国内最大のロードサイクリスト向けイベント、シマノ鈴鹿ロードレース。ロードレースやタイムトライアル、サイクルマラソンなど多種多様な種目が用意されているが、出展ブースも大人気イベントに花を添えている。最新のバイクを試乗したり、最新のアイテムの試着もできる貴重な機会となっているブースエリアに注目してレポートしていく。



出展エリア内で一番大きなシマノブース photo:Michinari TAKAGI

シマノのブースではカーボンホイール試乗会が開始された。UCIワールドチームや国内チームなど多数が使用するDURA-ACEやULTEGRA、105の試乗ホイールを用意。自身の愛車に装着してDURA-ACEのC36とC50、C60を装着して乗り比べている来場者が多かった模様で大盛況だった。

DI2コンポーネントの性能を体感でき、専門スタッフが細かく説明してくれ知識を深めることができる。また、レイザーのヘルメットやシマノのビンディングシューズ試着会が実施された。特にフラッグシップモデルのS-PHYER RC903の試着ブースには、通常サイズに加え、ハーフサイズなど全サイズが並び、細かくフィッテイングできるため、自身にジャストフィットなシューズが見つけられたはずだ。

鞍谷さんのお勧めのホイールはオールラウンドに使用できるDURA-ACE C36とC50 photo:Michinari TAKAGI

レイザーのヘルメットとシマノのビンディングシューズを展示 photo:Michinari TAKAGI

シューズの試着をする来場者で大盛況 photo:Michinari TAKAGI
専門スタッフが細かく説明してくれる photo:Michinari TAKAGI


ピットエリアにはシマノスタッフが常駐しているシマノテクニカルサポートのブースが用意されていた。落車などでパーツが破損してしまったり、応急処置が必要になったりした場合など、会場でトラブルが発生した場合も安心だ。私の自転車仲間も落車でチェーンリングが曲がってしまい、代用品に換えてもらって、後のレースを走っていた。シマノ主催のイベントにはシマノテクニカルサポートブースは展開されているので、困ったときは相談してみては。

シマノ博物館によるブースには、歴代のシマノレーシングのジャージとバイクが展示されていた。DURA-ACE 7200が搭載された1973年製のALANのクロモリロードバイクやスキルシマノ時代の7800シリーズや7900シリーズのDURA-ACEが搭載されたKOGAなど、自転車マニアが唸る懐かしい名車がズラッと並び、人気のブースとなっていた。

シマノカーも大集結 photo:Michinari TAKAGI

元シマノレーシングの湊さんが友人のバイクのメンテナンス対応をしてくれました photo:Michinari TAKAGI

DURA-ACE 7200が搭載された1973年製のALANのクロモリロード photo:Michinari TAKAGI
スキルシマノ時代の7800シリーズや7900シリーズのDURA-ACEが搭載されたKOGA photo:Michinari TAKAGI


また、バイカーズに引き続き、塗り絵コーナーも用意されていた。シマノ博物館のスタッフさんが手書きで用意しているため、観戦や応援に来たお子さんも楽しめる心遣いもされる。来年は、家族で参加されている方は是非立ち寄ってみては。

シマノ関連の他にも、多くのブランドが出展し、大盛況だった出展ブースを紹介していこう。

チャンピオンシステムはシマノ鈴鹿のチャンピオンジャージを作成 photo:Michinari TAKAGI

その場でジャージの右胸にプリントをしていく photo:Michinari TAKAGI

オーダーウェアブランドのチャンピオンシステムはシマノ鈴鹿のチャンピオンジャージを作成。シマノ鈴鹿のチャンピオンジャージは優勝した参加者にサイズを合わせて、その場でジャージの右胸に第38回大会を指す"38th"というロゴをプリントしていく。大会のチャンピオンジャージにその場でプレス機にかけてロゴを入れるのは、まるでグランツールのようだ。

