2022/09/04(日) - 23:00
鹿児島県で開催されたインカレ最終日は、錦江町と南大隅町にまたがるコースでロードレースが行われた。男子は終盤に抜け出した2名のスプリント勝負を制した仮屋和駿(日本大学)が優勝。女子は渡部春雅(明治大学)が独走逃げ切りで優勝した。男子総合は日本大学が連覇。女子は日本体育大学が逆転優勝した。
インカレ最終日のロードレースは、鹿児島県の大隅半島南部に位置する錦江(きんこう)町と南大隅町にまたがる公道に設定された1周24.2kmのコースが舞台。1周の高低差約200mの8割方を最初の4kmで登り、16km地点付近のコース最高点から、鹿児島湾に沿って走る国道269号へ一気にダウンヒルするダイナミックなコース設定だ。
このコースは2023年鹿児島国体のロードレースコースの一部となっており、トラック競技同様に国体リハーサル大会を兼ねての開催となった。
台風の接近により終日雨の予報が出ていたものの、午前8時30分のスタート時に大雨が降って以降は晴れ間が出る時間が長くなり、男子のレース後半にはコース全域で路面はほぼ乾くほどになった。
女子 終盤独走した渡部春雅が優勝
3周72.6kmで行われた女子のレースは18名が出走。1周目終了時点で半数以下の7名まで絞られる。メンバーは、渡部春雅(明治大学)、岩元杏奈、川口うらら(以上日本体育大学)、阿部花梨(順天堂大学)、大蔵こころ(早稲田大学)、太郎田水桜(法政大学)成海綾香(鹿屋体育大学)。
最終周回に入ると、「勝負は3周目と決めていた」という渡部が登りでペースアップして人数を絞っていく。そして海岸線に出る残り4km地点までに独走に持ち込み、そのままフィニッシュまで逃げ切った。
女子ロード優勝 渡部春雅コメント
「日体大の2人だけをマークして、アタックにしっかり遅れないように反応することを心がけた。最後は独走して良い勝ち方が出来たと思う。走れない時期が続いていたけれど、多くの人が支えてくれて、今日は絶対勝ちたいと思っていた。一昨日のオムニアムで負けてしまったので、尚更今日は勝ちたかった。
オムニアムは負けてしまったけれど、『見ていて面白かった』と言ってもらえたので、今後も積極的なレースができるようにしたい。次はシクロクロスシーズンに向けて少しずつ準備していきたい」
男子 U23全日本チャンピオンの仮屋和駿が優勝
男子のレースは6周145.2km。前半は逃げと吸収を繰り返しながらレースが進行していく。総合優勝を狙う中央大学が都度メンバーを送り込むものの、長く続く逃げにはならない状態が続く。
3周目に形成された6名の逃げ集団が4周目に吸収され、大集団のまま残り2周となる5周目に入ると、登り区間でU23全日本チャンピオンジャージを着る仮屋和駿(日本大学)がペースアップ。この動きで集団の人数が一気に削られていく。
コース半ばのアップダウン区間に入ると、林原聖真(明治大学)の飛び出しに谷彰太(日本大学)が反応して先行。留目夕陽(中央大学)、仮屋ら7名の追走集団が形成され、1分差で最終周回に入っていく。
残り15kmを前に、先行していた谷が遅れて林原が単独先行。追走集団との差は1分を維持していたが、コース後半に入ると差が一気に縮まる。そして残り10km付近で追走が林原を吸収。そのカウンターで仮屋がアタックし、白尾雄大(明治大学)が追従して2名が先行する。
残り3kmを過ぎ、長い直線では仮屋と白尾の後方に追走の姿が見える距離。しかしまとまった追走とはならず、距離は縮まらないまま。最後は2人のスプリント勝負となり、仮屋が白尾を下して優勝した。
男子ロード優勝 仮屋和駿コメント
「終盤までに中央大は1人になってしまったけれど日大は3人残していたので、谷が逃げたことで他の大学に脚を使わせるような良い展開になった。想定外だったのは谷がラスト1周で遅れてしまったこと。そこで行かないと集団を殺せないと思ったので、自分から集団にトドメを刺しに行った。明治大が人数を残していたのでエース級の選手と最後に抜け出すことは考えていて、それがうまくいった」
