南米チリの首都サンティアゴで開催されたパンアメリカン競技大会。リチャル・カラパス(エクアドル)も出場した男子ロードレースでジョナタン・ナルバエス(エクアドル)が強豪選手を退け、パンアメリカ王者に輝いた。



10月29日に行われたパンアメリカン競技大会2023男子ロードレース ©Comité Olímpico Ecuatoriano

日本勢が多数のメダルを獲得したアジア競技大会が閉幕した一方で、アメリカ大陸では同じく4年に1度のパンアメリカン競技大会が開催された。チリの首都サンティアゴを舞台に行われた10月22日の個人タイムトライアルではウォルター・ヴァルガス(コロンビア)が優勝し、その7日後の10月29日に男子ロードレースが行われた。

17.5kmコースを9周回する157.5kmレースには、東京五輪の金メダリストかつ、個人TTで銀メダルを獲得したリチャル・カラパス(エクアドル)や、9月のクロ・レース(UCI1.)で総合優勝を飾ったオールイス・アウラール(ベネズエラ)ら42名が集結。コース中央に設定された丘(距離2.9km/平均4.9%)がサバイバルな展開を作り出した。

終盤で先頭集団は7名に絞られた ©Comité Olímpico Ecuatoriano

序盤に形成された逃げ集団にカラパスが乗り、同じエクアドルでイネオス・グレナディアーズ所属のジョナタン・ナルバエス(エクアドル)も入る。最終周回に入りエドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン)が仕掛け、その動きを潰したカラパスはその後に落車したものの、すぐにレース復帰を果たしている。

勝負は先頭の7名に絞られ、加速したナルバエスがセプルベダやブルゴスBH所属のエリック・ファグンデス(ウルグアイ)を抑えて先着。2021年東京五輪にカラパスに続き、エクアドルにパンアメリカ競技大会の金メダルをもたらした。

パンアメリカの王者に輝いたジョナタン・ナルバエス(エクアドル) ©Comité Olímpico Ecuatoriano

「とてもテクニカルな周回コースかつ風も強いなか、リチャル(カラパス)と共にレースを上手く捌くことができた。チリにも予想を上回るほどのエクアドル人が応援に来てくれた。僕の背後につく選手たちが決して諦めなかったので、僕も諦めることなく踏み続けた」とナルバエスは喜びを語った。

チームメイトの優勝を喜ぶカラパスは落車を乗り越え、トップから6秒遅れ(7位)でフィニッシュ。「夢を追い続け、それがどれほど高い目標であろうと、全てを懸けることができれば叶うはず。母国エクアドルに勇気を与えたかった」とコメントした。

チームメイトの勝利に笑顔でフィニッシュしたリチャル・カラパス(エクアドル) ©Comité Olímpico Ecuatoriano

パンアメリカン競技大会2023男子ロードレース表彰台:2位セプルベダ、1位ナルバエス、3位ファグンデス ©Comité Olímpico Ecuatoriano
パンアメリカン競技大会2023男子ロードレース結果
1位 ジョナタン・ナルバエス(エクアドル) 3:37:56
2位 エドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン) +0:01
3位 エリック・ファグンデス(ウルグアイ)
7位 リチャル・カラパス(エクアドル) +0:06
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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