中野慎詞が男子ケイリン3位と健闘　グロが女子スプリント勝利で総合首位浮上

フランスに舞台を移した2022年UCIトラック・チャンピオンズリーグ第3ラウンド。中野慎詞が3位に入った男子ケイリンでは、絶対王者ハリー・ラブレイセン（オランダ）を破りマシュー・リチャードソン（オーストラリア）が優勝した。

---

僅差で男子スプリント種目のリーダージャージを着るハリー・ラブレイセン（オランダ） photo:UCI
先日、UEFA（欧州サッカー連盟）から正式に「チャンピオンズリーグ」という名称を使用する承認を得たUCIトラック・チャンピオンズリーグ。全5ラウンドで行われる2022年大会も折返しの第3ラウンドを迎え、フランスのサンカンタン・アン・イヴリーヌで開催された。

第1、2ラウンドと同じくマシュー・リチャードソン（オーストラリア）対ハリー・ラブレイセン（オランダ）の決勝戦となった男子スプリント。第3ラウンドではここまで2連敗を喫しているラブレイセンがリチャードソンを破り、ようやくと言える大会初勝利を挙げた。

中野慎詞が決勝に進んだ男子ケイリンで注目されたのは、ここでもラブレイセンとリチャードソンの戦い。レース後半から集団先頭で強豪選手の動きをチェックした中野だったが、残り半周でラブレイセンとリチャードソンが前に出る。そしてその一騎打ちを制したのはリチャードソンだった。中野はトラックCLの男子スプリント種目で日本人選手最高位となる3位に入り、見事表彰台を射止めた。

男子スプリント：3連敗を阻止したハリー・ラブレイセン（オランダ） photo:UCI
男子ケイリン：マシュー・リチャードソン（オーストラリア）がCL初優勝し、中野慎詞が3位入賞 photo:UCI
女子ケイリン：第2ラウンドに続き勝利を挙げたマチルド・グロ（フランス） photo:UCI
女子スプリントではスプリント種目のリーダージャージを着るマルタ・バヨナ（コロンビア）を破り、地元フランスの大歓声を受けたマチルド・グロ（フランス）が第2ラウンドに続く勝利。グロはステフィー・ファンデルピート（オランダ）が優勝した女子ケイリンで2位に入ったため、バヨナからリーダージャージを奪い取ることに成功している。

ラウンド毎にリーダージャージの着用者が変わる”僅差の争い”が繰り広げられている男子エンデュランス。男子スクラッチでは、かつてマトリックスパワータグに所属し昨年までモビスターにいた（現在はスペインのコンチネンタルチームに所属）セバスチャン・モラ（スペイン）が勝利。エリミネーションでは第2ラウンドの男子スクラッチを制したオリバー・ウッド（イギリス）が優勝し、リーダージャージはクラウディオ・イムホフ（スイス）の手に渡っている。

男子スクラッチ：勝利したセバスチャン・モラ（スペイン） photo:UCI
女子エリミネーション：スクラッチでは敗れながらも得意のエリミネーションでは勝利したケイティ・アーチボルド（イギリス） photo:UCI
残り11周で飛び出した弱冠20歳のソフィー・ルイス（イギリス）が逃げ切り勝利を決めた女子スクラッチ。2位にケイティ・アーチボルドが入り、イギリスがワンツーフィニッシュを決めた。

女子エリミネーションでは第2ラウンド同様、アーチボルドと女子エンデュランスのリーダージャージを着るジェニファー・ヴァレンテ（アメリカ）の一騎打ちに持ち込まれる。先手を打ったヴァレンテだったが、最終コーナーを前に出たアーチボルドが力の差を見せつけて優勝。この結果ヴァレンテが総合首位キープに成功したものの、僅か1ポイント差でアーチボルドが迫っている。

第4ラウンド（12月2日）、第5ラウンド（12月3日）はイギリス・ロンドンを舞台に行われる。