2022/10/06(木) - 19:27
ピナレロがフィリッポ・ガンナのアワーレコード挑戦のために、史上初となる3Dプリント・ハイパフォーマンスバイク「BOLIDE F HR 3D」を発表。特殊合金を使い、強度と剛性、さらにエアロダイナミクス、さらにミリ単位のサイジングを可能とした意欲作だ。
10月8日(土)の現地時間20時(日本時間10月9日午前4時)、スイスのグレンヘンにあるヴェロドロームでアワーレコードチャレンジに挑むフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)。所属チームのスタッフ(パフォーマンスエンジニア)であるダン・ビガム(イギリス)が持つ55.548kmの記録更新を目指すTTスペシャリストのために、ピナレロが世界初となる完全3Dプリント製のトラックバイクを披露した。
「史上初で最速の3Dプリント・ハイパフォーマンスバイク」と謳われたBOLIDE F HR 3D(ボリデ F HR 3D)は、既にトラックバイクとして数々の栄冠を勝ち取ったBOLIDE Fをベースに、強度と剛性をエアロダイナミクスと融合させ、さらにミリ単位の完璧なサイジングを可能にした意欲作だ。
ピナレロは2015年のブラドレー・ウィギンズのアワーレコード挑戦時に世界レベルで初めて金属3Dプリント製ハンドルバーをリリースし、その後もイネオス・グレナディアーズのエース級選手のために3Dプリントによるカスタムハンドルを用意。さらに近年はDOGMAの最新作であるDOGMA Fには一部3Dプリントパーツを採用するなど、マスプロダクトブランドとして最も積極的に金属3Dプリント化を推し進めてきた。
完全3Dプリントで形作られたBOLIDE F HR 3Dのフレーム&フォークに奢られるのは、3Dプリント用に特別に設計された航空宇宙材料である高強度なスカンジウム・アルミニウム・マグネシウムの合金である「Scalmalloy」。
イギリスのメトロン社協力のもと生まれたフレームは、フロントトライアングルが3ピース、シートステーとチェーンステーが2ピースの合計5ピース構成で、それらを航空宇宙産業用のエポキシ樹脂で接着する構造だ。フレーム、フォーク、シートポストはISO4210をパスして強度と安全性を担保。カーボン製と比較して複雑な形状を比較的短期間で、かつ安価に製造できるメリットを実戦レベルの機材として昇華させた。
プレスリリース内でファウスト・ピナレロ代表は「ミゲル・インデュラインの世界アワーレコード記録から、東京五輪でのチームパシュート金メダルまで、ピナレロは常にこのセグメントのゴールド スタンダードを設定してきました。ガンナ、そしてイネオス・グレナディアーズと密接に協力して、この革命的な製品を開発することはピナレロ社のDNAの一部。このような究極の研究の成果、それが生み出すイノベーションの精神、そしてテクノロジーは、ピナレロの全製品に浸透していくのです」と語っている。
形状面で目を引くのは、空力的に大きな影響を及ぼすシートチューブとシートポストに落とし込まれた凸凹形状だ。これはジップが先鞭をつけ、エアロホイール界では複数ブランドが採用するようになったザトウクジラの結節(ヒレの前部にある突起)に着想を得たもの。凸凹の間の谷に流線渦を発生させ、凸凹の後ろの流れが乱されないようにすることで、抵抗を最小化・低減できる効果があるという。
さらにUCIがこれまで設定していた「3:1ルール」の撤廃によって、前面投影面積を可能な限り小さくするよう設計。たとえばBBは70mmから54mmに、ホイールハブはリアで120mmから89mmに、フロントで100mmから69mmに絞られている。当然ハンドルバーもCFD解析を繰り返した末に生まれた新形状を、3Dプリントで現実化した意欲作。これら意欲的な工夫を多数盛り込むことで、通常のBOLIDE Fに対して大幅なエアロダイナミクス向上が図られている。
フィリッポ・ガンナのアワーレコード挑戦のために作られたBOLIDE F HR 3Dだが、一般販売も行われる見通し。ピナレロ・ジャパンによれば現時点での日本国内での販売価格、取扱いカラーなどは未定という。
ガンナのアワーレコードはイネオス・グレナディアーズの公式YouTubeチャンネルでも配信される予定だ。
