2023/09/22(金) - 12:10
ビアンキが軽量オールラウンドレーサーのSpecialissimaをフルモデルチェンジ。3代目となる今作は、軽量なだけではなくあらゆるシーンで活躍できる万能レーサーとして総合力をアップした。Oltre譲りのエアロ性能を得て、死角を無くした次世代オールラウンダーを紹介していこう。
Specialissimaと言えば、軽量クライミングバイクの名作として2016年のデビュー以来、ビアンキのレーシングバイクラインアップにおいてハイエンドの一角を担ってきた存在だ。2021年に待望のディスクブレーキ化に伴うフルモデルチェンジを受け、よりモダンなレーシングバイクへ進化。クライマーを中心に、多くのサイクリストに愛されてきた名機である。
そんなSpecialissimaが、3世代目へとリニューアルされる。"エアロハイパーバイク"としてOltreを最新世代へと進化させたビアンキが、息もつかせぬ新作攻勢に打って出た。
新型Specialissimaに与えられた任務は、あらゆるシチュエーションで高いパフォーマンスを発揮すること。これまでのSpecialissimaには、軽量クライマーとしての性格が色濃く与えられていた。それは、もう一つの柱であるOltreがエアロオールラウンダーとして、空力に比重を置きつつも汎用性の高いレーシングバイクとして開発されていたからこそ。
しかし、Oltreは先述したように"エアロハイパーバイク"としてデビュー。空力性能をファーストプライオリティに置き、独創的な専用コックピットやエアロディフューザーといった先鋭的な設計を盛り込んだスペシャリティ溢れるバイクへと様変わりした。
これが意味するのは、以前のOltreが担っていた役割の一部をSpecialissimaが果たす必要が出てきたということ。つまり、旧世代ではエアロでありながら万能だったOltreと、軽量性を追求したSpecialissimaという組み合わせだったのに対し、最新世代においてはその立場が逆転。エアロを突き詰めたOltreに対し、軽量性と空力性能を高次元でバランスさせた一台として新型Specialissimaが開発されたのだ。
ブランドを代表するハイエンドレーサーを同時に刷新するのは非常に珍しいが、ラインアップ全体の方向性をガラリと変えるという狙いがあるのであれば腑に落ちる。そして、その野心的な取り組みを成し遂げたビアンキの開発力は特筆に値するだろう。
完成車重量6.6kg。大幅に向上した空力性能。Specialissimaはもはや登りだけのバイクではない
斜度6%。これが新型SpecialissimaがOltreよりも有利になる条件だ。これより厳しい登りが多いコースではSpecialissimaが最適解となると、ビアンキのレーシング部門「レパルトコルサ」の開発陣は言う。前作では8.8%であったという閾値を大幅に引き下げられたのは、より軽く、よりエアロになったからだ。
フレーム重量は公開されていないが、完成車重量で6.6kgとUCI規定を下回る軽量性を実現。多くのライバルブランドに優るとも劣らない重量剛性比を実現し、レーシングバイクとして必要な軽さと反応性という2要素を高水準で満たすという。
そして、新型SpecialissimaにはOltre譲りのエアロダイナミクスも加えられた。フレームとコンポーネント、そしてライダーを一つのシステムとしてとらえる体系的アプローチによって再設計され、大幅に空力性能の向上を果たした。
この結果、前作に対しあらゆる環境下に置いて大きなアドバンテージを発揮するように。斜度6%、10kmの登りを体重60kgのアスリートが200Wで走った場合、旧型よりも8.7秒速く、10kmの平地であればその差は31.19秒まで拡大。6%の登りを30km/hで走れるプロレベルのクライマーに対しては、3.6Wのパワーセーブを約束するという。
Oltre譲りのエアロダイナミクスと各コンポーネントに及ぶ軽量化
この長足の進化は、新たなフレームデザインによるところが大きい。これまでシンプルなチュービングを採用してきたSpecialissimaだが、今作ではより複雑な造形とされている。これはOltreの開発から得たインスピレーションを反映した結果だという。
ビアンキは、エアロダイナミクスを向上させる要素を空気が最初に当たるフレーム前方へと集中させた。ヘッドチューブに前後のボリュームを持たせることでより効率的にフォークをフレームと統合し、空力特性を大幅に向上。さらにシートポストもカムテール形状とされ、足回りで生まれる乱流を整える効果を発揮するという。
