2023/03/10(金) - 11:06
終盤にファンアールトを落車で失ったユンボ・ヴィスマがティレーノ〜アドリアティコ4日目を支配。肩の手術から復帰したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が、登りスプリントで早速の勝利を手に入れた。
ティレーノ〜アドリアティコ第4ステージはグレッチョを出発して、アドリア海に面したトルトレートに至る今大会最長距離の218km。序盤に低難易度の丘を越えてからは平坦路が続き、終盤に最大勾配19%から始まるトルトレート(距離4.4km/平均4.5%)を4度越えるタフなステージだ。パンチャーやクライマー向きのこのステージは、翌週末に控えるミラノ〜サンレモの予行練習ともなった。
大会4日目にしてようやく総合勢に出番が回ってきたこの日は、3日連続で飛び出したダヴィデ・バイス(イタリア、エオーロ・コメタ)を含む5名が先頭グループを形成して逃げる展開に。しかしユンボ・ヴィスマやジェイコ・アルウラーがタイトに制御したプロトンは、残り60kmで早くも逃げ集団を引き戻した。
合計4周する全長17.1kmのトルトレート周回コースに入るとミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)がアタックし、続いてサムエーレ・ゾッカラート(イタリア、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ)が飛び出す。これをジュリアン・アラフィリップ(フランス)のためにスーダル・クイックステップが潰す一方で、集団後方ではいまだコンディションの上がらないペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)が脱落した。
2度目のトルトレートの登りでアラフィリップが仕掛け、これにワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)とアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)らが反応する。一時は先頭で小集団が形成されたものの、平坦区間で追走グループが合流して約50名の集団が3度目のトルトレートの登りに突入した。
ユンボ・ヴィスマが先頭で牽引を始めるとストラーデビアンケ覇者であるトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が遅れかけながらも、何とか集団に食らいつく。しかし最後のトルトレートの登りの直前で、集団前方から下がるピドコックと逆に番手を上げようとしたファンアールトが接触して落車。シクロクロスで幾度となく争い合ってきた2人は握手した後にレース復帰したものの、ユンボ・ヴィスマはこの日のエースを失う結果となった。
リーダージャージを着るフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)が遅れた集団では、ダミアン・ホーゾン(オーストラリア、Q36.5プロサイクリングチーム)によるアタックをユンボの新戦力であるアッティラ・ヴァルテル(ハンガリー)が潰す。そしてフラムルージュ(残り1km)を通過直後のヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)による加速も決まらず、残り500mでタイミングを窺っていたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)がシッティングのまま先頭へ。
一度ヴィクトル・ラフェ(フランス、コフィディス)とイェーツに先頭を譲ったログリッチは最終ストレートで再び先頭に出ると、食らいつくアラフィリップを振り切ってフィニッシュラインを通過。昨年10月に行った右肩の手術からの復活をアピールする勝利を掴み取った。
「勝利はいつだって嬉しいもの。計画ではワウト(ファンアールト)で勝負する予定だった。しかし終盤に落車してしまい、それをギリギリで免れた僕に勝負する責務が回ってきた。家族と僕にとって辛い時期を乗り越えての勝利。驚きと共に、(手術後)数ヶ月に及ぶ努力が実り、心から喜びを感じている」と、ログリッチは昨年のブエルタ・ア・エスパーニャ以来となる勝利を喜んだ。
一方で落車後、無事完走を果たしたファンアールトは「それほど大きな怪我はなく、かすり傷程度だ。僕は大丈夫だよ」と無事を伝えている。この結果、総合リーダージャージはガンナからレナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)に移行し、ログリッチは6秒遅れの総合2位にジャンプアップを果たした。
翌日は超級山岳サルナノ・サッソテット(距離13.1km/平均7.4%)に上り詰める山頂フィニッシュ。クイーンステージとなる登坂バトルで、早くも総合優勝の行方が明らかとなる。
ティレーノ〜アドリアティコ第4ステージはグレッチョを出発して、アドリア海に面したトルトレートに至る今大会最長距離の218km。序盤に低難易度の丘を越えてからは平坦路が続き、終盤に最大勾配19%から始まるトルトレート(距離4.4km/平均4.5%)を4度越えるタフなステージだ。パンチャーやクライマー向きのこのステージは、翌週末に控えるミラノ〜サンレモの予行練習ともなった。
大会4日目にしてようやく総合勢に出番が回ってきたこの日は、3日連続で飛び出したダヴィデ・バイス(イタリア、エオーロ・コメタ)を含む5名が先頭グループを形成して逃げる展開に。しかしユンボ・ヴィスマやジェイコ・アルウラーがタイトに制御したプロトンは、残り60kmで早くも逃げ集団を引き戻した。
合計4周する全長17.1kmのトルトレート周回コースに入るとミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)がアタックし、続いてサムエーレ・ゾッカラート(イタリア、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ)が飛び出す。これをジュリアン・アラフィリップ(フランス)のためにスーダル・クイックステップが潰す一方で、集団後方ではいまだコンディションの上がらないペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)が脱落した。
