2023/08/27(日) - 00:50
インカレのトラック競技2日目は、5種目で決勝が行われた。チームパーシュートでは男女共に学連新記録が誕生するハイレベルな争いとなり、男子は日本大学、女子は鹿屋体育大学が優勝した。男子オムニアムでは接戦を制した岡本勝哉(日本大学)が優勝し、日本大学が男子総合連覇へ向けて大きく前進。個人パーシュートでは、男子4kmは安達光伸(朝日大学)、女子は渡部春雅(明治大学)が、それぞれ連覇を決めた。
千葉市の千葉JPFドームで開催されているインカレのトラック競技。2日目は、男女チームスプリントの予選・決勝、男女個人パーシュート、男子ケイリン、男子オムニアム、女子マディソンの決勝が行われた。
土曜日とあって、会場では多くの観客が観戦。30℃を超える外の暑さを感じさせない屋内競技場での熱戦を見守った。
個人パーシュート決勝
男子4km個人パーシュート決勝は、予選で大会記録を上回るタイムを出した伊藤恭(中央大学)と安達光伸(朝日大学)が対戦。スタート直後からハイペースで走る伊藤が大きくリードしていく。後半に入ると、残り1kmから勝負と決めていたという安達が徐々に差を縮め、1秒前後の差でお互い最終周回へ。フィニッシュでは約0.4秒差で安達が逆転し、昨年に続き連覇を決めた。
安達光伸コメント
最初は相手を見ながらいつものペースで走って、最後�の1kmで出し切ることだけを考えていた。最後の数周まで負けていたけれど、みんなの声援が聞こえてきて頑張れた。タイムは4分20秒を切ることが目標だったけれど、それは叶わなかった。団抜き(チームパーシュート)は予選落ちしてしまったのでプレッシャーを感じていた。個人戦に出られず勝ちを逃していたので、インカレで連覇出来て嬉しい。
女子3km個人パーシュートは、予選で共に3分50秒台をマークした大関奏音(日本体育大学)と渡部春雅(明治大学)が対戦。ペースの上がらない大関に対し、予選を上回るペースで走った渡部が圧倒。長らく自転車から離れていたと言う渡部が、インカレで復活勝利を挙げた。
渡部春雅コメント
勝てたことは素直に嬉しいけれど、タイムがもう少し行けたと思うので少し心残り。自転車から離れていた期間があって、1ヶ月前くらいから乗り始めてインカレに合わせてきた。今の自分の力は出せたと思うけれど、もう少し上のタイムは出せたと思う。レース会場に来てみんなに会って「おかえり」と言ってもらえて、やっぱり自転車っていいなと思った。この優勝で今まで支えてくれた人たちに少しでも恩返しできたかなと思う。このあとオムニアムとロードレースがあるが、自分の中ではロードを一番に考えている。昨年も勝っているが、今年は今年と考えて連覇は意識せず挑戦する気持ちで臨みたい。
男子ケイリン
男子ケイリンは1回戦から勝ち上がった6名による決勝。先導が離脱した直後から市田龍生都(中央大学)が先行し、伊藤京介(日本大学)が続いて最終周回へ入る。バックストレートから伊藤が市田に並びかけるものの、前輪分ほど及ばず市田が先着。1kmタイムトライアルとあわせて市田が今大会2冠を達成した。
市田龍生都コメント
大学でケイリンするのはこれが最後になるので、自分らしさを出してこれで負けるならそれまでと思って望んだ。伊藤京介とは2年の時からライバル視してきて、でも1回も同じレースを走ることがなかった。残り2周半で伊藤と2人で並んだ時に、思わずお互い笑っていたほど今回最高の舞台で対戦出来て、今までのケイリンで一番楽しかった。今後は競輪選手を目指し、父のような選手になりたい。
チームスプリント
男子チームスプリントは、予選と決勝を同日に行う異例のスケジュール。午前中に行われた予選には19校が出場。日本大学が学連記録を更新する45秒164を出して1位、中央大学が大会記録を上回る45秒840を出して2位となり、日本大学と中央大学の決勝戦へ。
午後に行われた決勝は僅差の勝負となった。予選を上回る45秒397をマークした中央大学に対し、日本大学は45秒225。約0.7秒差という僅差で日本大学が優勝した。