一方、軽量化という面でも妥協されていない。エアロを担うのがフレーム前方とすれば、フレーム後方のシートステーとチェーンステーが軽量化を司る。これらのリアステーは非常に細身に作られており、最小限の重量に。リアからフロント側へと重量が移ることで、乗車時の前後の重量バランスも改善し、ダウンヒル時の安定感にも繋がるだろう。
更にフレームの塗装には従来よりも40g軽量な塗料を採用。軽量化へのこだわりはディレイラーハンガーやシートクランプといったフレーム小物一つ一つに至るまで及んでいる。更に、フレームセットだけでなく一体型コックピットやオリジナルホイールといった専用パーツも、非常に軽量に仕上げられている。
330gのステム一体型ハンドル、1,380gのエアロホイールなど、超軽量コンポーネントを開発
Specialissimaには専用のフルカーボン製ステム一体型ハンドルを新たに用意。ステム長110mm、ハンドル幅380mmの仕様で僅か330gというスペックで、もちろんインターナルケーブルルーティングに対応。リーチ73mm、ドロップ125mm、2度のフレアが特徴で、ステム長とハンドル幅は17通りの組み合わせから選択可能。
合わせて用意されるのが、レパルトコルサ製のカーボンホイール。32mm幅タイヤに適合するワイドリムを採用した33mmハイトチューブレスホイールで、わずか1,380gという重量を誇る一品だ。ハブには高品質なセラミテックベアリングを採用し、重量だけではなく転がり抵抗も軽いという。
ユニークなのがスポーキングで、トラディショナルなJベンドスポークとストレートプルスポークを交互に使用するという唯一無二の設計を採用。この構成によって、ストレートプルならではの反応性と、Jベンドスポークらしい快適性というメリットを両立した。
最上位モデルのRC、CV搭載のPRO、その性能を身近にするCOMPの3グレードを展開
ビアンキ史上最高のオールラウンドレーサーとなった新型Specialissimaには3つのグレードが用意される。最上位に位置するのが、Specialissima RC。専用ハンドルバーに、レパルトコルサ33Rホイール、そして3Dプリントパッド採用のRC139サドルなど、ビアンキ入魂のハイパフォーマンスコンポーネントを採用するハイエンドモデルだ。
カラーはブラックからチェレステへとフェードする一色のみ。塗料を最小限に抑えることで重量を削減するスペシャルなペイントとなっている。シマノ DURA-ACE DI2完成車で、重量は6.6kg(サイズ55)、価格は1,947,000円(税込)となる。
ミドルグレードに位置するのがSpecialissima Pro。RCとの最大の違いはビアンキが誇る振動除去テクノロジーであるカウンターヴェイルを搭載していることにある。自分の限界へと挑むようなロングライドへ挑戦するのにピッタリの一台だ。
コックピットはRCと同様で、Velomann Palladiumホイールと Velomann Mitora Hyper 139mmサドルを搭載。メタリックチェレステとミスティックグレーという2つのマットカラーが展開される。ULTEGRA DI2モデルが展開され、重量は7.0kg(サイズ55)、価格は1,177,000円(税込)を予定している。
新型Specialissimaの性能をもっとも身近に味わえるモデルとして用意されるのがSpecialissima Compとなる。RCハンドルバーも装着可能な仕様とされており、将来的にコンポーネントをアップグレードすることで長い時間を共に過ごせるポテンシャルを秘めたバリューモデルだ。
Velomann PalladiumホイールとMitora H1 139mmサドルを装備。アイコニックなチェレステとグラファイトのグロスカラー2種が用意される。シマノ105DI2完成車で重量は7.8kg(サイズ55)。価格は836,000円(税込)。
ビアンキ Specialissima RC
ハンドル:Specialissima RCハンドルバー
ホイール:レパルトコルセ33R
サドル:RC139
サイズ:47-50-53-55-57
グループセット:シマノ DURA-ACE DI2
重量:6.6kg(サイズ55)
価格:1,947,000円(税込)
ビアンキ Specialissima PRO
ハンドル:Specialissima RCハンドルバー
ホイール:Velomann Palladium
サドル:Velomann Mitora Hyper 139mm
サイズ:47-50-53-55-57
グループセット:ULTEGRA Di2
重量:7.0kg(サイズ55)
価格: 1,177,000円(税込)
ビアンキ Specialissima COMP
ハンドル:Velomann COMPACT ALLOYハンドルバー
ホイール:Velomann Palladium
サドル:Mitora H1 139mm
サイズ:47-50-53-55-57
グループセット:シマノ105 Di2
重量:7.8kg(サイズ55)
価格:836,000円(税込)
Specialissimaと言えば、軽量クライミングバイクの名作として2016年のデビュー以来、ビアンキのレーシングバイクラインアップにおいてハイエンドの一角を担ってきた存在だ。2021年に待望のディスクブレーキ化に伴うフルモデルチェンジを受け、よりモダンなレーシングバイクへ進化。クライマーを中心に、多くのサイクリストに愛されてきた名機である。
そんなSpecialissimaが、3世代目へとリニューアルされる。"エアロハイパーバイク"としてOltreを最新世代へと進化させたビアンキが、息もつかせぬ新作攻勢に打って出た。
新型Specialissimaに与えられた任務は、あらゆるシチュエーションで高いパフォーマンスを発揮すること。これまでのSpecialissimaには、軽量クライマーとしての性格が色濃く与えられていた。それは、もう一つの柱であるOltreがエアロオールラウンダーとして、空力に比重を置きつつも汎用性の高いレーシングバイクとして開発されていたからこそ。
しかし、Oltreは先述したように"エアロハイパーバイク"としてデビュー。空力性能をファーストプライオリティに置き、独創的な専用コックピットやエアロディフューザーといった先鋭的な設計を盛り込んだスペシャリティ溢れるバイクへと様変わりした。
これが意味するのは、以前のOltreが担っていた役割の一部をSpecialissimaが果たす必要が出てきたということ。つまり、旧世代ではエアロでありながら万能だったOltreと、軽量性を追求したSpecialissimaという組み合わせだったのに対し、最新世代においてはその立場が逆転。エアロを突き詰めたOltreに対し、軽量性と空力性能を高次元でバランスさせた一台として新型Specialissimaが開発されたのだ。
ブランドを代表するハイエンドレーサーを同時に刷新するのは非常に珍しいが、ラインアップ全体の方向性をガラリと変えるという狙いがあるのであれば腑に落ちる。そして、その野心的な取り組みを成し遂げたビアンキの開発力は特筆に値するだろう。
完成車重量6.6kg。大幅に向上した空力性能。Specialissimaはもはや登りだけのバイクではない
斜度6%。これが新型SpecialissimaがOltreよりも有利になる条件だ。これより厳しい登りが多いコースではSpecialissimaが最適解となると、ビアンキのレーシング部門「レパルトコルサ」の開発陣は言う。前作では8.8%であったという閾値を大幅に引き下げられたのは、より軽く、よりエアロになったからだ。
フレーム重量は公開されていないが、完成車重量で6.6kgとUCI規定を下回る軽量性を実現。多くのライバルブランドに優るとも劣らない重量剛性比を実現し、レーシングバイクとして必要な軽さと反応性という2要素を高水準で満たすという。
そして、新型SpecialissimaにはOltre譲りのエアロダイナミクスも加えられた。フレームとコンポーネント、そしてライダーを一つのシステムとしてとらえる体系的アプローチによって再設計され、大幅に空力性能の向上を果たした。
この結果、前作に対しあらゆる環境下に置いて大きなアドバンテージを発揮するように。斜度6%、10kmの登りを体重60kgのアスリートが200Wで走った場合、旧型よりも8.7秒速く、10kmの平地であればその差は31.19秒まで拡大。6%の登りを30km/hで走れるプロレベルのクライマーに対しては、3.6Wのパワーセーブを約束するという。
Oltre譲りのエアロダイナミクスと各コンポーネントに及ぶ軽量化
この長足の進化は、新たなフレームデザインによるところが大きい。これまでシンプルなチュービングを採用してきたSpecialissimaだが、今作ではより複雑な造形とされている。これはOltreの開発から得たインスピレーションを反映した結果だという。
ビアンキは、エアロダイナミクスを向上させる要素を空気が最初に当たるフレーム前方へと集中させた。ヘッドチューブに前後のボリュームを持たせることでより効率的にフォークをフレームと統合し、空力特性を大幅に向上。さらにシートポストもカムテール形状とされ、足回りで生まれる乱流を整える効果を発揮するという。
一方、軽量化という面でも妥協されていない。エアロを担うのがフレーム前方とすれば、フレーム後方のシートステーとチェーンステーが軽量化を司る。これらのリアステーは非常に細身に作られており、最小限の重量に。リアからフロント側へと重量が移ることで、乗車時の前後の重量バランスも改善し、ダウンヒル時の安定感にも繋がるだろう。
更にフレームの塗装には従来よりも40g軽量な塗料を採用。軽量化へのこだわりはディレイラーハンガーやシートクランプといったフレーム小物一つ一つに至るまで及んでいる。更に、フレームセットだけでなく一体型コックピットやオリジナルホイールといった専用パーツも、非常に軽量に仕上げられている。
330gのステム一体型ハンドル、1,380gのエアロホイールなど、超軽量コンポーネントを開発
Specialissimaには専用のフルカーボン製ステム一体型ハンドルを新たに用意。ステム長110mm、ハンドル幅380mmの仕様で僅か330gというスペックで、もちろんインターナルケーブルルーティングに対応。リーチ73mm、ドロップ125mm、2度のフレアが特徴で、ステム長とハンドル幅は17通りの組み合わせから選択可能。
合わせて用意されるのが、レパルトコルサ製のカーボンホイール。32mm幅タイヤに適合するワイドリムを採用した33mmハイトチューブレスホイールで、わずか1,380gという重量を誇る一品だ。ハブには高品質なセラミテックベアリングを採用し、重量だけではなく転がり抵抗も軽いという。
ユニークなのがスポーキングで、トラディショナルなJベンドスポークとストレートプルスポークを交互に使用するという唯一無二の設計を採用。この構成によって、ストレートプルならではの反応性と、Jベンドスポークらしい快適性というメリットを両立した。
最上位モデルのRC、CV搭載のPRO、その性能を身近にするCOMPの3グレードを展開
ビアンキ史上最高のオールラウンドレーサーとなった新型Specialissimaには3つのグレードが用意される。最上位に位置するのが、Specialissima RC。専用ハンドルバーに、レパルトコルサ33Rホイール、そして3Dプリントパッド採用のRC139サドルなど、ビアンキ入魂のハイパフォーマンスコンポーネントを採用するハイエンドモデルだ。
カラーはブラックからチェレステへとフェードする一色のみ。塗料を最小限に抑えることで重量を削減するスペシャルなペイントとなっている。シマノ DURA-ACE DI2完成車で、重量は6.6kg(サイズ55)、価格は1,947,000円(税込)となる。
ミドルグレードに位置するのがSpecialissima Pro。RCとの最大の違いはビアンキが誇る振動除去テクノロジーであるカウンターヴェイルを搭載していることにある。自分の限界へと挑むようなロングライドへ挑戦するのにピッタリの一台だ。
コックピットはRCと同様で、Velomann Palladiumホイールと Velomann Mitora Hyper 139mmサドルを搭載。メタリックチェレステとミスティックグレーという2つのマットカラーが展開される。ULTEGRA DI2モデルが展開され、重量は7.0kg(サイズ55)、価格は1,177,000円(税込)を予定している。
新型Specialissimaの性能をもっとも身近に味わえるモデルとして用意されるのがSpecialissima Compとなる。RCハンドルバーも装着可能な仕様とされており、将来的にコンポーネントをアップグレードすることで長い時間を共に過ごせるポテンシャルを秘めたバリューモデルだ。
Velomann PalladiumホイールとMitora H1 139mmサドルを装備。アイコニックなチェレステとグラファイトのグロスカラー2種が用意される。シマノ105DI2完成車で重量は7.8kg(サイズ55)。価格は836,000円(税込)。
ビアンキ Specialissima RC
ハンドル:Specialissima RCハンドルバー
ホイール:レパルトコルセ33R
サドル:RC139
サイズ:47-50-53-55-57
グループセット:シマノ DURA-ACE DI2
重量:6.6kg(サイズ55)
価格:1,947,000円(税込)
ビアンキ Specialissima PRO
ハンドル:Specialissima RCハンドルバー
ホイール:Velomann Palladium
サドル:Velomann Mitora Hyper 139mm
サイズ:47-50-53-55-57
グループセット:ULTEGRA Di2
重量:7.0kg(サイズ55)
価格: 1,177,000円(税込)
ビアンキ Specialissima COMP
ハンドル:Velomann COMPACT ALLOYハンドルバー
ホイール:Velomann Palladium
サドル:Mitora H1 139mm
サイズ:47-50-53-55-57
グループセット:シマノ105 Di2
重量:7.8kg(サイズ55)
価格:836,000円(税込)
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