2023/01/04(水) - 09:39
ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)がホームレース、X2Oバドカマートロフェー第4戦で不運のパンク。マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が思わぬ形でライバルの連勝記録を止めることとなった。
ベルギーを転戦する三大シクロクロスシリーズ戦の一つ、X2Oバドカマートロフェー。第4戦の舞台はワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)の出身地であるへーレンタルスだ。
女子エリート:ピーテルスが余裕の圧勝
フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)とシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が不在のこの日、誰も三強の1人パック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)を止めることはできなかった。
ピーテルスはスタート直後から先頭に立ち、実に51分間のレースで一度も先頭を譲ることはなかった。ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)とセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が2番手パックを組み、ランキングリーダーのデニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)は手痛いパンクで長いランニングを強いられてしまう。累計ポイントではなく、レースタイムの合計時間で争われるランキング争いで、最終的にこの日4分以上遅れたベッツェマはリーダーの座もこの日2位で終えるブラントに奪われてしまった。
独走を続けたピーテルスが今季7勝目を収め、「リーダー獲得は素晴らしいボーナス」と言うブラントが2位、3位にはアンマリー・ワースト(オランダ、777)が入った。
男子エリート:一騎討ちはメカトラで決着 ファンデルプールが4戦ぶりの勝利
ファンアールト、ファンデルプール、そしてピドコックの"ビッグスリー"が再戦するはずだったものの、世界王者ピドコックは1月1日のGPスヴェンネイスでの怪我によって未出走。絶好調かつホームレースのファンアールトに対し、ファンデルプールが一矢報いるかどうかに注目が集まった。
序盤はイェンス・アダムス(ベルギー)が飛ばしに飛ばし、ここに2人が連なって3名の先頭パックが形成される。中盤に入ってファンアールトが得意の担ぎ上げ区間で一気にペースを上げてアダムスが遅れたが、もちろんファンデルプールはその背中にガッチリと食いついて離れなかった。
この日ファンデルプールはファンアールトにペーシングを任せて息を潜め、後半戦に入るにつれてペースアップが行われる。途中お互いにアタックを仕掛けあう場面があったものの、決定的な差はつかずに最終周回へと突入。静かな牽制を経てアタックしたファンデルプールにファンアールトが被せ、カウンターで踏み込んだもののリードは生まれない。続けざまにファンデルプールが攻撃すると、その瞬間にファンアールトは後輪パンクに見舞われ失速してしまう。ファンデルプールは静かに手を上げてフィニッシュラインを通過し、トーンダウンした勝負を締め括った。
「今日も僕たちは互角だったからファンにとっては楽しかったと思う。でもワウトのパンク無しに彼を倒したかった。最後のテクニカル区間の前に先頭に出るつもりだったけれど、その時すでに彼はパンクしていたんだ。彼がチャンスを失ったのは残念」とファンデルプールは言う。
一方ファンアールトは「最後のピット直前でパンクしていることに気づいた。ピットに入らずそのまま勝負を続けようとしたけれど、そんな状態で勝てるわけはなかった。観客にとってはずっと僕ら2人が一緒だから退屈かもしれないけれど(笑)、先週よりも彼を突き放そうと踏み続けていたんだ。ここ最近は彼からのプレッシャーにも耐えられているけれど、彼レベルの選手を抑えて走るのは簡単じゃない」と話している。2人の再戦は木曜日にコクサイデで開催されるX2Oトロフェー第5戦となる。
なおこのレースには梶鉄輝(JPF)とアレクサンダー・ジェームズ(オーストラリア、SNEL CYCLOCROSS TEAM)が出場。結果はそれぞれ37位と32位だった。
ベルギーを転戦する三大シクロクロスシリーズ戦の一つ、X2Oバドカマートロフェー。第4戦の舞台はワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)の出身地であるへーレンタルスだ。
女子エリート:ピーテルスが余裕の圧勝
フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)とシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が不在のこの日、誰も三強の1人パック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)を止めることはできなかった。
ピーテルスはスタート直後から先頭に立ち、実に51分間のレースで一度も先頭を譲ることはなかった。ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)とセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が2番手パックを組み、ランキングリーダーのデニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)は手痛いパンクで長いランニングを強いられてしまう。累計ポイントではなく、レースタイムの合計時間で争われるランキング争いで、最終的にこの日4分以上遅れたベッツェマはリーダーの座もこの日2位で終えるブラントに奪われてしまった。
