2022/10/09(日) - 15:57
「この美しいレースで再び勝つことができて最高の気分」と大会2連覇を達成したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)は言う。2位のマスや現役最終レースとなったバルベルデとニバリなど、イル・ロンバルディアを走り終えた選手たちの言葉を紹介します。
優勝 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)
レース直後インタビュー
この場に戻ってきて再び勝利できたなんて信じられない。今日のレースで見せたチームワークがどれほど素晴らしいかは言葉で表し尽くせないほどだ。シーズン最後のイル・ロンバルディアで掴んだ勝利。素晴らしい以外に言葉はない。
レース展開は僕たちが描いていたシナリオ通りに進んだ。チヴィリオでアタックしようと考えていたのだが、マスの登坂力は僕と同じレベルにあった。だからこそ最終盤まで協力し、最後は完璧に(スプリントが)決まったね。
(マスに敗れた)ジロ・デッレミリアではオーストラリアから帰国した直後で調子が万全でなかった。しかしそれ以降はコンディションが徐々に上がっていき、トレ・ヴァッリで既に最高潮に達していた。だからこそ今日は良い脚の状態で臨むことができると思っていたんだ。
ー今年のシーズンを一言で表すと?
完璧まであと一歩、というシーズンだったね。
表彰式後インタビュー
勝利の喜びは昨年と変わらない。とても美しいレースを勝つことができて最高の気分だ。素晴らしいチームワークを披露して掴んだ勝利だからね。こんな形でシーズンを終えることができるなんて信じられないよ。
ほぼ完璧な形でレースは展開した。僕一人でチヴィリオの頂上を通過することができれば最高だったものの、マスはとても強く、振り落とすことはできなかった。だが自分の調子の良さも分かっており、また自分のスプリントにも自信を持っていた。長い距離と獲得標高差を経た後のスプリントは辛かったが、ベストを尽くして良いスプリントができたよ。
今年は2月から素晴らしいシーズンを送ることができた。ほぼすべてが思い描いた通りに進んだ1年となったのでスーパーハッピーだよ。
2位 エンリク・マス(スペイン、モビスター)
アレハンドロ(バルベルデ)の最後のレースで勝利を掴めず残念だ。だが同時に、シーズン最後のモニュメントで表彰台に上がることができた嬉しさもある。これは僕にとっても、またチームにとっても良い結果。アレハンドロは僕の競技人生には欠かせない存在で、あらゆる面で助けてくれた。彼には感謝しかなく、正直彼の引退がとても悲しいよ。
(ポガチャルを相手に)ベストを尽くしたが彼は登りでも強く、スプリントで挑んだが敗れてしまった。残り800mで無線から彼(ランダ)との差は6秒と伝えられた。だから先頭に出るのを止めて勝利を目指したのだが、届かなかった。
3位 ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)
僕の大好きなレースで表彰台に上がることができ、スーパーハッピーだよ。これまでこのレースに最高の状態で臨むことはできなかった。だが今日はとても良いコンディションと集中力で走ることができた。何よりレースを楽しむことができた。
彼ら(ポガチャルとマス)が牽制状態にあったとき、驚かせるアタックをして勝利を掴めると一瞬思ったんだ。しかし登りでの僕は彼らよりも劣っており、アタックすることができなかった。彼ら2人は強さを見せた。とても厳しいレースでペースも早く、調子を掴むことが難しかった。だがコンディションは完璧で、自分のペースで走ることができた。シーズン最後で表彰台に上がることは大切な結果だ。
6位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
未来について心躍ると同時に、この素晴らしいレベルで現役を去ることに悲しさも感じている。また、今日のレースでチームが見せた働きや、僕自身が十分に戦うことができた事実に幸福感もある。エンリク・マスと僕が最後まで戦うことができた。21年間のプロ生活だ。素晴らしい瞬間の連続だった。それをいま、噛み締め喜びたい。
16位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)
レース序盤での調子は良く、脚に力を感じていたので自信もあった。だが最も大切な局面で遅れてしまった。とてもタフなレースだったよ。正直、あの場面で彼ら(ポガチャルとマス)についていけたとしても、最後までベストを尽くせたのかはわからない。
力が数%足りなかったようだ。力を尽くしてついていこうとしたのだが、脚が限界に達してしまった。5位を狙うべく保守的な走りもできたが、優勝を掴みに攻めた結果だ。今日は単純に勝利を争う力がなかったということ。それだけだ。
24位 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ・カザフスタン)
寂しくなるだろうが、もうここに戻ってくることはない。これで終わりだ。ベルガモからコモに向かう道のりを楽しみながら走ることができた。今日は特別な1日となり、沿道のファンを見て感情が高まったよ。
調子は良かったものの、100%でないとここでは勝てない。過去の大会で今日が最も速く、ハードなレースだった。そしてチヴィリオでの遅れが結果に影響してしまった。しかしあれ以上の走りはできなかったので後悔はない。
明日から僕は元選手となるが、自転車は常に人生の一部となり続ける。明日自転車に乗ることはしないが、元プロ選手として脚を回す日もあるはずだ。過去を振り返ることはせず、残りの人生を前を向いて生きていきたい。
text:Sotaro.Arakawa
優勝 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)
レース直後インタビュー
この場に戻ってきて再び勝利できたなんて信じられない。今日のレースで見せたチームワークがどれほど素晴らしいかは言葉で表し尽くせないほどだ。シーズン最後のイル・ロンバルディアで掴んだ勝利。素晴らしい以外に言葉はない。
レース展開は僕たちが描いていたシナリオ通りに進んだ。チヴィリオでアタックしようと考えていたのだが、マスの登坂力は僕と同じレベルにあった。だからこそ最終盤まで協力し、最後は完璧に(スプリントが)決まったね。
(マスに敗れた)ジロ・デッレミリアではオーストラリアから帰国した直後で調子が万全でなかった。しかしそれ以降はコンディションが徐々に上がっていき、トレ・ヴァッリで既に最高潮に達していた。だからこそ今日は良い脚の状態で臨むことができると思っていたんだ。
ー今年のシーズンを一言で表すと?
