2023/09/10(日) - 15:06
カデックスからショートノーズカーボンサドル「AMP」が登場。129gと軽量で、座骨をサポートしてくれるためペダリングしやすく、快適性も兼ね備えるサドルを実走テストする。
ジャイアントが誇るプレミアムパーツブランド、カデックスよりリリースされたショートノーズのカーボンサドル"AMP"。Advanced Forged Composite Technologyによって作られるカーボン素材がシェルとレールに採用され、129gという軽さに仕上げられている軽量モデルだ。
さらにライダーのペダリングを安定させるための形状が多く採用されている。例えばサドルの後部は反り上がるようなカーブ形状とされ坐骨へのサポート力を高めているほか、ウィング部分から急速に下がるような形状やノーズのデザインによって内腿とサドルの干渉を軽減してペダリング効率を高めている。
これらの形状に加えて、先述したAdvanced Forged Composite Technologyによって作られたSMCカーボンベースが軽量でありながら高い剛性を実現することで、サドルベースのしなりを低減。サドルがしっかりとライダーを支えることで、より効率的なペダリングをサポートしてくれる。
非常に軽量なサドルである一方、ロングライドでも快適に過ごせる高いクッション性も確保している。圧力を広範囲に分散する高弾性パーティクルフロー・パッドと、高密度高反発の軽量リアクティブ・フォームを採用。サドルの中央部にはエルゴノミックな開口部があり、デリケートゾーンへの圧力を軽減する。レールと一体化したレールデザインも圧力ポイントを緩和する設計の一つだ。
サドル幅は145mmの1サイズ展開。価格は41,800円(税込)。それではカデックスより新しく登場したショートノーズ・カーボンサドルの実力に迫る編集部インプレッションに移ろう。
―編集部インプレッション
いくつものサドルを試すものの、しっくりこない……を繰り返すいわゆるサドル沼に嵌ったことはあるだろうか。今回サドルテストを行うCW編集部の高木も20種類以上のモデルを試すに至るサドル沼に嵌っていた経験があるが、幸いにもスペシャライド S-WORKS ROMIN EVOというモデルに出会うことができている。自分の体やポジションを前後に移動する頻度が高いライドスタイルを持つ私がカデックスの新しいサドルAMPの使用感をお届けしよう。
まるでF1の部品のよう。ベースとレールが一体設計のカーボン製のAMPはデザインがまず美しく、かっこいい。空気抜けも良さそうでエアロ効果もありそうな造形に惹かれる。また、見たところパッドも薄くはあるものの、指先で押しただけでもわかる柔らかさがある。いかにも快適性は高そうで、実際に試乗する前から期待感が膨らんだ。
サドル幅は145mmと広めの設計で、反り上がるようなカーブ形状のサドル後端部は設計の意図通り、後方に座ると座骨をしっかりと支えてくれる。座骨が安定すると脚をまっすぐに落せるため、膝の軌道がぶれず効率的なペダリングができる。
ショートノーズサドルは後方から先端にかけてのノーズ部分が短く、座れる範囲が狭い傾向にあるものだが、AMPはノーズ部分と着座するウィング部分がはっきりと作り分けられているため、ノーズ部分にも座りやすくなっている。ショートノーズサドルであるもの、スタンダードなサドルのように使用しやすいのは、着座位置を頻繁に移動する私のようなライダーにとっては好印象。
先述した高弾性パーティクルフロー・パッドと高密度高反発リアクティブ・フォームによるパッドの具合も良い。深い前傾姿勢を取るライダーのために生み出されたショートノーズモデルは、体重を預けた際にデリケートゾーンへの圧迫を軽減するため、サドル中央部の開口部を設けることは標準的な設計だ。実際に6時間を超えるロングライドでもパッドや開口部のおかげでストレスを感じることなくライドを終えることができた。
レースでは疲れた頃に迎えるアタックやスプリントにおいて、ダンシング時の振りの軽さは重要。テストでもゴール前を意識してスプリントをしてみると、サドルの存在を感じさせないほど振りが軽く、バイクを思いっきり振ってスプリントすることができた。これは129gという軽量性の賜物だ。
また、ショートノーズサドルに共通する良さだが、ダンシングの時にノーズがウェアに引っかからないのもストレスフリーなライド体験に貢献している。例えば登りで休むダンシングをした時にノーズがショーツを引っ張ってしまう、なんてことを経験したことある人もいるだろう。今作でのテストライド中にそんな不快なシーンは一度もなく、ライドの最初から最後までサドルによるネガティブさを感じることはなかった。
そもそもショートノーズサドルは、着座位置を前方に位置させるポジションでもUCIルール(BB軸からサドル先端を5cm後退させる)に準拠させられるサドルとして生み出されているが、ホビーサイクリストにとってもフレームのジオメトリーや身体的な理由でポジションが出しにくい人にとってセッティングの可能性を広げてくれる存在だ。そんなショートノーズサドルというカテゴリーの中において、AMPは座れるポジションが多いことがおすすめしたいポイントでもある。
そのうえで、129gという群を抜いた軽量性はクライマーをはじめとしたレーサーにとって大きな魅力となるだろうし、乗り心地にも優れているためロングライドでも活躍するはず。価格は高いものの、値札に応じた高級感を纏ったプロダクトでもあり、オールラウンドに使える軽量レーシングサドルを検討している人にはぜひ選択肢に加えてみてほしい一品だ。
カデックス AMP
重量:129g
サドル長:245mm
サドル幅:145mm
スタックハイト:44mm
レール径:9mm
レール素材:Carbon
シェル:Advanced Forged Composite Technology