U23のチャンピオンジャージを着ているからには勝たねばならないという思いはあった。2回、3回と勝たないと強いことを証明出来ないし、(全日本が)まぐれ勝ちと思われたくないから、この勝ちはとても意味があると思う。でもまだアンダーでしか勝ててないし、エリートとレースをしていくにはやっとスタートラインに立っただけ。これからが勝負だと思う」
男子総合優勝は日本大学が連覇達成 女子は日本体育大学が逆転優勝
ロードレース終了をもって2022年インカレの全日程が終了した。男子は昨年に続き日本大学が優勝。初日に返還した優勝旗を再び持ち帰ることになった。トラック競技で同点首位だった中央大学が2位、朝日大学が3位となった。女子は日本大育大学が鹿屋体育大学を逆転して総合優勝を決めた。
日本学生自転車競技連盟は、男子ロードレースで発生した落車で重傷を負い、病院に搬送された法政大学1年の塩谷真一朗選手が亡くなられたことを公式サイトで発表した。
事故は4周目、6名ほどの逃げ集団を吸収した後の下りコーナーで発生。当時集団にいた選手によると、集団の先頭付近にいた選手が落車し、後続の選手がそれにつっこむ形で多重落車になったと言う。塩谷選手はドクターヘリで病院に搬送されたが、9月4日深夜に亡くなられた。
塩谷選手のご冥福をお祈りします。
(2022.9.5 追記)
インカレ最終日のロードレースは、鹿児島県の大隅半島南部に位置する錦江(きんこう)町と南大隅町にまたがる公道に設定された1周24.2kmのコースが舞台。1周の高低差約200mの8割方を最初の4kmで登り、16km地点付近のコース最高点から、鹿児島湾に沿って走る国道269号へ一気にダウンヒルするダイナミックなコース設定だ。
このコースは2023年鹿児島国体のロードレースコースの一部となっており、トラック競技同様に国体リハーサル大会を兼ねての開催となった。
台風の接近により終日雨の予報が出ていたものの、午前8時30分のスタート時に大雨が降って以降は晴れ間が出る時間が長くなり、男子のレース後半にはコース全域で路面はほぼ乾くほどになった。
女子 終盤独走した渡部春雅が優勝
3周72.6kmで行われた女子のレースは18名が出走。1周目終了時点で半数以下の7名まで絞られる。メンバーは、渡部春雅(明治大学)、岩元杏奈、川口うらら(以上日本体育大学)、阿部花梨(順天堂大学)、大蔵こころ(早稲田大学)、太郎田水桜(法政大学)成海綾香(鹿屋体育大学)。
最終周回に入ると、「勝負は3周目と決めていた」という渡部が登りでペースアップして人数を絞っていく。そして海岸線に出る残り4km地点までに独走に持ち込み、そのままフィニッシュまで逃げ切った。
女子ロード優勝 渡部春雅コメント
「日体大の2人だけをマークして、アタックにしっかり遅れないように反応することを心がけた。最後は独走して良い勝ち方が出来たと思う。走れない時期が続いていたけれど、多くの人が支えてくれて、今日は絶対勝ちたいと思っていた。一昨日のオムニアムで負けてしまったので、尚更今日は勝ちたかった。
オムニアムは負けてしまったけれど、『見ていて面白かった』と言ってもらえたので、今後も積極的なレースができるようにしたい。次はシクロクロスシーズンに向けて少しずつ準備していきたい」
男子 U23全日本チャンピオンの仮屋和駿が優勝
男子のレースは6周145.2km。前半は逃げと吸収を繰り返しながらレースが進行していく。総合優勝を狙う中央大学が都度メンバーを送り込むものの、長く続く逃げにはならない状態が続く。
3周目に形成された6名の逃げ集団が4周目に吸収され、大集団のまま残り2周となる5周目に入ると、登り区間でU23全日本チャンピオンジャージを着る仮屋和駿(日本大学)がペースアップ。この動きで集団の人数が一気に削られていく。
コース半ばのアップダウン区間に入ると、林原聖真(明治大学)の飛び出しに谷彰太(日本大学)が反応して先行。留目夕陽(中央大学)、仮屋ら7名の追走集団が形成され、1分差で最終周回に入っていく。