完璧まであと一歩、というシーズンだったね。
表彰式後インタビュー
勝利の喜びは昨年と変わらない。とても美しいレースを勝つことができて最高の気分だ。素晴らしいチームワークを披露して掴んだ勝利だからね。こんな形でシーズンを終えることができるなんて信じられないよ。
ほぼ完璧な形でレースは展開した。僕一人でチヴィリオの頂上を通過することができれば最高だったものの、マスはとても強く、振り落とすことはできなかった。だが自分の調子の良さも分かっており、また自分のスプリントにも自信を持っていた。長い距離と獲得標高差を経た後のスプリントは辛かったが、ベストを尽くして良いスプリントができたよ。
今年は2月から素晴らしいシーズンを送ることができた。ほぼすべてが思い描いた通りに進んだ1年となったのでスーパーハッピーだよ。
2位 エンリク・マス(スペイン、モビスター)
アレハンドロ(バルベルデ)の最後のレースで勝利を掴めず残念だ。だが同時に、シーズン最後のモニュメントで表彰台に上がることができた嬉しさもある。これは僕にとっても、またチームにとっても良い結果。アレハンドロは僕の競技人生には欠かせない存在で、あらゆる面で助けてくれた。彼には感謝しかなく、正直彼の引退がとても悲しいよ。
(ポガチャルを相手に)ベストを尽くしたが彼は登りでも強く、スプリントで挑んだが敗れてしまった。残り800mで無線から彼(ランダ)との差は6秒と伝えられた。だから先頭に出るのを止めて勝利を目指したのだが、届かなかった。
3位 ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)
僕の大好きなレースで表彰台に上がることができ、スーパーハッピーだよ。これまでこのレースに最高の状態で臨むことはできなかった。だが今日はとても良いコンディションと集中力で走ることができた。何よりレースを楽しむことができた。
彼ら(ポガチャルとマス)が牽制状態にあったとき、驚かせるアタックをして勝利を掴めると一瞬思ったんだ。しかし登りでの僕は彼らよりも劣っており、アタックすることができなかった。彼ら2人は強さを見せた。とても厳しいレースでペースも早く、調子を掴むことが難しかった。だがコンディションは完璧で、自分のペースで走ることができた。シーズン最後で表彰台に上がることは大切な結果だ。
6位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
未来について心躍ると同時に、この素晴らしいレベルで現役を去ることに悲しさも感じている。また、今日のレースでチームが見せた働きや、僕自身が十分に戦うことができた事実に幸福感もある。エンリク・マスと僕が最後まで戦うことができた。21年間のプロ生活だ。素晴らしい瞬間の連続だった。それをいま、噛み締め喜びたい。
16位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)
レース序盤での調子は良く、脚に力を感じていたので自信もあった。だが最も大切な局面で遅れてしまった。とてもタフなレースだったよ。正直、あの場面で彼ら(ポガチャルとマス)についていけたとしても、最後までベストを尽くせたのかはわからない。
力が数%足りなかったようだ。力を尽くしてついていこうとしたのだが、脚が限界に達してしまった。5位を狙うべく保守的な走りもできたが、優勝を掴みに攻めた結果だ。今日は単純に勝利を争う力がなかったということ。それだけだ。
24位 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ・カザフスタン)
寂しくなるだろうが、もうここに戻ってくることはない。これで終わりだ。ベルガモからコモに向かう道のりを楽しみながら走ることができた。今日は特別な1日となり、沿道のファンを見て感情が高まったよ。
調子は良かったものの、100%でないとここでは勝てない。過去の大会で今日が最も速く、ハードなレースだった。そしてチヴィリオでの遅れが結果に影響してしまった。しかしあれ以上の走りはできなかったので後悔はない。
明日から僕は元選手となるが、自転車は常に人生の一部となり続ける。明日自転車に乗ることはしないが、元プロ選手として脚を回す日もあるはずだ。過去を振り返ることはせず、残りの人生を前を向いて生きていきたい。
text:Sotaro.Arakawa
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