パッド:Lightweight Reactive Foam and Integrated Particle Flow
価格 :41,800円(税込)
ジャイアントが誇るプレミアムパーツブランド、カデックスよりリリースされたショートノーズのカーボンサドル"AMP"。Advanced Forged Composite Technologyによって作られるカーボン素材がシェルとレールに採用され、129gという軽さに仕上げられている軽量モデルだ。
さらにライダーのペダリングを安定させるための形状が多く採用されている。例えばサドルの後部は反り上がるようなカーブ形状とされ坐骨へのサポート力を高めているほか、ウィング部分から急速に下がるような形状やノーズのデザインによって内腿とサドルの干渉を軽減してペダリング効率を高めている。
これらの形状に加えて、先述したAdvanced Forged Composite Technologyによって作られたSMCカーボンベースが軽量でありながら高い剛性を実現することで、サドルベースのしなりを低減。サドルがしっかりとライダーを支えることで、より効率的なペダリングをサポートしてくれる。
非常に軽量なサドルである一方、ロングライドでも快適に過ごせる高いクッション性も確保している。圧力を広範囲に分散する高弾性パーティクルフロー・パッドと、高密度高反発の軽量リアクティブ・フォームを採用。サドルの中央部にはエルゴノミックな開口部があり、デリケートゾーンへの圧力を軽減する。レールと一体化したレールデザインも圧力ポイントを緩和する設計の一つだ。
サドル幅は145mmの1サイズ展開。価格は41,800円(税込)。それではカデックスより新しく登場したショートノーズ・カーボンサドルの実力に迫る編集部インプレッションに移ろう。
―編集部インプレッション
いくつものサドルを試すものの、しっくりこない……を繰り返すいわゆるサドル沼に嵌ったことはあるだろうか。今回サドルテストを行うCW編集部の高木も20種類以上のモデルを試すに至るサドル沼に嵌っていた経験があるが、幸いにもスペシャライド S-WORKS ROMIN EVOというモデルに出会うことができている。自分の体やポジションを前後に移動する頻度が高いライドスタイルを持つ私がカデックスの新しいサドルAMPの使用感をお届けしよう。
まるでF1の部品のよう。ベースとレールが一体設計のカーボン製のAMPはデザインがまず美しく、かっこいい。空気抜けも良さそうでエアロ効果もありそうな造形に惹かれる。また、見たところパッドも薄くはあるものの、指先で押しただけでもわかる柔らかさがある。いかにも快適性は高そうで、実際に試乗する前から期待感が膨らんだ。
サドル幅は145mmと広めの設計で、反り上がるようなカーブ形状のサドル後端部は設計の意図通り、後方に座ると座骨をしっかりと支えてくれる。座骨が安定すると脚をまっすぐに落せるため、膝の軌道がぶれず効率的なペダリングができる。
ショートノーズサドルは後方から先端にかけてのノーズ部分が短く、座れる範囲が狭い傾向にあるものだが、AMPはノーズ部分と着座するウィング部分がはっきりと作り分けられているため、ノーズ部分にも座りやすくなっている。ショートノーズサドルであるもの、スタンダードなサドルのように使用しやすいのは、着座位置を頻繁に移動する私のようなライダーにとっては好印象。
先述した高弾性パーティクルフロー・パッドと高密度高反発リアクティブ・フォームによるパッドの具合も良い。深い前傾姿勢を取るライダーのために生み出されたショートノーズモデルは、体重を預けた際にデリケートゾーンへの圧迫を軽減するため、サドル中央部の開口部を設けることは標準的な設計だ。実際に6時間を超えるロングライドでもパッドや開口部のおかげでストレスを感じることなくライドを終えることができた。
レースでは疲れた頃に迎えるアタックやスプリントにおいて、ダンシング時の振りの軽さは重要。テストでもゴール前を意識してスプリントをしてみると、サドルの存在を感じさせないほど振りが軽く、バイクを思いっきり振ってスプリントすることができた。これは129gという軽量性の賜物だ。
また、ショートノーズサドルに共通する良さだが、ダンシングの時にノーズがウェアに引っかからないのもストレスフリーなライド体験に貢献している。例えば登りで休むダンシングをした時にノーズがショーツを引っ張ってしまう、なんてことを経験したことある人もいるだろう。今作でのテストライド中にそんな不快なシーンは一度もなく、ライドの最初から最後までサドルによるネガティブさを感じることはなかった。
そもそもショートノーズサドルは、着座位置を前方に位置させるポジションでもUCIルール(BB軸からサドル先端を5cm後退させる)に準拠させられるサドルとして生み出されているが、ホビーサイクリストにとってもフレームのジオメトリーや身体的な理由でポジションが出しにくい人にとってセッティングの可能性を広げてくれる存在だ。そんなショートノーズサドルというカテゴリーの中において、AMPは座れるポジションが多いことがおすすめしたいポイントでもある。
そのうえで、129gという群を抜いた軽量性はクライマーをはじめとしたレーサーにとって大きな魅力となるだろうし、乗り心地にも優れているためロングライドでも活躍するはず。価格は高いものの、値札に応じた高級感を纏ったプロダクトでもあり、オールラウンドに使える軽量レーシングサドルを検討している人にはぜひ選択肢に加えてみてほしい一品だ。
カデックス AMP
重量:129g
サドル長:245mm
サドル幅:145mm
スタックハイト:44mm
レール径:9mm
レール素材:Carbon
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