日本学生自転車競技連盟が主催する「明治神宮外苑クリテリウム」が、2月26日(日)に開催された。男子大学生の最上位カテゴリーであるグループ1は、 慶應義塾大学の西村行生が優勝。女子は順天堂大学の阿部花梨が優勝した。中島渉(立教大学)がRCS総合優勝して、シリーズ2連覇を達成している。



今年で17回目を迎える「明治神宮外苑クリテリウム」が2月26日に開催された。大会の舞台となった明治神宮外苑は、東京都新宿区霞ヶ丘町と港区北青山にまたがり、東京五輪とパラリンピックのメイン会場となった国立競技場や明治神宮球場、文化施設、公園などからなる都心の観光スポットである。そんな都心で開催された大学生の白熱のレースをレポートしていく。

女子クリテリウム 阿部花梨が中間スプリント賞と優勝を獲得し完全勝利

女子レースのスタート photo:Michinari TAKAGI

女子レースは学連登録選手とJCF登録者の混走となった、1周1.5kmコースを8周回。2周目に差し掛かるホームストレートで石田唯(早稲田大学)のアタックにより集団のペースが上がった。

レースが動いたのは3周目の小林あか里(信州大学)のアタック。これをきっかけに阿部花梨(順天堂大学)、渡部春雅(明治大学)、石田が続き、4名の逃げ集団が形成される。一方でメイン集団では逃げに乗れなかった鹿屋体育大学と日本体育大学が追いかける展開に。

序盤は牽制が続く photo:Michinari TAKAGI

中間スプリントを獲得した阿部花梨(順天堂大学) photo:Michinari TAKAGI
逃げを追うメイン集団 photo:Michinari TAKAGI

レース中盤で単独アタックをする渡部春雅(明治大学) photo:Michinari TAKAGI
渡部を追走する3名 photo:Michinari TAKAGI


レースの中盤となる4周目の中間スプリントは阿部花梨(順天堂大学)が獲得。中間スプリントが終わるとカウンターアタックで渡部春雅(明治大学)が飛び出し単独で逃げる展開になったが、協調して追った追走グループが残り2周で渡部を捉えた。

勝敗は逃げの4名によるゴールプリントへ。小林がスプリントを開始し、その後ろから石田が仕掛けるも、両サイドからスプリントを開始した阿部花梨(順天堂大学)が僅差で渡部を下し優勝。3位は小林あか里(信州大学)が入り表彰台を獲得している。

阿部花梨(順天堂大学)がゴールスプリントを制す photo:Michinari TAKAGI

女子の表彰式 photo:Michinari TAKAGI

優勝した順天堂大学の阿部は「3年生の時の神宮クリテリウムでは集団でゴールできなくて悔しかったので、4年生で優勝できてとても嬉しいです!」と笑顔でリベンジ達成を喜んだ。

日直商会ブースではカスクのヘルメットとスコープのホイールを展示 photo:Michinari TAKAGI
iRCブースではスパークル大分の沢田桂太郎がコーヒーを淹れてくれるサービスを実施 photo:Michinari TAKAGI




男子グループ1 集団スプリントを慶應の西村が制す 立教の中島が2年連続のRCSチャンピオンに

RCSランキング上位の篠崎蒼平(東京大学)と中島渉(立教大学)、昨年の神宮クリテ覇者の中村龍吉(中央大学)が最前列に並ぶ photo:Michinari TAKAGI

最終レースとして行われたグループ1は、1周1.5kmのコースを20周する30kmレース。最終戦までもつれ込んだRCSシリーズは、134ポイントでランキングトップの篠崎蒼平(東京大学)を昨年のRCSチャンピオンである中島渉(立教大学)が15ポイント差で追いかける状況。この神宮クリテリウムには逆転総合優勝の可能性が残されたため、各選手ともに緊張感あるレースとなった。

スタートライン最前列にはRCSランキング上位の篠崎と中島、昨年の神宮クリテリウムの覇者である中村龍吉(中央大学)が並んだ。スタートするとRCSリーダージャージを着る篠崎が序盤からペースを上げていった。