イタリアンウェアブランドのカステリはサイクルジャージやビブショーツなどを多数展示。会場限定価格でも販売され、多くの方が訪れていた。カステリアンバサダーを務める岸崇仁さんと平良エレアさんらが、ブースに訪れた方にウェアの選び方やお勧めのコーディネートなどを伝授していた。

カステリアンバサダーを務める岸崇仁さんと平良エレアさんにお勧めの一着を持っていただきました photo:Michinari TAKAGI

アブス GAMECHANGER 2.0が一押し photo:Michinari TAKAGI

ジロやマックオフ、アブスなどを取り扱うダイアテックブースには新製品を展示。ロード世界選手権で世界チャンピオンに輝いたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が使用しているアブスのヘルメットをチェックしている方が多かったようだ。

ピナレロやピレリ、ドットアウトなどを取り扱うカワシマサイクルサプライ。ピナレロのブースにはイネオス・グレナディアーズ が使用するフラッグシップモデルのDOGMA FやF9、F7など10台以上の試乗車が用意されていた。ピレリのブースにはF1のピレリタイヤが展示され、サーキットの会場に非常にマッチ。ロードバイク用のP ZEROシリーズのタイヤが展示されていた。

ピナレロはフラッグシップモデルのDOGMA FやF9の試乗車を用意 photo:Michinari TAKAGI

ピレリのブースにはF1のピレリタイヤとP ZERO TTを展示 photo:Michinari TAKAGI
カンパニョーロは新型SUPER RECORD WIRELESSを搭載したバイクを展示 photo:Michinari TAKAGI


カンパニョーロのブースには新型SUPER RECORD EPSが搭載されたバイクを展示。新型コンポーネントということもあり、興味津々な方が多かった。サイクルジャージやソックスなども展示販売されていた。フルクラムのブースではロードレースに適したSPEEDシリーズなどのロードホイールを展示。

サーヴェロやライトウェイトなどを取り扱う東商会のブースには、エアロロードのSシリーズや軽量ロードのRシリーズ、タイムトライアルバイクのPシリーズなど10台以上の試乗車が用意。今年のジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスを制したバイクであり、ブエルタ制覇にも王手をかけているため、注目され続けている。

東商会のおすすめはサーヴェロ SOLOISTとライトウェイト、UDOGのシューズなど盛りだくさん photo:Michinari TAKAGI

クローズザギャップ HideMyBellシリーズはベルの取り外しが可能 photo:Michinari TAKAGI

取り扱いを開始したばかりのUDOGのシューズ試着会が実施され、サイズ感を確かめる来場者が多かった。クローズザギャップ HideMyBellシリーズはコンピューターマウントと一体型であるため、レースでベルの取り付けが必須である大学の学連選手たちにお勧めだ。

ジャイアントのブースにはPROPELやトライアスロンの東京五輪の金メダリストであるクリスティアン・ブルメンフェルトが使用するCADEX Triが展示されていた。ロードレースイベントには展示されることがないため、ブースでは注目の的。カデックスホイールの中でも人気が高い「CADEX 50 ULTRA DISC TUBELESS」やAMPサドルが展示されていた。

CADEX TriやCADEX 50 ULTRA DISC TUBELESSがおすすめのカデックスブース photo:Michinari TAKAGI

ミズタニ自転車の佐々木さんのお勧めはDMT KRSL photo:Michinari TAKAGI

リドレーは多くの試乗車を用意 photo:Michinari TAKAGI
ワフーはスマートトレーナー「KICKR」とスマートバイク「KICKR BIKE」の体験試乗会を実施 photo:Michinari TAKAGI


リドレーやDMT、メット、コンチネンタルなどを取り扱うミズタニ自転車では多数のブランドの製品を展示。タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が使用するDMTのシューズ試着会も実施され、ニット素材を使用したシューズを体感することができる。UAEチームエミレーツが使用するメットのヘルメットも多数ディスプレイされていた。

インターテックのブースにはワフーのサイクルコンピューター"ELEMENT BOLT V2"やスマートウォッチの"ELEMENT RIVAL"、ペダル"SPEEDPLAY"などの販売が実施されていた。また、スマートトレーナー"KICKRとスマートバイク"KICKR BIKE"の体験試乗会も行われていた。

ウエイブワンの社長である中田明さんのお勧めはYouTuberのまさ君とコラボレーションしたTシャツ photo:Michinari TAKAGI

ウエイブワンが手掛けるサイクリングアパレルの新しいブランドINEIVEも出展 photo:Michinari TAKAGI
フカヤが7月から取り扱いを開始しているECLIPSEのTPUチューブが一押し photo:Michinari TAKAGI

ウエイブワンではYouTuberのまさ君とコラボレーションしたTシャツを販売。また、まさ君のYouTubeチャンネル登録をすると、まさ君うちわがもらえるキャンペーンも実施されていた。ウエイブワンが手掛ける新しいサイクリングアパレルの新しいブランドINEIVE(イネイブ)のウェアが展示された。シンプルかつスタイリッシュなデザインで、カフェライドやトレーニングライドまで幅広くマッチするだろう。

フカヤのブースではブライトンのサイクルコンピューターとミノウラのローラーを試せるキャンペーンが行われていた。ミノウラのブースには初めてのローラー台にチャレンジしている来場者も多かったが、スタッフの手厚いサポートのおかげで、安心してローラー台体験ができたはずだ。7月から取り扱いを開始しているECLIPSE(エクリプス)のTPUチューブを展示。一般的なブチルチューブよりも非常にコンパクトになるため、サドルバッグ、ツール缶、ポーチやウォレットに入れて携帯性にも優れている。

トライスポーツはファクターのグラベルバイクOSTRO Gravelの展示車を用意 photo:Michinari TAKAGI

トライスポーツはファクターのフラッグシップモデル"OSTRO VAM"やグラベルバイク"OSTRO Gravel"の展示車を用意。さらに、トライスポーツが取り扱うSUMCのチェーンや、TNI、premierなど、多くのブランドの製品が販売されていた。

インターマックスでは創業25周年記念特別バイク「インターマックス25」やStingerの試乗車を用意。今中大介さんがブースに立ちHJCのヘルメットやカラフルなアレのサイクルジャージが並ぶ。スパカズはオイルスリックやカラフルなカラーリングのボトルケージやトップキャップなどをディスプレイ。さらに、インターマックスブースで一際目を引かれたのはスパカズのPrizmatik – Purple Hazeカラーでラッピングされたメルセデスベンツ GLC Coupé。会場の中で一際目立っていました。

今中大介さんと創業25周年記念特別バイク「インターマックス25」 photo:Michinari TAKAGI

スパカズのPrizmatik – Purple Hazeカラーでラッピングされたメルセデスベンツ GLC Coupé photo:Michinari TAKAGI

アキボウはコルナゴのフラッグシップモデルのV4RsやC68の試乗車を用意。シディのシューズ試着会が実施され、さらに会場特別価格でシューズを販売。多くのUCIワールドチームが着用するエコイのヘルメットやサングラスは会場限定価格でお得に買うことができる。

また、愛三工業レーシングチームの選手たちモブースを訪れ、ファンの方と一緒にじゃんけん大会を開催。サイン入りボトルなどがプレゼントされていた。

愛三工業レーシングチームの選手たちが訪れ、じゃんけん大会を開催 photo:Michinari TAKAGI

コルナゴはV4RsやC68の試乗車を用意 photo:Michinari TAKAGI
DTスイスのホイールの選び方や、スタッフによるテクニカルな説明を実施 photo:Michinari TAKAGI


マルイブースではDTスイスのホイールを展示。多種多様なホイールを取り扱うDTスイスのホイールの選び方や、スタッフによるテクニカルな説明が実施された。トピークのブースにはチューブレスタイヤを装着する時に活躍するブースター付きフロアポンプが展示されていた。

キャットアイはサイクルコンピューターやライトなどを多数展示。会場限定でVOLT400 NEOやRAPID miniなどのライトが当たる「キャットアイ招き猫ガチャ」も用意され、1回500円のワンコインで運試しをしている参加者が多かった。みなさんは当たりましたか?

キャットアイのお勧めはVOLT400 NEOとVOLT800 NEO photo:Michinari TAKAGI
VOLT400 NEOやRAPID miniなどのライトが当たる「キャットアイ招き猫ガチャ」も用意 photo:Michinari TAKAGI


カブトの新作ヘルメットFLEX-AIRが一押し photo:Michinari TAKAGI

カブトのブースには先日リリースされたばかりの新作ヘルメットFLEX-AIRの全色が展示されていた。その他にも、ロードレース向き、シティサイクリング向きのヘルメットが多数展示され、来場者は気になるヘルメットを入念に試着をしていた。

日本代表ジャージを手掛けるパールイズミではオーダーウェアのサンプルを展示。サイクルジャージやビブショーツ、グローブ、ソックスなどの販売も行われた。パナレーサーは新製品のAGILEST FASTなど、ロードバイク用のタイヤを多数展示。

鈴鹿サーキットレーシングコースパドックエリアセンターハウス内にあるレストラン「SUZUKA-ZE」は和食と洋食、ラーメン、季節の料理が楽しめる。座席は200席が用意され、冷房が効いているため、酷暑の中でも食事をしながら休憩に訪れている方が多かったようだ。また、出展ブースにあるキッチンカーではカレーやうどん、そば、ケバブなどバラエティーに富んだフードが揃っているため、フードゾーンも充実していた。イベントに加えて、食事も楽しめるのも良いだろう。

ブラッキーさんとシマノレーシングの井上文成と佐藤宇志、香山飛龍 photo:Michinari TAKAGI

JCL TEAM UKYOの増田成幸や宇都宮ブリッツェンの小野寺玲と堀孝明、沢田時が講師を務めた photo:Michinari TAKAGI

大人向けと子供向けにウィーラースクールが開催された。JCL TEAM UKYOの増田成幸や宇都宮ブリッツェンの小野寺玲と堀孝明、沢田時、シマノレーシングの井上文成と佐藤宇志、香山飛龍、ブラッキーさんと講師になり子供たちに、実際に走行しながらレクチャーを受けられるため、初心者の方や基礎から学び直したい方にもお勧めできる人気スクールだ。

スクールの特設コースを周回しながら、基本的なスキルトレーニングに加え、プロ選手たちと集団走行をするなど、一緒に走れて、緊張しながらも楽しそうな表情の子供たち。自転車の操作方法はもちろん、レースやエンデューロなどの集団走行になれることができるため、スクールが終わるころには少し子供たちの背中も大きく見えた。

増田成幸(JCL TEAM UKYO)を先頭に子供たちが連なる photo:Michinari TAKAGI

サイクルライフナビゲーターの絹代さんの知っ得講座は「疲労回復」がテーマ photo:Michinari TAKAGI

ピットビルの2階にあるホスピタリティラウンジでは知っ得講座が実施された。サイクルライフナビゲーターの絹代さんは「疲労回復」と管理栄養士の河南こころさんは「健康のため、ベストパフォーマンスのためのウエイトコントロール」をテーマに講義が行われ、今後のサイクリングライフに活かせる知識を学べる貴重な機会となっていた。

シマノ鈴鹿ロードの会場ではブランドブース、フードコーナー、自転車教室、講座など、イベントを楽しめるため、個人や家族で参加しても、楽しむことができるだろう。今年も盛り上がった会場の雰囲気が良かった。そして、来年の夏のシマノ鈴鹿ロードも期待したい。

text & photo:Michinari TAKAGI

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