アラフィリップがドーフィネ2日目で復活勝利　クライスヴァイクは骨盤骨折でツール絶望

クライスヴァイクが落車、骨折によりレースを去ったクリテリウム・デュ・ドーフィネ第2ステージ。スプリンターやクライマーが入り乱れる集団スプリントで、ジュリアン・アラフィリップ（フランス、スーダル・クイックステップ）が復活勝利を飾った。

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スタート地点ブラサック・レ・ミーヌから山岳地帯に入り、そこからフィニッシュ地点ラ・シェーズ・デュに移動して4級山岳を含む周回コースを2周。クリテリウム・デュ・ドーフィネ第2ステージは167.3kmコースで争われ、前日と同様に起伏に富んだレイアウトは総合争いにはならない難易度だが、ピュアスプリンターを退けるタフなステージだ。

この日はスタート直後に6名の落車が発生し、巻き込まれたステフェン・クライスヴァイク（オランダ、ユンボ・ヴィスマ）は鎖骨と骨盤を骨折して途中棄権。これによりヨナス・ヴィンゲゴー（デンマーク）と共に出場予定だったツール・ド・フランスは絶望的となり、チームは本戦で重要な山岳アシストを失うことに。また同じくロマン・コンボー（フランス、チームDSM）も鎖骨と肩甲骨の骨折によりレースを去っている。

不穏な雰囲気のなか始まったレースは、春の脊椎骨骨折から復帰したヴィクトル・カンペナールツ（ベルギー、ロット・デスティニー）や前日も逃げに乗ったドナヴァン・グロンダン（フランス、アルケア・サムシック）ら7名がエスケープを敢行する。しかし、その中にはケニー・エリッソンド（フランス、トレック・セガフレード）やピエール・ラトゥール（フランス、トタルエネルジー）など強力なメンバーが入ったため、メイン集団はタイム差の拡大を許すことなくコントロールした。

逃げ集団では山岳賞ジャージのグロンダンが序盤の3級山岳2つをトップ通過してポイントを加算。その後グロンダンはメカトラと足の痙攣により遅れ、5名となった逃げ集団は1度目のラ・シェーズ・デュのフィニッシュ地点（残り35km）を通過する。プロトンではレミ・カヴァニャ（フランス、スーダル・クイックステップ）が高速牽引を始めると逃げとの差は一気に縮小し、最後まで粘ったカンペナールツとエリッソンドを残り10kmで飲み込んだ。

集団が再びひと塊となったタイミングでトビアス・バイヤー（オーストリア、アルペシン・ドゥクーニンク）が飛び出し、それを許したメイン集団のハイペースにサム・ベネット（アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ）やディラン・フルーネウェーヘン（オランダ、ジェイコ・アルウラー）らピュアスプリンターが食らいつく。最大10秒差を得たバイヤーだったが残り4kmで捉まり、直後のハリー・スウェニー（オーストラリア、ロット・デスティニー）によるアタックもクイックステップに引き戻された。

クリストフ・ラポルト（フランス）のためにヴィンゲゴーが集団先頭を牽きながらフラムルージュ（残り1km地点）を通過する。残り700mからショーン・クイン（アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト）が果敢に飛び出す一方で、登りで脚を使い切ったフルーネウェーヘンが集団から脱落。そしてヴィンゲゴーがフィニッシュ手前300mでクインを捉え、勝負は2日連続で集団スプリントに持ち込まれた。

ヴィンゲゴーの背後という絶好の状況を得たラポルトと、その背後についたベネット。しかし残り200mからリチャル・カラパス（エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト）が先んじてスプリントを開始し、ジュリアン・アラフィリップ（フランス、スーダル・クイックステップ）も同時に腰を上げる。ベネットとラポルトのスピードが伸び悩むなか、カラパスを抜いたアラフィリップが先頭でフィニッシュラインを通過した。

「チームとしてスプリンターであるヴァーノンの勝利を狙っていたので、この勝利に驚いている。彼にこのステージは厳しすぎ、また同じくスプリントのあるセネシャルも”無理だ”と言ったので自分で勝負した」と、勝利を振り返るアラフィリップ。「この数ヶ月は辛かったが、情熱を持ってトレーニングに励んでいた。それがこの勝利に繋がりとても嬉しいよ」と今季2勝目を喜んだ。

また、フィニッシュ直後に見せた両手で観衆をなだめるジェスチャーについて問われると「調子が良い時は良い結果が出るもの。でもうまく行かないときでも冷静にやるべきことに集中する必要がある。その姿勢を表したポーズだ」と答えている。

総合首位は区間4位のラポルトがキープ。区間2位にはカラパスが入り、3位にはジロ・デ・イタリアを第10ステージで途中リタイアしたナトナエル・テスファツィオン（エリトリア、トレック・セガフレード）が入っている。