2023年のロードシーズンが幕を閉じ、12月31日限りで引退する選手たちを紹介。リオ五輪の金メダリストであるファンアーヴェルマートやフランスのスター選手ティボー・ピノ、インピーやLLサンチェスなどが現役を退く。



10月8日のパリ〜トゥールが現役ラストレースだったファンアーヴェルマート photo:CorVos

2007年のプロデビューから17年間の現役生活で42勝を積み上げたグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、AG2Rシトロエン)が引退を発表したのは今年5月のこと。4月のパリ〜ルーベを37位で終えた直後、込み上げる表情をしていたファンアーヴェルマートは「悲しいことにこの旅路が終わりを迎えた」と語った。

2016年リオ五輪の金メダリストであるファンアーヴェルマートと同様に、今年をラストイヤーとしたのがティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)。春先から好調のまま臨んだジロ・デ・イタリアでは区間優勝こそ逃したものの、見事マリアアッズーラ(山岳賞)に袖を通し、最後のツール・ド・フランスでも4度のトップ10入りとフランス国民に熱狂をもたらした。

イル・ロンバルディアで選手生活を締めくくったティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) photo:CorVos

古巣であるボーラ・ハンスグローエのスタッフから祝福を受けるペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー) photo:So Isobe
笑顔でブエルタの最終ステージを走るルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ・カザフスタン) photo:CorVos


引退といえばペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)もロードレースを退く一人。今後はパリ五輪を目指し、チームを離れてマウンテンバイクに注力するため、少なくとも今後のワールドツアーでその走りを見ることはできない。

今年のブエルタ・ア・エスパーニャがラストレースとなったルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ・カザフスタン)も現役引退を選んだ。2004年にプロデビューを果たしたサンチェスは現在39歳で、2度のクラシカ・サンセバスティアン制覇やツールで区間4勝を飾るなど、20年間に渡りトップレベルで戦い続けてきた。

現役最後の世界選手権を7位で終えたローハン・デニス(オーストラリア) photo:CorVos

サンチェスや38歳のダリル・インピー(南アフリカ、イスラエル・プレミアテック)など身体の許す限り走り続ける選手たちとは対照的に、33歳で現役を退くローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ)のような選手もいる。2018年、19年とタイムトライアル世界選手権連覇を達成したデニスは、今年2月に引退を発表。直前のツアー・ダウンアンダーで区間優勝を飾り、パリ〜ニースではチームタイムトライアルでの勝利に貢献。さらに最後となったTT世界選手権では7位とトップフォームのまま引退することを選んだ。

また9月に不整脈が発覚したナータン・ファンホーイドンク(ベルギー)は臨まぬ形で引退を決断。奇しくも同じ9月に心臓発作を起こし、その後自転車を乗る姿をSNSで公開していたウェスリー・クレーデル(オランダ、コフィディス)もまた引退を明らかにしている。

記念品を受け取るガロパン photo:CorVos
元シクロクロス世界王者のゼネク・スティバル(チェコ、ジェイコ・アルウラー) photo:CorVos


2019年ジロの最終ステージで優勝を飾ったチャド・ヘイガ(アメリカ、当時サンウェブ) photo:Kei Tsuji

他にもトニー・ガロパン(フランス、リドル・トレック)やセップ・ファンマルケ(ベルギー、イスラエル・プレミアテック)、ミヒャエル・シェアー(スイス、AG2Rシトロエン)、元シクロクロス世界王者のゼネク・スティバル(チェコ、ジェイコ・アルウラー)などが引退。

また2019年ジロの最終ステージで勝利を飾ったチャド・ヘイガ(アメリカ、ヒューマンパワードヘルス)や、かつてNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネにも所属したフアンホセ・ロバト(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)、ナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック)なども引退を選んでいる。

text:Sotaro.Arakawa

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