リンク:https://www.youtube.com/c/INEOSGrenadiers/videos
10月8日(土)の現地時間20時(日本時間10月9日午前4時)、スイスのグレンヘンにあるヴェロドロームでアワーレコードチャレンジに挑むフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)。所属チームのスタッフ(パフォーマンスエンジニア)であるダン・ビガム(イギリス)が持つ55.548kmの記録更新を目指すTTスペシャリストのために、ピナレロが世界初となる完全3Dプリント製のトラックバイクを披露した。
「史上初で最速の3Dプリント・ハイパフォーマンスバイク」と謳われたBOLIDE F HR 3D(ボリデ F HR 3D)は、既にトラックバイクとして数々の栄冠を勝ち取ったBOLIDE Fをベースに、強度と剛性をエアロダイナミクスと融合させ、さらにミリ単位の完璧なサイジングを可能にした意欲作だ。
ピナレロは2015年のブラドレー・ウィギンズのアワーレコード挑戦時に世界レベルで初めて金属3Dプリント製ハンドルバーをリリースし、その後もイネオス・グレナディアーズのエース級選手のために3Dプリントによるカスタムハンドルを用意。さらに近年はDOGMAの最新作であるDOGMA Fには一部3Dプリントパーツを採用するなど、マスプロダクトブランドとして最も積極的に金属3Dプリント化を推し進めてきた。
完全3Dプリントで形作られたBOLIDE F HR 3Dのフレーム&フォークに奢られるのは、3Dプリント用に特別に設計された航空宇宙材料である高強度なスカンジウム・アルミニウム・マグネシウムの合金である「Scalmalloy」。
イギリスのメトロン社協力のもと生まれたフレームは、フロントトライアングルが3ピース、シートステーとチェーンステーが2ピースの合計5ピース構成で、それらを航空宇宙産業用のエポキシ樹脂で接着する構造だ。フレーム、フォーク、シートポストはISO4210をパスして強度と安全性を担保。カーボン製と比較して複雑な形状を比較的短期間で、かつ安価に製造できるメリットを実戦レベルの機材として昇華させた。
プレスリリース内でファウスト・ピナレロ代表は「ミゲル・インデュラインの世界アワーレコード記録から、東京五輪でのチームパシュート金メダルまで、ピナレロは常にこのセグメントのゴールド スタンダードを設定してきました。ガンナ、そしてイネオス・グレナディアーズと密接に協力して、この革命的な製品を開発することはピナレロ社のDNAの一部。このような究極の研究の成果、それが生み出すイノベーションの精神、そしてテクノロジーは、ピナレロの全製品に浸透していくのです」と語っている。
形状面で目を引くのは、空力的に大きな影響を及ぼすシートチューブとシートポストに落とし込まれた凸凹形状だ。これはジップが先鞭をつけ、エアロホイール界では複数ブランドが採用するようになったザトウクジラの結節(ヒレの前部にある突起)に着想を得たもの。凸凹の間の谷に流線渦を発生させ、凸凹の後ろの流れが乱されないようにすることで、抵抗を最小化・低減できる効果があるという。
さらにUCIがこれまで設定していた「3:1ルール」の撤廃によって、前面投影面積を可能な限り小さくするよう設計。たとえばBBは70mmから54mmに、ホイールハブはリアで120mmから89mmに、フロントで100mmから69mmに絞られている。当然ハンドルバーもCFD解析を繰り返した末に生まれた新形状を、3Dプリントで現実化した意欲作。これら意欲的な工夫を多数盛り込むことで、通常のBOLIDE Fに対して大幅なエアロダイナミクス向上が図られている。
フィリッポ・ガンナのアワーレコード挑戦のために作られたBOLIDE F HR 3Dだが、一般販売も行われる見通し。ピナレロ・ジャパンによれば現時点での日本国内での販売価格、取扱いカラーなどは未定という。
ガンナのアワーレコードはイネオス・グレナディアーズの公式YouTubeチャンネルでも配信される予定だ。
リンク:https://www.youtube.com/c/INEOSGrenadiers/videos
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