伊藤京介コメント
市田龍生都選手とのハードなケイリン決勝を終えてからのチームスプリントだったので、過去最高に溜まった状態で走った。1走、2走がタイムギャップを作ってくれて僕に交代してくれたので、あとは自分が限界まで出せれば勝てると信じて走った。練習で何本も合わせたわけじゃないけれど、厳しい練習を繰り返してきたので言葉では表せない固い絆を最後に出せたのかなと思う。
女子チームスプリントは、鹿屋体育大学と、順天堂大学の決勝戦。鹿屋体育大学は予選で出した学連記録をさらに塗り替える53秒369をマークし、順天堂大学に約1秒差をつけて優勝。昨年に続き連覇を達成した。
男子オムニアム
オムニアムも予選と決勝を同日に行うスケジュール。2組の予選を勝ち上がった18名で決勝が行われた。
スクラッチは1人逃げで集団をラップした菅原聡(順天堂大学)が1位。テンポレースでは終盤に勝負に出た岡本勝哉(日本大学)が1位となり、ポイントリーダーに。岡本はさらにエリミネイションでも1位となり、2位の梅澤幹太(鹿屋体育大学)と8ポイント差で最後のポイントレースへ。
スタート直後から梅澤が岡本に張り付くようにマーク。他の上位勢もこの2人の動きに注視する中、山下虎ノ亮(中央大学)が矢萩悠也(京都産業大学)と共に抜け出してポイントを加算していく。上位勢がポイントを加算できない中、山下は2回のラップを成功させて15位から一気に2位に浮上。岡本に2ポイント差まで迫る。しかし岡本は2位フィニッシュで6ポイントを加算して逃げ切り、オムニアム優勝を決めた。
岡本勝哉コメント
最初のスクラッチを3位以内で収めて、テンポレースとエリミネイションを1位で終えて、脚の調子はそれほど良い感じではなかったけれどうまくポイントレースに繋げた。ポイントレースではマークがきつくて思うようにポイントを取れない状況が続いて、2ラップ目を取られた時はかなり焦った。でも少しずつポイントは取れていて2位、3位との差を考えながら冷静に走った。
オムニアムは個人種目だけれど団体種目と同じポイントを獲得出来るので、今回のインカレで一番狙っていた種目なので、優勝出来てホッとしている。中距離種目の花形でもあるオムニアムで勝てたことは自信に繋がると思う。明日はマディソンと団抜き(チームパーシュート)でしっかり優勝して帰りたい。
女子マディソン
女子マディソンは5チームのエントリーがあったが、3チームでのレースとなった。序盤から牧田咲子と田中杏奈の順天堂大学がポイントを重ね、交代に手間取る鹿屋体育大学と法政大学との差を広げる。後半に入ると鹿屋体育大学が追い上げるも、1位フィニッシュの10ポイントを加算して差を広げ、優勝を決めた。
千葉市の千葉JPFドームで開催されているインカレのトラック競技。2日目は、男女チームスプリントの予選・決勝、男女個人パーシュート、男子ケイリン、男子オムニアム、女子マディソンの決勝が行われた。
土曜日とあって、会場では多くの観客が観戦。30℃を超える外の暑さを感じさせない屋内競技場での熱戦を見守った。
個人パーシュート決勝
男子4km個人パーシュート決勝は、予選で大会記録を上回るタイムを出した伊藤恭(中央大学)と安達光伸(朝日大学)が対戦。スタート直後からハイペースで走る伊藤が大きくリードしていく。後半に入ると、残り1kmから勝負と決めていたという安達が徐々に差を縮め、1秒前後の差でお互い最終周回へ。フィニッシュでは約0.4秒差で安達が逆転し、昨年に続き連覇を決めた。
安達光伸コメント
最初は相手を見ながらいつものペースで走って、最後�の1kmで出し切ることだけを考えていた。最後の数周まで負けていたけれど、みんなの声援が聞こえてきて頑張れた。タイムは4分20秒を切ることが目標だったけれど、それは叶わなかった。団抜き(チームパーシュート)は予選落ちしてしまったのでプレッシャーを感じていた。個人戦に出られず勝ちを逃していたので、インカレで連覇出来て嬉しい。