残り15kmを前に、先行していた谷が遅れて林原が単独先行。追走集団との差は1分を維持していたが、コース後半に入ると差が一気に縮まる。そして残り10km付近で追走が林原を吸収。そのカウンターで仮屋がアタックし、白尾雄大(明治大学)が追従して2名が先行する。
残り3kmを過ぎ、長い直線では仮屋と白尾の後方に追走の姿が見える距離。しかしまとまった追走とはならず、距離は縮まらないまま。最後は2人のスプリント勝負となり、仮屋が白尾を下して優勝した。
男子ロード優勝 仮屋和駿コメント
「終盤までに中央大は1人になってしまったけれど日大は3人残していたので、谷が逃げたことで他の大学に脚を使わせるような良い展開になった。想定外だったのは谷がラスト1周で遅れてしまったこと。そこで行かないと集団を殺せないと思ったので、自分から集団にトドメを刺しに行った。明治大が人数を残していたのでエース級の選手と最後に抜け出すことは考えていて、それがうまくいった」
U23のチャンピオンジャージを着ているからには勝たねばならないという思いはあった。2回、3回と勝たないと強いことを証明出来ないし、(全日本が)まぐれ勝ちと思われたくないから、この勝ちはとても意味があると思う。でもまだアンダーでしか勝ててないし、エリートとレースをしていくにはやっとスタートラインに立っただけ。これからが勝負だと思う」
男子総合優勝は日本大学が連覇達成 女子は日本体育大学が逆転優勝
ロードレース終了をもって2022年インカレの全日程が終了した。男子は昨年に続き日本大学が優勝。初日に返還した優勝旗を再び持ち帰ることになった。トラック競技で同点首位だった中央大学が2位、朝日大学が3位となった。女子は日本大育大学が鹿屋体育大学を逆転して総合優勝を決めた。
日本学生自転車競技連盟は、男子ロードレースで発生した落車で重傷を負い、病院に搬送された法政大学1年の塩谷真一朗選手が亡くなられたことを公式サイトで発表した。
事故は4周目、6名ほどの逃げ集団を吸収した後の下りコーナーで発生。当時集団にいた選手によると、集団の先頭付近にいた選手が落車し、後続の選手がそれにつっこむ形で多重落車になったと言う。塩谷選手はドクターヘリで病院に搬送されたが、9月4日深夜に亡くなられた。
塩谷選手のご冥福をお祈りします。
(2022.9.5 追記)
男子ロードレース 結果(145.2km)
1位 | 仮屋和駿(日本大学) | 3時間49分48秒 |
2位 | 白尾雄大(明治大学) | +1秒 |
3位 | 山本大智(朝日大学) | +23秒 |
4位 | 篠﨑蒼平(東京大学) | |
5位 | 大仲凜功(早稲田大学) | |
6位 | 村上裕二郎(明治大学) |
女子ロードレース 結果(72.6km)
1位 | 渡部春雅(明治大学) | 2時間12分41秒 |
2位 | 岩元杏奈(日本体育大学) | +35秒 |
3位 | 川口うらら(日本体育大学) | +1分25秒 |
4位 | 阿部花梨(順天堂大学) | +1分39秒 |
5位 | 大蔵こころ(早稲田大学) | +4分22秒 |
6位 | 太郎田水桜(法政大学) | +4分24秒 |
7位 | 成海綾香(鹿屋体育大学) | +6分28秒 |
2022年インカレ総合成績
男子 | 女子 | |||
1位 | 日本大学 | 93p | 日本体育大学 | 48p |
2位 | 中央大学 | 81p | 鹿屋体育大学 | 41p |
3位 | 朝日大学 | 67p | 法政大学 | 22p |
4位 | 鹿屋体育大学 | 60p | 明治大学 | 21p |
5位 | 京都産業大学 | 46p | 早稲田大学 | 17p |
6位 | 明治大学 | 40p | 順天堂大学 | 15p |
text&photo:Satoru Kato
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