中村龍吉(中央大学)と中島渉(立教大学)が勢いよくスタートしていく photo:Michinari TAKAGI
RCSリーダージャージを着る篠崎が序盤からペースアップ photo:Michinari TAKAGI
中村龍吉(中央大学)が10周目と15周目の中間スプリント賞を獲得 photo:Michinari TAKAGI

明治神宮外苑の銀杏並木を駆け抜ける photo:Michinari TAKAGI

積極的にレースを展開したのは中村だった。5周目の中間スプリントは林原聖真(明治大学)が獲得。中盤は明治大学や慶應義塾大学が積極的にレースを運び、逃げを許さない展開が続いていた。

レース終盤に差し掛かると、大学対抗を狙う動きが活発になり、慶應義塾大学と日本体育大学が集団前方を固めていく。大きな集団のまま最終周回に突入し、牽制状態で最終コーナーに突入していく。勝負は毎年恒例のゴールスプリントに持ち込まれた。

勝負どころの最終コーナーには国立競技場が聳え立つ photo:Michinari TAKAGI
明治神宮野球場前を走るメイン集団 photo:Michinari TAKAGI
レース終盤に向けてペースアップする集団 photo:Michinari TAKAGI

男子大学生グループ1は西村行生(慶応義塾大学)が優勝 photo:Michinari TAKAGI

西村行生(慶應義塾大学)が最終コーナーを先頭で立ち上がり、ロングスプリントを開始。爆発的な加速力を武器に後ろから迫るライバルたちを寄せ付けず優勝を勝ち取った。2位に小泉響貴(明治大学)、3位には北村翔太(日本体育大学)が入った。学校対抗は日本体育大学が獲得した。

優勝した慶応義塾大学の西村がチームメイトと監督と優勝を分かち合う photo:Michinari TAKAGI
中間スプリント賞を獲得した中村龍吉(中央大学)と林原聖真(明治大学) photo:Michinari TAKAGI

大学対抗は日本体育大学が優勝 photo:Michinari TAKAGI

男子大学生グループ1の表彰式 photo:Michinari TAKAGI

優勝した慶應義塾大学の西村は「コースの狭いところで前に行かないと勝てないと思って、最後にかけました。学校対抗は来年にお預けですけど、クラス1で優勝できてすごく嬉しいです。今後はインカレを目標に頑張っていきます」とレースを振り返った。

最終戦まで縺れ込んだRCSシリーズチャンピオン争いはランキング2位の中島渉(立教大学)がゴール勝負で4位に入り、シリーズリーダーの篠崎蒼平(東京大学)を17ポイント差で上回り、大逆転で2年連続のRCSシリーズチャンピオンを獲得した。

RCSシリーズチャンピオンに輝いた中島渉(立教大学) photo:Michinari TAKAGI

「トップと15ポイント差だったので、今年は追う立場でしたが落ち着いてレースを走ることができて、優勝することができてよかったです。RCSで2連覇を達成できたので、4連覇を目指していけるように頑張っていきます!今後も応援よろしくお願いします!」と中島は今後の目標を語ってくれた。
明治神宮外苑大学クリテリウム 男子大学生グループ1結果
1位 西村行生(慶應義塾大学)
2位 小泉響貴(明治大学)
3位 北村翔太(日本体育大学)
明治神宮外苑大学クリテリウム 女子結果
1位 阿部花梨(順天堂大学)
2位 渡部春雅(明治大学)
3位 小林あか里(信州大学)
大学対抗結果
1位 日本体育大学
2位 立命館大学
3位 朝日大学
RCSシリーズランキング
1位 中島渉(立教大学) 155ポイント
2位 篠﨑蒼平(東京大学) 138ポイント
3位 小泉響貴(明治大学) 118ポイント
明治神宮外苑大学クリテリウム 男子大学生グループ2A結果
1位 阿見寺俊哉(東京都市大学)
2位 新井敬太(日本大学)
3位 石田眞大(早稲田大学)
明治神宮外苑大学クリテリウム 男子大学生グループ2B結果
1位 吉川敬介(日本大学)
2位 重田倫一郎(作新学院大学)
3位 片岡遼真(明治大学)
text&photo:Michinari TAKAGI

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