今年ツール奪還を目指すタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が2月13日、今季の開幕戦としてクラシカ・ハエン・パライソ・インテリオルに出場。未舗装区間を含む36kmを独走し、勝利を挙げた。



2023年初レースに臨んだタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos

タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が今シーズン初勝利を飾ったのは、スペイン・アンダルシア州ハエン県を舞台とする「クラシカ・ハエン・パライソ・インテリオル(UCI1.1)」。初開催となった昨年に続き、今年第2回目を迎えた本大会は178.9kmのうち42km(計8ヶ所)に未舗装路が設定された、ストラーデビアンケと似通ったレースとなっている。

ポガチャルの他にUAEチームエミレーツから新加入のティム・ウェレンス(ベルギー)とマルク・ヒルシ(スイス)が入った8名の先鋭集団から、ポガチャルが残り42km地点の未舗装路&勾配区間でアタック。これにベン・ターナー(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)などが千切られ、逃げ集団から唯一粘るセルヒオ・サミティエル(スペイン、モビスター)に合流した。

8つの未舗装路区間が登場するクラシカ・ハエン・パライソ・インテリオル photo:CorVos

独走体勢のまま最後の未舗装路区間に突入するタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
残り8kmでパンクしたものの、素早いリカバリーで事なきを得たタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos


2人となったレース先頭ではサミティエルが殆ど先頭交代することなくポガチャルが36kmで再び加速。順調に追走集団からリードを奪ったポガチャルは残り8km地点でパンクに見舞われたものの、この時点で1分40秒差をつけていたので影響はなかった。

そして抑え役のティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツ)を引き連れたターナーの追走も届かず、昨年のストラーデビアンケを再現するかのような独走で、ポガチャルが今季初勝利を収めた。

今シーズン初レースで早速の勝利を掴んだタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos

「完璧なチームワークによって掴んだ勝利。あの地点でのアタックは計画通り。最高の作戦によってフィニッシュまで独走することができ、これから本格的に始まるシーズンに向けて弾みがついた」と喜んだポガチャル。ストラーデビアンケとの共通点を聞かれると「同じ未舗装路だが実際は全然似ていない。同じ独走で勝利したが、全く別のレースだ」と、今年で第2回を迎えたクラシカ・ハエン・パライソ・インテリオルへのリスペクトを語った。

今シーズンは例年開幕戦として臨み、総合3連覇のかかったUAEツアー(WT)の出場を回避したポガチャル。このあとはブエルタ・ア・アンダルシア(2月15〜19日)への出場を予定している。
クラシカ・ハエン・パライソ・インテリオル2023
1位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) 4:36:41
2位 ベン・ターナー(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) +0:49
3位 ティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツ)
4位 マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ) +1:17
5位 アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・デスティニー)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos