2023/02/19(日) - 09:45
ライバルたちの攻撃を跳ね除けたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が、難関山岳ステージで区間3勝目をマーク。チームに今大会4戦全勝をもたらすと共に、自身プロ通算50勝目を飾った。
平坦基調の前日を経て、ルダ・デル・ソルことブエルタ・ア・アンダルシア(UCI2.Pro)はイエロージャージ争いが本格化する後半戦がスタート。第4ステージはオリベラを出発直後に3級山岳を越え、終盤に2級や3級山岳、カテゴリーの付いていない登りが連続する164.8kmだ。
長い登りは登場しないものの総獲得標高差が3,000mを超えるレースは、大会2日目同様にマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)のファーストアタックにより幕が上がる。これをきっかけにアタックと吸収が繰り返され、一時は前日勝者のティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツ)や総合13位ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス)ら18名が先頭に立った。
しかし残り100km地点で逃げは捕まりレースは再び振り出しへ。そしてカウンターアタックで飛び出したルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、モビスター)やエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、トタルエネルジー)を含む9名による逃げグループが、スタートから80kmを過ぎてようやく成立した。
メイン集団の牽引を担ったのは、タデイ・ポガチャル(スロベニア)とウェレンスによりここまで3戦全勝のUAEチームエミレーツ。この日最初の下りで落車したラファウ・マイカ(ポーランド)もその影響はなく、逃げに2分52分遅れのパヴェル・シヴァコフ(フランス、イネオス・グレナディアーズ)が入ったこともあり、UAEは最大3分半以上のリードを許さないタイトなコントロールを披露した。
距離が短くも勾配厳しい山岳を越える度にプロトンの人数は減り、2級山岳エル・ジャラミッロ(距離4.8km/平均7.2%)を過ぎた頃には約13名に。そして逃げから唯一残るシヴァコフを30秒差まで追い詰めた最終山岳フエンテス・デ・セスナ(距離4.3km/平均4.7%)で、ヘイグのアタックにポガチャルが追従。この動き自体は決まらなかったものの、これをきっかけにポガチャルの攻撃スイッチが入った。
ヘイグが再度シッティングでペースを上げるなか、一度集団の最後尾まで下がったポガチャルが一気にライバルたちをごぼう抜き。そのままハイスピードでシヴァコフを捉えたポガチャルには唯一エンリク・マス(スペイン、モビスター)が食らいつき、2人はローテーションを回しながら約10kmに及ぶダウンヒルを駆け下りた。
マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)が得意の下りでブリッジをかけ、ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)とロレンツォ・ロータ(イタリア、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)、アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・デスティニー)が先頭に合流。しかしフィニッシュラインまで続くイスナハル市街地の急坂でマスがアタックすると、ポガチャル以外の後続を引き離した。
しかしマスの後方で飛び出すタイミングを窺っていたポガチャルが残り200mで先頭へ。がっくりと肩を落とすマスの前方で、ライバルたちの猛攻を楽しむかのような走りを見せたポガチャルが区間3勝目を手に入れた。
今大会UAEとして4戦全勝をもたらしたポガチャルは「皆がスタート直後からアタックする激しいレースとなった。僕たちはそれをコントロールする素晴らしい走りを見せたよ。彼らの走りに報いるためにも、今日の勝利は本当に嬉しい。チームはいまのところ完璧に機能しているものの、皆が僕らに対し猛攻を仕掛けるのでさすがに疲れてきたよ」とコメント。また、ポガチャル自身にとってこれがプロ通算50勝目となった。
この結果、ポガチャルは2位ランダとの差を1分14秒まで拡げることに成功。翌日の最終ステージはレース中盤に設定された1級山岳プエルト・デル・ソル(距離17.3km/平均4.9%)以外は難易度の高い山岳が登場しないため、ポガチャルは総合優勝をほぼ手中に収めたことに。そして何よりもUAEによる5戦全勝に注目が集まる。
平坦基調の前日を経て、ルダ・デル・ソルことブエルタ・ア・アンダルシア(UCI2.Pro)はイエロージャージ争いが本格化する後半戦がスタート。第4ステージはオリベラを出発直後に3級山岳を越え、終盤に2級や3級山岳、カテゴリーの付いていない登りが連続する164.8kmだ。
長い登りは登場しないものの総獲得標高差が3,000mを超えるレースは、大会2日目同様にマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)のファーストアタックにより幕が上がる。これをきっかけにアタックと吸収が繰り返され、一時は前日勝者のティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツ)や総合13位ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス)ら18名が先頭に立った。
しかし残り100km地点で逃げは捕まりレースは再び振り出しへ。そしてカウンターアタックで飛び出したルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、モビスター)やエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、トタルエネルジー)を含む9名による逃げグループが、スタートから80kmを過ぎてようやく成立した。
メイン集団の牽引を担ったのは、タデイ・ポガチャル(スロベニア)とウェレンスによりここまで3戦全勝のUAEチームエミレーツ。この日最初の下りで落車したラファウ・マイカ(ポーランド)もその影響はなく、逃げに2分52分遅れのパヴェル・シヴァコフ(フランス、イネオス・グレナディアーズ)が入ったこともあり、UAEは最大3分半以上のリードを許さないタイトなコントロールを披露した。