独走を続けたピーテルスが今季7勝目を収め、「リーダー獲得は素晴らしいボーナス」と言うブラントが2位、3位にはアンマリー・ワースト(オランダ、777)が入った。
男子エリート:一騎討ちはメカトラで決着 ファンデルプールが4戦ぶりの勝利
ファンアールト、ファンデルプール、そしてピドコックの"ビッグスリー"が再戦するはずだったものの、世界王者ピドコックは1月1日のGPスヴェンネイスでの怪我によって未出走。絶好調かつホームレースのファンアールトに対し、ファンデルプールが一矢報いるかどうかに注目が集まった。
序盤はイェンス・アダムス(ベルギー)が飛ばしに飛ばし、ここに2人が連なって3名の先頭パックが形成される。中盤に入ってファンアールトが得意の担ぎ上げ区間で一気にペースを上げてアダムスが遅れたが、もちろんファンデルプールはその背中にガッチリと食いついて離れなかった。
この日ファンデルプールはファンアールトにペーシングを任せて息を潜め、後半戦に入るにつれてペースアップが行われる。途中お互いにアタックを仕掛けあう場面があったものの、決定的な差はつかずに最終周回へと突入。静かな牽制を経てアタックしたファンデルプールにファンアールトが被せ、カウンターで踏み込んだもののリードは生まれない。続けざまにファンデルプールが攻撃すると、その瞬間にファンアールトは後輪パンクに見舞われ失速してしまう。ファンデルプールは静かに手を上げてフィニッシュラインを通過し、トーンダウンした勝負を締め括った。
「今日も僕たちは互角だったからファンにとっては楽しかったと思う。でもワウトのパンク無しに彼を倒したかった。最後のテクニカル区間の前に先頭に出るつもりだったけれど、その時すでに彼はパンクしていたんだ。彼がチャンスを失ったのは残念」とファンデルプールは言う。
一方ファンアールトは「最後のピット直前でパンクしていることに気づいた。ピットに入らずそのまま勝負を続けようとしたけれど、そんな状態で勝てるわけはなかった。観客にとってはずっと僕ら2人が一緒だから退屈かもしれないけれど(笑)、先週よりも彼を突き放そうと踏み続けていたんだ。ここ最近は彼からのプレッシャーにも耐えられているけれど、彼レベルの選手を抑えて走るのは簡単じゃない」と話している。2人の再戦は木曜日にコクサイデで開催されるX2Oトロフェー第5戦となる。
なおこのレースには梶鉄輝(JPF)とアレクサンダー・ジェームズ(オーストラリア、SNEL CYCLOCROSS TEAM)が出場。結果はそれぞれ37位と32位だった。
X2Oバドカマートロフェー2022-2023第4戦男子エリート結果
1位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | 59:45 |
2位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) | +0:21 |
3位 | エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:31 |
4位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:32 |
5位 | キャメロン・メイソン(イギリス、トリニティレーシング) | +0:49 |
6位 | ピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +1:16 |
7位 | イェンス・アダムス(ベルギー) | +1:22 |
8位 | クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +1:38 |
9位 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +2:24 |
10位 | ダーン・ソエテ(ベルギー、デスハフト・グループヘンス・マースコンテナーズ) | +2:39 |
X2Oバドカマートロフェー2022-2023第4戦女子エリート結果
1位 | パック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | 51:31 |
2位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:27 |
3位 | アンマリー・ワースト(オランダ、777) | +1:13 |
4位 | セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | +1:17 |
5位 | サンヌ・カント(ベルギー、クレラン・フリスタッズ) | +2:07 |
6位 | アニック・ファンアルフェン(オランダ、777) | +3:11 |
7位 | カータ・ヴァス(ハンガリー、SDワークス) | +3:38 |
8位 | マーガリー・ロシェット(カナダ、スペシャライズド・フィードバックスポーツ) | +3:54 |
9位 | レオニー・ベントフェルド(オランダ) | +3:58 |
10位 | デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +4:23 |
text:So Isobe
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