2022/10/06(木) - 16:38
ユンボ・ヴィスマが駆るエアロロード、新型S5のローンチに続き発表されたサーヴェロのSoloist。現行Sシリーズの礎となった名車の名前を冠する新型は、エアロオールラウンダーとして軽さ、空力性能、スピードを身につけた1台となった。注目の新型のインプレッションをお届けしよう。
ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)らの活躍によって注目されたサーヴェロの新型S5。エアロダイナミクスに一日の長を持つサーヴェロが開発するエアロロードかつ、ツール・ド・フランスで華々しく勝利を飾った新型が、世界中のサイクリストの目を奪っていったのは間違いない。
鮮烈なデビューを果たしたS5をアナウンスしてから、わずか1ヶ月半後、サーヴェロは新型バイクを矢継ぎ早に発表した。その新型に付けられた名称はSoloist。サーヴェロの現行Sシリーズの礎となり、エアロロードを語る上では忘れられない名車の名前だ。
サーヴェロとしても重要なエアロロードであるSoloistだが、新型ではエアロダイナミクスに振り切ったモデルとは立ち位置が異なる。ピュアなレーシングエアロ系はS5、軽量性を極めるのはR5に譲り、そしてモダンロードCaledoniaよりもレーシーな反応性を持つ、エアロオールラウンダーとして開発された。
一見するとフレームワークはCaledoniaに似ているが、細部ではよりエアロダイナミクスを強化した造形であり、エアロロードらしい雰囲気を纏っている。エアロロードとしてみた場合のSoloistは、S5のフレームセットよりも250g軽量に仕上げられていることがアドバンテージであり、R5比で12Wの空気抵抗削減を実現している。
一方で、ジオメトリー自体は、R5譲りのレーシング設計とされている。シルエットの似ているCaledoniaと比較すると、BBハイトが2mm高く、ヘッドチューブは1°起こされ、チェーンステーは5mm、ホイールベースは19mm、トレイルも1.5mm短縮されており、クイックでありながらも扱いやすいハンドリングを実現したこともポイントだ。
Soloistの美点は、ユーザー自らメンテナンスしやすいところにもある。エアロロードのS5は専用コックピットとヒンジフォークを採用していたが、SoloistではR5やAsperoなどと互換性のあるセミ内装システムを採用しており、汎用のハンドルやステムを装着することが可能。エアロロードは専用品が多くなる中で、カスタマイズの幅を持たせてくれるのは嬉しいスペックだろう。
BB規格も近年採用するブランドが増加しているスレッド式のT47のBBright仕様だ。Soloistの発表直前にデビューしたS5はプレスフィットBBを採用しており、Soloistはプロの専属メカニックがついていなくても扱いやすいユーザビリティに配慮していることが窺える。
ユーザビリティという面では、機械式コンポーネントにも対応しており、手持ちのバイクからのステップアップも考えやすい1台だろう。タイヤクリアランスは34mmとオールロードにふさわしい設定で、ワイドなタイヤを履かせることでちょっとした未舗装路にも対応してくれるだろう。
Soloistのラインアップは完成車6種とフレームセットの計7種類。価格等は以下のスペック欄をチェックしてもらいたい。今回テストを行ったのはULTEGRA DI2完成車のGold Dustカラーだ。サーヴェロが新たに用意したエアロオールラウンダーのキャラクターとは一体いかに。それでは、シクロワイアード編集部員にして、現役JCLライダーの高木によるインプレッションに移ろう。
―編集部インプレッション
サーヴェロがSoloistという名前を復活させると聞いて、ワクワクしたという方も多いのではないでしょうか。編集部の中でも「Soloistが復活!?本当に??」と興奮しているメンバーも何人かいましたから。といっても、私が自転車競技を自転車競技を始めた頃には既にSシリーズに置き換えられていて、新型バイクが登場した時にSシリーズの前身ということを初めて知りました。
