今大会も逃げからレースを盛り上げるバルディアーニCSF・7サベールが動き、5名逃げが形成されるものの、メイン集団は25km地点でこれを引き戻す。その後もアタックは続き、今大会9度目の逃げを目指すマッティア・バイス(イタリア、ポルティ・ヴィジットマルタ)が、チームメイトで地中海に浮かぶ小国マルタ出身のアンドレア・ミフスッドとともに飛び出した。
遅れてジェームズ・ショー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)が合流する。さらに陸上競技出身でプロ2年目の27歳、ヨナス・ヘーンス(ベルギー、アルペシン・プレミアテック)が単独走の末、残り106km地点で合流。比較的珍しい形で4名の逃げグループが形成される一方、プロトンでは今大会いまだ勝利のないジョナタン・ミラン(イタリア)のためにリドル・トレックがペースを作った。


またNSNサイクリングチームも牽引に力を貸し、逃げ集団を射程圏内に泳がせる典型的なスプリントステージの様相を呈す。残り48km地点の補給ポイントでは、マリアビアンカ(ヤングライダー賞ジャージ)を着るアフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス)が落車。一瞬ひやりとする場面だったが、バイクにまたがると左腕を振りながらチームメイトの力も借り、集団復帰を果たした。
残り35.6km地点に設定された中間スプリントを逃げが通過した時点で、プロトンとの差は1分10秒。逃げ切りが難しい状況のなか、プロトンではジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG)が4位通過して1ポイントを加算。着用するマリアチクラミーノ(ポイント賞ジャージ)のリードを13ポイントに拡大させた。
逃げが残り21km地点で吸収されるなか、自身初となるグランツールで3度目の逃げに乗ったヘーンスが飛び出して抗う。しかし残り11kmで引き戻され、スプリンターたちが集団前方で4級山岳ムーロ・ディ・カ・デル・ポッジョ(距離1.1km/平均12.3%)の登坂に入る。またマリアローザを着るヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)も念のため先頭で登坂するなか、頂上手前700mでエウラリオがアタックした。


しかし決定的な動きとはならず、ヴィンゲゴーが自らその差を詰めると、先頭で頂上を通過した。遅れて登りきったミランやポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)の前方に、15名の精鋭集団が形成される。フィニッシュまで続く下り、そして平坦路に入り、徐々にその差を縮めていく追走集団を確認した先頭集団から、残り6kmでヨハネス・クルセット(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)がアタックした。
それにはエウラリオが反応し、集団スプリントにさせまいと2名がレース終盤で見せ場を作る。しかし後方ではピュアスプリンターの揃うマニエら追走グループがヴィンゲゴーたちを引き戻すと、デレク・ジーウェスト(カナダ、リドル・トレック)の強烈な牽引もあり、残り1.3kmでクルセットらを吸収。約60名による集団が小雨降るピエーヴェ・ディ・ソリーゴの市街地に入り、実に第3ステージ以来となる集団スプリントが幕を開けた。
緩斜面と緩やかなコーナーが組み合わさり、各チームがトレイン形成に苦労するなか、ベテランのヤスペル・ストゥイヴェン(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がマニエを最終コーナー手前で先頭へと送り出す。絶好のアシストを受けたマニエがそのまま踏み始めた一方、4番手でコーナーを抜け、大外からのスプリントを強いられたミランが懸命に踏み込む。しかしスプリントを開始した位置がそのまま順位に反映される形で、マニエが迫るエドアルド・ザンバニーニ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)とミランを退け、勝利した。


ピュアスプリンターが争った初日と3日目を制し、今大会3度目の勝利を飾ったマニエ。「今日、この勝利を予想していなかった。コースがピュアスプリンター向きとは言えなかったからこそ、この勝利は本当に美しいものになった。僕を信頼し、信じられないほど素晴らしいリードアウトをしてくれたチームに感謝したい」と語り、これ以上ないジロデビュー戦を飾っている。
この結果、ポイント賞でマニエはナルバエスを逆転。翌日からの2日間は山岳ステージ、そして最終日が集団スプリント予想の平坦ステージとなるため、マニエが最終的なマリアチクラミーノ獲得を大きく引き寄せた。

ジロ・デ・イタリア2026第18ステージ結果
| 1位 | ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) | 3:46:50 |
| 2位 | エドアルド・ザンバニーニ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
| 3位 | ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | |
| 4位 | フランチェスコ・ブザット(イタリア、アルペシン・プレミアテック) | |
| 5位 | コービン・ストロング(ニュージーランド、NSNサイクリングチーム) | |
| 6位 | マディス・ミケルス(エストニア、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
| 7位 | ギリェルモ・シルバ(ウルグアイ、XDSアスタナ) | |
| 8位 | フィリッポ・マーリ(イタリア、バルディアーニCSF・7サベール) | |
| 9位 | サカリアスコレー・ローランド(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | |
| 10位 | ルカシュ・クビシュ(スロバキア、ユニベット・ローズ・ロケッツ) |
マリアローザ(個人総合成績)
| 1位 | ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | 70:44:04 |
| 2位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | +4:03 |
| 3位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、ネットカンパニー・イネオス) | +4:27 |
| 4位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +5:00 |
| 5位 | アフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス) | +5:40 |
| 6位 | デレク・ジーウェスト(カナダ、リドル・トレック) | +7:09 |
| 7位 | マイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダープロサイクリング) | +7:14 |
| 8位 | ダヴィデ・ピガンゾーリ(イタリア、ヴィスマ・リースアバイク) | +7:57 |
| 9位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +8:34 |
| 10位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | +9:20 |
マリアチクラミーノ(ポイント賞)
| 1位 | ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) | 195pts |
| 2位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) | 158pts |
| 3位 | ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | 103pts |
マリアアッズーラ(山岳賞)
| 1位 | ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | 211pts |
| 2位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) | 133pts |
| 3位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | 96pts |
マリアビアンカ(ヤングライダー賞)
| 1位 | アフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス) | 70:49:44 |
| 2位 | ダヴィデ・ピガンゾーリ(イタリア、ヴィスマ・リースアバイク) | +2:17 |
| 3位 | マティス・ロンデル(フランス、チューダープロサイクリング) | +4:23 |
チーム総合成績
| 1位 | ヴィスマ・リースアバイク | 212:39:00 |
| 2位 | レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ | +5:57 |
| 3位 | ネットカンパニー・イネオス | +21:43 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, RCS Sport
photo:CorVos, RCS Sport
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