女子3km個人パーシュートは、予選で共に3分50秒台をマークした大関奏音(日本体育大学)と渡部春雅(明治大学)が対戦。ペースの上がらない大関に対し、予選を上回るペースで走った渡部が圧倒。長らく自転車から離れていたと言う渡部が、インカレで復活勝利を挙げた。
渡部春雅コメント
勝てたことは素直に嬉しいけれど、タイムがもう少し行けたと思うので少し心残り。自転車から離れていた期間があって、1ヶ月前くらいから乗り始めてインカレに合わせてきた。今の自分の力は出せたと思うけれど、もう少し上のタイムは出せたと思う。レース会場に来てみんなに会って「おかえり」と言ってもらえて、やっぱり自転車っていいなと思った。この優勝で今まで支えてくれた人たちに少しでも恩返しできたかなと思う。このあとオムニアムとロードレースがあるが、自分の中ではロードを一番に考えている。昨年も勝っているが、今年は今年と考えて連覇は意識せず挑戦する気持ちで臨みたい。
男子ケイリン
男子ケイリンは1回戦から勝ち上がった6名による決勝。先導が離脱した直後から市田龍生都(中央大学)が先行し、伊藤京介(日本大学)が続いて最終周回へ入る。バックストレートから伊藤が市田に並びかけるものの、前輪分ほど及ばず市田が先着。1kmタイムトライアルとあわせて市田が今大会2冠を達成した。
市田龍生都コメント
大学でケイリンするのはこれが最後になるので、自分らしさを出してこれで負けるならそれまでと思って望んだ。伊藤京介とは2年の時からライバル視してきて、でも1回も同じレースを走ることがなかった。残り2周半で伊藤と2人で並んだ時に、思わずお互い笑っていたほど今回最高の舞台で対戦出来て、今までのケイリンで一番楽しかった。今後は競輪選手を目指し、父のような選手になりたい。
チームスプリント
男子チームスプリントは、予選と決勝を同日に行う異例のスケジュール。午前中に行われた予選には19校が出場。日本大学が学連記録を更新する45秒164を出して1位、中央大学が大会記録を上回る45秒840を出して2位となり、日本大学と中央大学の決勝戦へ。
午後に行われた決勝は僅差の勝負となった。予選を上回る45秒397をマークした中央大学に対し、日本大学は45秒225。約0.7秒差という僅差で日本大学が優勝した。
伊藤京介コメント
市田龍生都選手とのハードなケイリン決勝を終えてからのチームスプリントだったので、過去最高に溜まった状態で走った。1走、2走がタイムギャップを作ってくれて僕に交代してくれたので、あとは自分が限界まで出せれば勝てると信じて走った。練習で何本も合わせたわけじゃないけれど、厳しい練習を繰り返してきたので言葉では表せない固い絆を最後に出せたのかなと思う。
女子チームスプリントは、鹿屋体育大学と、順天堂大学の決勝戦。鹿屋体育大学は予選で出した学連記録をさらに塗り替える53秒369をマークし、順天堂大学に約1秒差をつけて優勝。昨年に続き連覇を達成した。
男子オムニアム
オムニアムも予選と決勝を同日に行うスケジュール。2組の予選を勝ち上がった18名で決勝が行われた。
スクラッチは1人逃げで集団をラップした菅原聡(順天堂大学)が1位。テンポレースでは終盤に勝負に出た岡本勝哉(日本大学)が1位となり、ポイントリーダーに。岡本はさらにエリミネイションでも1位となり、2位の梅澤幹太(鹿屋体育大学)と8ポイント差で最後のポイントレースへ。
スタート直後から梅澤が岡本に張り付くようにマーク。他の上位勢もこの2人の動きに注視する中、山下虎ノ亮(中央大学)が矢萩悠也(京都産業大学)と共に抜け出してポイントを加算していく。上位勢がポイントを加算できない中、山下は2回のラップを成功させて15位から一気に2位に浮上。岡本に2ポイント差まで迫る。しかし岡本は2位フィニッシュで6ポイントを加算して逃げ切り、オムニアム優勝を決めた。
岡本勝哉コメント
最初のスクラッチを3位以内で収めて、テンポレースとエリミネイションを1位で終えて、脚の調子はそれほど良い感じではなかったけれどうまくポイントレースに繋げた。ポイントレースではマークがきつくて思うようにポイントを取れない状況が続いて、2ラップ目を取られた時はかなり焦った。でも少しずつポイントは取れていて2位、3位との差を考えながら冷静に走った。