夏に発表されたS5をテストした際に、痺れるような加速と群を抜いた巡航性に驚かされたこともあり、そのサーヴェロの手掛けるエアロオールラウンダーが一体どのような仕上がりなのか、ワクワクしながらテストに臨みました。
Soloistの第一印象はS5に通ずるDNAを持つバイク、というものでした。特にSシリーズらしさを感じたのは、フォークからコラム、ヘッドチューブに至るフロントエリアからボトムブラケットにかけての高い剛性感。とはいえS5のような、プロライダーほどのハイパワーを要求する硬さではありませんが、Soloistは十分レースユースできる剛性を確保しつつ、一般ライダーがしっかりと扱い切れるようなライドフィールに調整されています。
レースで使える硬さというのは、踏み込んだ時のパワーが素早く推進力に変換されている実感があるという意味ですね。低速からでも高速からでも、加速を試みた際にフレームのボトムブラケット周りがシャープに反応してくれます。ペースの上げ下げが激しいクリテリウム、起伏に富んだ山のレースでもある程度反応しやすいはず。
剛性の高さはコックピット周りにも現れていて、ハイスピードでのコーナリングも安心して攻められる硬さを残しています。S5でも同じようなエリアが硬く感じますが、Soloistの方が扱いやすく、エントリーレベルのロードバイクから乗り換えても違和感なく乗れるでしょう。専用ハンドルもノーマルハンドルも使えるヘッド設計が剛性面でも効いていると思いますね。
さらにS5と比較すると、スピードの伸びや維持についてはエアロダイナミクスに優れるS5に軍配が上がります。一方で、走りの軽さはSoloistの方が軽快に感じました。テストバイクの重量はペダルレスで7.7kgとそこまで超軽量というわけではないのですが、走らせると非常に軽快感がありますね。
S5はスピードが落ちないロードレースに適していて、スピードの増減が大きい場面ではSoloistが適していそうです。ただ、その軽さもR5ほどではないものの、エアロ性能はR5を上回る印象なので、やはりSoloistはエアロオールラウンダーというのが適してるでしょう。
一方、許容するタイヤ幅もわずか1mmの差という点で、オールロード……サーヴェロがモダンロードと呼ぶCaledoniaとも近いポジションにあるSoloistですが、実際に乗ってみれば2台のキャラクターは全く別物です。
Caledoniaはホイールベースが長く直進安定性に優れていて、低速での安定感が際立ちます。ポジションも作り分けられており、SoloistのスタックはCaledoniaよりも低く設計されているようで、乗ってみてもポジションの違いは明確に感じられます。
選び分けるとするならば、Soloistに向いているサイクリストはロードライドをメインにキビキビとハイペースで走りたい方。舗装路の割れ目も難なくこなしたり、ちょっとしたグラベルを突き進みたい時に速さを感じたい時に活躍してくれそうです。脚に自信のある方はSoloistがフィットすると思います。対してCaledoniaはロングライドを快適に、長く走りたい方に合っていそうです。
Soloistはカラーリングも最近のレースバイクとは異なる雰囲気なのも好印象です。特にGold Rushは細かなラメが入ったシャンパンゴールドで彩られていて、派手さの中にも落ち着いた印象がありますよね。遠目からでは分かりにくい部分もあるので、是非実物を目にしてもらいたいところです。シンプルなウェアと合わせるトータルコーディネートなども楽しめると思います。
S5、R5などピュアレーサーに次ぐモデルとしてレースで活躍できる高性能さと、Caledoniaのようなキャパシティの広さが魅力のSoloist。レースだけではなく、普段のサイクリングも速いスピード感で楽しみたい方にはフィットするバイクと感じました。
ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)らの活躍によって注目されたサーヴェロの新型S5。エアロダイナミクスに一日の長を持つサーヴェロが開発するエアロロードかつ、ツール・ド・フランスで華々しく勝利を飾った新型が、世界中のサイクリストの目を奪っていったのは間違いない。
鮮烈なデビューを果たしたS5をアナウンスしてから、わずか1ヶ月半後、サーヴェロは新型バイクを矢継ぎ早に発表した。その新型に付けられた名称はSoloist。サーヴェロの現行Sシリーズの礎となり、エアロロードを語る上では忘れられない名車の名前だ。
サーヴェロとしても重要なエアロロードであるSoloistだが、新型ではエアロダイナミクスに振り切ったモデルとは立ち位置が異なる。ピュアなレーシングエアロ系はS5、軽量性を極めるのはR5に譲り、そしてモダンロードCaledoniaよりもレーシーな反応性を持つ、エアロオールラウンダーとして開発された。
一見するとフレームワークはCaledoniaに似ているが、細部ではよりエアロダイナミクスを強化した造形であり、エアロロードらしい雰囲気を纏っている。エアロロードとしてみた場合のSoloistは、S5のフレームセットよりも250g軽量に仕上げられていることがアドバンテージであり、R5比で12Wの空気抵抗削減を実現している。
一方で、ジオメトリー自体は、R5譲りのレーシング設計とされている。シルエットの似ているCaledoniaと比較すると、BBハイトが2mm高く、ヘッドチューブは1°起こされ、チェーンステーは5mm、ホイールベースは19mm、トレイルも1.5mm短縮されており、クイックでありながらも扱いやすいハンドリングを実現したこともポイントだ。
Soloistの美点は、ユーザー自らメンテナンスしやすいところにもある。エアロロードのS5は専用コックピットとヒンジフォークを採用していたが、SoloistではR5やAsperoなどと互換性のあるセミ内装システムを採用しており、汎用のハンドルやステムを装着することが可能。エアロロードは専用品が多くなる中で、カスタマイズの幅を持たせてくれるのは嬉しいスペックだろう。
BB規格も近年採用するブランドが増加しているスレッド式のT47のBBright仕様だ。Soloistの発表直前にデビューしたS5はプレスフィットBBを採用しており、Soloistはプロの専属メカニックがついていなくても扱いやすいユーザビリティに配慮していることが窺える。
ユーザビリティという面では、機械式コンポーネントにも対応しており、手持ちのバイクからのステップアップも考えやすい1台だろう。タイヤクリアランスは34mmとオールロードにふさわしい設定で、ワイドなタイヤを履かせることでちょっとした未舗装路にも対応してくれるだろう。
Soloistのラインアップは完成車6種とフレームセットの計7種類。価格等は以下のスペック欄をチェックしてもらいたい。今回テストを行ったのはULTEGRA DI2完成車のGold Dustカラーだ。サーヴェロが新たに用意したエアロオールラウンダーのキャラクターとは一体いかに。それでは、シクロワイアード編集部員にして、現役JCLライダーの高木によるインプレッションに移ろう。
―編集部インプレッション
サーヴェロがSoloistという名前を復活させると聞いて、ワクワクしたという方も多いのではないでしょうか。編集部の中でも「Soloistが復活!?本当に??」と興奮しているメンバーも何人かいましたから。といっても、私が自転車競技を自転車競技を始めた頃には既にSシリーズに置き換えられていて、新型バイクが登場した時にSシリーズの前身ということを初めて知りました。
夏に発表されたS5をテストした際に、痺れるような加速と群を抜いた巡航性に驚かされたこともあり、そのサーヴェロの手掛けるエアロオールラウンダーが一体どのような仕上がりなのか、ワクワクしながらテストに臨みました。
Soloistの第一印象はS5に通ずるDNAを持つバイク、というものでした。特にSシリーズらしさを感じたのは、フォークからコラム、ヘッドチューブに至るフロントエリアからボトムブラケットにかけての高い剛性感。とはいえS5のような、プロライダーほどのハイパワーを要求する硬さではありませんが、Soloistは十分レースユースできる剛性を確保しつつ、一般ライダーがしっかりと扱い切れるようなライドフィールに調整されています。
レースで使える硬さというのは、踏み込んだ時のパワーが素早く推進力に変換されている実感があるという意味ですね。低速からでも高速からでも、加速を試みた際にフレームのボトムブラケット周りがシャープに反応してくれます。ペースの上げ下げが激しいクリテリウム、起伏に富んだ山のレースでもある程度反応しやすいはず。
剛性の高さはコックピット周りにも現れていて、ハイスピードでのコーナリングも安心して攻められる硬さを残しています。S5でも同じようなエリアが硬く感じますが、Soloistの方が扱いやすく、エントリーレベルのロードバイクから乗り換えても違和感なく乗れるでしょう。専用ハンドルもノーマルハンドルも使えるヘッド設計が剛性面でも効いていると思いますね。
さらにS5と比較すると、スピードの伸びや維持についてはエアロダイナミクスに優れるS5に軍配が上がります。一方で、走りの軽さはSoloistの方が軽快に感じました。テストバイクの重量はペダルレスで7.7kgとそこまで超軽量というわけではないのですが、走らせると非常に軽快感がありますね。
S5はスピードが落ちないロードレースに適していて、スピードの増減が大きい場面ではSoloistが適していそうです。ただ、その軽さもR5ほどではないものの、エアロ性能はR5を上回る印象なので、やはりSoloistはエアロオールラウンダーというのが適してるでしょう。
一方、許容するタイヤ幅もわずか1mmの差という点で、オールロード……サーヴェロがモダンロードと呼ぶCaledoniaとも近いポジションにあるSoloistですが、実際に乗ってみれば2台のキャラクターは全く別物です。
Caledoniaはホイールベースが長く直進安定性に優れていて、低速での安定感が際立ちます。ポジションも作り分けられており、SoloistのスタックはCaledoniaよりも低く設計されているようで、乗ってみてもポジションの違いは明確に感じられます。
選び分けるとするならば、Soloistに向いているサイクリストはロードライドをメインにキビキビとハイペースで走りたい方。舗装路の割れ目も難なくこなしたり、ちょっとしたグラベルを突き進みたい時に速さを感じたい時に活躍してくれそうです。脚に自信のある方はSoloistがフィットすると思います。対してCaledoniaはロングライドを快適に、長く走りたい方に合っていそうです。
Soloistはカラーリングも最近のレースバイクとは異なる雰囲気なのも好印象です。特にGold Rushは細かなラメが入ったシャンパンゴールドで彩られていて、派手さの中にも落ち着いた印象がありますよね。遠目からでは分かりにくい部分もあるので、是非実物を目にしてもらいたいところです。シンプルなウェアと合わせるトータルコーディネートなども楽しめると思います。
S5、R5などピュアレーサーに次ぐモデルとしてレースで活躍できる高性能さと、Caledoniaのようなキャパシティの広さが魅力のSoloist。レースだけではなく、普段のサイクリングも速いスピード感で楽しみたい方にはフィットするバイクと感じました。
サーヴェロ Soloistラインアップ
ラインアップ | カラー | 税込価格 |
---|---|---|
シマノ ULTEGRA DI2 R8170完成車 | Embers、Gold Dust | 1,188,000円 |
スラム Force eTap AXS完成車 | Embers、Gold Dust | 1,188,000円 |
シマノ 105 DI2 R7170完成車 | Embers、Gold Dust | 858,000円 |
スラム RIVAL eTap AXS完成車 | Embers、Gold Dust | 880,000円 |
シマノ ULTEGRA R8020完成車 | Embers、Gold Dust | 748,000円 |
シマノ 105 R7020完成車 | Alpenglow、Embers、Gold Dust | 594,000円 |
フレームセット | Alpenglow、Embers、Gold Dust | 484,000円 |
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