2度目のトルトレートの登りでアラフィリップが仕掛け、これにワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)とアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)らが反応する。一時は先頭で小集団が形成されたものの、平坦区間で追走グループが合流して約50名の集団が3度目のトルトレートの登りに突入した。
ユンボ・ヴィスマが先頭で牽引を始めるとストラーデビアンケ覇者であるトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が遅れかけながらも、何とか集団に食らいつく。しかし最後のトルトレートの登りの直前で、集団前方から下がるピドコックと逆に番手を上げようとしたファンアールトが接触して落車。シクロクロスで幾度となく争い合ってきた2人は握手した後にレース復帰したものの、ユンボ・ヴィスマはこの日のエースを失う結果となった。
リーダージャージを着るフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)が遅れた集団では、ダミアン・ホーゾン(オーストラリア、Q36.5プロサイクリングチーム)によるアタックをユンボの新戦力であるアッティラ・ヴァルテル(ハンガリー)が潰す。そしてフラムルージュ(残り1km)を通過直後のヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)による加速も決まらず、残り500mでタイミングを窺っていたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)がシッティングのまま先頭へ。
一度ヴィクトル・ラフェ(フランス、コフィディス)とイェーツに先頭を譲ったログリッチは最終ストレートで再び先頭に出ると、食らいつくアラフィリップを振り切ってフィニッシュラインを通過。昨年10月に行った右肩の手術からの復活をアピールする勝利を掴み取った。
「勝利はいつだって嬉しいもの。計画ではワウト(ファンアールト)で勝負する予定だった。しかし終盤に落車してしまい、それをギリギリで免れた僕に勝負する責務が回ってきた。家族と僕にとって辛い時期を乗り越えての勝利。驚きと共に、(手術後)数ヶ月に及ぶ努力が実り、心から喜びを感じている」と、ログリッチは昨年のブエルタ・ア・エスパーニャ以来となる勝利を喜んだ。
一方で落車後、無事完走を果たしたファンアールトは「それほど大きな怪我はなく、かすり傷程度だ。僕は大丈夫だよ」と無事を伝えている。この結果、総合リーダージャージはガンナからレナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)に移行し、ログリッチは6秒遅れの総合2位にジャンプアップを果たした。
翌日は超級山岳サルナノ・サッソテット(距離13.1km/平均7.4%)に上り詰める山頂フィニッシュ。クイーンステージとなる登坂バトルで、早くも総合優勝の行方が明らかとなる。
ティレーノ〜アドリアティコ2023第4ステージ結果
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 5:00:04 |
2位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ) | |
3位 | アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
5位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
6位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | |
7位 | ヴィクトル・ラフェ(フランス、コフィディス) | |
8位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | |
9位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト) |
個人総合成績
1位 | レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 15:38:46 |
2位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | +0:06 |
3位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +0:08 |
4位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | +0:13 |
5位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | +0:15 |
6位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:17 |
7位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:18 |
8位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +0:19 |
9位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | +0:26 |
10位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +0:27 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) |
山岳賞 | ダヴィデ・バイス(イタリア、エオーロ・コメタ) |
ヤングライダー賞 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) |
チーム総合成績 | ボーラ・ハンスグローエ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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