1月15日、2017年に現役を引退したリエーベ・ヴェストラ(オランダ)の死去が伝えられた。ヴェストラは2014年ツール・ド・フランスでヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア)の総合優勝などに貢献した。享年40歳。



2014年ツール・ド・フランスでのリエーベ・ヴェストラ photo:Makoto.AYANO

リエーベ・ヴェストラ(オランダ)の死去が伝えられたのは1月15日。ヴェストラの自伝『ビースト(獣)』を執筆したトーマス・シツナ氏が「土曜の午後、リエーベ・ヴェストラが亡くなった。元自転車選手である彼はここ数年自分自身と戦っており、敗れた。安らかに眠れ」とSNSに投稿した。

このニュースを受け、ヴェストラが3年に渡り所属したアスタナ・カザフスタンも「彼の早すぎる死に我々もショックを受けています。ご遺族と彼を愛する方々に哀悼の意を表します」とコメントを発表している。

オランダ北部ムンアイン出身のヴェストラは、ヴァカンソレイユで2009年(当時26歳)にプロデビュー。その後はパリ〜ニースやクリテリウム・デュ・ドーフィネで区間優勝を挙げ、当時はステージレースだったブルッヘ〜デパンネで総合優勝するなど活躍した。またオランダ国内TT選手権で2連覇(2012、13年)したヴェストラのハイライトは、アスタナに移籍した2014年のツール・ド・フランス。自身4度目のツールでヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア)の総合優勝に、アシストとして山岳と平地の両方で貢献した。

2014年ボルタ・ア・カタルーニャ第7ステージで勝利したリエーベ・ヴェストラ(オランダ) photo:Tim de Waele

ヴァカンソレイユ時代のリエーベ・ヴェストラ(オランダ) photo:Kei Tsuji

プロ生活で通算13勝を積み上げ、2017年1月に34歳で現役を引退したヴェストラ。翌2018年には自身のニックネームである『ビースト(獣)』という自伝を出版し、サイクリング・ホテルの経営などにも携わっていた。

ヴェストラの死因などは明らかになっていないものの、ヴァカンソレイユ時代のチームメイトで元選手のジョニー・ホーヘルラント(オランダ)は「君の死に我々はこの上ない悲しみと、君を助けてあげることができなかったことへの後悔を感じている。君がチームメイトだったとき、僕にしてくれたことを一生忘れない。安らかに」と自身のSNSに綴っている。

40歳の早すぎる逝去を悼み、心からお悔やみ申し上げます。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos