2023/04/12(水) - 09:00
イタリア・シチリア島を舞台にしたジロ・デ・シチリアが開幕した。登りフィニッシュの初日はアシストのフィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ)が集団から抜け出し、本人も「予想外」と語るプロ初勝利を飾った。
初開催が1907年まで遡る、イタリアでも屈指の歴史を誇るジロ・デ・シチリア(UCI2.1)。1977年からの中断期間を経て2019年に復活したため、これが第5回大会とるステージレース。舞台となるのはイタリア半島の西南に位置するシチリア島で、西から東へ4日間をかけて巡っていく。
丘陵、平坦、山岳ステージとバランスよく設定されたレースゆえ、地元のスター選手かつ昨年の総合優勝者ダミアーノ・カルーゾ(イタリア)を擁するバーレーン・ヴィクトリアスなど5のワールドチームが出場。他にもジロ・デ・イタリアを見据えるディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)やマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザフスタン)が顔を揃え、日本からは鳴海颯(ソフェル・サヴィーニ・デュオ・OMZ)が出場した。
初日はマルサーラから沿岸を通りアグリジェントに向かう平坦ステージ。しかし最後には距離3.8km、平均勾配5.3%の登り坂が待ち受けているため、スプリンターではなく総合勢やパンチャーの戦いが予想された。
気温17度の晴天、時折強い風の吹くなか、イタリア人選手を中心とした7名が逃げグループを形成する。それをアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン)をエースに据えるアスタナ・カザフスタンが、3分以上のリードを許さないタイトなコントロールを披露。そして予定通り、3名まで減ったエスケープを残り5km地点で吸収した。
ジェイコ・アルウラーの集団牽引から23歳のエマヌエーレ・アンサローニ(イタリア、チームテクニペス#インエミリア・ロマーニャ)がアタックするものの、先頭が代わったグリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネに捉えられる。そして残り2km地点からUAEチームエミレーツが先頭へ。
ウリッシの勝利のためトレインを組んだUAEは、先頭を引いていたフィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド)が急勾配区間で加速し、後続を引き離し単独となる。集団前方の選手たちは虚を突かれたため協調が整わず、21歳のフィッシャーブラックが本人も「全くの予想外」と語る展開でプロ初勝利を掴んだ。
「僕の役割はディエゴ(ウリッシ)の勝利のため、登りの麓から限界まで牽引することだった。でもある時点で後ろを見たら、誰もいなかった。そしたらチームカーから”そのまま行け!”という指示があったんだ。予想外の勝利に僕自身も驚いている」と、フィッシャーブラックは勝利を「良い意味でショッキングだ」と喜んだ。
フィッシャーブラックはニュージーランド出身、21歳のクライマー。ユンボ・ヴィスマの下部チームから2021年にUAEに加入し、U23のTT国内王者に輝くなど順調なステップアップを見せていたものの、2022年5月のレースで落車。大腿骨を骨折する大怪我から今年ようやくレース復帰を果たした。
翌日は細かいアップダウンが連続する丘陵ステージ。しかしフィニッシュまでは平坦路が続くため、カヴェンディッシュや今大会はイタリアナショナルチームとして出場するエリア・ヴィヴィアーニらが競演する集団スプリントが予想される。
初開催が1907年まで遡る、イタリアでも屈指の歴史を誇るジロ・デ・シチリア(UCI2.1)。1977年からの中断期間を経て2019年に復活したため、これが第5回大会とるステージレース。舞台となるのはイタリア半島の西南に位置するシチリア島で、西から東へ4日間をかけて巡っていく。
丘陵、平坦、山岳ステージとバランスよく設定されたレースゆえ、地元のスター選手かつ昨年の総合優勝者ダミアーノ・カルーゾ(イタリア)を擁するバーレーン・ヴィクトリアスなど5のワールドチームが出場。他にもジロ・デ・イタリアを見据えるディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)やマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザフスタン)が顔を揃え、日本からは鳴海颯(ソフェル・サヴィーニ・デュオ・OMZ)が出場した。
初日はマルサーラから沿岸を通りアグリジェントに向かう平坦ステージ。しかし最後には距離3.8km、平均勾配5.3%の登り坂が待ち受けているため、スプリンターではなく総合勢やパンチャーの戦いが予想された。
気温17度の晴天、時折強い風の吹くなか、イタリア人選手を中心とした7名が逃げグループを形成する。それをアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン)をエースに据えるアスタナ・カザフスタンが、3分以上のリードを許さないタイトなコントロールを披露。そして予定通り、3名まで減ったエスケープを残り5km地点で吸収した。
ジェイコ・アルウラーの集団牽引から23歳のエマヌエーレ・アンサローニ(イタリア、チームテクニペス#インエミリア・ロマーニャ)がアタックするものの、先頭が代わったグリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネに捉えられる。そして残り2km地点からUAEチームエミレーツが先頭へ。
ウリッシの勝利のためトレインを組んだUAEは、先頭を引いていたフィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド)が急勾配区間で加速し、後続を引き離し単独となる。集団前方の選手たちは虚を突かれたため協調が整わず、21歳のフィッシャーブラックが本人も「全くの予想外」と語る展開でプロ初勝利を掴んだ。
「僕の役割はディエゴ(ウリッシ)の勝利のため、登りの麓から限界まで牽引することだった。でもある時点で後ろを見たら、誰もいなかった。そしたらチームカーから”そのまま行け!”という指示があったんだ。予想外の勝利に僕自身も驚いている」と、フィッシャーブラックは勝利を「良い意味でショッキングだ」と喜んだ。
フィッシャーブラックはニュージーランド出身、21歳のクライマー。ユンボ・ヴィスマの下部チームから2021年にUAEに加入し、U23のTT国内王者に輝くなど順調なステップアップを見せていたものの、2022年5月のレースで落車。大腿骨を骨折する大怪我から今年ようやくレース復帰を果たした。
翌日は細かいアップダウンが連続する丘陵ステージ。しかしフィニッシュまでは平坦路が続くため、カヴェンディッシュや今大会はイタリアナショナルチームとして出場するエリア・ヴィヴィアーニらが競演する集団スプリントが予想される。
ジロ・デ・シチリア2023第1ステージ結果
1位 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ) | 3:24:07 |
2位 | ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ) | +0:08 |
3位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
5位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・カザフスタン) |
個人総合成績
1位 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ) | 3:23:57 |
2位 | ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ) | +0:12 |
3位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | +0:14 |
4位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:18 |
5位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・カザフスタン) |
その他の特別賞
ポイント賞 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ) |
山岳賞 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ) |
ヤングライダー賞 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
Amazon.co.jp