距離が短くも勾配厳しい山岳を越える度にプロトンの人数は減り、2級山岳エル・ジャラミッロ(距離4.8km/平均7.2%)を過ぎた頃には約13名に。そして逃げから唯一残るシヴァコフを30秒差まで追い詰めた最終山岳フエンテス・デ・セスナ(距離4.3km/平均4.7%)で、ヘイグのアタックにポガチャルが追従。この動き自体は決まらなかったものの、これをきっかけにポガチャルの攻撃スイッチが入った。
ヘイグが再度シッティングでペースを上げるなか、一度集団の最後尾まで下がったポガチャルが一気にライバルたちをごぼう抜き。そのままハイスピードでシヴァコフを捉えたポガチャルには唯一エンリク・マス(スペイン、モビスター)が食らいつき、2人はローテーションを回しながら約10kmに及ぶダウンヒルを駆け下りた。
マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)が得意の下りでブリッジをかけ、ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)とロレンツォ・ロータ(イタリア、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)、アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・デスティニー)が先頭に合流。しかしフィニッシュラインまで続くイスナハル市街地の急坂でマスがアタックすると、ポガチャル以外の後続を引き離した。
しかしマスの後方で飛び出すタイミングを窺っていたポガチャルが残り200mで先頭へ。がっくりと肩を落とすマスの前方で、ライバルたちの猛攻を楽しむかのような走りを見せたポガチャルが区間3勝目を手に入れた。
今大会UAEとして4戦全勝をもたらしたポガチャルは「皆がスタート直後からアタックする激しいレースとなった。僕たちはそれをコントロールする素晴らしい走りを見せたよ。彼らの走りに報いるためにも、今日の勝利は本当に嬉しい。チームはいまのところ完璧に機能しているものの、皆が僕らに対し猛攻を仕掛けるのでさすがに疲れてきたよ」とコメント。また、ポガチャル自身にとってこれがプロ通算50勝目となった。
この結果、ポガチャルは2位ランダとの差を1分14秒まで拡げることに成功。翌日の最終ステージはレース中盤に設定された1級山岳プエルト・デル・ソル(距離17.3km/平均4.9%)以外は難易度の高い山岳が登場しないため、ポガチャルは総合優勝をほぼ手中に収めたことに。そして何よりもUAEによる5戦全勝に注目が集まる。
ブエルタ・ア・アンダルシア2023第4ステージ結果
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 4:01:11 |
2位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +0:03 |
3位 | ロレンツォ・ロータ(イタリア、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) | +0:09 |
4位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:12 |
5位 | サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:21 |
6位 | ニック・シュルツ(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック) | |
7位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
8位 | アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・デスティニー) | +0:24 |
9位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:33 |
10位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) |
個人総合成績
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 16:36:58 |
2位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +1:14 |
3位 | サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +1:19 |
4位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | +1:35 |
5位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +1:54 |
6位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +2:43 |
7位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +3:05 |
8位 | ロレンツォ・ロータ(イタリア、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) | +3:23 |
9位 | アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・デスティニー) | +3:45 |
10位 | パヴェル・シヴァコフ(フランス、イネオス・グレナディアーズ) | +3:53 |
その他の特別賞
ポイント賞 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) |
山岳賞 | ゴツォン・マルティン(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) |
チーム総合成績 | イネオス・グレナディアーズ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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