2023/01/08(日) - 13:59
シマノが展開するパーツブランド、PROからリリースされたショートノーズサドル"STEALTH チームサドル"。骨盤を安定させ効率的なペダリングができるフラッグシップサドルをインプレッションする。
シマノが展開するPROは、ハンドルやステム、サドルなど、バイクを構成する多くのパーツを手がける総合パーツブランドだ。さらに、UCIワールドチームのボーラ・ハンスグローエとクイックステップ・アルファヴィニル、チームDSMなどが使用しているレーシングブランドとしても高い知名度を誇っている。
PROのサドルラインアップには、トラディショナルな形状のTurnixやGriffo、Falconなどが展開される中、現在主流となりつつあるショートノーズサドルの"STEALTH"シリーズもしっかりと用意されている。
STEALTHの特徴はノーズ部分をワイドに設計することで、ライダーの骨盤位置を安定させ効率の良いペダリングを実現する点。カーボン強化ポリマーをベース素材とし剛性を高めることで、ライダーをしっかりと支えてくれるサドルに仕上げられている。
一方でサドルトップは快適性を高める設計が施されている。例えば、前乗りポジションかつ深い前傾姿勢の時にも圧迫によるストレスで痺れが発生しにくくするために、サドル中央部に大きなホールとノーズに配置された窪みを設けた。さらにクッション性に優れたPUパッドにより、シッティング時の快適性も向上している。
STEALTHのサドルベースの裏側にはPROのサドルアクセサリーが取り付けられる台座を搭載しているのが特徴。GoProなどのアクションカメラやフェンダー、ナンバーホルダーなどをスマートに装着できるため、レースやサイクリングの動画を撮りたいサイクリストに応えた仕様にもなっている。
ショートノーズサドル"STEALTH"シリーズは、大きく分けてスタンダードなSTEALTHとSTEALTHカーブの2種類、それぞれに軽量なチームモデルとパフォーマンスモデルの4モデルがラインアップされている。
スタンダードなSTEALTHとSTEALTHカーブはサドルの後部形状が異なる。STEALTHはフラットに近い形状であるのに対し、STEALTHカーブは丸みを帯びた後部形状になっているため、脚が動きやすくペダリングしやすい。さらに、リアエンド部を高く設計することで、エアロポジションを維持しやすくなっている。
パフォーマンスモデルはステンレスレールを採用し、チームモデルはカーボンレールを採用している。重量はSTEALTHとSTEALTHカーブ共に、161g(チーム)と204g(パフォーマンス)となっている。幅は142mm。価格はSTEALTHチームが31,900円(税込)、STEALTHパフォーマンスが20,900円(税込)。今回はSTEALTHチームサドルをシクロワイアード編集部員がインプレッションする。
―編集部インプレッション
インプレッションを担当するのはCW編集部員の高木。これまで様々なショートノーズサドルに乗ってきたが、その多くは着座位置のスイートスポットが狭く感じてしまったので、今現在は着座位置を前後させやすいスタンダードな形状のサドル、スペシャライド S-WORKS ROMIN EVOを使用中だ。
しかし、STEALTHのノーズは非常に幅が広く、前乗りにも対応できそうな見た目で、乗る前から期待は膨らんでいった。カラーもオールブラックで引き締められていて、どのようなカラーリングのバイクにも馴染みやすそうで、レース機材として選びやすいのも好印象。
実際に座ってみても見た目から受けるワイドな印象の通り、広い座面で安定感のある座り心地。座骨幅が少々広めな私にとっても142mm幅でちょうど良い。
走り出して様々なポジションを試してみてもSTEALTHは対応してくれる。ショートノーズサドルの多くで感じていたスイートスポットの狭さはなく、シチュエーションに応じて着座位置を前後に動かすことが可能だ。例えば、平地で巡航するときはサドル先端と真ん中に座ることで、ケイデンスをキープしやすくリズムを取りながら踏めるし、ヒルクライムではサドルの後方に座り座骨を安定させつつ、淡々と踏み続けるようなペダリングができるだろう。
特にサドル先端部は見た目通りの印象で、深い前傾姿勢のエアロポジションでもスタンダードなサドルの真ん中に座っているような安定感を感じる。また、サドル中央部に大きく空けられたホールと前後に配置されている窪みによってデリケートゾーンの圧迫が軽減され、痺れることがなく痛みもなかった。
軽量なこともSTEALTHチームの魅力だ。サドルの重さはダンシングでバイクを振り子のように左右へと振った時に顕著に感じるものだが、このサドルは自転車の最も高いところに重量感はなく、軽快にダンシングを続けられた。また、ロングノーズのサドルでダンシングする時はレーサーパンツがサドル先端に引っ掛かるなど、不快に感じる瞬間もあるがショートノーズサドルではその不快感が一切ないため、ライドを快適に、集中して楽しめるのも魅力。
深い前傾姿勢のエアロフォームが重要視される平均時速の速いロードレース、クリテリウム、タイムトライアル、トラック競技などで使用するのをお勧めしたい。また、ケイデンスをキープしやすく、ダンシングやシッティングを繰り返すヒルクライムでも使用するメリットがあるように感じた。長時間のライドでデリケートゾーンの痺れや痛みを感じている方にも試してもらいたいサドルだった。
PRO STEALTH
レール:カーボン(チーム)、ステンレス(パフォーマンス)
サドル幅:142mm
重量:161g(チーム)、204g(パフォーマンス)
価格:31,900円(税込、チーム)、20,900円(税込、パフォーマンス)
text:Michinari Takagi
シマノが展開するPROは、ハンドルやステム、サドルなど、バイクを構成する多くのパーツを手がける総合パーツブランドだ。さらに、UCIワールドチームのボーラ・ハンスグローエとクイックステップ・アルファヴィニル、チームDSMなどが使用しているレーシングブランドとしても高い知名度を誇っている。
PROのサドルラインアップには、トラディショナルな形状のTurnixやGriffo、Falconなどが展開される中、現在主流となりつつあるショートノーズサドルの"STEALTH"シリーズもしっかりと用意されている。
STEALTHの特徴はノーズ部分をワイドに設計することで、ライダーの骨盤位置を安定させ効率の良いペダリングを実現する点。カーボン強化ポリマーをベース素材とし剛性を高めることで、ライダーをしっかりと支えてくれるサドルに仕上げられている。
一方でサドルトップは快適性を高める設計が施されている。例えば、前乗りポジションかつ深い前傾姿勢の時にも圧迫によるストレスで痺れが発生しにくくするために、サドル中央部に大きなホールとノーズに配置された窪みを設けた。さらにクッション性に優れたPUパッドにより、シッティング時の快適性も向上している。
STEALTHのサドルベースの裏側にはPROのサドルアクセサリーが取り付けられる台座を搭載しているのが特徴。GoProなどのアクションカメラやフェンダー、ナンバーホルダーなどをスマートに装着できるため、レースやサイクリングの動画を撮りたいサイクリストに応えた仕様にもなっている。
ショートノーズサドル"STEALTH"シリーズは、大きく分けてスタンダードなSTEALTHとSTEALTHカーブの2種類、それぞれに軽量なチームモデルとパフォーマンスモデルの4モデルがラインアップされている。
スタンダードなSTEALTHとSTEALTHカーブはサドルの後部形状が異なる。STEALTHはフラットに近い形状であるのに対し、STEALTHカーブは丸みを帯びた後部形状になっているため、脚が動きやすくペダリングしやすい。さらに、リアエンド部を高く設計することで、エアロポジションを維持しやすくなっている。
パフォーマンスモデルはステンレスレールを採用し、チームモデルはカーボンレールを採用している。重量はSTEALTHとSTEALTHカーブ共に、161g(チーム)と204g(パフォーマンス)となっている。幅は142mm。価格はSTEALTHチームが31,900円(税込)、STEALTHパフォーマンスが20,900円(税込)。今回はSTEALTHチームサドルをシクロワイアード編集部員がインプレッションする。
―編集部インプレッション
インプレッションを担当するのはCW編集部員の高木。これまで様々なショートノーズサドルに乗ってきたが、その多くは着座位置のスイートスポットが狭く感じてしまったので、今現在は着座位置を前後させやすいスタンダードな形状のサドル、スペシャライド S-WORKS ROMIN EVOを使用中だ。
しかし、STEALTHのノーズは非常に幅が広く、前乗りにも対応できそうな見た目で、乗る前から期待は膨らんでいった。カラーもオールブラックで引き締められていて、どのようなカラーリングのバイクにも馴染みやすそうで、レース機材として選びやすいのも好印象。
実際に座ってみても見た目から受けるワイドな印象の通り、広い座面で安定感のある座り心地。座骨幅が少々広めな私にとっても142mm幅でちょうど良い。
走り出して様々なポジションを試してみてもSTEALTHは対応してくれる。ショートノーズサドルの多くで感じていたスイートスポットの狭さはなく、シチュエーションに応じて着座位置を前後に動かすことが可能だ。例えば、平地で巡航するときはサドル先端と真ん中に座ることで、ケイデンスをキープしやすくリズムを取りながら踏めるし、ヒルクライムではサドルの後方に座り座骨を安定させつつ、淡々と踏み続けるようなペダリングができるだろう。
特にサドル先端部は見た目通りの印象で、深い前傾姿勢のエアロポジションでもスタンダードなサドルの真ん中に座っているような安定感を感じる。また、サドル中央部に大きく空けられたホールと前後に配置されている窪みによってデリケートゾーンの圧迫が軽減され、痺れることがなく痛みもなかった。
軽量なこともSTEALTHチームの魅力だ。サドルの重さはダンシングでバイクを振り子のように左右へと振った時に顕著に感じるものだが、このサドルは自転車の最も高いところに重量感はなく、軽快にダンシングを続けられた。また、ロングノーズのサドルでダンシングする時はレーサーパンツがサドル先端に引っ掛かるなど、不快に感じる瞬間もあるがショートノーズサドルではその不快感が一切ないため、ライドを快適に、集中して楽しめるのも魅力。
深い前傾姿勢のエアロフォームが重要視される平均時速の速いロードレース、クリテリウム、タイムトライアル、トラック競技などで使用するのをお勧めしたい。また、ケイデンスをキープしやすく、ダンシングやシッティングを繰り返すヒルクライムでも使用するメリットがあるように感じた。長時間のライドでデリケートゾーンの痺れや痛みを感じている方にも試してもらいたいサドルだった。
PRO STEALTH
レール:カーボン(チーム)、ステンレス(パフォーマンス)
サドル幅:142mm
重量:161g(チーム)、204g(パフォーマンス)
価格:31,900円(税込、チーム)、20,900円(税込、パフォーマンス)
text:Michinari Takagi
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