オムニアムは個人種目だけれど団体種目と同じポイントを獲得出来るので、今回のインカレで一番狙っていた種目なので、優勝出来てホッとしている。中距離種目の花形でもあるオムニアムで勝てたことは自信に繋がると思う。明日はマディソンと団抜き(チームパーシュート)でしっかり優勝して帰りたい。
女子マディソン
女子マディソンは5チームのエントリーがあったが、3チームでのレースとなった。序盤から牧田咲子と田中杏奈の順天堂大学がポイントを重ね、交代に手間取る鹿屋体育大学と法政大学との差を広げる。後半に入ると鹿屋体育大学が追い上げるも、1位フィニッシュの10ポイントを加算して差を広げ、優勝を決めた。
個人パーシュート 結果
男子 | ||
1位 | 安達光伸(朝日大学) | 4分23秒996 |
2位 | 伊藤 恭(中央大学) | 4分24秒362 |
3位 | 大仲凜功(早稲田大学) | 4分26秒456 |
4位 | 伊澤将也(鹿屋体育大学) | 4分34秒546 |
5位 | 生野優翔(日本大学) | 4分33秒767(予選時) |
6位 | 片岡遼真(明治大学) | 4分37秒041(予選時) |
女子 | ||
1位 | 渡部春雅(明治大学) | 3分49秒515 |
2位 | 大関奏音(日本体育大学) | 3分56秒409 |
3位 | 大蔵こころ(早稲田大学) | 3分56秒013 |
4位 | 石田明梨(同志社大学) | 4分0秒087 |
5位 | 牧田咲子(順天堂大学) | 3分59秒917(予選時) |
6位 | 岩元美佳(鹿屋体育大学) | 4分2秒415(予選時) |
男子ケイリン 結果
1位 | 市田龍生都(中央大学) | 10秒48 |
2位 | 伊藤京介(日本大学) | |
3位 | 田村一暉(京都産業大学) | |
4位 | 野中龍之介(明治大学) | |
5位 | 香西玲良(鹿屋体育大学) | |
6位 | 小嶋海音(日本体育大学) |
チームスプリント 結果(250m×3)
女子 | ||
1位 | 鹿屋体育大学(岩元、年見、中西) | 53秒369(大会新) |
2位 | 順天堂大学(田中、沢登、牧田) | 54秒222 |
3位 | 法政大学(濱、濱口、阿部) | 54秒694 |
4位 | 日本体育大学(大野、大関、米田) | 55秒547 |
男子 | ||
1位 | 日本大学(邊見、三神、伊藤) | 45秒164(予選時:学連新) |
2位 | 中央大学(大橋、市田、井出) | 45秒397(大会新) |
3位 | 明治大学(野中、吉岡、吉田) | 46秒866 |
4位 | 法政大学(小西、福地、横溝) | 47秒247 |
男子オムニアム 結果
Sc | Te | El | Po | 計 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
1位 | 岡本勝哉(日本大学) | 36 | 40 | 40 | 16 | 132 |
2位 | 山下虎ノ亮(中央大学) | 12 | 10 | 26 | 76 | 124 |
3位 | 梅澤幹太(鹿屋体育大学) | 32 | 38 | 38 | 15 | 123 |
4位 | 山本大智(朝日大学) | 28 | 34 | 32 | 29 | 123 |
5位 | 菅原 聡(順天堂大学) | 40 | 30 | 10 | 25 | 105 |
6位 | 川野碧己(慶應義塾大学) | 30 | 32 | 36 | 1 | 99 |
女子マディソン 結果(20km)
1位 | 牧田咲子・田中杏奈(順天堂大学) | 40p |
2位 | 岩元美佳・川本莉子(鹿屋体育大学) | 29p |
3位 | 阿部セラ・濱口夕海(法政大学) | -19p |
text&photo:Satoru Kato
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